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英語のリスニング力を伸ばす勉強方法を紹介!

英語を聞いて、即座に意味を理解するという「リスニング力」を付けずして、英語力アップを図ることは難しいものです。英語でコミュニケーションを取ろうと思う場合に、まずは相手の言っていることが聞き取れなければ始まりませんよね。
しかしリスニング力というのは一日頑張ったからといって、身に付くものではありません。そこで今回はリスニング力を飛躍的に伸ばすことができる勉強方法について、まとめました。
目次
リスニング力の強化は英語力アップに欠かせない!
「文法を覚える」「覚えた表現をどんどん会話することでアウトプットする」「読書をして表現力を身に付ける」など、英語学習におすすめの勉強方法はたくさんありますが、英語初心者さんにこそ、「リスニング力アップ」に向けて学習を進めてもらいたいものです。
なぜなら、英語を聞き取ることができる「リスニング力」とは、英語を使用してコミュニケーションを取る場合に必須となるスキルだからです。
例えば「文法はしっかり身に付いているけど、リスニング力は低い」という人が実際に外国人と接したとき、聞き取る力がなければ、簡単な英文法も理解することができません。
「Take it easy.」は文で見ると短くて簡単そうですが、実際に発音してみると「テイク イット イージー」ではなく「テキリイージー」のような発音になります。
これが「文法はしっかりと身に付いているけど、リスニング力は低い」人の共通点。相手が言っている内容がわからないため、コミュニケーションを取ることは難しいでしょう。
では逆に「文法スキルや発話スキルはまだまだだが、リスニング力が高い」という人の場合はどうでしょうか?
自分から積極的に発言する機会こそ少なくなってしまいますが、相手の言っていることがかなりの割合で理解できるとしたら…。話についての相づちも打ちやすくなりますし、文法は間違っていても単語をつないで自分の意見を相手に伝えることも可能ですよね!
英語を学習していくからには、リスニング力だけではなく「スピーキング力」「語彙力」など、総合的に身に付けていくことが理想です。しかし、あえて学習方法に順位を付けるのであれば、断然「リスニング力の強化」から行っていった方が、効率的かつ楽しんで英語学習に取り組めるでしょう。
リスニング力が付いてくると、映画を日本語字幕なしで楽しむことができたり、外国人とのコミュニケーションも自信を持って取れるようになります。ネイティブの赤ちゃんも、初めはお母さんや家族が話す英会話をただただじっと聞き続けていますよね。
そして次第に何を言っているのかを理解しだし、徐々に単語を発話していきます。2歳くらいになると短い文法を使ってみたりするものの、まだまだ使い間違いや言い間違いが多いものです。
語学を習得していく流れというのは、実は英語でも日本語でも同じこと。この流れに沿ってしっかりと学習を積み重ねれば、実力は嫌でも付いてくるものです。
リスニング力を伸ばすための勉強方法
「There are two pens.」という英語を聞いたとき、頭の中で日本語を介さずにスッと2本のペンの画像が頭に浮かびますか?
「There are…だから複数形だな。あっ、twoだから2本か!よし、ペンが2本あります。って意味だな!」なんて頭の中で考えているようでは、なかなかリスニング力はアップしていきません。
そこでここでは、「英語を英語のまま」理解することができる、本物のリスニング力を身に付けるための勉強方法をご紹介します。
とにかく英語をたくさん聞く
リスニング力強化のためのファーストステップとして行いたいのは、とにかく「英語をたくさん聞くこと」!これに尽きます。
どのような内容の英語を聞けばいいのかというと、できるだけご自身のレベルに合った会話表現が出てくるものがいいでしょう。具体的には、英語初心者なのにいきなりワールドニュースのような政治経済にフォーカスを当てたトピックを選ばないようにする、といったことです。
書店ではさまざまなレベルの英語テキストが置かれていますが、そういった教材の中に入っているリスニングCDを利用したり、ポッドキャストでリスニング素材を用意しましょう。
英語を聞く時間を確保すればするだけ英語特有の発音やイントネーション・リズムに慣れていき、少しずつ何を言っているのか理解できるようになります。
英語特有の発音を学ぶ
英語は日本語とは異なり、単語と単語がつながることで消える音や、発音しない音が出てきます。日本語にはこの消えたりつながったりする「音の変化」がないことから、多くの人がリスニングでつまずきやすくなってしまうポイントでもあります。
以下に、音のつながりや抹消の例を挙げてみましょう。
Help me 日本語で表すと「ヘルプ・ミー」となりますが、Helpとmeがつながった場合は「p」の発音が消えて「ヘル・ミー」のような発音になります。
Get back こちらもGetとbackがつながることでGetの「t」の発音が消え、「ゲッ・バック」になります。
Look at me Lookとatとmeがつながる場合は、atの「t」の発音が消えて「ルクアッミー」のような流れる発音になります。
Good night 日本でもおなじみのこの表現も、Goodの「d」サウンドが消えて「グッナイ」になりますね。
上記のように、単語と単語がつながる場合に、消えて発音しない音が多発するのが英語!このシステムを知らないままだと、いつまでたってもリスニング力は低いままになってしまいます。
また、単語と単語がつながることで音が消えるのではなく「単語自体」でも発音しない音が出てくることも。以下をご覧ください。
Doctor ナチュラルスピードでDoctorを発音するとき、「c」の発音がほとんど聞こえなくなります。よって「ドクター」ではなく、「ドッ・ター」のような発音に。
Popcorn Popcornの「p」の音が消え、「ポッ・コーン」になります。
Water 日本人はどうしても「ウォーター」と言ってしまいやすいのですが、実際にはwaterの「t」の音はほとんど発音しません。
特にアメリカ英語では「t」よりも「er」の発音をしっかりと行う特徴があるので、日本語で表すと「ワラ」のように聞こえることがほとんどでしょう。 ただ、「t」をしっかりと発するイギリス英語では「ウォーター」と聞こえることも。
Waterは個人によって発音が異なるので、聞き取りにくい単語といえるでしょう。
Letter こちらもWaterと同じく「tt」の音が弱い、もしくは完全に消えてしまう単語です。
「レター」ではなく「レラ」のように聞こえます。
Dog 日本語では「ドッグ」と表現されていますが、ナチュラルスピードの英語では「ドォーッ」のような発音になり、子音の「g」は発音しないことがほとんどです。
このように、単語だけでも音が消えたり、弱くなったりするのが英語の特徴です。このことをしっかりと学んでたくさん聞けば、次第に英語特有の発音方法もわかるようになってリスニング力アップにもつながります。
精聴する
英語特有のリズムや音の変化を習得するためには、「精聴」といわれるトレーニング方法を利用します。
そもそも精聴とは「同じ英文を繰り返し何度も聞くこと」で、これによって先ほどお伝えした英語特有の音のつながりや、抹消の理解度をぐっと深めることができます。リスニングアップには欠かせことができない練習方法なので、ぜひ精聴に挑戦してみましょう!
精聴を行う場合には、まずは自分が「300回は聞ける」と思うような、お気に入りの音源や音楽を見つけることが大切です。というのも、精聴はひたすら繰り返して聞き込んでいくので、自分が好きではないジャンルや、あまりにもレベルが高すぎるものだと途中で挫折しがちになってしまうからです。
また、会話表現の音源だと文自体が「やあ、元気?」「今週の日曜日何してる?」などと短くなりがちです。初めはそのくらいの短い文でもOKですが、慣れてきたらより長文理解につながりやすいように「スピーチ音源」「物語の読み聞かせ音源」などを利用しましょう。
精聴のやり方とは?
では実際に精聴の具体的なやり方をご紹介していきたいと思います。
自分の好きな(もしくはレベルに合った)音源を用意する
精聴はとにかくたくさん聞き込んでいくので、自分が好きなアーティストのインタビュー素材や、スピーチ音源などを用意するのがおすすめです。こうした音源ではハードルが高いと感じてしまう場合は、お好きな洋楽でもOKです。
音楽だと無理なく聞くことができるので、英語初心者さんにはうってつけでしょう。
まずは100回、ただひたすら聞きまくる
精聴のファーストステップは、ただひたすら音源や音楽を聞くことです。回数を100回に設定しておくと、分かりやすくていいかもしれませんね。
精聴を始めると、最初の頃はあまり聞き取れないかもしれません。私はPinkの「Dear Mr,president」という洋楽を用いて、初めての精聴を行ったのですが、30回くらいまでのリスニングではほとんど聞き取れなかったのを覚えています。
例えば「How do you sleep while the rest of us cry?」という歌詞は、「How do you —– —– — — — — cry?」という風にしか聞き取れていませんでした。しかし50回ほど精聴を続けていると「How do you sleep —– the — — — cry?」と少し聞き取れる単語が増え、100回目頃では「How do you sleep while the rest — — cry?」とどんどん聞き取れるように!
ただなんとなく聞くだけではなく、言葉にしっかりと意識を向けて「聞き取ろうとすること」が大切なポイントです。
音源のテキストを見ながら、どこが聞き取れなかったか確認する
だいたい100回くらい聞き込むと、自分の限界値に達するでしょう。私の場合は「How do you sleep while the rest — — cry?」の最後の2単語がどうしても聞き取れませんでしたので、翻訳を見ながらしっかりと確認してみると「of us」という単語が聞き取れていなかったことが判明しました。
このように、100回ほど精聴してもなお聞き取ることができなかった単語や文を明確にしましょう。
全ての英文を100%聞き取れるようにする
聞き取ることができなかった箇所を確認したら、全ての英文を100%完全に理解できるようになるまで、繰り返し聞き込みます。
聞き取りにくい場所があればテキストを見ながら繰り返し聞き、とにかく全ての英語を拾えるようにします。
英文を真似して発話する
全ての英文を聞き取ることができるようになったら、今度は「ネイティブの発音を真似して喋ってみる」トレーニングです。ここまで精聴を続けていると、少なくとも200回くらいは同じ音源を聞き続けていることになります。
だいぶ聞き取りにも自信が持てるようになったのではないでしょうか?できるだけネイティブの発音を意識しながら真似して発音することで、さらに英語特有のリズムや音の変化を定着させていきましょう。
そして、この発話には「英文の理解スピードが格段にアップする」という嬉しい効果も期待できます。実際に1~4の手順に5のステップを追加することで、長文を理解するスピードが2倍以上になったという声もあがっています。
リスニング力が伸びると英語をもっと楽しめる!
いかがでしたか?リスニング力を伸ばせば、英語でのコミュニケーションが楽しくなって英語学習にも力が入りやすくなります。
ここでご紹介した精聴トレーニングを行い、英語特有のリズムや音の変化をしっかりと学んでいきましょう!
英語リスニングのおすすめアプリについてはこちらの記事を確認してみてくださいね。

白根 鮎美 /
ビギナーズ編集部 ライター
独学で英語を勉強後、オーストラリアでは幼児教育の専門学校で勉強。帰国後は子ども英会話教室にて1歳から高校生への英会話を指導していました。また、サーフィン歴は10年以上、海を愛する2児のママサーファー。