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わかりやすい囲碁の基本的なルールや打ち方をわかりやすく解説
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囲碁が難しく感じるのは、盤面が広くさまざまな戦略があるからです。囲碁は陣取りゲームです。子供でも打てることからわかるように、ルール自体はそれほど複雑ではありません。
石を取り囲んで相手の石を取る方法など、基本的なルールを身につければ人と対戦していくことが可能です。この記事では初心者向けに囲碁の基本的なルール記載しているので、楽しんで身につけていきましょう。
囲碁とは
そもそも囲碁とはどのようなゲームなのでしょうか。ここでは囲碁の世界の入り口である基本的な情報をみていきます。
囲碁とは陣取りゲーム
囲碁は一言で説明すると「陣取りゲーム」です。互いに白と黒の碁石を持って、それを盤面に並べることで陣地を広げます。
陣地を広げるには戦略が必要で、相手の石を囲むことで対局者の石を取ることが可能です。
平安時代の貴族・僧侶、宮廷の女性や戦国時代の武将などがたしなんできた、古くから日本に伝わる知的ゲームだといえます。
囲碁の道具は碁盤と碁石
囲碁を始めるにあたって必要な道具は碁盤と碁石です。正式な碁盤は19路盤で、縦横に19本の線があります。
19路盤の他にも4、5、6、7、8、9、13路盤があります。初心者はルールを学びやすい9路盤からスタートするのがよいでしょう。碁盤は中央、隅、辺に分けられ、そこに黒と白の碁石を並べていきます。
先手後手の決め方
まずは囲碁の始めかたを紹介します。石の色や、先手後手の決め方などをみていきましょう。
「ニギリ」という方法で決める
先手後手はじゃんけんなどで決めてもよいのですが、正式な決め方は「ニギリ」という方法をつかいます。次ににぎりのやり方をまとめたので参考にしてみてください。AさんとBさんが対戦するとします。
- (A)白石を好きなだけ握る
- (B)黒石を碁盤の上に1個か2個出す(白石の数が奇数だと思う場合は1個、偶数だと思う場合は2個)
- (A)握っていた白石を碁盤の上で数える
- (B)白の握っていた石の数は偶数か奇数か。当たっていた場合は先手(黒番)、外れていた場合は後手(白番)になる。
「ニギリ」とはつまり、相手がいくつの石を持っているか石の数当てです。予想が当たったら先手を取ることができます。
力量に差がある場合は弱い人が黒石
囲碁では先手(黒番)が有利になります。通常は強い人が白石を持ち、黒石は弱い人が持ちます。
二人が同じくらいの強さならば「ニギリ」で先手後手を決めればよいのですが、明らかに力に差がある場合には弱い人が黒石を持つようにしましょう。
黒の先手がどれくらい有利かというと、通常互先の場合、白番は6目半のコミが与えられます。黒番は7目以上リードしていないと負けます。
また力量に差があることがハッキリしている場合、力を公平にするために弱い方が盤面にいくつかの石を置いてハンデをつけてからスタートすることがあります。
囲碁の基本ルール
囲碁の基本ルールを初心者にも分かりやすく解説していきます。碁石を置く場所や相手の石をとる方法をみていきましょう。
碁石は黒と白を交互に交点へ置く
「ニギリ」などで先手後手を決めた後、黒石が先手となりゲームが始まります。囲碁では将棋やオセロのようにマスの中に石を置きません。黒石の次は白石と、交互に交点に碁石を打っていきます。
碁石は置かれていない場所には自由に置くことができます。しかし、呼吸点が1ヶ所以上ない場所など、ルール上打つことができない場所(着手禁止点)もあるので、注意する必要があります。
囲碁は「陣取りゲーム」です。石を置くことにより陣地を広げていきます。相手がどのように陣地を広げてくるのか予測しつつ、それを切り崩して自分の陣地を広げましょう。
ルールを覚えたら、どんどん対局を積み重ねてください。人と対局していくことで実力はアップします。
- ニギリ:先手後手を決める方法のひとつです。片方が石を握り、もう片方が握られている石の数が偶数か奇数か当てます。当たったら先手、当たらなかったら後手になります。
- 交点:碁石を置く場所、線が交差している場所です。
- 打つ:碁石を置くことです。
- 着手禁止点:石を置いては行けない場所です。四方を敵に囲まれていて、石を置くと同時に石を取られてしまうところには打てません。
- 呼吸点:碁石の周りにある交点のことです。相手の碁石によって呼吸点を塞がれると、自石は取られてしまいます。石を交点に置いたとき、隣接する交点が空いていれば、呼吸法になぞられて息ができると考えます。呼吸点の数が多いほどその石は生きやすく、呼吸点の数が少ないほど石は弱まり、呼吸点がなくなると石は死んでしまいます。
相手の碁石を縦横囲むと取ることができる
陣地を広げるために相手の碁石を囲って相手の碁石を取り上げる方法があります。これは囲碁のルールの基本中の基本です。囲碁を始めたら「相手の石を囲って取る」方法をまず身につけましょう。
相手の石を囲うのは「縦」と「橫」だけで、「斜め」は関係ありません。また碁盤の外側を使って囲っても大丈夫です。
対局している間は相手の石を囲んで取るだけではなく、相手に石を取られないように気をつけなければなりません。石を囲まれ、呼吸点が一つだけになった状態を「アタリ」といい非常に危険な状態です。
アタリの他に石の形がツナギやキリ、コウと呼ばれる形になることがあります。それぞれ対処方法を身につけておきましょう。
- アタリ:呼吸点が1つだけになった形です。その呼吸点に相手の石を置かれると、自石は死んでしまいます。
- ツナギ:石を一直線につなげた形が「ツナギ」です。
- キリ:相手と自分の石が+の形に交差し、その交点を自石で押さえることができたとします。その真ん中の交点に置いた石の呼吸点に、相手が石を置いてくる場合があります。これが「キリ」です。キリに対して誤った対応をしてしまうと、分断したはずの相手が上手につながってしまうことがあります。
- コウ:相手が石を取ったあと、次の一手で石を取り返し、もとの形に戻せることがあります。この場合、相手が石を取り、自分が石を取りと無限ループになってしまいますが、これがコウの形です。
- コウのルール:コウの形になってしまったとき、すぐに石を取り返せないというルールです。一度別の場所に打てば、次の順番のときにコウの石を取り返すことができます。
碁石を置けない場所とは
碁石が置かれていないところに、基本的には碁石を置くことができます。しかし例外が2つだけあります。ここでは碁石をおけない場所についてみていきます。
相手の碁石に囲まれている場所
相手の碁石に囲まれている場所には打つことができません。
例えば交点に打った白石を黒石が囲んで取ったとします。この場合黒石に囲まれたその場所は白にとって「着手禁止点」であり、白石を打つことができません。
打った石自体が取られる形になる場所に石を置くことは不可能であり、またそこに打つことを「自殺手」といいます。
コウの形になった後連続して石をとることはできない
対局していると、ときに「コウ」という形になることがあります。コウはお互いに石を取り合うと、無限ループに陥ってしまいます。
そのためコウの形になったら、すぐにその石を取り返してはいけないというルールがあります。コウの形になった場合次のターンでは石を取り返そうとせず、別の場所に打つ必要があります。
コウとは相手の碁石を取った後、また相手が自分の碁石を取る、そして自分が相手の碁石を取る、また相手が自分の碁石を取るという状況です。
囲碁の勝敗は地の数で決まる
対局が終了したら、地を数えるために整地をする必要があります。ここではどのように整地をするのかみていきましょう。
- 地:陣地のことです。
- 整地:陣地の形を数えやすいようなるべく四角形になるよう整えることです。
死石を陣地に移動させる
お互いにパスをして対局が終わったらどちらの陣地が広いのか計算します。終局したばかりの盤面はお互いの石が散らばっているので、パッとみただけではどちらが勝っているのかわからないことが多いです。
その場合には石を動かして整地をします。最初にしなければならないことは死石を移動することです。
石には生き死にがあります。相手の陣地内でも生きている石もあれば、打っていけばいずれは死んでしまうことが明白な石もあります。死石は数えやすいよう相手の陣地に移動させましょう。
死石とは相手に取られる運命にある脱出不可能な石のことです。
アゲハマを陣地に移動させる
死石を相手の陣地に並べたら、次にすることはアゲハマを相手の陣地に置くことです。
「アゲハマ」というのは対局中に相手の石を囲んで取ったものですが、その数の分相手の地を減らすことができるのです。
例えば盤面の地の数が、終局時に黒30、白30だとします。そして黒の取ったアゲハマが白3個、白石の取ったアゲハマが黒1個あった場合、相手の地に置いて減らすことができるので、アゲハマを陣地に移動させた後は黒の地が29、白の地が27になります。
アゲハマとは相手から取り上げた碁石のことです。
碁盤上の地を数える
終局後死石の移動とアゲハマの陣地移動が終わったら、整地し終わった黒の地と白の地をそれぞれ数えます。
ときおり直線上に並んだ白石と黒石のせめぎ合いの隙間にダメと呼ばれるどちらにも囲まれていない陣地ができることがあります。
地を数える際にこのダメは数えません。
ダメとは黒石だけ白石だけに囲われていない陣地のことです。
ハンデを計算する
整地をし終わった後に地を数えます。地の多い方が勝ちです。棋力が互角の場合には黒石の先手が有利なので、白石に6目半プラスして計算します。
終局後に盤面を数えた際に、黒30目、白30目の場合をみていきましょう。白には6目半のコミがあるので、黒30目、白36目半で白の勝ちとなります。
6目半の「半」は中途半端な感じがしますが、これは引き分けをさけるためによくみられます。
コミとは先手(黒石)の方が有利なので、その分のバランスを取るために、6目半を白石に与えることです。
囲碁をやる前に知っておきたいポイント
囲碁を始める前に、ルールやマナーなどを知っておくと気持ちよく相手と対局することができます。ここでは囲碁に関する豆知識をみていきましょう。
囲碁のルールは日本式と中国式がある
囲碁は中国で2500年以上前に生まれたゲームです。それが日本に伝わってきて定着しました。そのため勝敗の決め方には日本式と中国式があります。それぞれの違いは、次の通りです。
- 日本ルール:陣地の目数と相手の取った碁石の数を足して、数が多い方が勝ちます。
- 中国ルール:「陣地の目数+おいてある石数-基盤の総交点」という計算で、勝敗を決めます。
面白いことにどちらのルールで勝敗の計算を行っても、同じ答えになります。気になる方はそれぞれの方法で計算してみてください。
碁石は置いた後は動かしてはいけない
囲碁は基本的に「待った!」ができません。碁石を一度碁盤の上に置いたら、動かしてはいけないというルールがあります。
大会などでは一度指の離れた碁石にもう一度触れて置き直しただけでも、即反則負けになるので注意が必要です。
碁会所で指導碁を受けたり、ネットに不慣れな初心者がネット碁をしたりするときなど、相手が承諾をすれば置き直しができる場合もあります。しかしそれは相手の好意によりOKが出たのだとしっかりと心にとどめておきましょう。
相手と気持ちよくゲームする最低限のマナーは守る
囲碁は昔から「棋道」とよばれ、華道、茶道、柔道などと同じく品位や礼儀を重視してきました。そのためルールだけではなく、マナーも覚えておくことが大切です。
マナーというのはお互いに気持ちよく対局するために守らなければならないものです。基本的なマナーを下記にまとめたので、確認しておきましょう。
- 対局前と対局後にははっきりとした声で挨拶をします。
- 観戦中は口出しはいけません。
- 基本的に「待った」は即反則負けです。
- 相手の思考を邪魔するような言動は避けましょう。
初心者におすすめの囲碁アプリを紹介
初心者の場合、なかなか対局相手がみつからなくて困ることがあります。そのような場合には、無料で利用できる囲碁アプリなどを活用してみましょう。ここでは初心者にもおすすめの囲碁アプリを紹介します。
みんなの囲碁 DeepLearning
「みんなの囲碁 DeepLearning」は、入門から3段向けに作られた無料の囲碁アプリです。コンピューター対戦がメインなので、オンライン対人機能はありません。そのため初心者が実践を積むのにおすすめです。
「人と対戦したいけれど、相手に迷惑をかけそう」と躊躇している人は、ぜひ「みんなの囲碁 DeepLearning」で力と自信をつけていきましょう。
囲碁クエスト‐初心者も安心の無料オンライン囲碁ゲーム‐
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初心者でも気軽に対人対戦ができるように、囲碁クエストでは段級位が設定されています。また入門用のコンピューター対戦もあります。
囲碁ウォーズ
完全無料の囲碁ウォーズは、「将棋ウォーズ」の姉妹版です。9路盤、13路盤、19路盤の3種類があり世界中の人と対局することができます。
他の囲碁アプリでなかなか勝てない入門者や、対人戦が不安な初心者も、囲碁ウォーズのAIと対局して実力アップを目指してみましょう。また「ガイド機能」は候補手を教えてくれるので、初心者にはうれしいシステムです。
基本を覚えて囲碁に挑戦してみよう
囲碁は最初はうまく勝てないかもしれませんが、学べば学ぶほど成長を実感できるボードゲームです。一度覚えれば末永く対局を楽しむことができます。
囲碁のプロ棋士も最初は初心者でした。まずは基本のルールやマナーを覚えて、ネット碁でもよいので少しずつ対局をしてみましょう。きっと楽しい時間を過ごせるはずです。
ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター
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