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ホルンのマウスピース|種類・選び方・ポイント・おすすめ・中古
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ホルンを始めるにあたり「楽器本体はレンタルするにしても、マウスピースだけは買いたいな…」と思う方も多いようです。
しかし、ホルンのマウスピースといっても、色々あるので悩みますよね。
今回はマウスピースの種類や選び方などをご紹介します。
目次
ホルンのシャンクに注意しよう!
まずホルンには「アメリカンシャンク」と「ヨーロピアンシャンク」があることを知っておくと安心です。
シャンクというのはホルンのマウスピースを差し込む部分のこと。
現在、自社のホルンにアメリカンシャンクを採用している楽器メーカーと、ヨーロピアンシャンクを採用しているメーカーがあります。
シャンクによって音の出方が微妙に違うため、こだわりの音を出すために、シャンクを変えているのです。
アメリカンシャンク用のマウスピースをヨーロピアンシャンクのホルンで使おうとしても、マウスピースが上手く安定しない場合があるので注意が必要。逆もまた同様です。
最近は、どんなマウスピースでも使えるよう、ヤマハなどが互換性のある「ダブルシャンク」のホルンを作っています。
「シャンクとか気にせずにマウスピースを使いたい」という人は、ダブルシャンクのホルンを選んでおくと良いでしょう。
アメリカンシャンク
アメリカンシャンクのホルンのメーカー
- ヤマハ
- ホルトン
- ハンスホイヤー
- コーン
- ヴェンツェルマインル……など
アメリカンシャンク用のマウスピースのメーカー
- ヤマハ
- ティルツ
- ホルトン
- シルキー
- コーン
- ラスキー
- バック……など
日本ではヤマハやホルトンといった主流メーカーがアメリカンシャンクを採用しているため、アメリカンシャンクのホルンがよく販売されています。
インターネットで楽器販売サイトなどを見ると、マウスピースもヤマハやホルトンのものが良く見られます。
ヨーロピアンシャンク
ヨーロピアンシャンクのホルン
- アレキサンダー
- シュミット……など
ヨーロピアンシャンク用のマウスピース
- アレキサンダー
- ティルツ
- JK……など
ヨーロピアンシャンク用のマウスピースも、色々なメーカーが製造しています。
ホルン奏者の憧れ的存在であるアレキサンダーのホルンもヨーロピアンシャンクを採用しています。アレキサンダー社はヨーロピアンシャンク用のマウスピースも製造しています。
今回分類したものは、あくまで一般的な分類です。実際はティルツのように、どちらも作っているメーカーもあります。
自分のホルンにあったマウスピースを見つけて下さいね。
マウスピースの種類
マウスピースはアメリカンシャンク用とヨーロピアンシャンク用があるのをお伝えしました。
さらに、マウスピースにはUカップとVカップがあります。
UとVの中間のようなマウスピースもありますが、主流はUカップとVカップです。
この2つの違いは、音の出方です。どちらが凄いといったことではなく、プロもUカップを使う人、Vカップを使う人、それぞれのようです。
Uカップのマウスピース
マウスピースの中が「U」の形になっているものがUカップマウスピースです。一般的に柔らかい音が出ます。
スラー(音をを途切れなく滑らかに演奏すること)もしやすいのが魅力です。どちらかというと高音が出やすいマウスピースです。
しかし、「高音が裏返りやすい」といった感想も出ています。
Uカップの利用者が多いせいか、楽天などで売られているマウスピースもUカップが多いです。
Vカップのマウスピース
マウスピースの中が「V」の形になっているものがVカップマウスピースです。どちらかというと低音が出やすく、高音が出にくいのが特徴です。
アタック(音の鳴り始まりから最大音量になるまでのこと)がしっかりと決まりやすいのも魅力と言えるでしょう。
はっきりした音が出るマウスピースですが、「はっきりしすぎる」と感じる人もいるようです。
Vカップを使っているプロは、優しい音色を必要とする曲の際はホルンを変える……といった対応をしているようです。
ダブルカップのマウスピースも
UカップとVカップ、どちらの特徴も併せ持つマウスピースがダブルカップです。
低音も高音も出しやすいため、プロのホルン奏者も使っています。
ダブルカップのアーティストモデル(有名奏者などがデザインに協力したマウスピース)などもあり、愛用者も多い形です。
マウスピースって何が違うの?
ヤマハなどでホルンのマウスピースを見ると、「リム内径」「スロート径」「カップ深さ」「リム厚」などの項目がのっています。
リム内径
マウスピースの内側の直径のことです。狭いほど高音の演奏が楽ですが、音が小さいのが特徴です。反対に広いと低音が楽に出て音も大きい分、ばてやすいです。
平均は17.5ですので基準にして下さい。
スロート径
マウスピースの管の部分を指します。平均値は4.0で、細めだと高音域が出しやすい反面、音が固くなります。
カップ深さ
カップになっている部分のことです。浅いと高音域、深いと低音域が出やすいです。
リム厚
リムとは口に当たる部分をいいます。リムが厚いと唇に当たる面積が増えるので長時間の演奏が楽になります。
薄い方が音のコントロールがしやすいので、どちらが良いかは好みにもよります。
マウスピースは大きくはUカップとVカップに分かれていますが、細かく見るとリムの内径が広かったり、カップが深かったり……と多様です。
ホルンを吹いていく中で、徐々に自分に合うマウスピースが分かり始めます。それから自分のマウスピースを買うのもおすすめです。
マウスピースの選び方
「マウスピースが色々あるのは分かったけど……どれが自分に合っているのか分からない」という人も多いでしょう。
ここではマウスピースの選び方をご紹介します。
唇にフィットするものを選ぶ
唇の厚さや歯の形などの違いから、人によってフィットするマウスピースも違います。
マウスピースを口に当て、「空気が漏れにくいか?」「心地よさがあるか?」といったフィット感を感じてみて下さい。
マウスピースを口に当てた時の形を「アンブシュア」といいますが、このアンブシュアが気持ちよくできるマウスピースを選んで下さいね。
実際に吹いてみる
高音から低音まで吹いてみると、音の出しやすさが分かります。
「UカップからVカップに変えてみたら劇的に音が出しやすくなった!」という人もいます。
楽器には相性があるように、マウスピースにも相性があります。
中古やレンタルなどで色々吹いてみて、自分に合ったマウスピースを選ぶのが一番です。
自分の苦手を補ってくれるマウスピースを選ぶ
高音を出すのが苦手なら、高音が出やすいUカップが良いですし、低音が苦手ならVカップが良いでしょう。
ちょっとホルンを吹いてみて、自分の苦手を知ってからマウスピースを購入するのもオススメです。
初心者にオススメのマウスピースは?中古もあり?
「初心者には結局どれがいいの?」と悩むほど、多くのマウスピースが販売されています。
吹いている内に自分のマウスピースが欲しくなるものです。この章では、ベテラン奏者などがオススメするマウスピースを2つご紹介します。
ティルツS8(シュミットモデル8)
特徴
- Uカップ
- アメリカンシャンク用
- 価格は8,000円台~
「自分のマウスピースが欲しいのですが、どれがいいですか?」と経験者にお聞きすると、ティルツのマウスピースを薦められることが多いです。
ティルツというのはドイツの「ブルーノ・ティルツ社」のことです。
ヨーロッパを代表する金管楽器のマウスピース専門メーカーで、1,500種類以上ものマウスピースを製造しています。
その中でも、特にS8は超ロングセラーのUカップマウスピースで、愛用者も多数。
長くホルンを演奏している人にも、「ティルツのマウスピースS8がオススメ」と言わしめるマウスピースです。
バランスが良く、吹きやすいので初心者にもオススメですよ。
アレキサンダー8
特徴
- Vカップより
- ヨーロピアンシャンク用
- 価格は9,000円台~
1909年から続くドイツの楽器メーカー「アレキサンダー社」のマウスピースで、プロにも愛用者が多いです。
特にアレキサンダー8は人気が高く、「ふくよかな音が出る」といった感想が出ており、その音の良さには定評があります。
アレキサンダーのホルン用ですが、「ヤマハのダブルシャンクで使っているが、とても音がしっかり出るのでオススメ」という人も。
音色をキレイに出しやすいので、初心者にもオススメです。
アレキサンダーのホルン本体は高いので中々購入は難しいですが、マウスピースなら手が届く範囲だと思います。
マウスピースは中古もあり
マウスピースだけなら中古ショップやメルカリなどで中古のものが出回っていますので、安く手に入れることができます。
マウスピースは丈夫なので、中古でも遜色ないでしょう。
ただし、ごく稀にスロート(管の部分)がへこんでいたり、曲がっていたりすると音に影響が出ますので、確認が必要です。
まとめ
マウスピースを選ぶ際のチェックポイント
- アメリカンシャンクか?ヨーロピアンシャンクか?
- 口にフィットするか?
- 音が出しやすいか?
今回ご紹介した初心者向けマウスピースは、あくまで一例に過ぎません。ご自身の口や歯の形、ホルンの種類などで選んで下さいね。
「100%ピッタリ!」というマウスピースには中々出会えないかも知れません。レンタルや中古も利用しながら、お気に入りの一品に巡り会って下さい。
慣れてきたら自分の好きな奏者のアーティストモデルを買うのもオススメです。テンションが上がりますよ!
ホルンの練習を始めたばかりという方やこれから始めようと考えている方には以下の記事がおすすめです。
お手入れ方法はしっかりマスターしておきたいですよね。練習を続けていくために正しいホルンの手入れの仕方を身につけておきましょう。
こちらの記事ではホルン初心者の方におすすめの練習曲をご紹介しています。楽譜選び・曲選びのポイントも知ることができますよ。
ぜひチェックしてみてくださいね。
宮乃 かぽり /
ビギナーズ編集部 ライター
フリーライター兼イラストレーター。学生時代は吹奏楽部に所属し、楽器の数などの都合で金管楽器をほぼ経験しました。現在は音楽、ヒーリング、占い、フラワーアレンジなど趣味多彩。チャレンジ精神豊富です!