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オーボエリードの値段・種類・選び方・作り方|安いおすすめリード4選
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オーボエを吹くにあたって、リード選びやリード購入は欠かせません。
みなさんは、どのようにリードを選んでいるでしょうか。特に何も考えず、いつもの安い銘柄を購入していませんか?
もしもリード一つでプロ並みの演奏に変わるとしたら、誰しも時間をかけてリードを厳選するでしょう。
オーボエはリードを振動させて音を出す楽器なので、リードの良し悪しで大きく音が変わります。
本記事では、演奏技術を最大限に引き出すオーボエの選び方やお手入れ方法をご紹介します。
目次
オーボエのリードとは?
普段何気なく使っているリードですが、そもそもオーボエのリードとはどのようなものなのでしょうか。
オーボエは、吹き口にリードと呼ばれる葦(アシ)を薄く削ったものを装着し、これを振動させることで音を出しています。
後述するように、樹脂(プラスチック)製のリードもありますが、一般的には葦製のリードが使われています。
オーボエと見た目が似ていると言われるクラリネットもリードを使いますが、クラリネットはリードが1枚のシングルリード。
対してオーボエは、リード2枚を向かい合わせで装着することから、ダブルリードの楽器に分類されます。
ダブルリードの楽器には、ファゴットもあることを豆知識として覚えておきましょう。
オーボエリードの種類
実は、オーボエのリードには、素材やスクレープの長さによって様々な種類があります。
オーボエ奏者なら知っておきたい、オーボエの種類について見ていきましょう。
リードの素材
オーボエリードには、葦の茎(ケーン)製のものと、樹脂(プラスチック)製の2つの素材があります。
葦(ケーン)製
ケーン製は葦という天然素材を使っているため、どうしてもリードによる個体差があります。
つまり、リード1つ1つに吹きやすい・吹きにくい、新鮮・新鮮でないものがあるということです。
しかし、ケーン製リードは後述する樹脂製と比べて根強い人気があり、ケーン製でないとだめというオーボエ奏者も多くいます。
寿命は、オーボエを演奏する頻度によって大体2~4週間程度、1つあたり2,000~3,000円が相場価格です。
樹脂(プラスチック)製
樹脂製は、ケーン製ほど製品による個体差が少なく、安定した吹き心地が特徴です。加えてケーン製より寿命が長く、3~6ヶ月程度使えると言われています。
ただし、持ちが良い分1つあたりの価格は高く、1つあたり2万円前後です。
ケーン製が黄色い見た目に対し、樹脂製は半透明なので、一目で違いがわかります。
スクレープの長さ
素材による違いだけでなく、オーボエにはショートスクレープとロングスクレープという2種類があります。
スクレープとは、リードの先端の表皮が削られている部分のことです。削られている部分の長さによって、ショートスクレープ・ロングスクレープと呼んでいます。
ショートスクレープは、8mm~10mm位削られているタイプのものです。完成リードとして販売されているものは、大体ショートスクレープになっています。
ロングスクレープは、18mm以上削られているタイプで、リードの先端というよりは根本あたりから削られています。
音の傾向としては、ショートスクレープが明るく華やかな音、ロングスクレープは大きな音量とクリアな音と言われることが多いです。
オーボエリードの寿命とは?
オーボエのリードは消耗品なので、定期的に新しいリードと交換する必要があります。
しかし、リードは安いわけではないので、なるべく長持ちさせたいのがオーボエ奏者の本音でしょう。
オーボエリードの寿命と、長持ちさせるコツをまとめました。
オーボエリードの替え時がいまいちわからない、いつまで使っていいかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
オーボエリードの寿命
ケーン製は2~4週間前後、樹脂製は3~6ヶ月ほどがリードの寿命と言われています。
部活等で毎日数時間オーボエの練習をしている場合は、2週間くらいが目安です。たまに吹く程度であれば、4週間くらいは持ちます。
つまり、ケーン製は長く持って1ヶ月弱なので、1ヶ月以上使い続けている方は新しいリードと交換すべきです。
樹脂製のリードは、頻繁にオーボエを吹く方なら3ヶ月程度、あまり吹かない方なら6ヶ月ほど持ちます。
あくまで目安なので、オーボエを吹いていてリードにハリが無い、音質が落ちたと感じる場合は、新しいリードと交換した方が良いでしょう。
オーボエリード長持ちのコツ3つ
オーボエリードの大体の寿命はわかりましたが、どうにかして長持ちさせることはできないのでしょうか。
オーボエリードを長持ちさせるコツ・ポイントをご紹介します。
①リードをローテーションで使う
リードを長持ちさせるコツの1つは、いくつかのリードをローテーションで使うことです。
当たり前ですが、1つのリードをずっと使い続けていると、それだけリードがすり減って寿命も短くなります。
リードを休ませるという意味も込めて、何本かのリードをローテーションで使っていきましょう。
複数のリードを使っていく中で、自分の好みのリードや、本番で使いたいベストなリードも見つかるはずです。
②リードの湿度を保つ
普段何気なく行っている、オーボエを吹くときにリードを湿らせ、吹き終わったらしまっておくという行為。
この湿ったり乾燥したりを繰り返す行為が、リードを劣化させる原因の一つに挙げられます。
リードの劣化を抑えるためには、リードを一度使ったら、なるべく湿度の高い状態で保管することが大切です。
リードの湿度を保つ方法は、リードケースの中に「モイスレガート」という湿度調整アイテムを入れるだけ。湿度を40~60%に保ってくれるので、何もせずにリードケースにしまうより長持ちします。
しかも、モイスレガートは開封してから2年間も使えるので、買っておいて損はないアイテムです。
③リードケースで保管する
リードをリードケースで保管するメリットは、先述のリードの湿度を保てるだけではありません。リードをダメージから守る意味合いもあるのです。
吹いた後のリードの先端は湿っているので、この状態で外から圧力がかかると、よれて変形してしまう可能性があります。
リードケースに入れておけば、リードが固定されて動くことがないので、よれる心配がなくなります。
また、リードをローテーションで使うためにも、ケースの中の位置を覚えておけば、次にどのリードを使うかわかりやすいです。
オーボエリードの選び方
この項では、実際にオーボエリードを選ぶときの基準やポイントを解説します。
楽器店でリードを購入するときは、こちらを参考に選んでみましょう。
リードの見た目確認ポイント3つ
オーボエリードを選ぶときは、まずリードの見た目から確認しましょう。
ケーン製のリードは1つ1つ微妙な違いがあるので、ベストなリードを見つけるためにも見た目の選別は重要です。
①欠けや割れがない
最低限の基準にはなりますが、リードに欠けや割れがないことを確認しましょう。
言うまでもなく、欠けや割れがあると音ムラや、思うように音が出ないという事態に繋がります。
②ツヤがあってきめ細かい
ツヤがあるのは、新鮮なリードの証拠です。
いくつかリードを見比べて、見た目がツヤツヤしていてきめが細かい、綺麗なリードを選ぶようにします。
③開きが左右対称になっている
リードの開きとは、リード先端の息の吹き込み口のことです。この2枚の開きが、できるだけ対称になっているものが好ましいです。
片方だけ大きく開いていたり、大きくカーブしていたりするものは避けましょう。
リードを試奏してみる
オーボエのリードは1つあたりの値段が高い分、吹き心地を試して購入することができます。
リードの見た目である程度選別ができたら、実際にリードを試奏させてもらいましょう。
試奏時のチェックポイントは、正しい音程が出るかどうかと、音色にバラつきがないかどうかです。
高音から低音まで満遍なく音を鳴らしてみて、音程が狂わずに、音量や音色にバラつきなく吹けるリードが良いです。
あとは難しいことは考えず、普段の練習のように吹いてみて吹きやすいと感じるものが1番です。
オーボエリードおすすめ4選
厳選されたおすすめのオーボエリードをご紹介します。
モリタ
低音から高音まで幅広く、安定した音が出ると評判のオーボエリードです。
オーボエ初心者の方は、こちらのリードを使って自分の好みの音を探してみてはいかがでしょうか。
ワカオ
ボストン交響楽団準主席、ボストン・ポップス・オーケストラ主席の若尾圭介氏が最終調整したリードです。
軽やかな音色が特徴のリードなので、高音域が多い曲のときにおすすめです。
JOSEF(ヨーゼフ)
良質の素材にこだわり、安定した品質を誇るオーボエリードです。
ケーン製リードの中でも少々値段が張りますが、値段相応の高品質リードです。
少し良いリードを使ってみたいという方は、一度試しておいて損はないでしょう。
Legere(レジェール)
樹脂製のオーボエリードといえば、ほぼレジェールのリードといっても過言ではありません。
ケーン製リードは、使うごとに馴染んだり劣化したりと、練習から本番まで吹き心地が変化してしまいます。
樹脂製は最初の吹き心地が合うと感じれば、変わらないコンディションで吹き続けることができます。発表会やコンクールといった本番でも、練習通りに吹けるのは安心ですね。
硬さは、M・MH・MSの3種類です。
オーボエリードの作り方
完成リードの選び方とおすすめについてご紹介しましたが、実はリードを作るという選択肢もあります。
リード作りの機材を揃えるための初期投資は必要ですが、慣れてきたら購入するよりも安くリードが手に入ります。
自分でオリジナルのリードを作りたい方は、こちらを参考に作ってみましょう。
リード作りに必要なもの
リード作りに必要なものを、材料と工具に分けてまとめました。
工具は一度用意してしまえばずっと使えるので、リードの材料を買い足すだけで大丈夫です。
材料
- 舟型ケーン:チューブに巻き付けられる状態に既に加工されているケーンです。
- チューブ:コルクと金属でできた、ケーンをつける土台の部分です。
- 糸:ケーンをチューブに巻くのに使う糸。カラーバリエーション豊富です。
工具
- リードワイヤー:リードの開きを調整するためのワイヤー。0.3mmが一般的です。
- マニキュア:巻いた糸に塗り、糸がほどけないよう固めます。
- ペンチ:仮留めのワイヤーをつけたり、締めたりするのに使います。
- ナイフ:リードの先端を削るために使います。
- 定規:リードの長さ調整に使います。
オーボエリードの作り方手順
材料を揃えたら、実際にリードを作ってみましょう!
▲参考:オーボエリードの作り方手順1:ケーンを水に浸す
ケーンを水に浸します。水の中に浮いていたケーンが、水の中に全部浸るようになったら大丈夫です。
手順2:ケーンの先端をナイフで削る
ケーンの先端をナイフで削ります。削る長さは1cmくらいが目安です。
手順3:ケーンとチューブを仮留めする
ケーンを2つ折りにし、ワイヤーを使って適当な位置で仮留めします。
ケーンにチューブを挟み、ケーンからチューブまでの全長が73mmになるよう定規ではかります。微調整をして73mmになったら、針金を少し締めて固定します。
手順4:ケーンに糸を巻く
ケーンでチューブを挟み、削った先端のあたりからチューブに向かって、下の方に糸を巻いていきます。
いきなりきつく締めるとケーンが割れてしまうので、徐々に締めていきます。ケーンの根本を親指と人差し指で挟んで糸を巻くと、糸がゆるまず上手に巻けます。
手順5:仕上げにマニキュアを塗る
チューブのところまで糸を巻ききったら糸を結び、余った糸を切ります。
仕上げに糸全体にマニキュア(トップコート)を塗ると、使っていても緩んできません。
オーボエリードで最高の演奏をしよう
いかがでしょうか。
様々な種類のリードが発売されているので、最初の頃は、自分の好みのリードを探すのが大変に感じるかもしれません。
しかし、裏を返せばリード選びも、オーボエならではの楽しみと言えます。
こだわりのリードを見つけることができれば、リードやオーボエへの愛着も沸き、演奏にもより一層身を入れることができるはず。
ベストなリードを見つけた後は、購入して終わりではなく、しっかりと保管して長持ちさせましょう。
ぜひ、自分なりのリードを見つけて、オーボエの演奏を楽しんでくださいね。
Reika Sato /
ビギナーズ編集部 ライター
大学時代は軽音サークルでベースを担当。カフェラテの摂取量に定評のあるカフェイン中毒。趣味はグルメ漫画とミステリー・SF映画鑑賞。