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有名ギタリストのアンプを徹底解説!ギターアンプの特徴と選び方
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ギタリストの個性は、使用機材が左右するといっても過言ではありません。とりわけ重要な役割を担う機材が「ギターアンプ」です。
しかし、多くのアマチュアギタリストが、スタジオ・ライブハウスの据え置きアンプを使っているのではないでしょうか。
本記事では、ギタリストがマイギターアンプを持つべき理由について解説します。
有名ギタリストのアンプへのこだわりも併せてお伝えしますので、何を基準にアンプを探せばよいのか参考にしてみてください。
目次
有名ギタリストのギターアンプへのこだわり
世界で活躍している有名ギタリストの多くが、アンプに強いこだわりを持っています。
長いギタリストキャリアにおいて、デビュー当初から同じアンプを使い続けているギタリストも少なくありません。
この項では、有名ギタリストとギターアンプのちょっとしたストーリーをご紹介します。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンと2つのアンプ
80年代のブルース・ロックシーンで活躍し、現代のギタリストにも大きな影響を与え続けているスティーヴィー・レイ・ヴォーン。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンのギターサウンドには、「抜けるのに太い」という相反した特徴があります。
あらゆるギタリストのサウンドの中でも、最も再現が難しいとまでいわれるほどです。そのサウンドの秘密を、長年にわたって多くのギタリストたちが研究し続けてきました。
当初は彼が使用しているギターに秘密があるのではと考えられ、様々なカスタムが流行したこともあります。
事実、彼がメインギターとしてキャリアの大半を共にしたストラトキャスターは、リバースのトレモロアームユニットやオリジナルの装飾が施されたピックガードなど、普通のストラトキャスターとは思えない外観をしていました。
同様に、サウンドの要となるピックアップにも改造が施されていると考えられ、ピックアップのコイルを巻き直して出力を高めているのでは、といった噂も流れたほどです。
しかし、近年フェンダー社が彼のシグネイチャーモデルを制作するにあたって実機の分解・検証を行った結果、ピックアップなどの心臓部は改造されていないことがわかりました。
あくまでも、オリジナルのまま使用していたようです。もちろん、60年代前半の貴重なヴィンテージギターですが、ごく普通のストラトキャスターだったことがわかっています。
そうなれば、彼のサウンドの決め手は一体何だったのか。やはり、アンプだったと現在では考えられているのです。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンは長いキャリアにおいて、主に2つのアンプを使用してきました。
ヴァイブロヴァーヴ
1つはフェンダーのヴァイブロヴァーヴ。
フェンダーアンプの中でもやや特殊なモデルですので、あまりピンと来ない人が多いかもしれません。
いわゆるフェンダー系のコンボアンプですが、その最大の特徴はスピーカーにあります。
フェンダーの代表的なモデルであるツインリバーブやザ・ツインなどの場合、12インチのスピーカーを2基搭載しています。
一方のヴァイブロヴァーヴは、15インチスピーカー1基の仕様。スピーカーの口径が大きくなるため、それだけ大きな音を太く・クリアに出力することが可能となります。
彼は基本的にアンプのボリュームをフルアップにした状態で、さらにブースターを使用していました。
ヴァイブロヴァーヴに秘められたポテンシャルを引き出していたことが、あの「抜けるのに太い」サウンドメイクの秘密だったのかもしれません。
ダンブルアンプ
そしてもう1つのアンプがダンブルアンプです。
カスタムオーダーアンプですので広く流通しているモデルではありませんが、非常にサウンドクオリティが高いことで知られています。
一般的なメーカーのアンプとは違い、そのほとんどが1点物。残念ながら、彼が愛用していたモデルの詳細なスペックは不明なままです。
ただ、サウンドを聴く限りでは、上記のヴァイブロヴァーヴに近いスペックであることが推測されます。よりシャープなクリーン系アンプのサウンドです。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンはギターアンプに強いこだわりを持ち、それによって自身のトレードマークとなった独特のサウンドを生み出していました。
ギタリストの個性を決定付けるのはやはり、アンプの役割だと考えられます。
アベフトシが愛し続けた「ザ・ツイン」
ミッシェル・ガン・エレファントのギタリストとして、日本のロックンロールシーンを牽引し続けてきたアベフトシ。
そのストレートなサウンドと正確かつテクニカルなカッティングは、多くのギタリストに影響を与えています。
そんなアベフトシのギガーサウンドの要となったのが、フェンダーのザ・ツインです。
80~90年代に製造された通称「赤ノブ」と呼ばれるモデルをメインにしており、デビュー前からミッシェル・ガン・エレファントが解散した2000年頃まで愛用していました。
フェンダー系のアンプというと、ツインリバーブなどをはじめとする素直なクリーントーンを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、こちらのザ・ツインには独立したリードチャンネルが搭載されており、派手に歪んだサウンドをアウトプットすることができるのです。
基本的にアベフトシはエフェクターを使用せず、アンプの歪みとクリーンの使い分けでサウンドメイクを行っています。いわゆる「アンプ直」へのこだわりがあったのでしょう。
近年では、エフェクターペダルによるサウンドメイクが一般的となっていますが、アンプ1台でも幅広いサウンドを作ることができます。
ぜひ一度、彼のサウンドを聴いてみてください。アンプ直ならではの魅力に気付くはずです。
アンプ直で使用するメリットは?
ご紹介したアベフトシは、一貫してアンプ直結でサウンドメイクを行っていました。<改めて、アンプ直によるサウンドメイクのメリットを解説します。
サウンド面のポイントとしては、ノイズが少なく抜けのよい音作りをしやすい点が挙げられます。
多くのエフェクターを接続すると、どうしてもノイズが発生するものです。とりわけアナログ系エフェクターの場合、どんどん音像が遠くなり、音抜けも悪くなってしまいます。
近年リリースされた高性能なエフェクターであればノイズや音の抜けの問題が軽減されているものの、やはりアンプ直に比べると差がある印象です。
その他のメリットとして、ライブ時のトラブルを防げる点があります。
システムそのものがシンプルになるため、音が出ないといったトラブルを回避しやすくなるのです。シンプルゆえに、万が一トラブルが発生した場合でも、原因を特定しやすいはずです。
ギタリストにとってベストなアンプの選び方は?
様々なメーカーから異なるタイプのアンプが登場している今日。
今は据え置きだけど、いつか自分のアンプを持ちたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
この項では、自分にベストマッチするアンプの選び方をご紹介します。
「チューブアンプ」と「ソリッドステートアンプ」はどう違う?
ギター用アンプには大きく分けて2種類、「チューブアンプ」と「ソリッドステートアンプ」があります。
この2種類の大きな違いは、ギターから送られた信号を増幅するパワーアンプや、音質をコントロールするプリアンプに「真空管」を使用しているか「トランジスタ」を使用しているかという点です。
チューブアンプ
真空管を使用したチューブアンプは音量・音質が不安定になりやすい一方、出力を上げていくにつれてナチュラルなドライブ感が得られます。
温かみのあるクリーンサウンドも作れるため、幅広いジャンルのギタリストから好まれています。
ソリッドステートアンプ
一方のソリッドステートアンプは、トランジスタの特性上サウンドかなり安定しています。小音量でも音像がはっきりとする印象です。
安定性に優れている反面、ボリュームに追随したナチュラルなドライブ感を得るのが難しく、クリーントーンの音質も硬くなりがち。
この音質特性から、メタル系ギタリストの愛用者が多くみられます。
ハイブリッドアンプ
それぞれにメリット・デメリットがあるものの、結局は好みの問題です。
楽器屋で様々なギターアンプを試奏してみれば、理想のサウンドが得られる1台に出会えるでしょう。
なお、最近はパワーアンプ・プリアンプのいずれかに真空管を使用した「ハイブリッドアンプ」も登場しています。
それぞれのいいとこ取りのような仕様ですので、気になる方は試してみてください。
ギターアンプは大きければ大きいほどいい?
スタジオ練習やライブで使うのであれば、大音量を得られる大型アンプが魅力的に思えるかもしれません。
大は小を兼ねるという言葉もありますが、ギターアンプはやや事情が異なります。ギターアンプは、大型になるほどデメリットも大きくなるのです。
大出力のアンプであってもある程度ボリュームを絞ることはできますが、同時に音質も変化します。小さな音量だと張りのないサウンドになりがちです。
とりわけチューブアンプはその傾向が強く、ある程度の音量を出さなければよいサウンドが得られません。そう考えると、中型・小型アンプの方が使いやすいケースも多いのです。
加えて中型・小型アンプは、持ち運びしやすいメリットがあります。運搬も考慮した上で探してみましょう。
ギターリストはアンプこもだわったサウンドメイクを!
ギタリストの機材といえば、真っ先にギター本体や気軽に使えるエフェクターペダルをイメージする人が多いかもしれません。
しかし、アンプもサウンドを決める大きな要素です。個性をサウンドに反映させるためにも、マイギターアンプの購入を検討してみてください。
また、こちらの記事ではおすすめのギターアンプについて詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター
ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター