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リッケンバッカー12弦ギターの張り方と交換・おすすめモデルも!

長い歴史を誇る米国のギター・ベースブランド「リッケンバッカー」。他メーカーのギターとは仕様がやや異なりますが、適切な使用方法やメンテナンスを行えばオールジャンル対応の使いやすいものに変わります。今回はリッケンバッカーギターの特徴・弦の張り方をご紹介します。
リッケンバッカー12弦ギターの張り方と交換・おすすめモデルも!

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フェンダーやギブソンと肩を並べ、長い歴史を誇るアメリカのギターブランド、リッケンバッカー。

現在でも、さまざまなモデルを昔ながらのハンドメイドで生産していることもあって、出荷台数が少なく、市場でのシェアもさほど高くはありません。

それにも関わらず、世界中に根強いファンがいるギター、ベースメーカーとして知られています。リッケンバッカーのギターは、そのシルエットをはじめ、とにかく個性的。他メーカーのギターとは仕様もやや異なります。

しかし、基本的な使い方やメンテナンス方法を身につけてしまえば、オールジャンルに対応できる使いやすいギターに変わるのです。

そこで、今回はリッケンバッカーのギターの特徴を筆頭に、基本的な使い方や弦の張り方など、メンテナンス方法についてもご紹介しましょう。

リッケンバッカーってどんなメーカー?

リッケンバッカーは、アメリカ・カリフォルニア州のサンタ・アナに本社を構える楽器メーカーです。主力のエレキギターをはじめ、エレキベースやアコースティックギター、ストラップや弦などのアクセサリー類も手がけています。

リッケンバッカーのエレキギターの愛用者といえば、「ザ・ビートルズ」の「ジョン・レノン」が有名。そのイメージから、オールドスクールなロックンロールギターと認識している方も少なくありません。

事実、60~70年代のロックやポップスを再現する上で欠かせないギターなのですが、サウンドメイクの幅がとても広いため、あらゆるジャンルに対応できるポテンシャルを秘めたギターでもあります。

例えば、アンプやエフェクターで細かく音作りすれば、近代的なヘヴィロックやハードロック系の楽曲でも活躍します。

個性的、もしくは“特殊なギター”というイメージに反して、ジャンルを問わずマッチする万能性を備えたギターといえるでしょう。

リッケンバッカーの3つの特徴

具体的なリッケンバッカーの特徴からチェックします。一般なエレキギターに比べ、どのような違いがあるのでしょうか。

特徴1.セミホロウボディを採用

リッケンバッカーのギターやベースは、その個性的なシルエットだけでなく、さまざまな特徴があります。

例えば、多くのモデルでセミホロウボディを採用している点。セミホロウ構造のギターというと、ソリッドボディ(一般なエレキギター)に比べて軽量かつ中域が強く出やすいという特徴があります。

一方リッケンバッカーは、高域が出やすいメイプル材を多用したり、独自のピックアップを搭載することによって、非常にバランスの良いサウンドを実現しています。

特徴2.フィフスコントロール

リッケンバッカーの特長を語る上で、決して無視できないのがサウンドコントロールです。

ほとんどのモデルで2ピックアップサーキットを採用していますが、それぞれ独立したボリュームとトーンコントロールを持っています。ここまではそれほど珍しいものではありませんが、そこにプラスして「フィフスコントロール」というノブを搭載しています。

こちらは、フロントピックアップの疑似ブースター的な役割を果たしており、絞るにつれて音量が上がる仕組みです。

ボリュームやトーンとは別に、このフィフスコントロールをうまく活用することによって、より多彩なサウンドをアウトプットすることができます。

特徴3.美しいハーモニーが得られる12弦ギター

リッケンバッカーのギターといえば、各弦に「副弦」が張られた12弦ギターが有名です。あくまで副弦であり、通常の6弦ギター同様の演奏感となっていますが、そのコーラスがかった美しいハーモニーは唯一無二のもの。

多弦ギターの演奏に慣れていない方でも、難なく弾きこなすことができるでしょう。ぜひ上記動画で音色を確かめてみてください。

リッケンバッカーの定番シリーズ

300シリーズをはじめ、リッケンバッカーには定番と呼ばれるエレキギター・エレキベースがいくつかあります。シリーズ別でご紹介しましょう。

リッケンバッカー300シリーズ

リッケンバッカーならではの特徴を網羅している定番モデルが300シリーズです。2019年現在も生産が続いているモデルでは、330と360がこのシリーズにあたります。

300シリーズは、セミホロウ構造のボディにミディアムスケールのセットネックを採用。全体的にコンパクトなので女性ギタリストにも人気です。

中域〜高域が強めのサウンドで、非常に音ヌケが良く、バッキングからリードまで難なくこなすことができます。なお、ヘヴィなサウンドが苦手というわけでもなく、多彩なコントロールサーキットによって、ドンシャリ系のサウンドにも対応可能。

音作りの幅が広いギターといえます。12弦仕様の360/12というモデルもラインナップされているため、演奏したいジャンルに合わせてチョイスできるのも魅力です。

リッケンバッカー600シリーズ

300シリーズとはまた違った特徴を持つ600シリーズ。こちらは、今日の一般的なエレキギター同様にソリッドボディを採用しています。

ネックの接合もセットネックではなく、ボディの端まで繋がったスルーネック仕様。スケールもショートスケールであり、よりコンパクトにまとまった一本という印象ですね。

スルーネック仕様を採用することによって、ハイポジションのプレイアビリティが高く、サウンド面ではロングサスティーンを実現しています。全体的にハイが強く出るギターであり、クリーントーンでのバッキングにもぴったりです。

また、生産時期によっても異なりますが、指板のRがきつめ(より丸い)ためコードを押弦しやすいギターでもあります。この特徴から、歌いながら演奏するギターボーカルに好まれる傾向があり、日本のアーティストだと椎名林檎などに愛用されています。

リッケンバッカー4000シリーズ

こちらはエレキベースのラインナップとなります。とても人気の高いシリーズですので、リッケンバッカーといえば、ギターよりもこちらを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

仕様は上記の600シリーズと似たものとなっており、ソリッドボディにスルーネック仕様となっています。

とてもヌケが良く、エッジの効いた独特のサウンドはまさに唯一無二のもの。ルックス、サウンドともに、リッケンバッカーらしさを強く感じられるベースに仕上がっています。

リッケンバッカーの弦交換について

リッケンバッカーのギターでも、通常の6弦モデルに関しては、他エレキギターと同じように弦を張ることができます。

ブリッジの形状が少し変わっているものの、弦を固定する位置などは一般的なギターと同じです。初心者の方でも困ることはないでしょう。

しかし、12弦ギターになると話は別です。一般的な弦の張り方と手順が異なるため、戸惑う方も多いはずです。ここではリッケンバッカーの12弦ギターにおける弦の張り方について解説します。

リッケンバッカーの12弦は副弦の張り方が違う?

一般的な12弦ギターの場合、1弦・2弦・3弦・4弦・5弦・6弦に対して、副弦は1・2・1・2・3・4と張っていくのが基本です。簡単にまとめると、

【1・1(副)|2・2(副)|3・1(副)|4・2(副)|5・3(副)|6・4(副)】

という張り方になり、ダウンピッキングして最初にあたる副弦は4となります。一方のリッケンバッカーは、メインの弦と副弦の位置が逆になっています。

【1(副弦)・1|2(副弦)・2|1(副)・3|2(副)・4)|3(副)・5|4(副)・6】

つまり、ダウンピッキングして最初にあたる副弦は6。

この点に戸惑い、弦の張り方が分からないユーザーが多いのも事実です。具体的な弦の張り方に関しては、以下の動画が参考になるのでぜひご覧ください。

そもそもなぜ、このような弦の張り方になっているのか。さまざまな説がありますが、メイプルボディによるトレブリーなサウンドとの相性を考えてのこと、という説が有力です。

実際にこの張り方にするだけで、より芯があるサウンドになると語るギタリストも少なくありません。

リッケンバッカーにおすすめの弦3選

リッケンバッカーは、12弦ギターのみ弦の張り方にクセがあるだけで、その他仕様は一般的なギターとほぼ同じです。

そのため、特別な弦を選ぶ必要もありません。ただし、600シリーズのみショートスケールということもあって、細い弦だとテンションが足りなく感じられるかもしれません。

少し太めのゲージを選ぶと良いでしょう。主観も踏まえ、リッケンバッカーのエレキギターにおすすめの弦を簡単にご紹介します。純正の弦が基本です。

リッケンバッカー純正の弦であれば、10-46サイズのものがおすすめです。高音弦が太めになっていますので、弾きやすく、同時にバランスの良いサウンドが得られます。

また、リッケンバッカーではショートスケール専用の弦もラインナップしています。

600シリーズなどを仕様する場合、こちらを試してみるのもいいでしょう。他の弦メーカーではショートスケール向け、あるいは専用の弦はほとんどラインナップしておらず、貴重です。

リッケンバッカーの12弦ギターなら、第一に純正の弦を試すのがおすすめです。その上で、他のメーカー、ブランドのものを試すと、より好みにあった弦を見つけやすいでしょう。

実はオールラウンダーなリッケンバッカーのエレキギター

リッケンバッカーのギターは、一見特殊なもののように思えるかもしれません。

しかし、基本的な扱い方・メンテナンス方法さえマスターしてしまえば、フェンダーやギブソンのギターと何ら変わりありません。

「普通のギターとは違う」「自分には扱えない」と決めつけるのではなく、まずは一度試奏することをおすすめします。もしかすると、リッケンバッカーこそがあなたにとってベストな一本なのかもしれません。

また、こちらの記事では東京にあるおすすめのギタースクールを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

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ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター

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