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ギターによる音楽表現の要・シンコペーションを極める!

ギターの上達に欠かせないシンコペーションのテクニックについて解説をします。シンコペーションとは何か、どのような効果があるのか、練習方法、シンコペーションが使われている曲のご紹介などをご紹介しています。ギター問わず必要な音楽表現の1つなので参考にしてください。
ギターによる音楽表現の要・シンコペーションを極める!

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そのシンプルな構造ゆえに、音楽初心者にも扱いやすい弦楽器として知られているギター。

バンドアンサンブルからソロまで、幅広い楽しみ方ができる楽器でもあります。

そんなギターによる音楽表現の要といえるのが、リズム崩しの基本である「シンコペーション」です。

これはギターのみならず、あらゆる楽器において意識しなければならない演奏テクニックの一種。

リズムの強拍・弱拍を意識した演奏ができるかどうかで、ギターの腕前が決まるといっても過言ではありません。

今回は、これからギターをはじめる方に知っていただきたいシンコペーションの基礎知識や、身につけるための練習方法についてご紹介します。

ギターという弦楽器の表現力をもっと突き詰めたい、極めたいという方はぜひ参考にしてみてください!

シンコペーションの定義とは?

まずはシンコペーションというテクニックの定義についてご紹介したいと思います。

基本的な音楽用語の1つですので、しっかりと頭に入れておきましょう。

演奏に“変化”を与えるシンコペーション

シンコペーションとは、拍節の強拍と弱拍のパターンを変化させることによって、同じフレーズであっても異なる印象を与える演奏テクニックです。

具体的には、弱拍の音符を次小節の強拍とタイによって結びつけたり、弱拍の部分にアクセントを置くといったもの。

なお、ロックやポップスにおいては、拍の後半と、次の拍を1つの音として繋げるリズムのことをシンコペーションと呼ぶケースがあります。

そんなシンコペーションを活用することで、リズムバリエーションに広がりを持たせることが可能です。

ギターの場合、ストロークによるバッキングはもちろんのこと、リードにおいても変速リズムのような効果を演出できるため、シンコペーションが用いられます。

8ビートにおけるシンコペーションとは

ロックやポップスにおいて、もっとも使われることの多いリズムが8ビートです。これは、1小節内に8分音符が8個入る定番のリズムパターン。奇数位置の音を表、偶数位置を裏として、アクセント(強弱)をつけます。

そんな8ビートにおけるシンコペーションですが、頻繁に用いられる定番パターンが存在します。

もっとも多いのは、本来表につけるアクセントを裏に入れ替えたもの。いわゆる「裏打ち」のリズムです。

これもシンコペーションの1つで、同じ8ビートであっても、与える印象が大きく変わります。ジャズやヒップホップなどのジャンルで頻繁に用いられます。

次によく使われるパターンが、小節内の4つ目の音を伸ばし、次の音を省略するというもの。ミディアムテンポのロックで用いられることが多く、よりグルーブ感を演出することができます。

このほか、表の音を休止またはブラッシングに置き換え、さらに裏を強調するといったパターンもよく使われます。

同じ8ビートであっても、シンコペーションを活用することによって、多彩な表現が可能となるのです。

シンコペーションによって得られる効果

シンコペーションを演奏に取り入れるだけで、よく使われる8ビートや16ビートといったリズムにバリエーションを持たせることができます。

改めて、リズムバリエーションが増えることのメリットについてお話しましょう。

例えば、カッティングを用いたバッキングの場合、リズムをそのまま弾くだけでは、どうしても単調になりがち。

コードチェンジによって音程こそ変化しますが、リズムがそのままでは楽曲の起伏をうまく表現できないものです。

特に、シンプルなロックンロールは顕著。平坦かつ単調な、曲の個性がハッキリしない演奏となってしまいます。

一方、シンコペーションによってリズムパターンに変化を加えれば、曲にメリハリを付けることが可能です。

現代音楽において、リズムパターンは楽曲に個性を与える重要な要素となっていますから、シンコペーションを意識した演奏は必須となります。

シンコペーションは感情を揺さぶるテクニック?

現代音楽において、当たり前のように使われているシンコペーション。

その効果は、アーティストによってさまざまな見解があるので一例をご紹介しましょう。

例えば、椎名林檎などのプロデューサー・サポートベーシストとして知られる亀田誠治氏は、シンコペーションについて、「ウキウキとかワクワクといった気持ちにさせる効果がある」と説明しています。

事実、シンコペーションはリズムの「跳ね」を表現する役割を持っていますので、聴く人の感情を揺さぶる効果があるのは間違いありません。

「音楽は人の感情を動かし、感動させるもの……」と考えるのであれば、シンコペーションは音楽表現の主要な部分を握っている重要テクニックの一種といえます。

シンコペーションを身につけるためのエクササイズ

シンコペーションは一見簡単なようで実に奥が深く、難易度の高いテクニックです。

ここでは、シンコペーションを意識しながら、演奏に取り入れるためのエクササイズをいくつかご紹介したいと思います。

まずは基本的なリズムを意識することから

シンコペーションは、小節内のどれかの音を抜いたり、伸ばしたり、アクセントをつける演奏テクニックです。

だからこそ、8ビートを構成する8個の8分音符の存在を意識しなければ、うまくリズムをとることができません。

まずは本格的なエクササイズに入る前に、メトロノームやリズムマシーンに合わせて8ビートを刻み、そのリズムを身体に覚えさせることから始めましょう。

もちろん、16ビートなどほかのリズムも同様です。

リズムを耳だけでなく身体で覚え、一つひとつの音を意識することができれば、アクセントの位置を動かす・休止する・伸ばすといった基本パターンが理解できるはず。

結果として、同じリズムパターンでも、表現の幅を一気に広げることができます。

アクセント・休符を自在に動かすエクササイズ

シンコペーションを身につけるメリットとして、リズム内でアクセントや休符を自在に操れるという点が挙げられます。

次はメトロノームに合わせ、さまざまな位置の音符にアクセントを入れるエクササイズをやってみましょう。

ある程度慣れてきたら、休符を組み合わせたパターンにも挑戦。

8ビートの場合は8分音符、16ビートなら16分音符を意識し、しっかりとリズムキープしながら、さまざまなバリエーションのシンコペーションに取り組んでみてください。

実際にやってみると、慣れるまで案外難しいエクササイズです毎日少しずつでもいいので取り組み、シンコペーションをモノにするまで続けてみましょう。

異なるパターンのシンコペーションを連続して弾いてみよう

現代音楽では、1つの楽曲でいくつものシンコペーションを用いているケースが少なくありません。

そこで、異なるパターンのシンコペーションを“連続して弾く”エクササイズにも挑戦してみましょう。

ポイントは、シンコペーションの細かい部分ではなく、連続するリズムを常に意識して弾くこと。

複雑なパターンのシンコペーションになると、パターンそのものに引っ張られてしまい、リズムが乱れがちだからです。

どのようなパターンであっても、一定のリズムを頭の中で刻み続けるようにしてください。

リードパートのシンコペーションにも挑戦

シンコペーションはコードストロークだけでなく、リードにも活用することができます。

さまざまなパターンでストロークとリード、両方を弾けるようになれば、シンコペーションを習得したといっても過言ではありません。

そもそも、同じリズムパターンであっても、コードストロークと単音では感覚が異なります。

一方で、基本リズムをしっかりと押さえていれば、ストロークとリードの弾き分けは決して難しくないのです。

それぞれの演奏パターンにおけるシンコペーションを身につけることができれば、演奏表現の幅をさらに広げることができるでしょう。

メトロノームとリズムマシーンなら、どちらがいいの?

シンコペーションのエクササイズには、正確なリズムのガイドとなるアイテムが欠かせません。

定番はやはりメトロノームですが、リズムマシーンでも代用できるので、どちらにするか悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 

基本的にはどちらでもOKで、最近は安価な電子メトロノームも増えていますから、1,000円程度の予算があれば導入できます。

一方、アクセントや休符を加えたパターンのガイドが欲しいなら、高性能リズムマシーンの導入を検討すべき。

より効果的なエクササイズが期待できるはずです。なお、スマホアプリのメトロノームやリズムマシーンもリリースされていますので、もっと気軽に使ってみたいという方は、無料のものをダウンロードしてみてください。

シンコペーションを効果的に活用した名曲をチェック

最後になりますが、シンコペーションを効果的に活用したロックやポップスの名曲をいくつかご紹介します。

エリック・クラプトン「クロスロード」

▲Eric Clapton performs "Crossroads" Live!

ギターの神様と称されるエリック・クラプトンも、あらゆる曲でシンコペーションを活かした名演を聞かせてくれます。

中でも有名なのが、クリーム時代から現在でも演奏され続けている「クロスロード」。

イントロから登場する有名なリフは、8ビートを基本としたシンコペーションがとても印象的です。

グリーンデイ「バスケットケース」

▲Green Day – Basket Case [Official Music Video]

小節の最後の音と、次小節の頭を重ねるシンコペーションには、疾走感を演出する効果があります。

このシンコペーションをうまく活用しているのが、グリーンデイの代表曲である「バスケットケース」です。

ギター、ベースともにこのパターンのシンコペーションを多用することで、テンポ以上のスピード感を感じさせてくれます。

シンコペーションによって広がる音楽の可能性

同じ8ビート・16ビートであっても、シンコペーションをうまく取り入れることによって、与えられる印象は大きく変わるもの。

シンコペーションは現代音楽において、欠かすことのできないテクニックとなっているのです。

あなたも今回ご紹介したエクササイズを取り入れ、音楽表現の幅をさらに広げるシンコペーションをマスターしてみませんか?

また、こちらの記事では都内にあるおすすめのギター教室を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター

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