更新
英語の試験にはどんな種類があるの?自分に最適な試験の見極め方
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
大手企業はTOEICのスコアを採用時に参考にしていたり、海外移住者は永住権取得のためにIELTSの勉強に必死、学生に人気が高いのは英検…。といったように、今日においては日本だけではなく世界中で「英語の試験」が実施されています。
そこで今回は、数ある英語の試験を分かりやすくまとめてみたいと思います。「英語の試験を受けるメリットとは?」「自分に合った試験が知りたい」という人の参考になれば幸いです。
目次
英語の試験を受けることで得られるメリットとは
多くのものごとにはメリットとデメリットが存在しているものですが、 英語の試験を受けることで得られるメリットはあっても「デメリットはほとんどない」と個人的には考えています。
英語の試験を受けるということは、少しでもいい点を取ろうとして勉強をしますよね?するとおのずと英語力もアップしていくものです。
英語力が向上してくると外国人と会話できる楽しさが味わえたり、海外旅行のときに苦労しない、洋画や洋書を英語で理解できるなど、メリットはたくさん。
しかも、英語の試験で高得点を取ることができれば、就職や転職で大変有利になります。英語の試験でハイスコアを取得できるということは、その人に「計画する力(高得点取得のために学習計画を立てられる)」「努力できる力(学習を続けられる根気がある)」「頭の良さ(地頭が悪くないことの証明)」などをアピールすることにもつながるからです。
日本の大企業の多くはTOEICのスコアを採用時にチェックしていて、TOEICの点数が高い人ほど、年収も高くなる傾向にあります。
- 英語力がアップする
- 就職や転職に有利になる
- 年収が高くなる
- 英語を使ったコミュニケーションの場が広がる
上記のように、試験を受けることで得られるメリットはかなり大きいですよね。「勉強ばかりで遊ぶ時間が減る」などのデメリットもあるかもしれませんが、それを軽く上回るほど試験にチャレンジすることは生産的だと言えるのではないでしょうか?
また、以前は子どもの英会話講師をしていた私。試験にはあまり興味がありませんでしたが、「趣味もないし…暇つぶしにTOEICにチャレンジしてみようかな」と軽い気持ちで始めた学習が、今では趣味となりました。
TOEIC対策をすればするほど「攻略したい!」「もっと高スコアを取りたい!」という気持ちが大きくなり、楽しみながら英語学習を進めていけますよ。特に趣味がないという人や、スキマ時間を使って新しいことを初めてみたい人にも、英語の試験はぴったりです。
英語の試験の種類
英語の試験を受けるメリットが分かったところで、次にご紹介するのは「どのような種類の試験があるのか」ということです。ここでは、日本国内で行われている英語の試験について、まとめてみたいと思います。
英検
英検の正式名称は「実用英語技能検定」といい、国内最大規模の英語試験です。5級(初級)・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級(上級)という7つのグレードに分かれていて、「書く・読む・聞く・話す」の4技能を総合的にジャッジするもの。
一次試験では「書く・読む・聞く」のテストが、二次試験では「話す」レベルを審査するスピーキングテストがあります。スピーキングテストはスマホやタブレットなどからでも簡単にアクセスすることができるので、都合のいいときにできるのが魅力的。
受講者は自分のレベルに合わせた級を受験することができ、試験後に合否が決まります。自分のレベルに合った級を受験するのもいいですが、ひとつ上の級を目指して学習することで、向上心や忍耐力を鍛えることにもつながりますね。
英検は国内最大規模の英語試験ですが、受講者の層は小・中学生の学生が多く、大学受験を視野に入れている高校生や社会人は、英検よりもTOEICの受験に流れがち。
しかし、海外の高校へ進学したいと考えている中学生にはぴったりの試験です!なぜなら、英検の取得はアメリカやオーストラリアの中高・大学で「語学証明」として認められているからです。
そのほかにも、英検は文部科学省が後援している信頼度の高い試験なので、準1級や1級合格者などは「教員採用試験の一部が免除される」「通訳ガイド試験の一部が免除される」といったメリットまであります。
-
【まとめ】
- 英検は小中学生に人気
- 海外の中高に留学したい人は準2級を取得しよう
TOEIC
現在、日本で英語の試験と言えば真っ先にTOEICの名が挙がるほど、知名度が高い英語の試験です。実はTOEICには以下で紹介しているように複数の種類が存在することをご存じでしょうか?
- TOEIC Listening & Reading Test
- TOEIC Speaking & Writing Test
- TOEIC Speaking Test
- TOEIC Bridge Listening & Reading Test
- TOEIC Bridge Speaking & Writing Test
一般的に「TOEIC」と言われているのは、一番上に記載した「TOEIC Listening & Reading Test」のこと。主にビジネスシーンで使用される単語や熟語が出題されることから、学生よりも社会人の受験者が多いという特徴があります。
英検が「合否判定」であるのに対して、TOEICはスコア方式。990点を満点として、リスニングパートとリーディングパートが半量ずつ出題される構成です。
TOEICで高得点を取得すると就職活動に非常に有利と言われていますが、それはTOEICの点数によって自身の基礎英語力はもちろん、人間性をもアピールすることができるから。
大手企業の70%は「採用時にTOEICのスコアを参考にする」と回答しているほど、TOEICの影響力は高くなっています。
今後もさらにTOEICの需要は高まっていくと考えられるでしょう。
参考:2013年 「上場企業における英語活用実態調査」報告書-
【まとめ】
- ビジネスシーンで使える英語力を鍛えたい人におすすめ
- 就活や転職で有利
- 就職でアピールするなら最低600点は目指そう
TOEFL
TOEFLは英語圏(アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージランド・カナダ)だけではなく、約130カ国9,000以上の機関で認められている試験です。そのため海外留学を目指している人にはぜひトライしてもらいたい試験!
特に有名な「TOEFL iBT」は世界中の約130カ国で実施さている国際的な試験なので、海外留学や海外移住をする際に有利に働くでしょう。オーストラリアやニュージーランドにおいては、ビザや移住権を申請する際にTOEFL iBTのスコア提出が義務付けられるようになりました。
TOEFL iBTはTOEICと同じく、合否判定ではなく「点数型の評価」になります。「リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング」の4技能から構成されている試験なので、TOEICよりも難易度は高いでしょう。
TOEICではビジネス英語が出題される傾向にありますが、TOEFLで出題される問題は「人文・歴史・科学」など、学校の授業で扱われるような内容のものが多いのが特徴的。また、TOEFLはPCを使用して画面上で回答していくという「インターネットテスト」であるのが最大の特徴です。
-
【まとめ】
- 海外留学や移住希望者にはマストな試験
- 英語圏の大学に留学する際にスコアを提出を求められることが多い
- 日本ではまだまだ認識度が低いが、海外での信頼度は高い
IELTS
IELTSもTOEFLと同じく、「リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング」の4技能から構成されている試験です。海外留学時や移住時の際に必要となる資格で、総合的な基礎英語力を測る試験が行われています。
TOEFLもIELTSも国際的に認められていますが、国によって違いがあるので注意が必要です。IELTSはカナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドなどのほぼ全ての高校で認められていますが、アメリカでは認定されない場合もあります。
TOEFLの試験は約4時間半かかりますが、IELTSは2時間45分。試験方法もPCではなく筆記式のペーパーテストです。
どちらも留学や移住時に必要になってくるのですが、国によってTOEFLなのかIELTSなのか異なるので要注意!
-
【まとめ】
- アメリカ留学や移住ならTOEFL、アメリカ以外の国も選択肢に入れたいならIELTS
- スピーキングテストは面接官とのインタビュー形式
- 希望する留学先や大学によってTOEFLかIELTSを選択する
ケンブリッジ英検
ケンブリッジ英検とはケンブリッジ大学が実施している英語試験で、EU諸国では最も認知度が高い英語試験。TOEFLやIELTSと同じく「リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング」の4技能から構成されていて、いかに英語を使いこなせるのかをジャッジされます。
ケンブリッジ英検は5段階のレベルに分けられていて、合否判定によって正確な英語力を計ることができる試験です。しかも合格して取得したレベルは生涯有効なので、数年で再試験を受けなければならないTOEICなどと比べてもコスパが良いと言えます。
-
【まとめ】
- 有効期限はなく一生涯有効
- 攻略などではない「本当の英語力」を確かめたい人向き
全国通訳案内士試験
あまり聞き馴染みのない全国通訳案内士。簡単に言うと、「外国人に観光名所を案内する」というツアーガイド的な立ち位置で、英語で観光案内や通訳などを行う人のことです。
全国通訳案内士になるためには全国通訳案内士試験という試験に合格する必要があります。この「全国通訳案内士試験」、実は国家資格!
一次試験のペーパーテストと二次試験の面接試験から構成されていて、2018年の合格率は過去最低の9.8%と難関の道を辿っています。
参考:【徹底解説】全国通訳案内士試験をわかりやすく|合格率や改正点も網羅 – 通訳案内士予備校 True Japan School 通訳案内士の活躍の場、就職先 | 通訳案内士の仕事・なり方・給料・資格を紹介 | Career Garden-
【まとめ】
- 合格率が低いわりには就職につながりにくい
- 資格取得後はフリーランスで活動する人が多い
国連英検
1982年から始まった国連英検は特A級?E級までの6つの級があり、コミュニケーション能力を重視した試験です。出題問題も、国際時事問題や作文問題などが多く、ネイティブ試験官と国際問題について討論を行う場面まで。
C級以上の合格者は文部科学省より「高等学校英語科の資格卒業レベル」が認定されたり、B級以上の合格単位を認定している大学もあります。
-
【まとめ】
- 英語力に加えて「国際情勢に関する知識」をつけたい人におすすめ
- 外交や国際関係の職を目指す人に
日商ビジネス英語
日商ビジネス英語検定とは、商工会議所が運営している民間の検定試験。その名のとおり、ビジネスシーンにおいて必須となるスキルが重点的に出題されます。
TOEICも日商ビジネス英語検定もビジネス英語が多く出題されますが、異なるのは試験スタイル。TOEICはスコア方式であるのに対し、日商ビジネス検定は「1~3級の合否判定」になっています。
また、日商ビジネス検定では「取引先とのメールのやりとりの仕方」や「ビジネス文章の基本」といったライティングについての問題が中心で、リスニングに比重が置かれていないところが特徴的です。
-
【まとめ】
- ライティングスキルを中心に出題される
- 海外との取引を「メールなどの文章で」行っているビジネスパーソン向き
ビジネス通訳検定(TOBIS)
ビジネス通訳検定とは、通訳者が企業内で活躍するために必要な英語力を評価する試験です。通訳士として欠かすことのできない英語力だけではなく、ビジネスパーソンとして押さえておきたい知識についても出題されます。
ここでご紹介したもの以外にも、翻訳のプロフェッショナル能力を審査する「ビジネス翻訳資格」、貿易に関する実務能力や知識を測る「貿易実務検定」、観光の分野を通して外国人とのコミュニケーションスキルを見る「観光英語検定」など、さまざまな試験が存在しています。
自分にぴったりなのはどの試験?英語の試験を選ぶポイント
このようにさまざまな英語試験がありますが、1番大切なのは「自分に合った試験を選ぶ」ということです。 ここでは、自分にぴったりな試験を選ぶポイントについてまとめてみましょう。
受験の目的
第一に、受験の目的をよく考えてみましょう。国内の大学受験や就職活動のためであればTOEICを、海外留学や移住目的であればTOEFLやIETLS、国連関係に興味があれば国連英検、中学生なら英検、というふうに、自分の目的に合わせた試験を選ぶことが大切です。
受験のしやすさ
試験の中には年に10回程開催されるものから、年に1度しか開催されないレアな試験まであります。また、開催都市も「主要都市のみでの開催」という場合も珍しくありません。
自分が住んでいる土地で試験が開催されない場合は、遠方まで出向く必要がありますので、「開催場所や開催頻度」をしっかりと確認しておきましょう。
認知度
せっかく頑張ってハイスコアを取得したり合格通知を手にしたのに、その資格の認知度が低いことで、実力を理解してもらえないこともあるでしょう。自己満足で受ける試験ならともかく、学校や企業にハイスコアをアピールしたいのであれば、認知度が高い試験の取得がおすすめです。
英語の試験を受けてモチベーションUPにつなげよう!
いかがでしたか?今回ご紹介した英語試験の中には、聞いたこともないような試験や資格もあったのではないでしょうか?
自分の受験目的やスタイルを明確にすることで、おのずと受けるべき試験が絞られてくるはずですよ。
TOEICのメリットについてはこちらの記事を確認してみてくださいね。
白根 鮎美 /
ビギナーズ編集部 ライター
独学で英語を勉強後、オーストラリアでは幼児教育の専門学校で勉強。帰国後は子ども英会話教室にて1歳から高校生への英会話を指導していました。また、サーフィン歴は10年以上、海を愛する2児のママサーファー。