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エピフォンの魅力に迫る!その特徴やギブソンとの違いとは?
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エレキギターを取り扱うメーカーはギブソンやフェンダーといったビッグネームをはじめ、世界中に星の数ほど存在します。
中には、ビッグネームのセカンドブランド、または廉価ブランドとして知られるものも少なくありません。
代表的なのがフェンダーの「スクワイア」、ポール・リード・スミスの「PRSSE」などが挙げられます。
同時に「エピフォン」もギブソンのセカンドブランドとして広く知られています。
しかしエピフォンに関しては、元々独立したギターメーカーであり、単なるセカンドブランドではなく、多数のオリジナルモデルを生み出しているのです。
ここでは、そんなエピフォンの2つの顔を紹介すると共に、その魅力を掘り下げていきます!
目次
エピフォンとは?
具体的にエピフォンの歴史を振り返ると共に、これまでどのようなギターを生み出してきたのかご紹介しましょう。
後生に影響する“重要な発明”を行ってきたエピフォン
エピフォンの歴史は非常に古く、おおよそ20世紀初頭まで遡ります。当初はバイオリンやマンドリンなどの楽器を製作する小さな工房でした。
現代でもジャズを中心に使われるテナーバンジョーはここで発明され、米国でも特許まで取得しています。
これらの楽器製作によって成功を収め、正式にエピフォンという社名になったのは1928年のことでした。この頃からギター製作をスタートし、いくつかの重要な発明をします。
例えば、エレキギターに搭載されているトーンコントロールもそのひとつです。
今や当たり前のように搭載されているトーンコントロールを開発し、ギターにはじめて採用したのがエピフォンでした。
また、ダブルネックの弦楽器や、ネック反りの調整を容易にしたトラスロッドもエピフォンが発明しています。
このほか、ワウペダルや電子チューナー、ボリュームペダルなどのエフェクター・アクセサリー類も同社が考案したアイテムです。
革新的な機器やシステムを開発し続けていたエピフォンでしたが、労働争議や時代の流れに影響されてしまいます。
その結果、1957年にギブソンに買収されてしまうのです。
ギブソンの廉価ブランドとしてのエピフォン
ギブソンに買収された直後から廉価ブランドとしての位置づけになった…と思われている方も多いのでは?
しかし、当初は純粋な廉価ブランドという位置づけではなく、オリジナルモデルも少なくありませんでした。
エピフォンがギブソンの廉価ブランドとしてシフトしはじめたのは1980年代後半からです。
90年代に入るとエピフォンブランドで、市場に流通するギターのほとんどがレスポールやSGといったギブソンのものとなります。
というのも、ギブソンのエレキギターは非常に高価で、90年代の市場価格はレスポールスタンダードでも20万円以上でした。
それに対しエピフォンは、日本や中国などのアジアで製造し、コストダウンに成功したため、5万円以下で販売されていました。
80年代以降は、安価なギブソンのコピーモデルがすでに流通していたものの、“ギブソン公認”であることが大きな強みとなり、ビギナーを中心に圧倒的な支持を得ます。
この流れから、ギブソンのセカンドブランドであり、廉価ブランドとして認知されていったのです。
エピフォンとギブソンの明確な違い
今現在、ギブソンの廉価モデルを製造しているエピフォンですが、この2ブランドの明確な違いはどこにあるのでしょうか?
そこで、定番モデルであるレスポールスタンダードを例に挙げてみましょう。
木材の構成はともにマホガニーバック・メイプルトップのボディにマホガニーネックですので、さほど大きな違いはありません。
時期によっては、トップのメイプルがやや薄かったり、ボディバックにアルダーやバスウッドが使用されたこともありますが、基本的には同じと考えて間違いありません。
ハードウエアについても、アジア製のパーツを採用するケースがほとんどです。
ただ、基本的な設計はギブソンと同様ですので、サウンドに大きな影響を与えてはいないのです。
最も大きな違いは、塗装にあります。
ギブソンではラッカー塗装が基本であるのに対し、エピフォンは一部の限定モデルを除いてポリウレタン塗装となっているのです。
また、エピフォンの安価なモデルに限っていうと、ネックとボディの接合が通常のセットネック方式ではなく、ボルトオン方式を採用しているものもあります。
一概にセットネックが優れているわけではありませんが、本家ギブソンに比べると、サウンドキャラクターが相当異なります。
さらにエピフォンは、レスポールやSGといったギブソンの定番モデルを独自にアレンジし、フラットトップボディあるいは薄型ボディを採用したモデルもラインナップしています。
ベースとなる部分はギブソンと同様です。
しかし細やかなところをみていくと、材のクオリティから組み立ての精巧さをはじめ、随所に違いが感じられるはずですよ。
エピフォンの品質は?
ギブソンのセカンドブランドとはいえ、価格が相当抑えられていることから、品質面に不安を抱く方は少なくありません。
しかし、近年のエピフォンのギターは質が上がっています。
技術の進歩により、工作機器の精度が向上している今日、アジア工場製ギターの品質は以前に比べ、非常に高くなっているのです。
もちろん、パーツや木材といったマテリアル面の品質はギブソンほど優れていませんが、基本設計がしっかりしているため、価格以上の仕上がり・クオリティが感じられます。
これはエピフォンのみではありません。価格が安いからといって、品質が低いと捉えるのは大きな間違いでしょう。
実際に、エピフォンを使用しているプロギタリストも少なくありません。
エピフォンのオリジナルモデルをチェック!
ギブソンの廉価ブランドという位置づけのエピフォンですが、現在でもいくつかのオリジナルモデルをリリースしています。
中でも注目したいのが、「エンペラー」。
同ブランドがギブソンの傘下となる以前から製造されていたもので、アーチドトップのフルアコースティックエレキギターとなります。
ギブソンのギターとはまた異なるデザインおよびサウンドが特徴です。
また、エピフォンオリジナルのソリッドボディ・エレキギターとして「ウィルシャー」も有名ですよ。
個性的なシェイプとプレイアビリティの高さから、一部のアーティストに強く支持されているモデルです。
厳密にはエピフォンオリジナルモデルというわけではないものの、同ブランドを語る上で絶対に外せないギターが「カジノ」です。
元々はギブソンの薄型フルアコースティックギターであるES-330の別ブランドモデルとして誕生しました。
このギターはビートルズのポール・マッカートニーやジョン・レノン、ジョージ・ハリスンらに愛用され、エピフォンを代表するギターとして知られるようになりました。
現在でもオアシスのノエル・ギャラガーをはじめとする多くのギタリストたちが愛用しています。
ほかのギブソン系ブランドとの違い
実は、ギブソンのセカンドブランドはエピフォン以外にも存在します。
1980年代から90年代にかけて、日本を中心に展開された「オービル」もそのひとつです。
すでに存在しないブランドですが、当時はフジゲンや寺田楽器など、実力派の国内工房で製造されていました。
中にはギブソン製のハードウェアを採用したモデルまであり、現在でもマニアの間で高額取引されている人気ブランドです。
そんなオービルはエピフォンと同時期に展開されたブランドでした。
価格帯としては“ギブソン>オービル>エピフォン”であり、エピフォンの兄貴分のような存在だったのです。
オービルブランド消滅後も、エピフォンジャパンやエピフォンエリートとして、ギブソン廉価モデルの国内製造はしばらく続きました。
現在はこれらも姿を消しましたが、多くのファンの間で復活が望まれています。
そしてもうひとつ、今でも日本で流通しているギブソン系ブランドがあるのです。
それが「マエストロ」です。ボディ材の変更や装飾の省略等によって、エピフォンよりも安価なモデルを展開しています。
こちらはいわば、エピフォンの弟分のようなブランドです。
また、ギブソンについてはこちらの記事がおすすめです。
ギブソンの歴史、ギブソンが生み出した名機や有名ギタリストの名演をご紹介しています。
エピフォンについて話すときには必ず出てくるギブソンについてもぜひ知っておきましょう。
エピフォン・エレキギターを使った名演
それでは、エピフォンのギターを使った一流ギタリストによる名演をチェックしてみましょう。
廉価ブランドというイメージを払拭する、プロの技をご覧ください。
ジョン・レノン×カジノ
エピフォンといえば、まっさきにビートルズを思い浮かべる方も多いでしょう。
特に、ジョン・レノンは長いキャリアのほとんどで、カジノを愛用し続けていました。
どこか甘く、それでいてアンサンブルから抜けてくるサウンドはまさしくカジノならではといえます。
このギターの素晴らしさをしっかりと活かしたプレイを聴くことができます。
ノエル・ギャラガー×カジノ
熱心なビートルズのフォロワーとして知られる「オアシス」。もちろん、彼らのサウンドにもエピフォン・カジノは欠かせません。
ビートルズよりも近代的なスタイルで、カジノのサウンドを聴くことができます。
「フルアコースティックギターは使いにくい」というイメージを抱える方が多いかもしれませんが、彼らのサウンドを聴くと、いかに万能なギターであるかが感じられるはずです。
まとめ
エピフォンの魅力は伝わりましたか?今回はメーカーの持つ歴史やモデルについて紹介しました。エピフォンだけでなく、各メーカーに面白い歴史があるので、ぜひ調べてみてください。
また、こちらの記事ではおすすめのレスポールについて紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター
ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター