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作曲の第一歩!ダイアトニックコードとコード進行の考え方

音楽初心者にもわかりやすい音楽理論の”ダイアトニックコード”についてご紹介します。ダイアトニックコードをマスターすることで楽曲の仕組みを理解できたり、作曲にもチャレンジができます。音楽理論に触れてみて、今までよりも深く音楽を楽しんでみませんか?
作曲の第一歩!ダイアトニックコードとコード進行の考え方

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音楽理論という言葉に対して、「なんとなく小難しそう……」と思っている方も多いのでは? 

音楽理論は作曲に欠かせないキー(調性)・スケール(音階)・音程・コード(和音)といった各要素を一括りにした学問の一種。普段何気なく聴いている名曲と呼ばれる一曲にも、当然ながら音楽理論が用いられています。

とはいえ、楽譜をみながら楽器を演奏するだけであれば、音楽理論など必要ないと思われがちです。実際のところ、細かい理論を把握していなくても、十分に音楽を楽しむことができます。

それではなぜ、プロの作曲家・演奏家は音楽理論を完璧にマスターしているのでしょうか。今回は、音楽初心者にも取っつきやすい理論のひとつであり、ポピュラーミュージックの多くに用いられているダイアトニックコードについてご紹介。

ダイアトニックコードをマスターすると、より高度な楽曲を作れたり、楽器演奏で有利になることがあるのです。

ダイアトニックコードとは?

それでは、ダイアトニックコードとはどういったものなのかを解説していきましょう。それを理解するためのカギとなるのが、楽曲の土台であるコード(和音)です。まずはコードの基礎知識を学ぶことからはじめていきます。

音楽においてコードがもたらす効果とは?

ロックやポップス、ジャズといったポピュラーミュージックの殆どに用いられている「コード」。

コードとは、簡単にいうと“2つ以上の音が重なった「和音」”のことです。中でもポピュラーミュージックにおいては、トライアドと呼ばれる3和音や、そこにもうひとつの音を加えた4和音が頻繁に用いられるのです。

例えば、基本となるCコードは「ド・ミ・ソ」といった3つの音で構成されています。また、CコードにBbの音を加えたものがC7コードであり、ブルースやジャズなどで用いられる複雑な響きの和音です。

もちろん、4つ以上の音を重ねるコードもありますが、ポピュラーミュージックに用いられるのは大抵3和音、4和音までとなりますので、最初の内は覚える必要がありません。

そして、複数の音を重ねることで、さまざまな効果が得られます。まず第一に、厚みをプラスできるという効果。音程の異なる音が同時に鳴ると、単音にはない音の厚みが得られるのです。

▲コードの種類 「どんなひびきこんな響き」C~B music code

また、音の響きに意図的な「印象」や「イメージ」を与えることも可能。重ねる音の組み合わせによって、心地よさや安心感、不安感などが付加されます。

つまり、音楽においてさまざまな「感情」を表現する上で、大きな役割を担っているのがコードということです。

実際に各コードがどのような響き方をするのか、上記の動画が参考になるのでぜひご覧ください。

コード進行とは?

ダイアトニックコードを理解するためには、コード単体としてのみでなく、その進行についても考える必要があります。そこで、ロックやポップスなどの世界で耳にする「コード進行」についてお話しましょう。

コード進行とは、曲やフレーズにおけるコードの進行・展開のことを指します。多くの音楽はいくつかのコードの組み合わせによって構成され、Aメロ・Bメロ・サビのように展開されていくのです。

そんなコードをうまく進行させるためには、それぞれの音が持つ「機能」を理解する必要があります。コードを構成するそれぞれの単音には「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」といった機能がありますので、まずはそれを覚えることからはじめましょう。

各機能の役割は以下の通り。

トニック

主和音と呼ばれるもので、曲のキーとなる主音をルートとするコードです。もっとも安定感の強いコードで、楽曲・フレーズの頭や最後に置くのが基本となります。

ドミナント

トニックの5度上に位置し、不安定感の強いコード。曲やフレーズの最後のコードになるトニックへと導く性質を持っており、コードを進行する上で、とても重要な役割を持っています。

サブドミナント

トニックの4度上に位置する下属和音がサブドミナント。やや不安定な音ですが、ドミナントほどの不安定さはありません。曲の広がりを演出する「展開感」が得られます。


ダイアトニックコードをマスターする上でも、上記3種類のコードは必ず覚えておきましょう。

それぞれのコードが持つ機能さえ理解できれば、コードの並べ方が自然とわかるようになります。

もちろん「こうしなければならない」という決まりはありませんが、もっとも一般的な進行は、“トニック(安定)→サブドミナント(やや不安定)→ドミナント(不安定)→トニック(安定)”というもの。

安定した響きのトニックからはじまり、もう一度トニックに向けてやや不安定・不安定なコード並べていきます。このほか、サブドミナントやドミナントをルートにする進行パターンもありますので、順序を入れ替えながら、お気に入りのパターンを探してみましょう。

ダイアトニックコードとは?

ダイアトニックコードとは、メジャースケールをはじめとした7音で構成されつつ、“ダイアトニックスケール上の音だけで成り立つ7通りのコード”のことです。

いうなれば、同じスケール上の音のみで構成された「相性のいいコードのグループ」がダイアトニックコードとなります。

具体例をあげると、Cメジャースケールを構成するのは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7つの音。

この音で構成されるダイアトニックコードは、上述したド・ミ・ソで構成される「Cコード」をはじめ、レ・ファ・ラで構成される「Dm」、ミ・ソ・シの「Em」、ファ・ラ・ドの「F」、ソ・シ・レの「G」、ラ・ド・ミの「Am」、シ・レ・ファの「Bm」。

この7つのコードが、Cメジャースケールにおけるダイアトニックコードとなります。

もちろん、ダイアトニックコードはこれだけではありません。上記の7つのコードはすべて3つの音のみで構成されるトライアド。

そこにもう1つの音を加えたテンションコードと呼ばれる4和音も、構成されている音がダイアトニックスケール上のものであれば、基本的にダイアトニックコードとなります。

ダイアトニックコードによる進行の考え方

それでは、ダイアトニックコードにおけるコード進行を考えていきます。キーをCとしつつ、トライアドのダイアトニックコードを、一般的なコード進行に当てはめていきましょう。

キーがCである場合、トニックとなるのはC、サブドミナントはF、ドミナントはGです。これを上述した「ドニック→サブドミナント→ドミナント→トニック」の進行に当てはめると、「C→F→G→C」という形で展開できます。

ためしに、ギターなどでこのコードを順番に弾いてみてください。ひとつの楽曲のような、スムーズな進行に聴こえたのではありませんか?

ダイアトニックコードはすべてスケール上の音のみで構成されていますから、セオリー通りの進行に当てはめれば、「曲の骨組み」をいとも簡単に作ることが可能。これはキーを変更しても同様です。

また、同じくダイアトニックコードのひとつであるEmやAmを、トニック(C)の代理コードとして使用することで、コード進行にバリエーションを持たせることもできます。

トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック、の進行をしっかりと覚えたら、一部に代理コードを取り入れ、同じ形式でありながら響きがやや異なる進行にも挑戦してみてください。

ダイアトニックコードにおける進行は、工夫次第でいくらでもバリエーションを広げることができるのです。

キーがCのダイアトニックコードの覚え方

初心者の方であるほど、コードの押さえ方こそ知っていても、その構成音までは覚えていないというケースが多いはず。この場合、頭の中でダイアトニックコードを探すのは難しいものです。

そこで、キーをCとしたダイアトニックコードの簡単な覚え方をご紹介しましょう。

まずは、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの音をギターで使われることの多いC・D・E・F・G・A・Bに置き換えます。これこそが、各ダイアトニックコードのルートとなるのです。

そして、“2・3・6・7番目にマイナーがつく”と覚えてみてください。これであれば、各コードの構成音がわからなくても、ダイアトニックコードを暗記することができます。

もちろん、キーによってルートは変わりますが、マイナーコードの位置は変わりません。ダイアトニックコードに限らず、音楽理論には一定の法則性がありますから、単に暗記するだけでもコードへの理解が深まるはずです。

ダイアトニックコードの応用の仕方

一度理解できれば、ダイアトニックコードはそれほど難しい理論ではありません。むしろ、現代音楽における基本中の基本となりますので、必ず押さえておきたい部分です。

最後に、ダイアトニックコードの活用・応用法についてお話したいと思います。

ダイアトニックコードを使った作曲のエクササイズ

ギターを使って作曲をする方は、コード進行から着手するケースが多いようです。ギターはコードを使った表現に秀でた楽器ですので、これは自然な流れといえるでしょう。

一方で、楽曲を構成するコード選びができず、中々曲が作れない方も少なくありません。

そこで活躍するのがダイアトニックコード。ダイアトニックコードはいわば、そのキーの曲において「使うことが許可されているコード」です。

進行のセオリーを知らなくても、ダイアトニックコードを自由に組み合わせるだけで、スムーズなコード進行が簡単に作れるはず。各コードを鳴らしながら、ダイアトニックコード上の進行パターンにパズル感覚で当てはめていきましょう。

耳コピにもダイアトニックコードは活用できる

ギターの耳コピがなかなかできず、悩んでいるという方も少なくありません。特に、初心者の方であるほど、コードの耳コピが高いハードルとなるものです。ですので、ここでもダイアトニックコードを活用してみましょう。

キーによって使われているコードがある程度わかれば、難易度の高い和音の耳コピに悩むこともなくなります。あわせて、コード進行のセオリーをある程度頭に入れておくと、次のコードを予測することも可能となるのです。

音楽理論は難しくない!まずはダイアトニックコードから踏み出そう!

音楽理論アレルギーを抱えているアマチュアミュージシャン・作曲家は実に多いもの。 しかし、一つひとつポイントを押さえつつ考えてみると、音楽理論は決して難しいものではないのです。

まずはダイアトニックコードをきっかけに、楽曲の仕組みから学んでいきましょう。

また、こちらの記事では都内にあるおすすめのギター教室を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

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ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター

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