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エレキギターの弦の種類や特徴|タイプ別おすすめの弦と選び方を解説

エレキギターの弦には、たくさんの種類があります。弦の素材、太さ、巻き方、メーカーによる違など、いざ自分で弦を交換してみようと思っても、種類の多さに困ってしまうことはないでしょうか。今回は、数々のエレキギターの弦の特徴について、わかりやすくまとめました。
エレキギターの弦の種類や特徴|タイプ別おすすめの弦と選び方を解説

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エレキギターの弦を選ぶ際のポイントとして、主に次の4つがあげられます。

  • サウンド感(音色)
  • 弾きやすさ
  • 耐久性
  • 価格

自分の好きな音楽の種類、ギターの使用頻度などによって、何にポイントを置くか考えます。

今回は、上記の4つに影響する、弦の創りから、細かく解説していきます。

エレキギターの弦の種類

まずは弦について知識を解説します。エレキギターの音色は、その弦の素材や巻き方にまで影響を受けます。

自分の演奏したい音楽にポイントを置いて考えましょう。

エレキギター弦の素材は3種類

エレキギターの弦は、主に次の3つに分類されます。

  • ニッケル弦
  • コーティング弦
  • ステンレス弦

音の質感、弦の硬さ、耐久性など、それぞれの素材により性質が異なります。また、素材により価格も変動してきます。

最もメジャーなニッケル弦

最も使われている一般的なエレキギター弦です。

エレキギター出荷時の弦として使われることも多く、最も主流な弦です。柔らかく押さえやすいため、初心者の方にもおすすめです。

比較的様々なジャンルの音楽に馴染むので、特にこだわりがない場合は、ニッケル弦を選ぶとよいです。

また、他の2種類と比べると、比較的安価なため、コスパ重視の方にもおすすめです。

錆にも強いですが、ステンレス弦やコーティング弦と比べると、耐久性は劣ります。

演奏後、手汗、皮脂などの汚れを落とすようにすることが、長く持たせるコツです。

音の特徴としては、あまり角がない柔らかい音色が特徴です。

サビに強く耐久力があるステンレス弦

合金素材で作られており、手汗が原因でできるサビに強いのが特徴のひとつです。

ニッケル弦に比べ、シャープで鋭い音色をしており、特に高音域の音色が特徴的です。

カッティング(コード弾き)でキレのあるサウンドを出したいときや、ブルースのような乾いた質感を出したいときなど、自分の音を追求したい方におすすめです。

ニッケル弦と比較するとやや硬く、初心者の方は押さえづらいと感じるかもしれません。

プロの愛用者も多いコーティング弦

薄い皮膜で弦が1本1本コーティングされている弦です。そのため、耐久性に優れていることが大きな特徴です。

ニッケル弦、ステンレス弦よりも高値で販売されています。

音色はニッケル弦に近く、長時間のライブ演奏やレコーディングでの音の劣化を抑えることができるため、プロの現場でよく使用されています。

弦交換の頻度を抑えたいという方にもおすすめです。

デメリットとしては、以下の点が挙げられます。

ピック奏法を強くする方に見られがちですが、コーティングが剥がれ、毛羽立ってしまうことがあるという点、錆や汚れに強いものの、度重なるチューニングなどの影響で、非コーティング弦同様、音の伸びは徐々に劣化していくという点です。

また、指板のメンテナンスは、弦を外した状態でなければ困難です。

非コーティング弦を使用している方と比べると、メンテナンスの期間は空いてしまうでしょう。

エレキギター弦の巻き方は2種類

エレキギターの弦の巻き方は、次の3種類があります。

  • ラウンドウワンド
  • フラットウワンド
  • ハーフウワンド

素材が同じものでも、巻き方の違いが、触感や音色、音の伸びに影響してきます。

自分の演奏したい曲や、弾き心地を基準に選ぶと良いです。

倍音が豊かで音が伸びやすいラウンドウワンド

巻線の断面に凹凸がありざらつきがあります。

倍音成分を豊富に含んだ音色で、サスティーン(音の伸び)が効きやすいという特徴があります。

歪ませた音色がよく似合うエレキギター弦で、最も使用されている巻き方です。

倍音が少なく優しいサウンドのフラットウワンド

巻線の断面に凹凸がなくツルツルした感触をしています。

倍音が少なく丸い優しい音色で、ピックで弦を弾く際などのノイズが少なく、ジャズギターに向いた巻き方です。

ツルツルとした触感のため、フィンガリングがしやすいと感じる方もいます。

ラウンドウワンド、フラットウワンドの中間である、ハーフウワンド

倍音の出易さや音の歪みを残しつつ、ザラザラとした触感を抑え、フィンガリングのしやすさにもこだわった巻き方です。

エレキギターの弦の太さは様々

ギターの弦は、主に6本1パックで売られています。弦が太くなるにつれて、次の順番で分類されていきます。

  1. エクストラライトゲージ
  2. スーパーライトゲージ
  3. ライトゲージ
  4. ミディアムゲージ
  5. ライトヘビーゲージ
  6. ヘビーゲージ

各々のメーカーによって、様々なゲージの弦がミックスされたパックも販売されています。音の好みがはっきりしている方は、そういったパックから選ぶと良いです。

ゲージと太さ(インチ) 6弦 5弦 4弦 3弦 2弦 1弦
エクストラ・ライト 0.38 0.30 0.22 0.14 0.11 0.08
スーパー・ライト 0.42 0.32 0.24 0.16 0.11 0.09
ライト 0.46 0.36 0.26 0.17 0.13 0.10
ミディアム 0.49 0.38 0.28 0.18 0.14 0.11
ライト・ヘビー 0.52 0.42 0.32 0.17 0.13 0.10
ヘビー 0.54 0.42 0.32 0.24 0.16 0.12

サウンド感は、弦が太いほど、音も大きく、重量感のあるものになります。反対に、弦が細いほど音は小さく、軽いものになります。

弦の構造上、太い弦で細い弦と同じ音を出そうとすると、その分強く弦を張らなければなりません。

そのため、太い弦ほど張力は大きく、弦を押さえたり、弾いたりする際に、より強い力が必要になります。

最も細いエクストラ・ライトゲージ

最も細く柔らかいゲージです。弦を少ない力で抑えることができるため、初心者の方はこの太さから入るのも良いでしょう。

細い弦は切れやすいので、強く弾きすぎないよう、注意しましょう。

明るく煌びやかな音色のライトゲージ

明るく煌びやかで繊細な音色が特徴です。このあたりのゲージまでが、張りが弱く抑えやすいため初心者にもおすすめです。

細いほど弦は柔らかいため、チョーキングやビブラートなど、ネック部分での奏法が、太い弦と比べ容易になるでしょう。

一般的なミディアムゲージ

出荷時に張ってある弦はライトゲージかミディアムゲージであることが多く、音楽のジャンルを選ばず使用できます。

一般的な太さなので弦に迷ったらまずはミディアムを選ぶのもおすすめです。

1〜3弦はライトゲージ、4〜6弦はヘビーゲージのライト・ヘビーゲージ

音のバリエーションが豊かな組み合わせです。煌びやかで明るいサウンドを残しつつ、音の重量感を求める方におすすめです。

低音が強いヘビーゲージ

低音が良く響き、重量感のある伸びの良い音色が特徴です。

ダウンチューニングで演奏したいときや、迫力のある音を出したいときなど、ハードロックやパンクなどを演奏する際におすすめです。

弦が太い分テンションが高く、弦を抑えるのに力が必要です。

ロングスケールのギターにレギュラーチューニングで張ってしまうと、ギターにとても大きな負担がかかってしまいます。

レギュラーチューニングで張る場合には、ショートスケールのギターが適しているでしょう。

※スケール=ネックの長さのこと

エレキギターの弦の選び方

具体的に何を基準として考えていけば良いのか、見ていきましょう。

演奏したい楽曲や音色に合わせて選ぶ

エレキギターは、弦によって音の大きさ、歪み方、ノイズの出方、サスティーンの効きやすさ、チョーキングやビブラートのし易さ、サウンド感では、低音が際立っていたり、高音が際立っていたりと、様々な色があります。

まずは演奏したい楽曲のジャンルや音色に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

耐久とコスパを考慮してコーティング弦を選ぶ

コーティング弦は耐久性が高くサビに強いため、通常の弦より、4倍長く使うことができるといわれております。

非コーティング弦では、一月に一度といった頻度で、弦の交換が必要となってきます。

長く使えるコーティング弦を選ぶことで、弦交換の回数を減らし、コストを抑えることができるかもしれません。

きちんと手入れをした場合、半年持たせることができるともいわれています。

まずはライトゲージを選んで様子を見る

どんなジャンルの音楽に対しても馴染みが良いので、弦の太さに迷った場合、まずは一般的なライトゲージを選ぶとよいでしょう。

ライトゲージの演奏のしやすさや音色の好みで、次に選ぶ弦を決めるのも一つの方法です。

音に太さや迫力を求めれば太い弦を、反対に、煌びやかな音が欲しかったり、弦の抑え易さを求める場合には、細い弦を選びます。

おすすめのニッケルエレキギター弦

ここからは、より具体的におすすめの弦を紹介していきます。まずは最もポピュラーな、ニッケル素材のものから紹介します。

ERNIE BALL 2223 SUPER SLINKY

世界中のギタリストから愛される、エレキギターの定番弦です。

ERNIE BALLの弦は、弦の抑え易さと、中高音域に伸びのある、煌びやかなサウンドが持ち味です。

弦を張り替えた直後のサウンド感は世界中で高く評価されており、数々のプロギタリストに愛用されています。

他者製品と比較すると、やや耐久性に劣るといわれており、練習では他の弦を使用し、本番の直前にERNIE BALLの弦に張り替えるというギタリストも数多くいるようです。

SUPER SLINKYは、スーパーライトゲージで同メーカー内でもより高音域がハッキリとしており、明るい音色が特徴です。

弦が柔らかく、指への負担が少ないので初心者にもおすすめです。

D’Addario Regular Light EXL110

ニッケル素材のラウンドワウンド弦です。1弦10インチ~6弦46インチのライトゲージの弦です。

芯がハッキリした音色が特徴で、やや強めの音で演奏したい方におすすめです。

初心者の方や力の弱い方は、やや弦のテンション感が高く感じるかもしれません。

こちらも、世界中のギタリストから評価され、愛用されています。

D’Addarioの製品は、他社製品に比べ硬さがあり、耐久性が高いといわれております。

ポールエンドが色分けされており、弦交換の際に間違えにくく工夫されているのもD’Addarioならではです。

SIT POWER WOUND Nickel Round Wound LIGHT

こちらもニッケル素材のラウンドワウンド弦で1弦10インチ~6弦46インチのライトゲージの弦です。

高音、中音、低音のバランスが良い弦でオールジャンルで活躍します。

癖が少なくエフェクターでの音色作りも楽しめます。

湿気を遮断するシールドパッケージを使用しているため、工場出荷時の状態で保管できます。

ERNIE BALLやD’Addario製品と比較すると価格は上がりますが、SIT製品のほとんどはポールエンド部分に独自の加工を施しており、チューニングの乱れの原因となるねじり部分の弦の滑りが生じにくくなっていることも特徴のひとつです。

チューニングの手間を大幅に省くことが可能です。

R.Cocco (リチャードココ ) RC10 6-String Electric Nickel round wound

「R.Cocco (リチャードココ )」のニッケル弦は、全て伝統的な製弦機・決まった素材を使用し、イタリアで製造されています。

機械化が進んだ今の時代でも変わらず、職人の手作業で作ることにこだわった、非常に高いクオリティーを持った弦です。

特徴としては、弦の感触が柔らかいのと同様に音も柔らかく、輪郭のハッキリした抜けのいい音が印象に残ります。

チューニングの安定性も高く、テンション感も「丁度いい」と感じる方が多いのもリチャードココの特徴でしょう。

一度リチャードココを使うと、他の弦では違和感を感じてしまうほどに弾き心地のよい弦です

おすすめのコーティングエレキギター弦

最後に、弦の上にさらにコーティングが施された、コーティングエレキギター弦のご紹介です。

長時間の演奏を目指す方や、弦交換をなるべく減らしたい方におすすめな商品です。

コーティングを施し、耐久性に優れながら、サウンド感にこだわり抜いた3種類を紹介します。

Elixir NANOWEB Super Light

Elixirは、エレキギターを始め、様々な弦楽器の弦を扱っているメーカーです。

Elixirのコーティングエレキギター弦製品は、巻き線の隙間にまでコーティングを施すことで、汗だけではなく皮脂などの汚れにも強く、耐久性に優れた製品で、長い期間使用することができます。

また、Elixirのコーティング製品はナノウェーブコーティングが施されており、コーティングの厚さを極限まで薄くした創りになっています。

そのため、巻き線による凹凸を最大限に引き出し、より非コーティング弦に近い、伸びのあるエレキギターらしいサウンドを引き出してくれます。

ゲージの種類も豊富で、初心者には抑えやすいスーパーライトゲージがおすすめです。

D’Addario EXP11 Coated 80/20 Bronze Light

D’Addarioのコーティング弦は同じゲージでもテンションがきつめなのが特徴です。

ゲージは細めで、軽くも力強い音色を出したいという場合などに向いています。Elixir製品同様、高い耐久性を持っています。

長時間、かつ力強い演奏を求められるときなどにおすすめと言えるでしょう。

サウンド感も、コーティング弦とは思えないほど、自然な仕上がりとなっています。

ERNIE BALL 3121 COATED REGULAR SLINKY

アーニーボールの弦は寿命が短い事で知られていますが、コーティング弦は耐久面でも優れています。

弦にエナメルを焼き付けることで、コーティングを極薄く施し、最大限に中高音域の煌びやかさを引き出しています。

プレーン弦のポールエンド部では、弦のズレを防ぐ構造を施し、さらにサビや腐食に強い作りとなっております。

チューニングの乱れを抑えつつ、耐久性が高く、公式では従来の5~7倍の強度と言われています。

アーニーボール弦を愛用されている方は、一度試してみる価値はあるでしょう。

おすすめのステンレスエレキギター弦

続いて、ステンレス素材の弦を紹介します。

普段カッティング奏法をよく行う方や、ドライな音、高音域の伸びを求める方など、自分の好みの音を追求する方に向いた弦です。

ステンレス素材の弦では、切れの良いサウンドが持ち味の、D’Addarioの製品がおすすめです。

D’Addario ECG24 XL Chromes Flat Wound Jazz Light

こちらはステンレス弦の定番として知られている弦です。主にジャズギタリストが好んで使うことの多い弦です。

ゲージが太いモデルが故に、メローで甘いトーンを奏でることができます。

太い弦は、音の分離感が悪いといった印象を持たれがちですが、コードを鳴らした際のハッキリとした分離感があるのがこの弦の特徴です。

ジャジーで甘いトーンかつ、分離感のある音を鳴らしてみたい方にぜひ使用していただきたい弦ですね。

ARIAPROII AGS-900XL

低価格ながら完璧なクオリティーを持つ弦として有名なのがAGS-900XLです。

低音弦を鳴らした時に埋もれることがなく、高音のキラキラ感も同時に前に出てくることで知られています。

フラットワウンド弦にありがちな、高音が大人しすぎる点を抑えて、適度なギラつきを感じられる点も評価されています。

今の出音に悩みのある方、メリハリのある音を鳴らしたい方にぜひ使っていただきたい一品といえるでしょう。

GHS ST-L SUPER STEELS – Light

ステンレス弦ながら、アタック感・艶感が強く感じられる弦です。

また、コードを鳴らした際の、適度なブライト感も特徴的で、様々なギタリストに評価されています。

単音で弾いた際も、しっかりと音が前に出てくるのでニュアンスのつけやすい優秀な弦です

音の立ち上がりにお悩みの方は使用されてみるとよいかもしれません。

自分の好きなサウンド感、ライフスタイルに合わせて弦を選ぼう

弦の硬さや弾き易さ、音の感じ方は人それぞれ異なります。実際に様々な弦を試してみるのも、良い方法です。

また、用途によって弦を使い分けるのも、エレキギターの楽しみ方のひとつです。

それぞれの弦の特徴や自分のプレイスタイルなどと照らし合わせ、最適なものを選びましょう。

ギターの弦の選び方については、こちらの記事でも解説しています。ぜひ確認してみてくださいね。

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ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味と出逢うメディアサイト「ビギナーズ」の編集部です。趣味を見つけたい方を応援します。

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