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ロックには欠かせないパワーコードを使いこなそう!

ポメラニアン高橋 / ビギナーズ編集部 ライター

誰でもパワフルにギターを鳴らすことができる、パワーコードについて詳しくご紹介します。パワーコードは多種多様なコードの中でもロック系で多用されており、この役割と効果を知ることで演奏の幅を広げられますよ。パワーコードで簡単にかっこよくギターを楽しんでみませんか。
ロックには欠かせないパワーコードを使いこなそう!

ギターをはじめ、あらゆる楽器に求められてくる和音(コード)の演奏。

5本の指を巧みに操って押さえるコードもあり、ギター初心者の多くが「綺麗に音が鳴らない……」と悩んでしまいがちです。

特にバレーコードと呼ばれる1本の指で複数の弦を押さえなければならないFコードは、初心者の大きな壁といっても過言ではありません。

そんなコードですが、一般的なスリーコードはもちろんのこと、テンションコードなどその種類は多種多様。

主にロック系ジャンルで多用されるパワーコードもそのひとつです。

ギターを手にしたことがある方ならば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

しかしながら、「そもそもパワーコードがどういったものなのか?」、「どのような効果をもたらしてくれるのか?」がよくわからない初心者の方も少なくありません。

今回は、たった2本の指でパワフルなサウンドを鳴らすことができる、パワーコードについて詳しくお話していきましょう!

パワーコードって何?どんな効果があるの?

まずはパワーコードの基礎知識からお話していきます。

あらゆるコードの中でも、もっともシンプルなものに分類されますが、どのようなシーンで使われ、どのような役割を担っているのでしょうか。

パワーコードを使いこなすためにも、まずはこの2点を学ぶことからはじめましょう。

パワーコードの基礎知識

パワーコードとはいわば、メジャーコードやマイナーコードから“第3音を省略したコード”のこと。

2音のみで構成されているコードではあるものの、ヴォイシングの一種として分類されていることから、譜面上でパワーコードと表記されることは殆どありません。つまり、“正式名称をもたないコード”なのです。

また、エレキギターでは当たり前のように使われていますが、ほかの楽器で使われることはほぼありません。

なぜなら同じギターでも、アコースティックギターでは後述する「効果」や「恩恵」を十分に得られないからです。パワーコードはエレキギターのためのコードといってもいいでしょう。

パワーコードの持つ効果・役割

ロック系ジャンルでコードを鳴らす場合、純粋な三和音(トライアド)を弾くと、音が柔らかすぎると感じられることがあります。

また、テンションコードは響きが強すぎて曲とマッチしない、というケースも少なくありません。

そこで活躍するのが、第3音を省略したパワーコードです。

そもそも、60年代後半から70年代にかけて、ロック系ジャンルにおいてはギターサウンドを歪ませるのが一般的となりました。

激しく歪んだサウンドは、通常のコード使いには不向きとされています。多くの音が同時に鳴ることによって、響きが不明瞭になってしまいますし、歪み感が強くなってしまうからです。

もちろん、意図的に激しい歪みと通常のコードを組み合わせることもありますが、どのような楽曲にも合うわけではありません。

一方、パワーコードであれば2和音ですので、歪んだサウンドとベストマッチ。

加えて、メジャーでもマイナーでもない空虚に感じられる響きやパワー感が近代のロックと馴染むため、多用されるになったともいわれています。

パワーコードの欠点は?解消することはできる?

通常のコードは第3音が響きの性格を決める重要な役割を担っています。つまり、そのコードがメジャーまたはマイナーであるかが、第3音によって決まるということ。

その一方、パワーコードは第3音を鳴らさないため、単体だとコードの識別ができない欠点があります。使い方を間違えると、肝心の「コード感」がなくなってしまうのです。

この欠点を解決してくれるのが「ダイアトニックコード」です。ダイアトニックコードのみで構成された楽曲であれば、前後の流れやメロディで同じ音が使われていることから、しっかりとコード感を演出することができます。

逆に、ノンダイアトニックなコード進行ですと、ほかの鍵盤楽器やアコースティックギターなど、和音を鳴らせる楽器でコード感を補う必要がでてきます。

やや欠点もあるパワーコードですが、それ以上にメリットや魅力も多いのでうまく使いこなしてください。

パワーコードによって得られる付加価値

続いて、パワーコードの効果的な使い方についてもご紹介しましょう。

上述した通り、パワーコードは深く歪んだサウンドとの相性が抜群ですので、ハードロックやヘヴィメタルといったジャンルで多用される傾向にあります。

しかし、これらのジャンルで多用される理由はそれだけでありません。

例えば、80年代以降のヘヴィメタルでは、マイナー調のコード進行が定着しつつありました。それに対してパワーコードは第3音がないことから、マイナー調特有の「悲しげな雰囲気」が薄くなります。

一見、これはデメリットのように感じられますが、そのバッキングがマイナー感の強いメロディラインを強調すると同時に、激しさと哀愁を表現することに一役買っているのです。

同様の理由で、メロコアなどのジャンルにおいてもポップなメロディを強調しながら、激しさも表現できるため多用されています。

さらに、楽曲のコントラストを強めるためにパワーコードを使うことがあります。ボーカルやメインメロディの入ったパートでは、パワーコードを使用することでコード感を薄め、メロディを引き立たせます。

また、楽器だけ鳴らすセクションのみ通常のコードを使うことで、楽曲にメリハリが付くのです。平坦な楽曲構成を避けるためのテクニックですので、演奏だけでなく作曲にも挑戦したい方は、ぜひ覚えておいてください。

カッコよくパワーコードを弾くコツとは?

ロック系ジャンルで多用されるパワーコードですので、できるだけカッコよく鳴らしたいものです。ここではパワーコードを上手に弾くためのコツをご紹介しましょう。

最初のポイントは、鳴らさない弦をしっかりとミュートすることです。余計な音が鳴ってしまっては、パワーコードならではのスッキリとした濁りのないサウンドが台無しです。通常のコード以上にミュートを意識することを心がけてください。

もうひとつのポイントが、ブリッジミュートをうまく使うことです。パワーコードでのバッキングにおいて、ブリッジミュートは欠かせません。スピード感やメリハリをつける効果もありますので、バッキングが単調になるのを防ぐ効果もあります。

これらのポイントを意識するだけで、シンプルなパワーコードをより上手に、カッコよく弾けることができるはずです。

パワーコードを効果的に使った名曲を聴いてみよう!

ロックの世界では、パワーコードだけで構成されている楽曲も少なくありません。

そこで、最後にパワーコードを効果的に使っている名曲をピックアップしてご紹介したいと思います。

ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」

▲Nirvana – Smells Like Teen Spirit

最初にご紹介するのはニルヴァーナの代表曲である「Smells Like Teen Spirit」。激しさと悲しげなメロディがパワーコードによってうまく活かされている曲の代表格であり、イントロからパワーコードによるリフを聴くことができます。

このほかにも、ニルヴァーナのカート・コバーンはパワーコードを効果的に使った楽曲を残していますので、チェックすると同時にコピーしてみるのもおすすめです。

hide with Spread Beaver 「ROCKET DIVE」

▲hide with Spread Beaver – ROCKET DIVE

続いては、日本が誇るギタリストhideのソロプロジェクトである「ROCKET DIVE」。こちらもイントロからパワーコードの力強い響きを使っています。

もちろん、ポップなメロディを活かすバッキングや、間に入る印象的なリフも、そのほとんどがパワーコードになっています。

コード進行はダイアトニックコードの定番的なものですので、コード感も損なわれていません。パワーコード活用の教科書的な曲といってもいいでしょう。

The Offspring「Want You Bad」

▲The Offspring – Want You Bad

90年代のメロディックパンクブームを牽引したThe Offspringも、パワーコードをうまく活用した曲が多いバンド。こちらの曲ではパワーコードとブリッジミュートを組み合わせ、ポップさと疾走感を生み出しています。

ほぼパワーコードしか使われていませんので、ギター初心者の方の練習曲にもぴったりなナンバーになっています。

パワーコードだけで疾走感を出すテクニックや、ブリッジミュートの上手な使い方など、学べることは多いはずです。

Simple Plan「Shut Up!」

▲Simple Plan – Shut Up! (Official Video)

メロディックパンクの名曲として知られる「Shut Up!」は、メロディアスなパンクとパワーコードの相性がいかにいいか教えてくれる一曲です。

ベースラインが明瞭であるため、コード感もしっかりと感じられますが、ギターはほぼパワーコードだけで構成されています。

バンドアンサンブルの重要性を説くナンバーでもありますので、ぜひバンドを組んで演奏してみてください。

ASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」

▲ASIAN KUNG-FU GENERATION 「リライト」

今や日本を代表するギターロックバンドとなったアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATION。キャリア初期の代表曲である「リライト」は、その大部分がパワーコードで構成されています。

特徴として、ツインギターならではの強みを活かし、もう一方のギターでアルペジオやリフを効果的に入れていることが挙げられます。

パワーコードだけでも、工夫次第でマンネリ化を打開できることがよくわかります。


ペンタトニックスケールをマスターしてアドリブソロに挑戦!

今回はロックギターには欠かせないパワーコードについてご紹介しましたが、いかがでしたか? 

その役割や効果を知れば、初心者の方でも簡単に扱うことができるはずです。数ある名曲での使われ方をチェックしつつ、自身のプレイに取り入れていきましょう。

また、パワーコード自体とても応用しやすいので、さまざまな曲のコピーにも取り入れたいものです。

正確にコピーするのも大切ですが、パワーコードをもってアレンジしてみると、演奏の幅がより一層広がりますよ。

押さえる形さえ覚えてしまえば、誰でもパワフルなギターサウンドを鳴らすことができるパワーコード。“習うより慣れ”といいますから、まずは挑戦してみることをおすすめします! 

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ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター