更新
革用ミシンで趣味のレザークラフトも本格的な仕上がりになる
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
革を使って身の回りのアイテムを作るレザークラフトは、手作りの趣味でも人気のジャンルです。
しかし、革は厚手で穴をあけてから縫う手間があるため、バッグやベルトなど直線で長い距離を縫うのは大変な作業です。そこで重宝するのが、革用ミシンです。
今回は、革用ミシンを使った作品例や、おすすめのミシンをご紹介します。
目次
レザークラフトこんなものも作れる!革の作品例
革用ミシンを使った作品例をご紹介します。レザークラフト教室など、本格的な革用ミシンが使える場所での作品も魅力的ですね。
ポーチ・バッグ
革用ミシンは、ポーチやバッグなど、直線で縫う距離が長い作品に適しています。特に、マチやファスナー付けなど、しっかりと丈夫に仕上げたい箇所には、革用ミシンの強度と仕上がりの美しさが必要です。
写真のように、ポケットをたくさん付けてオリジナリティー溢れる作品づくりにも、革用ミシンによって作業のスピードアップが期待できます。
また、革は貴重な素材ですので、すこしの余り革もムダにしたくありませんよね。
パッチワークのように、革をつぎはぎするとオリジナル性が強調されます。縫う場所や長さが多い作品には、革用ミシンがベストな道具といえます。
革小物
今までは手縫いで革小物を作っていた方も、仕上がりや針目の美しさから、小物にも革用ミシンを選ぶ人が増えています。革の扱いに慣れないうちは、小さなアイテムほど作るのが難しいものです。
また、革小物を手縫いするときには、針の通る穴を開けてから縫うという手間がありました。革用ミシンは、ダイレクトに針を刺し、普通の布のように縫えるので、手間が省けるのが大きなメリットです。
丈夫さと同様、見た目の美しさが際だつ革小物にも、直線の箇所や模様入れとして、革用ミシンは大いに活用できます。
本記事では革用ミシンの作品例をご紹介しましたが、こちらの記事では刺繍ミシンの作品例をまとめています。
大人気のディズニーキャラクターの刺繍例等をご紹介しているので、お子さんの小物作りにも役立つと思います。
刺繍ミシンに少しでも興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
革用ミシンを選ぶポイントと縫う際の注意点
革用ミシンを選ぶ際には、家庭用ミシンとは別の視点で選ぶ必要があります。家庭用ミシンでは気にせずに済むポイントですが、革用ミシンでは重要な項目です。
ミシンの送りは上下送り(総合送り)か?
革は縫う素材としてはかなり厚手の素材です。薄手とされている革でも、布と比べればはるかに厚く頑強な作りです。そのため、革用ミシンでは送りが上下についています。
家庭用ミシンでは送りは下にしかなくても、布は前に押し出せますが、革の場合は、上下で送らないと革が前に進まず、縫い進められません。
この上下送りは『総合送り』とも呼ばれ、革専用の業務用ミシンでも、この送りが重要視されています。また、家庭用ミシンを革用ミシンとして使う場合も『レザー押さえ』に変えて縫う必要があります。
レザー用太い針と糸が使えるか?
革用のミシン糸は、太く丈夫なものが適しています。革用ミシンで使える『ミシン針』も太さがある程度決まっています。
革用ミシンに使える糸は、20~30番手のポリエステル製が適しています。ブラウン系を中心にカラーも豊富にあるので、革の色に合わせてミシン糸を選びましょう。
革用ミシンはパワーが強く、針と革の相性によっては、ミシン針が折れてしまう場合があります。コレを防ぐため、革の厚みによってミシン針も取り替える必要があります。
ミシン針は数字が小さいほど細く、大きいほど太くなります。革用のミシン針は11号、14号、16号あたりがベストです。
また、パワーの強い革用ミシンに適した針として、チタン製のミシン針があります。針折れはケガの原因にもなるので、丈夫な革用ミシン針を選ぶようにしましょう。
革用ミシンで縫える革の種類とは
手芸店やホームセンターのクラフトコーナーで見かける革は牛革が主流となっています。
生産量もさることながら、なめしや染色など加工しやすい素材という点も牛革の特徴です。他の革にもそれぞれ特徴や、加工しやすいメリットがあります。
牛革
手芸店やホームセンターのクラフトコーナーで見かける革は牛革が主流となっています。生産量もさることながら、なめしや染色など加工しやすい素材という点も牛革の特徴です。他の革にもそれぞれ特徴や、加工しやすいメリットがあります。
カーフ
生後6ヶ月以内の仔牛の革/表面がきめ細やかで傷がほとんどなく、手触りの柔らかい最高級の革。
キップ
生後6ヶ月~2年の牛/カーフよりも滑らかさはないものの、強度のある高級革。
ステアハイド
生後3ヶ月~6ヶ月に去勢され、2年以上経った牡牛/表面はなめらかできめ細やか。牛革のなかで最も強度・厚みがあり、流通量も多い。
カウハイド
生後2年以上で出産したことのある牝牛/面積の大きな革が取れる種類です。表面もなめらかで、キップよりも厚みと強度があるのが特徴です。バッグなど面積の大きな革製品を作るのに向いています。
豚革(ピッグスキン)
豚の革は、世界中でも日本のみが生産しており、海外へ輸出することの多い革です。
牛革ほど高級感はありませんが、カジュアルなアイテムを作るのに適しています。豚革の特徴は、3点の三角に配置された毛穴がみられることです。
なお、イスラム教の方々は豚を神聖なものとしているため、豚革の製品を手にするのをタブーとしています。革小物や革製品をプレゼントする場合は、注意が必要です。
馬革
牛革よりも厚みや強度はありませんが、その分、柔らかく加工がしやすいことから、古代から衣料品などに多く使用されてきた革です。
馬革の中でも『コードバン』(重量馬のお尻部分の革)は、硬く光沢があるため高級素材として使用されます。
レザークラフト初心者であれば、面積が大きいアソートタイプの革を使ってみるのも良いでしょう。手に馴染みやすく、作業がしやすい革の種類を見つけてみてください。
革専用ミシン|おすすめ3機種
革用ミシンも専用のものが欲しい!というのは、レザークラフトを趣味にする方にはこだわりたいところです。革専用ミシンの特徴を把握し、納得のいくミシンを選びましょう。
クラフト社|ホームレザー110
クラフト社は革用ミシンだけでなく、革用の縫い糸、ミシン糸を扱うメーカーです。
『ホームレザー110』は、タンニンなめしの牛革で厚さ4.5mmまで縫えるパワフルな革用ミシンです。糸調子オート機能付きなので、レザークラフト初心者にも使える革用ミシンといえます。
また、ジグザグなどの様々なステッチパターンを使えば、革に装飾を縫うことも可能です。革用ミシンでありながら、家庭用ミシンのような使いやすさが特徴です。
ジャノメ|レザークラフト対応 パワフル 電動ミシン LC7500
家庭用ミシンでお馴染みのジャノメにも、レザークラフト対応型のミシンがあります。直線縫いに特化し、パワーがあるのが特徴です。
実際に革を縫っている動画がありますが、家庭用というよりも、革用ミシンとして認識されている機種です。
電動ミシンなので、パワーはあるものの、糸調子や送りなどを自分で調節する必要があります。革のハギレやデニムなどで、試し縫いをしてミシンの癖を知っておくと良いでしょう。
バードランド|レザークラフターLC-PS
バードランドは革用ミシンの専門メーカーとして、長い歴史のあるメーカーです。オール金属製のミシンで、古い型番のものでも、メンテナンスをすれば動く、機械らしいミシンといえます。
実際に、革用ミシンの動かし方を見てみましょう。
上送りが大きめで、とてもパワフルな動きです。さらに、一気に縫っても縫い目が揃っているのは、まさに革専用ミシンといったところです。
バードランド革用ミシン取り扱い店『わくわくミシン工房』革用ミシンとして使える家庭用ミシン|おすすめ2機種
家庭用ミシンのなかでも、革用ミシンとして使えるタイプがあります。
革用として家庭用ミシンを選ぶ際には、フットコントローラ付きで重量のあるタイプがおすすめです。さらに送り歯が多ければベストです。
シンガー(SINGER)|コンピューターミシン・モナミヌウアルファ SC317
シンガーのモナミヌウアルファは、家庭用ミシンとしてシリーズが展開されており、長年の愛好者がいるモデルです。コンピューターミシンですが、ボタン操作が少なくシンプルな操作性が特徴です。
下送り歯が7枚と、しっかりとした布送りが革用に使えるポイントです。重さは11kgありますが、安定した動作を考えると革用ミシンとして適した重さといえます。
ジューキ(JUKI)|コンピューターミシン HZL-VS200G
ジューキのHZL-BS200シリーズは、職業用や革用としてハンドメイド作家さんの間でも人気のミシンです。
初心者でも「自動糸切り機能」と「下糸クイックセット機能」があるので安心です。大きな液晶画面で数値が見やすいのも特徴です。
ただし、フットコントローラは別売りになりますので、革用ミシンとして使う場合は本体と合わせて購入したほうがよいでしょう。
全体が金属性のミシンなら安心
革用ミシンは全て金属製であることが重要です。耐久性の面でも、金属とプラスチックでは大きく異なります。
全て金属のミシンはかなりの重さがありますが、モーターのパワーをしっかりと伝えられるのは、金属製ミシンの大きなメリットです。また、ある程度の重さのあるミシンの方が、安定して縫えるので安心です。
動画のような中古品でも、全て金属製であればメンテナンスしながら長く使えます。
アンティークミシンを革用ミシンとして使う場合の注意点
革用ミシンの基本は、モーターの力を針に伝えることだけです。
昔は足踏み式で内部のベルトを回していましたが、その動力がモーターになったのが現代のミシンです。アンティークミシンを革用ミシンとして再利用できるのは、構造がシンプルだからこそです。
しかし、ミシンとはいえ機械ですので、油を差したり、釜の緩みをドライバーで調整したり、メンテナンスが必要になります。
アンティークミシンや、中古の工業用ミシンを自分でメンテナンスできれば、いつでも快適にレザークラフトが楽しめるようになります。
革用ミシンはレンタルがおすすめ
革用ミシンを使ってみたいと思っている方には、kikitoやゲオあれこれレンタルなどのレンタルサービスを利用することをおすすめします。
ミシン初心者の方はもちろん、気になる商品を一度試してから購入したい方にとっても便利なサービスなので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ビギナーズでは、ミシンがレンタルできるおすすめサービスを徹底比較して紹介しているので、参考にしてください。
まとめ
革小物やレザークラフトをスピーディーに作るには、革用ミシンは欠かせない道具です。
手縫いにはない縫い目の美しさも、革用ミシンならではですね。
レザークラフト初心者であれば、革専用のミシンを購入するには戸惑いがあるかもしれません。
パワー、布送り、金属製、重さの条件が整えば、家庭用ミシンを転用したり、中古ミシンでレザークラフトを楽しむのもおすすめの方法です。
作った革製品を手作り品専門アプリや、フリマアプリで販売する方も増えています。やはりしっかりした革の作品づくりには、革用ミシンは欠かせない道具と言えます。
藤加祐子 /
ビギナーズ編集部 ライター
仙台市出身在住。フリーライター・写真家・タティングレース作家。古書店巡りとフルート演奏が趣味。仙台フィルの演奏を聴くのが自分へのご褒美です。