GOLF

更新

アプローチウェッジの打ち方解説|名手になるための基礎知識

短い距離のアプローチショットに特化した最近流行のクラブがアプローチウェッジです。スコアメイクに好影響をもたらしますが、使いこなすには特徴とスイング理論をよく理解しておく必要があります。アプローチ上達のための知識をまとめました。
アプローチウェッジの打ち方解説|名手になるための基礎知識

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

アプローチショットの練習は意外と地味なことが多いです。

しかし、200ヤードのショットも10ヤードのショットも同じ1打です。グリーン周りのアプローチはスコアを大きく左右する重要なショットです。その巧拙が、その後のパターの難易度に直接影響してきます。

そして、アプローチには身体能力はほぼ関係ありません。力や運動のセンスがなくても、アプローチの名手は目指せます。正しい打ち方と練習法を知り、地道に練習すれば確実に上手くなれます。

アプローチショット用のクラブであるアプローチウェッジの紹介からはじめて、アプローチの打ち方や練習法など、グリーン周りに強くなるための基礎知識を紹介していきます。

アプローチウェッジの特徴

アプローチウェッジというアプローチ用の新しいクラブはどんな特長を持ち、なぜよく使われるようになったのかを解説します。

グリーン周りからのアプローチに使う

アプローチウェッジは、その名のとおりアプローチに使うクラブです。ピッチングウェッジを振り切るとオーバーしてしまうような、グリーンに近い地点からの寄せで使います。

少し前までそういう状況ではサンドウェッジが使われていました。しかしサンドウェッジは本来バンカーで使うものなので、クラブヘッドの下部の地面に触れるところがかなり斜めになっています。

このクラブの底の角度をバウンス角といいます。バウンス角が大きいと砂に潜りにくくなり、バンカーショットがやりやすくなる反面、悪いライではミスが出やすくなります。

アプローチウェッジは、サンドウェッジよりバウンス角が小さく、グリーン周りからのアプローチにより使いやすくなっています。

欧米ではギャップウェッジという

アプローチウェッジというのは和製英語で、欧米ではギャップウェッジと呼びます。飛距離のギャップを埋めるクラブ、という意味です。

飛距離のギャップというのは、ピッチングウェッジとサンドウェッジの間の飛距離の空隙のことです。

20世紀後半、クラブ製造技術の進歩でアイアンがより扱いやすくなると、飛距離を決めるクラブフェースの角度、すなわち「ロフト角」は全体的に小さくなり、アイアンの飛距離は伸びました。ピッチングウェッジもまた、昔より飛ぶクラブになっていきました。

しかしバンカー脱出という特殊な役割を持つサンドウェッジは、ロフト角を小さくするわけにはいきません。

結果として、ピッチングウェッジのロフト角は43°~47°ほど、サンドウェッジのロフト角は56°ぐらいと、セットによっては10°以上の差が生まれるようになりました。

サンドウェッジだと届かないが、ピッチングウェッジだと手加減して打たないといけない、という状況がひんぱんに生まれるようになったのです。

このロフト角と飛距離の隙間を埋めるべく登場したのが、アプローチウェッジです。ロフト角は製品によって違いますがおおよそ50°前後で、ちょうどピッチングとサンドの間の差を埋める役目を果たしています。

新しいクラブではありますが、その有用性からゴルフセットに標準装備されるクラブになりつつあります。

アプローチの正しい打ち方

アプローチショットは、ウッドや他のアイアンとは根本的に打ち方が違います。極端に狭いスタンスとグリップを余す握り方、体重移動をしないコンパクトなスイングと、正確さのみを追求したストイックな打法が要求されます。

正しいグリップの持ち方とスタンス

アプローチショットを上手く打つコツは、体重移動を極力抑えて小さく打つことです。そのために、まず構えるときに4つの点を心がけます。クラブを短く持ち、足幅を狭くし、ボールは真ん中に置き、軽いハンドファーストに構える、という4点です。

まず、両手はクラブのグリップの真ん中辺りを握るようにします。お尻の方を持ってはいけません。短く持つことで、スイングが自然に小さくなります。

また、両足は握りこぶし1個分ぐらいしか開きません。ほとんど足を揃えて立つのに近い感覚です。こうすることによって、体重移動ができなくなりショットのブレが抑えられます。身体が傾かないよう、体重は両足に均等にかけましょう。

ボールを置く位置は、両足のちょうど真ん中です。左右どちらにも寄らないよう注意します。

そして最後に、軽いハンドファーストに構えます。ハンドファーストとは、グリップがボールより打球の飛ぶ方向に寄ることです。アプローチウェッジの場合、グリップが左の内腿の前に来るようにします(右利きの場合)。それより左に行ってはいけません。ハンドファーストが強すぎるとダフリの原因になるからです。

スイングの振り幅は小さくする

他のクラブを振るときより小さなスイングを心がけるのがアプローチショットの鉄則です。小さく軽く振ってこそ、いつも一定の飛距離が出て方向性も安定するからです。

小さなショットとはどんなスイングなのでしょう。より具体的にいうと、バックスイングのとき、最大でもグリップが時計の10時の位置で止まるようなスイングです。頭の上までクラブを振り上げたりしません。

グリップが右腰(右利きの場合)を通り過ぎて少し上がった辺りで止めて切り返す感覚です。距離が短ければさらに手前で止めます。

体の軸を保つ

小さなスイングというのは腕だけで振るスイングではありません。これは非常によくある誤解で、多くのアマチュアゴルファーがここでつまずいています。

頭を動かすまいとして、上半身を全く動かさずに腕だけでクラブを振り上げる人がいます。これだとかえって身体の軸はブレてしまいます。人の身体は連動して動くようにできているので、腕を動かしたらそれに付随する部位もちゃんと動かさないと動作は歪みます。

腕が動いた分だけ、肩も回す意識を持ちましょう。その上で、頭と下半身、すなわち身体の軸は動かないよう心がけます。

もし、肩が動いた結果頭がどうしても動いて軸が崩れてしまうようなら、それはスイングが大き過ぎるということです。頭が動かない範囲のスイングで打ちましょう。

右手の角度を保ってフェース面に当てる

なぜ小さなスイングをすべきかというと、アプローチショットには何より正確さが求められるからです。

正確なスイングとは、インパクト時に、スタンスで作ったのと同じ状態にクラブがきちんと戻ってくるようなスイングのことです。

スタンスでは軽いハンドファーストに構えてクラブフェースを飛ばしたい方向の正面に向けました。バックスイングのあと、これと同じ状態に戻ってきてインパクトを迎えることが何より大切です。そのためには、手首を使わず、動かさずにスイングする必要があります。

両手首をできる限りこねず、折らないようにして、手首の角度を保ったままでバックスイングし、切り返して振り下ろします。この切り返しからインパクトを迎える前後で、右手の手首(右利きの場合)を強く意識してみましょう。アドレスのときに作った角度に戻ってきているかどうかが体感で分かるはずです。

もし右手首が手の甲側に折れてしまうようなら、ハンドファーストが強くなり過ぎてダフリが頻発します。逆に右手首が構えたときより伸び切るようなら、すくい打ちになってしまいトップなどのミスになります。右手首の角度を意識して何度もスイングし、手首を使わないコツを習得してください。

クラブと一緒に細長い棒を持ち、左脇腹にその棒が触れないように(つまり適度なハンドファーストを保ったままで)振るという練習も試してみると良いでしょう。正しい手首の角度の習得のために役立ちます。

アプローチの練習方法

アプローチショットを練習するときに知っておいた方が良い知識をいくつか紹介します。

ティーアップをして練習する

コース上ではティーアップしてアプローチショットを打つことは無いので、ティーアップしての練習は無意味に思えるかもしれません。

しかし、アプローチウェッジに不慣れな人が打つ感覚を掴むのには有効な練習です。ボールを芯に当てる感覚を身体に覚え込ませることができるので、初心者やショートアイアンに自信が無い人はまず、ティーアップして打ってみてください。

ただ、高いティーで打つのは、本番のシチュエーションからあまりに離れるので無意味です。なるべく低いティーで打つようにしましょう。

距離に応じたバックスイングの角度を覚える

アプローチウェッジはサンドウェッジを除くと一番短いクラブなので、ごく短いアプローチをほぼ全面的に担うことになります。当然、いろいろな距離のショットを打ち分ける必要がでてきます。

距離の調整は、バックスイングの大きさで行います。20ヤードならこのくらいまでクラブを引く、30ヤードならこのくらいまでクラブを引く、というふうに、距離を決めて打ってみて、距離に合ったバックスイングを覚えます。

練習場で実際に打ってみる

距離の打ち分けを練習するには、打ちっぱなしの練習場に行くのが1番です。練習場には必ず距離の目印があるので、打ち分けの練習に最適です。

練習場の中には、アプローチ専用の環境やバンカーが用意してあるところがあります。そういうところで練習ができれば、ただ打つより上達速度がぐんと上がります。自宅から行ける範囲にそういったアプローチ用の練習場をそなえた場所が無いか、探してみてください。

練習器具を活用する

アプローチショットは自宅でも練習できます。とはいえ硬いボールを飛ばすので、なんの設備も無く練習すると家を傷つけることになりかねません。

アプローチショット練習用のコンパクトな器具が開発されているので、それを使うのがおすすめです。

たとえば、「アプローチ名人」という器具は、室内の小さなスペースでアプローチを打つことができ、ロブ、ピッチ、チップ、ランニングと4種類のアプローチショットの練習ができます。

また、「ダイヤアプローチセット462」は、器具のサイズが小さいのでちょっとしたスペースで練習でき、設置も片付けも簡単です。こういった器具を使えば、遠い練習場に行かなくてもアプローチの上達が望めます。

アプローチウェッジの選び方

手持ちのゴルフセットの中にアプローチウェッジが無く、単独で買って組み入れたいときに、どこに注目して選べばいいのかを、ロフト角、ヘッド、重さの3点から解説します。

ロフト角度から選ぶ

何よりも優先してチェックしたいのがロフト角です。ロフト角によってそのクラブの飛距離が決まるからです。アプローチウェッジの場合、すぐ上のクラブであるお手持ちのピッチングウェッジのロフト角を確認し、それとの差を見て選ぶことになります。

現在、ゴルフメーカーが用意するクラブセットのアイアンは大体の場合、番手がひとつ下がるとロフト角が4°から5°程度上がるような設計になっています。クラブにもよりますが、ロフト角が4°違うとおよそ10ヤードほど飛距離が変わります。

アプローチウェッジを単体で買ってセットに組み込む場合、お手持ちのピッチングウェッジのロフト角より4°大きいものを選ぶようにしましょう。

ピッチングウェッジが45°なら49°~50°のものを選ぶと、既にあるクラブセットにすんなり馴染んで、違和感なく使えるようになります。

ヘッドが大きくソールが広いものを選ぶ

次に注目したいのがクラブヘッドです。初心者から中級者ぐらいのゴルファーは、なるべくヘッドが大きくソールが広いタイプのものを選ぶと良いでしょう。

ドライバーなどと同じく、アプローチウェッジもヘッドが大きいタイプほどぶれにくく、多少のミスでもその大きさでカバーしてくれるので扱いやすくなっています。

もうひとつ、ヘッドの底の厚みの部分をソールといいます。ソールが幅広いほど地面にザックリ刺さってしまうことが減り、適度に滑ってくれるのでミスショットしにくくなります。だいたい親指の幅が基準で、それよりソールが広いものは初心者向けと思っていいでしょう。

重さから選ぶ

重さについては、手持ちのピッチングウェッジ、サンドウェッジと比較しながら選ぶと良いでしょう。これらと大きく重さの違うクラブは避けるべきです。特に、ピッチングより軽いと打つときの感覚に混乱が生まれがちなので注意してください。

ピッチングやサンドと同じような使い心地で使っていきたい、という場合は同じぐらいの重さにすると安定します。アプローチウェッジならではの使い勝手にこだわりがあり、なるべく短く持って振っていきたい、考えるなら少しだけ重めのものを選ぶのがおすすめです。

アプローチウェッジの打ち方をマスターしてスコアを伸ばそう

アプローチショットが上手い人はコース上で大叩きをしません。長いクラブでミスしてグリーンを外しても、1打でそのミスを取り返してしまえるからです。また、アプローチショットが上手い人はパターの調子が悪くてもスコアをまとめられます。パターで打ちやすい場所に乗せることができるからです。

アプローチは才能に関係なく、日頃のちょっとした練習の積み重ねで上手くなれます。是非、アプローチの名手を目指してみてください。

こちらの記事では、初心者向けにおすすめのゴルフレッスン・ゴルフスクールをご紹介しています。上達のスピードを上げたい方は参考にしてみてくださいね。

マーケットエンタープライズフィールドセールス

ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味と出逢うメディアサイト「ビギナーズ」の編集部です。趣味を見つけたい方を応援します。

ビギナーズTOPページ