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月のキレイな撮影方法|満月や月食を一眼レフで簡単に撮る方法
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一眼レフカメラで撮ってみたい被写体のひとつはお月さまではないでしょうか。天体観測シーズンである夏や、お月見シーズンの秋など、きれいなお月さまを眺める風習があるのは、美しいという理由よりほかありません。満月や月食などお月さまは時々でいろいろな表情をみせてくれますので、撮影しても楽しい被写体です。
ただ、眺めてきれいなお月さまも、実際に写真できれいに撮ろうと思ってもなかなかうまくいかないことはありませんか。一眼レフを始めたばかりの方に聞くと、白くにじんで眩しい感じになった、月は写ったけど小さくしか撮れなかったなどという声を聞きます。
ですが、実はお月さまの写真は難しい準備などは不要で、天体写真の中でも比較的簡単な被写体です。この記事では初心者の方でも手軽に撮影できる月の撮影方法を説明します。
特別な機材の準備も必要なく、入門機の一眼レフでも試せますので、ぜひコツをつかんでお月さまの撮影にチャレンジしてみてください。
目次
月の撮影は初心者には難しい?
夜景の撮影においてよくいわれることですが、昼間に比べて月が出ている夜間は暗いので、普段とは撮影の方法が変わって難しくなりがちです。暗い場所では、周囲の明るさが十分ではないため、当然写真が撮りにくくなるのです。
満月の撮影が難しくなる理由
誰でもできるのになぜ失敗してしまうのでしょうか。
月の撮影に失敗してしまう理由は、月の撮影方法にあります。夜間の撮影になるため、明るく撮ろうとしたり、そもそもオート設定で撮影していませんか。
それが失敗の原因です。同じアプローチでどんなに設定をいじっても、うまくいきません。だから難しくなるのです。
実は月は暗いように見えて、とても明るい被写体です。光の量でいえば太陽と変わらないくらい露出しています。そう考えると、そもそも明るく撮ろうとするのは難しいことがわかると思います。
カメラのオート設定で撮影する場合も、カメラが周囲の環境から暗いと判断して明るく撮ってしまいますので、露出過多になって写真が白っぽくなってしまいます。この露出過多になってしまうのが、月の撮影が難しくなる理由です。
撮り方を気をつければ初心者でも簡単
月の写真の失敗の理由が露出過多にあるとすれば、設定はマニュアル設定をオススメします。
絞り優先モードやシャッター優先モードの場合も、露出の決定はカメラに任せることになりますので、マニュアルモードで撮影するのが最適といえるでしょう。
このマニュアル設定にもセオリーがありますので、後ほど紹介する参考設定にならって撮影してもらえば簡単に撮影ができます。
望遠レンズがあると良い
ほかにも、月の撮影に必要な要素は望遠撮影ができるかどうかです。詳細は後ほど説明しますが、望遠レンズは最低限準備をしたいです。
ただ、何十万円もする高額なレンズが必要なわけではなく、レンズキットについているレンズや1万円くらいで購入できるレンズでも十分対応可能です。
例えば、私が入門機として使用していたEOS Kiss X5 ダブルズームキットには、EF-S55-250mm F4-5.6 IS IIというレンズがついていて、このレンズでも十分撮影可能でした。
細かくいうとまだまだありますが、おおよそ月の撮影のポイントはコレだけです。望遠レンズをつけてマニュアル設定で撮影すれば、月はきれいに撮れます。
三脚やレリーズなど、あった方がよい機材もありますが基本的には手持ちでも大丈夫です。「一時的にしか使わないけど、撮影に失敗したくない!」という方はレンタルもおすすめです。
こちらの記事のテクニックも駆使すれば、キットのレンズでもプロのように撮ることができるでしょう。
▼カメラ初心者でもできる!一眼レフでプロのような写真を撮る3つのポイント
スマホで満月の撮影はできる?
月が出ている夜間は、昼間と比べると暗いので、周囲の明るさが不足してスマホのカメラだとなかなかうまくいきません。いわゆるコンデジでも最低限の写真は撮れますが、ある程度高性能なものでなければ月の撮影の場合は難しいと思います。
なので、この記事での撮影方法の説明は、撮影設定やレンズなど選択肢の多い一眼レフカメラやミラーレスカメラを前提に行います。簡単な設定や撮り方を覚えることで、誰でもキレイな写真を撮ることができるようになります。
初心者でもすぐできる写真撮影の基本ポイントは、こちらで解説しています。被写体別の撮り方もご紹介しているので、月以外も撮ってみたい方は読んでみましょう。
▼[初心者必見]初めてのカメラの選び方|どれがおすすめ?写真の入門ガイド
簡単!月の撮り方のポイント|満月を綺麗に撮るには?
実際に、手軽に試せる月の撮影方法をみていきましょう。説明するのは、必要な機材と設定の方法、あとは写真をきれいにするためのひと工夫の方法くらいです。順番にみていきましょう。
ポイント1:望遠レンズを用意する
まず、先ほども説明したように望遠レンズは不可欠です。焦点距離の短いレンズでは、月がとても小さく写ってしまうので、望遠レンズは最低限用意しましょう。焦点距離は200mmくらいのレンズであれば大丈夫です。
できれば三脚も用意しましょう。望遠レンズで撮影する場合は手ブレが大きくなりますので三脚でカメラを固定すると手ブレを気にせず簡単に撮れます。
レリーズ(外付けのシャッター)があれば、カメラ本体のシャッターに触れずに撮影できるので、手ブレの心配がより少なくなりますが、なければセルフタイマーでも大丈夫です。
三脚の選び方については、こちらで詳しく解説してるので、ぜひご一読ください。
▼[最新]おすすめの三脚8選!選び方・メーカー・雲台・使い方
とはいえ、月の撮影時はじっくり狙って撮れるので、頑張って機材を用意しなくても、手持ち撮影でも月の写真は撮れます。
ブレたりしないようにしっかりカメラを固定して構えたり、ブレが出て撮影しなおしたり、気を使うのがストレスな方、手早く撮りたいという方は万全の機材で臨みましょう。
ポイント2:マニュアルモードでカメラを設定する
次に撮影モードについてです。撮影モードはマニュアル撮影モードにしましょう。今回は、明るい満月を狙うことを想定しています。以下の設定を試してみましょう。
- 絞り:F8
- シャッター速度:1/100
- ISO感度:400
- ホワイトバランス:オート
上記の設定は、手持ち撮影で満月の狙う場合の目安の設定です。経験上ではありますが、この設定で概ね撮影可能かと思います。あとは、シャッタースピードやISO感度については状況により色々と試してください。
設定以外に気をつける点は?
月は明るいので、長い時間シャッターをあける必要はありません。月の撮影のときは絞りはF8くらいでうまくいきます。
シャッター速度については月の明るさによって変えてみるのがいいと思います。大体50分の1秒くらいに設定して、明るい満月なら100分の1秒くらいを目安に設定します。月の露光に影響されますので、こだわりたい方は各設定を少しずつ調整しながら試してみましょう。
ホワイトバランスはオートの設定でよいと思いますが、やや白っぽく感じられる色になります。月が明るいのは太陽の光が当たっていることからも分かるように、光のベースは太陽光です。
なので、ホワイトバランスを太陽光に設定すれば、見た目と同じような黄色がかった月が撮れます。これも好みで設定を分けましょう。
AF設定で撮影をしている場合、AFのポイントを中心固定にし、月を中心に合わせてシャッターを押します。半押しでピントを合わせ、ピントが合っているかを確認しながら撮影すればOKです。
最後に、フラッシュは必要ありません!設定はOFFにしましょう。
ポイント3:出来上がった写真を加工する
月の写真を撮るときは、加工でひと手間加えるとよりキレイな写真になります。上の設定で撮ると、月はこんな感じで写るはずです。
ご覧のとおり、このままだとやや小さく感じると思いますので、パソコンやカメラで写真をトリミングをします。
トリミングすれば、こんな感じで月を大きくみせることができます。最近のデジタル一眼であれば、2000万画素くらいのものがほとんどなので、トリミングして引き伸ばしてもキレイな写真になります。
写真にもっとこだわりたいという方はさらに加工することで、月をキレイにみせることもできます。精細度などの設定を変更したり、ハイライトを調整することで、クレーターがはっきりとみえたり、月の輪郭が引き締まったようになります。
パソコンのフリーソフトでも可能なテクニックですので、写真撮影といっしょに画像の加工に挑戦するのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は月を撮影するためのポイントについてご説明しました。
ポイントを外さなければ、月は比較的簡単に撮影できます。月は季節をとわず、色々な表情をみせてくるので被写体としても面白いです。
また、お月さまを自分のイメージ通りに撮影できるととても楽しいのでおすすめです。
今回ご紹介した方法をぜひ試していただき、美しいお月さまの写真にぜひ挑戦してみてください!
原田 聖一朗 /
ビギナーズ編集部 ライター
一眼レフカメラやドローンなどガジェットの記事を中心に担当しています。カメラと動物とお酒が趣味です!初心者の方の目線に立って分かりやすい記事をお届けできるよう日々精進し、少しでも皆さんが趣味を楽しめるようになれれば嬉しいです。