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将棋の攻め方や守り方、初心者におすすめの戦法を紹介

将棋初心者にとって、上達の秘訣は序盤を乗り切ることです。そして数多く終盤の接戦をしていくうちに、3手先や5手先を読む力がついていきます。初心者におすすめの情報として、攻めと守りの決まりと、戦いやすい戦法を紹介していきます。
将棋の攻め方や守り方、初心者におすすめの戦法を紹介

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なかなか将棋が上達しないことや、序盤の局面で大きな差が出てしまい、試合にならないという初心者の人は多いです。それは自分の得意な戦法を決めていないからです。

同じような戦法を指していると必ず上達します。特に序盤に大きなミスをすることが少なくなり、相手は上級者でも終盤まで熱戦を行える実力がつきます。

将棋には100%勝てるという戦法はありません。駒の動きや流れなどがすこし分かっているあなたには、自分の好きな戦法で、数多く将棋を指すことが上達の秘訣です。

囲碁やチェスと違い取った駒を使える将棋は、今ようやくAIが人間に追いつこうとしています。ちょっとしたコンピューター相手にも、街の将棋教室のような場所で指すにも、自分の得意戦法を決めておきましょう。

今回の記事では、主に戦法について取り扱っています。選ぶならこの中の戦法を使うのがよいでしょう。

将棋は奥が深く、指せば指すほどにいろいろな局面がでてくるゲームです。初心者向けに将棋の戦法とそのポイントについて詳しく解説します。

将棋を指し始めの人や、将棋をしばらくやっていない人に読んでいただきたい情報です。

初心者が将棋の戦法を考えるときのポイント

初心者が将棋の戦法を考えるときに、どのような点に気をつけたら良いでしょうか。基本的なところから学んでいきます。

攻めの理想形は4枚

攻めの理想形は飛車と角、王様と反対側の銀と桂馬の4枚を参加させるようにすると良いです。少なくてもこの4枚が無いと相手の守備陣を崩すことはできず、自分から主導権を握る戦いができません。

初心者はたとえ負けても自分から主導権を握る戦いができると、より上達が早くなります。これらの4枚の駒とあとは、取った駒を上手に使い、将棋のペースを握れるように努力してみましょう。

ちなみに飛車がある側の香車も攻撃には参加できます。ただし、居飛車以外の端に寄った戦法ほど手の種類に限りが出てきてしまい狙いが読まれやすい傾向があります。

お互いの飛車や角などの位置に十分注意しつつ、場面を広く掌握できるように指すと他の駒も生きてきます。取った歩などを活用しつつ、先ほどあげた4枚の駒の連携で相手の守備を崩すように指していきましょう。

玉の守りは金2枚と銀1枚で固める

玉の位置は、基本的に攻める側の陣地とは反対の方向にすることが良いです。「玉飛接近すべからず」という格言があるぐらいなので、なるべく攻める側と、守る側の陣地を混合しないことです。

玉を囲う方法は何種類もありますが、相手の飛車の位置や、攻め手の位置によって変えることがベストです。金2枚と銀1枚は玉の側に置き、守りに専念させるようにすると良いでしょう。

玉を囲う側の桂馬や香車は基本動かさないことです(一部の囲い方は違います)。

攻めと守りを上手に分担するように戦法を考えると良いでしょう。

悪い手をささずに普通の手を続ける

終盤まで接戦を演じるには悪手を指さないことです。一部のプロ棋士は違いますが、将棋を勝つためには妙手や好手はいりません。

当たり前の手を組んでいき、3手先を読みつつ、ちょっとずつ貯金をするように指していくことが上達の秘訣です。その中でなるべく妙手や好手などにはとらわれず、普通の手を順番に指していくと良いでしょう。

例えば大きな駒を取れる場面では確実に取っておくことや、両取りもすぐには指さず、すこし展開を考えてから指すと良いです。

終盤に入って、寄せはまた別の話になりますが、勝負になる試合を数多くすることが上達の秘訣ですよ。

受けにばかり回らないようにする

将棋は位取り(味方の歩が中央まで進むこと)が勝率を大きく上げるといわれています。そのためには攻める側の場所である飛車先の歩を積極的に中央まで進めるようにしましょう。

受けばかりに回っていて、攻め手が無くなってしまったというケースもありますが、その試合で得られるものは少ないです。攻めにも積極的な動かし方が求められます。

したがって状況にもよりますが、駒を取られても前に進んだ方が良いケースもあります。将棋は成り制度があるために、攻めた方が得になるケースが多いです。

攻撃は最大の防御と言いますが、将棋は積極的に攻めていく方が良いでしょう。

将棋の基本となる2つの戦法とは

まず具体的な戦法を学ぶ前に基本となる2つの戦法を知っておきましょう。

飛車を定位置に据えて戦う居飛車

飛車を移動させず定位置のままで戦う(もしくは、その筋に置いて動かす)方法を居飛車と言います。

居飛車の場合には、お互いに居飛車の戦法(相居飛車)と、相手が振り飛車の戦法に分けられます。

居飛車のメリット

居飛車のメリットは、攻めの手数を抑えられる点です。このため、素早く中央まで飛車先の歩を進めます(2五歩又は8五歩)。そして、歩を突いて交換し、攻めるタイミングはこちらが多いです。

その交換するタイミングに、銀をからめるか、角をからめるかというのは、自分の指し方次第です。したがって、先手番の場合には、主導権を握った状態で戦うことができます。

玉は、居飛車の場合には大抵6筋(後手番は4筋)、もしくは8筋(後手番の場合には2筋)に囲います。バランスの良い戦法で、一番多く指されている方法です。

居飛車のデメリット

居飛車の場合には、比較的将棋盤の全般で戦いが起こることが多く、攻めと守りいろいろな配慮が必要になります。

また、相手が振り飛車で、自分の飛車先を抑えられるような形になると、ほとんどの場合負けてしまいます。

飛車と共に角の使い方もいろいろな方法があり、遠くへ効かせやすいので、盤面を広く見る目が問われます。

指していくうちに慣れるでしょうが、初心者には難しい局面が出てくることもありますね。

飛車を左翼に展開する振り飛車

飛車を左側へ振り左側から攻める戦法を振り飛車と言います。振り飛車の場合に勝負のポイントとなるのが角交換です。

このため角を交換しない角道クローズドの戦法か、角交換しても良いような角道をオープンさせていく戦法に分けられます。飛車を振ることのメリットとデメリットを紹介します。

振り飛車のメリット

居飛車の場合には、角の使い方が非常に難しいケースが多いです。また振り飛車の場合には、居飛車のように歩を進めて囲う必要が少なく、手数をかけず早く囲うことができます。

居飛車の場合には、いろいろ覚えなければいけない駒の動かし方などがあります。

しかし振り飛車は振った先の歩が伸びていれば、そこを中心に攻める方法が主になるので、定跡が少ないのもメリットです。

このため初心者は振り飛車から覚えると良いと言う人もいます。振り飛車の場合には相手が居飛車のことが多く、攻める側と守る側の陣地が一致し、形勢の判断がしやすいのも初心者にはやさしいです。

振り飛車のデメリット

飛車の移動に1手損をしてしまうため攻めを相手に任せて受けに回ることが多くなり、こちらからの主導権が取りにくい戦法が多いです。

また同じ攻める側がぶつかるので、早めに抑え込まれてしまうことも多いです。

どこに飛車を振るかによっても大きく異なりますが、中盤で決着がついてしまい終盤の楽しみが減る点はマイナスです。

居飛車の戦法一覧

居飛車の具体的な戦法とポイントになる部分を知っておき、自分の戦法を決める手助けになってみましょう。

居飛車の戦いが多いとは言え未だに定跡が無い戦法も多く、自分のアイデアではいろいろな方法が見つかるかも知れません。

居飛車に多い戦法を6つ取り上げます。攻めと守りですが上手に組み合わせ、序盤で負けないようにしましょう。

力戦(定跡から外れた戦い)が好きな人におすすめな相掛かり

お互い相居飛車で飛車先の歩をすぐに伸ばしていき、歩を交換してしまいます。一番強い駒である飛車が相手に近い場所に来るので激しい試合になりがちです。

また飛車をどこに引くのかによっても、形勢や駒組が大きく変わり、現状では定跡が整備されていない(正しいとされている手が分からない)戦法です。

初心者にはやや難しい戦法ですが、飛車先の歩を交換したあとは元に位置に引いてしまい、ややゆったり目の流れにすることもできます。

お互いに飛車先の歩を交換するタイミングでの駒の位置と、角をさばくタイミングや玉の動かし方が大きなポイントです。場合によっては一瞬で勝負が決まる可能性もあります。

やや緩やかな流れにするのなら、飛車先の歩を交換したのち、駒組を注意しつつ、銀や桂馬、歩などの小駒を絡めて、相手陣を攻めるようにすると良いでしょう。

角の打ち込みに気を遣う角換わり

真っ先に角道をお互いに開けて、そのタイミングで角交換をしてしまう戦法です。

相居飛車で後手を持った場合に行うことが多く、一時期プロでは勝率が高かった戦法で積極的に指されていました。

初心者や中級者は角が持ち駒にあるので、戦法の幅が広くいろいろな方法で相手を苦しめることができます。その反面、常に角の打ち込みに注意しないといけないので、繊細な自陣の駒組が求められます。

角の使い道ですが、大きく分けて2つあります。相手の玉の囲いの急所に遠目から狙いを定める方法と、打ち込め成れるタイミングで早めに打ち込んでしまい馬を作り、その陣地を掌握する方法です。

ただし、角を上手に使わないと悪手になる可能性もあるので、しっかりと先を読んでから、他の駒と連携させると良いでしょう。

プロ・アマ問わず人気の矢倉

将棋の中で最も難易度が高く、そしてバランスの良い戦いになることが多いのがお互いに矢倉を囲う方法です。

相居飛車などの時に起こることが多く、初期の角の位置に玉が入ります(入らない方法もあります)。

駒組の際に注意しないといけないのが角の動かし方です。前に出してから引くか、7九角(後手なら3一角)と引いてから動かす方法です。

手数が比較的かかるために、隙を見せると、歩を付いてきたりして、急戦を仕掛けられるので、角の動かすタイミングや、歩先の付き方などに細心の注意を払います。角をどうさばくかが序盤のポイントになる戦法です。

また、矢倉自体は堅牢な要塞ですが、駒の連携が乱れてしまうと、一気に崩れてしまうことが多いです。そうすると逃げ場が少ない状態なので、一気に勝負が決まることがあります。

その点で気が抜けない戦法です。ただ居飛車でやっていくなら、必ず覚えておくと良いでしょう。

銀将を棒のように真っ直ぐ進める棒銀

飛車先を突いた歩の位置から真っ直ぐに銀を進めていく戦法が棒銀です。

居飛車では早い展開の試合で使われることが多く、香車を絡めた1筋を攻めることから、4筋を攻める方法まで、いろいろあります。

銀が捌きやすく、早めに駒損を恐れずに、相手陣地を崩していきます。銀を壁にしているため、飛車も有効活用しやすい戦法です。

相手が振り飛車でも居飛車でも使える戦法で、振り飛車なら相手の攻める部分を上から押さえつける形になります。逆に居飛車なら相手が囲う前に攻めてしまうか、角を引いた場所と連携して1筋を攻める方法などがあります。

ただ、銀の動きによっては攻める場所が相手に分かりやすく、対策を立てられると上手くいかない戦法です。即効型のオプションとして覚えておくと良いでしょう。

持久戦にも柔軟に対応できる左美濃

以前は、対振り飛車に対しては船囲いが有名でしたが、駒の連携上終盤に崩されやすいデメリットがあるために、それに替わる方法として編み出された戦法です。玉が8筋に来るように角を動かし作ります。

手数が比較的かからない点と、駒同士が連携している点があり相居飛車でも時々見られる戦法です。

しかし7七角(後手では3三角)の頭の歩が急所になっていることや、9筋(後手では1筋)からの攻めに瓦解する危険性があるので、そこから攻められないような工夫をする必要があります。

それ以外に対しては、駒が連携しているために終盤でも強く、比較的用いやすい戦法です。初心者同士の戦いなら、相手が振り飛車の場合にはかなり効果のある方法です。

また、左美濃は、高美濃囲いなどへの移行や、角換わりの戦法に対しても柔軟に対応できる戦法です。玉頭から攻めるように相手が変化したら高美濃への移行などをすると良いでしょう。

持久戦策の居飛車穴熊

居飛車側が対振り飛車戦で穴熊囲いを目指す戦法です。この場合は左美濃の囲うフリをしながら、慎重に駒組をする必要があります。

特に玉頭が弱いために、相手が飛車を振って囲ったタイミングで、穴熊に入ると良いでしょう。

メリットは、金が一枚浮くので、相手の攻める側の受けに回すことができる点と、簡単に崩せない点です。逆に、手数がかかるので、相手に押し込まれる点があるのがデメリットです。

上手に駒組をしないと形勢が押し込まれる一方なので、急戦の攻めの戦法などと併用すると良いでしょう。終盤の固さには定評があります。

船囲いを一度組み、それかれ手が空いているのを見計らって組む方法もあります。角換わりの場合には角の打ち込み場所が増えてしまう点があり、不利になるケースがあるので注意しましょう。

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振り飛車の戦法一覧

振り飛車の戦法は実に多彩です。飛車が自由に動き回れる点が大きな理由です。

主に6つの戦法について詳しく解説していきます。まだまだ解明されていないこともあり、これからのプロの対局などによってより新しい戦法も出るかも知れません。

初心者向けの中飛車

場面の中央に飛車を振るのを中飛車と言います。初心者には指しやすい手で比較的自由度が高い戦法です。

5筋の位取りだけ注意すると、形勢を有利にすることが可能です。特に早めに5五歩はついておきたいところです。

通称「ゴキゲン中飛車」と言われる戦法ですが、早めに位を取り、それから角道を開けます。角交換をここでしてしまうとほぼ相手に馬を作られてしまうからです。

相手が居飛車の場合には飛車先の歩が伸びていることがあるでしょう。飛車を振った一手損をしているため、飛車先の歩を伸ばしてきたときに交換してしまい、それから角を取るようにすると相手に龍を作られます。しかし、自軍では馬ができるのでなぜか形勢は不利にはなりません。

中飛車の場合には、相手の飛車の反対側に玉を逃がしていくと良いでしょう。囲いは金と銀の2枚で十分です。

もっと手数をかけると、3枚などで囲う方法もあります。やや相手の成りこみには警戒が必要ですが、状況によっては金を飛車先に受けたりして対応すると良いです。

囲い方も美濃囲いから穴熊までいろいろな囲いとの相性が良いです。問題は手を作る方法だけです。序盤の駒の動かし方に注意すると、初心者でも善戦しやすい戦法です。

角や左銀の活用がしやすい三間飛車

初手に7筋(後手の3筋)の歩を伸ばすことが多いでしょう。理由は角道を開けるからです。

それを利用してその筋に飛車を振る方法を三間飛車と言います。この方法だと振った飛車の一手が損になりにくいので、急戦から持久戦まで対応可能です。

主にプロでは居飛車穴熊の対策として利用されています。手数の優位差を利用して攻める側を押し込んでしまう方法です。

少し悩ましいのが、左側の桂馬の使い方です。また相手が受けている場合に7筋(後手の3筋)歩先を伸ばしていないケース等は注意が必要です(手を損するケースがあるため)。

角交換をしても良いですし、銀を棒銀の使い方のように使用しても良いです。いずれにしても積極的に位を取りに行くと良いでしょう。

特に相手が居飛車の場合には、飛車を圧迫するように攻めると有利になります。囲いは、美濃囲いや相手が振り飛車なら高美濃囲いなどが使いやすいです。

攻守のバランスに優れた四間飛車

先手は6筋(後手は4筋)に飛車を振るのを四間飛車と言います。振り飛車の中ではバランスの取れた戦法です。

四間飛車の場合には、居飛車側からよく急戦を仕掛けられます。つまり相手玉の囲いが成立する前に仕掛けられることが多いです。

この急戦に関しては賛否がありますが、3つのセオリーを覚えておくと勝率がグッと上がります。

その3つのセオリーの1つ目が相手銀を前に出させないことです。

これは相手銀に急戦から前に出て飛車の頭を抑えられると、角と飛車両方の役割が無くなる可能性があります。上手く相手銀を下げるようにして急戦を回避すると良いでしょう。

もう1つが飛車を歩が突かれた筋へ振ることです。先手の場合には、角が飛び出してその頭の7筋を良く狙われます。突かれた時に取るのではなく、飛車を振ってその後に角を逃がすようにしましょう。

場合によっては交換でも良いです。この交換時のセオリーが角を交換してから、飛車を交換するようにさばくことです。

急戦の場合には相手は船囲い、こちらは美濃囲いのケースが多いでしょう。交換をしてどちらも大駒を打ち込める状態なら圧倒的に美濃囲いの方が固いです。

四間飛車の場合には急戦への対策だけをしておけば、ある程度試合になる戦法です。以上のセオリーをしっかり守り、一方的な試合にならないようにしましょう。

特に飛車を振ることをためらわないことが勝率を上げる秘訣です。

相手の飛車先を逆襲する向かい飛車

先ほどのセオリーで仕掛け筋に飛車を振ることを実践している戦法が向かい飛車です。向かい飛車の場合には、居飛車のケースなら相手の飛車と向き合います。

向かい飛車の場合には、先手側の9筋からの崩しが有効になります。飛車先の歩を交換したあとに桂馬を飛ぶようにし、9筋から8筋に狙いを定めるようにします。もちろん駒の交換でも良いです。

向かい飛車の場合は相手の組み方によっては、一気に王手が狙えます。特に5筋を突くと、角が成りこめるチャンスがあります。

飛車が向き合っていて、どいたらどちらの飛車が押されるような感覚がありますが、こちらの角が相手の玉をにらんでいるのに対して、相手の角は玉をにらんでいないのが大きなメリットです。当然向かい飛車側の方が、強力で有効な形になっています。

ただ駒のさばき方などを失敗すると大駒2枚とも取られてしまい、いきなり勝敗が決まる手筋が多いので、初心者にはやや難しい戦法です。

対局者同士が共に振り飛車にする相振り飛車

プロでもあまり発生しない陣形のため、未知の要素が大きな戦法です。主に後手番が先に振り美濃囲いに向かうのに対して、それをとがめるために積極的に位を取りに行く際にできる戦い方が多いです。

もちろん位を取ってそちらの方に飛車を振ることと、玉が右に寄るタイミングをどうつかむかが勝敗のポイントです。後手番も相手の玉が右へと寄ったときに振ることがまれにあります。

この駒組のポイントは、玉を動かすタイミングにあります。先に飛車を振らないといけないことから、上手に駒組の手順を踏まないと整わない状態で攻め込まれ、あっさり負けてしまうこともあるでしょう。

相手が玉をなかなか動かさないと思ったら、相振り飛車の流れになるかもしれません。仕掛けどころは玉を囲う前に起こる可能性が高いので、一気に勝負が決まることが多いです。

まだまだ未知の要素が大きなために、プロでも研究途上の手筋です。

位取りの圧力を緩和できる振り飛車穴熊

歩で位取りをして、玉頭を攻めてきたら、有効な囲い方は穴熊です。穴熊の特徴は、低く囲い、歩を延ばさないことです。

相手が積極的に位取りしてきても、駒の動かし方で粘れる戦法です。相手が位取りに手数を使っているうちに、安全な場所の奥に玉を移動させましょう。

居飛車の穴熊より角筋の歩を突いていない分、振り飛車の穴熊の方が堅牢です。相手に歩を突かれた時に取って、また歩を打ち粘る方法を用いることや、余っている金の使い方が大きな勝敗のポイントになります。

金の使い方によっては受け重視で対抗できますし、駒の交換は積極的に行うと良いです。穴熊は相手の囲いよりはるかに強いので多少駒損をしても大丈夫ですよ。

独自に工夫する力戦型の戦法

あまりプロの試合でも用いられない力戦型の戦法を2種類紹介します。ポイントと勝敗を分ける秘訣についても少し触れておきます。

様々な差し方に移行できる筋違い角

角を交換したのちに、初期配置とは違う筋にあえて角を打つことを筋違い角と言います。

目的は、歩を数多く手に入れることです。

勝敗を分けるポイントは、その打った角が成りこめるかどうかです。角が成りこめない場合には、多くのケースで苦戦することでしょう。

飛車先の歩も取ってしまい、飛車先の歩を伸ばせる状態にできて、角をさばけるのなら成功です。多くの場合には、居飛車の急戦の方法として用いられます。

相手の駒組が整う前に角を打つことと、飛車先の歩が伸びていることが絶対条件の戦法です。したがって、あまりプロの実戦では見ない形です。

飛車を定位置から左に動かした袖飛車

先手なら飛車を3筋に、後手なら7筋に1個動かすことを袖飛車と言います。

この筋の歩を先に1つ突き、相手が居飛車の戦型で来る場合や、三間飛車の場合にまれに出てくる力戦系の手筋です。

メリットは相手の戦型(特に矢倉)ができる前に、歩の交換ができると有利になります。またこの筋の歩をついていることで、自然に銀や桂馬が動ける形になります。

相手が三間飛車の場合には、向かい飛車のような形になるでしょう。離れている角をどう効かせるかと、桂馬や銀などのさばき方を上手に行えるかが勝敗のポイントです。

袖飛車の場合は棋譜も少なく、定跡という定跡がまだ存在しません。また、受けも角を筋違いで打つ必要があるケースなどいろいろあるので、もしかしたら、袖飛車使いの名手が現れるかも知れませんね。

しかし一般的に袖飛車なら居飛車の方が勝率は高く、プロではあまり用いられていません。角交換からの筋で急戦狙いなら、こういった戦法も十分に考えられるかも知れないです。

手数を少なく、かつ、受け身が苦手なタイプなら、試してみる価値がありそうです。相手の囲いができる前に仕掛けることが絶対条件です。

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戦法を覚えて勝利を目指そう

戦法の決め方は2つあります。主に自分の戦法を事前に決めておくことと相手の戦型に合わせる方法です。

初心者は、先に自分の戦法を決めておくことで、その戦型で数多く指すことが上達の秘訣です。自分の戦法をこの中からでも良いので、選んでたくさん指してみましょう。

序盤は、組み方を覚えておくと良いことから棋譜などを調べて、それを将棋盤の上で並べてみることも上達する秘訣です。戦法と定跡を覚えて序盤でのミスを無くしてみましょう。

居飛車の場合には、相手の飛車の位置に対応して囲うことが多いです。また、基本的に仕掛けることが多くなります。

振り飛車の場合には、相手の仕掛けに反応する機会が多くなります。急戦型を望むのなら中飛車などで積極的に位を取っていく戦法もあります。

力戦型の戦法は、実績が少なくまだ定跡ができていません。それだけに魅力ある戦術です。

最近では、将棋ソフトもかなりの高性能ですから、AIを相手にしても面白いかもしれません。ただし、奇襲などが成功しにくい傾向なので、意外な戦法は対人間に取っておくと良いでしょう。

自分なりの戦法を見つけてそれを突き詰めていくと良いです。数多く将棋を指す機会を増やして勝利を目指してみましょう。

こちらの記事では、将棋の初心者が上手になるためのポイントを押さえたトレーニング方法を解説しています。

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ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

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