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中華料理の種類、全部知ってる?中華料理と中国料理の違いは?
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
「中華料理」と聞くと、あなたはどんな料理を思い浮かべますか?
日本では、麻婆豆腐、ラーメン、チャーハンなど、たくさんの中華料理が食べられています。
素材も、調理方法も、味付けも様々な中華料理。
実は、一口に「中華料理」と言っても、生まれた地域によって様々な種類に分けることができるのです。
この記事では、中華料理の地域ごとの特徴や、料理初心者の方にもおすすめのレシピをご紹介します!
目次
中国料理と中華料理の違いとは
日本では「中国料理」と「中華料理」の両方の言葉が使われています。
「中国料理」は、実際に中国で食べられている料理を指します。
北京ダックやフカヒレスープなどを食べられる、本格的な高級レストランが多いようです。
円卓を囲んで食事をするお店も、「中国料理」のお店に属するでしょう。
一方、「中華料理」は、中国で食べられている「中国料理」をベースにしつつも、日本人の好みに合うようにアレンジされた料理を指します。
最近人気の「町中華」で見られるような料理を想像してください。
メンマやなるとが乗ったラーメン、天津飯、冷やし中華などは、日本では「中華料理」として愛されていますが、中国では食べられないのです。
餃子も、中国では水餃子が主流で、日本のような焼き餃子はあまり見られません。
中国料理の種類はどのくらいあるの?
それでは、中国料理の種類はどのくらいあるのでしょうか。
中国料理の種類は、地域によって分けられます。
中国四大料理
日本で「中国四大料理」と言えば、以下の4つを指します。
- 北京料理(北京や山東省などの北部)
- 四川料理(四川省など、西方の内陸部)
- 上海料理(上海など、沿岸東部)
- 広東料理(広東省など、沿岸南部)
また、中国の料理の分類方法で、「四大菜系」という分け方もあります。
その場合は、以下の4つを指します。
- 山東料理(北京よりやや南の北東部)
- 江蘇料理(山東省の南の沿岸部)
- 広東料理(沿岸南部)
- 四川料理(西方の内陸部)
中国八大料理
中国では、「八大菜系」という分け方が一般的。
- 山東料理
- 江蘇料理
- 浙江料理
- 安徽料理
- 福建料理
- 広東料理
- 湖南料理
- 四川料理
この「八大菜系」は、清朝末期頃に確立したようです。
清朝は1912年まで続いたので、「八大菜系」が定まったのは意外と最近の出来事なんですね。
中国四大料理の地域ごとの特徴
中国料理は、気候や入手可能な食材など、地域ごとの特性に合わせて発展してきました。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
北京料理
北京や山東省などの北部で発展してきた北京料理。
北京は歴代中国王朝の首都だったため、宮廷料理として華やかで洗練された料理が多いのが特徴です。
また、北部にあることから、米や魚よりも小麦粉や肉類を多く使い、味が濃い傾向があります。
日本では、北京ダック、餃子、酸辣湯、饅頭、皮蛋、杏仁豆腐などが有名です。
四川料理
四川省など、西方の内陸部で生まれた料理。
唐辛子、花椒(華北山椒)、胡椒の「三椒」を多用し、「麻辣(マーラー)」と呼ばれる痺れるような辛さが特徴です。
内陸部なので、海産物はあまり使われず、豚、鶏、米、大豆が多く使われています。
麻婆豆腐、麻婆茄子、担々麺、回鍋肉、青椒肉絲、棒々鶏、エビチリ、火鍋など、四川がルーツの料理は日本でも大人気です。
上海料理
上海など、沿岸東部で食べられてきた上海料理。
海産物の他、川や湖の淡水産の食材も多く取り入れられています。
小籠包、生煎饅頭(日本の焼き小龍包)、八宝菜、上海蟹などが有名。
砂糖、醤油、黒酢などを用いた甘く濃厚な味付けが特徴です。
広東料理
広東料理は、広東省など沿岸南部の料理を指します。
特徴は、素材の味を活かした薄味の料理。
海が近いため、貝柱など海産物の旨味を取り入れた料理も豊富です。
燕の巣、犬、蛇、ゲンゴロウなどの珍味も食べられています。
代表的な料理としては、フカヒレのスープ、叉焼(チャーシュー)、酢豚、ワンタン麺などが挙げられます。
中国八大料理の地域ごとの特徴
地域ごとに料理には特徴があります。ここでは、中国八大料理を地域別で紹介します。
山東料理
山東省は北京よりも少し南東にある、海に面した省。
農村地帯と漁村の両方を擁するため、豊富な食材が用いられます。
代表的な料理は、木須肉(きくらげと豚肉の玉子炒め)、徳州扒鶏(揚げ鶏をやわらかく煮込んだもの)、糖醋鯉魚(鯉の唐揚げの甘酢あんかけ)など。
済南料理、膠東料理、曲阜料理に分けられます。
江蘇料理
山東省の南に位置する江蘇省。
海の幸はもちろん、長江と太湖を有するため、川や湖の食材も使われます。
代表的な料理は、塩水鴨(茹でたアヒルの塩漬け)、清蒸鰣魚(ニシンの仲間の蒸し物)、無錫排骨(スペアリブの甘酢煮)、霸王別姫(親鳥とスッポンのスープ)など。
江蘇料理は、南京料理、淮揚料理、蘇錫料理、徐海料理に分けられます。
浙江料理
浙江省は上海の南にあり、海に面した省です。
海、川、湖の幸の他、新鮮な野菜も多く登場します。
代表的な料理は、東坡肉(トンポーロー、豚の角煮)、叫化鶏(鶏を蓮の葉と土でくるんで丸焼きにしたもの)、龍井蝦仁(エビを龍井という茶葉で炒めたもの)など。
浙江料理は、杭州料理、温州料理、紹興料理、寧波料理に分けられます。
安徽料理
安徽省は、山東省と浙江省の間に位置する内陸の省です。
淡水産の食材や、山で摂れるキノコや筍、カエルやスッポンなども食べられます。
代表的な料理は、腌鮮鱖魚(スズキの仲間を塩漬けにして煮たもの)、毛豆腐(豆腐を発酵させたもの)、紅燒鳙魚(コイの仲間の醤油煮)、符離集燒鷄(揚げた鶏を香辛料で煮たもの)などです。
安徽料理は、徽州料理、沿江料理、沿淮料理に分けられます。
福建料理
福建省は、浙江省と広東省の間で、台湾と海を挟んで向かい側にある省です。
山間部が多いため、海の幸と山の幸両方が食べられます。
代表的な料理は、佛跳牆(アワビやフカヒレなど高級食材の乾物で作ったスープ)、炒米粉(焼きビーフン)、牛肉麺、九門頭(牛モツのしゃぶしゃぶ)などです。
福建料理は、福州料理、閩南料理、閩西料理に分けられます。
広東料理
広東料理は、中国南部の広東省をはじめ、香港やマカオなどでも食べられている料理です。
海の幸が豊富であっさりとした味付けで、身体に良い食材を組み合わせたスープがよく飲まれています。
代表的な料理は、叉焼、酢豚、XO醤を使った炒めもの、ワンタン麺など。
他国との交流が盛んだったため、日本をはじめ、様々な国で愛されています。
湖南料理
南部の内陸部に位置する湖南省。
唐辛子を多様した辛い料理が有名で、四川料理より辛いと言う人も。
代表的な料理は、酸辣湯(酢を効かせた辛いスープ)、黒臭豆腐(豆腐を発酵させたもの)、左宗棠鶏(鶏を揚げて甘辛いたれをかけたもの)など。
米や米粉の麺がよく食べられています。
四川料理
南部の内陸部、湖南省よりも西にある四川省。
辛い料理のイメージが強いですが、四川はサトウキビ栽培が盛んで、甘いものもよく食べられています。
代表的な料理は、麻婆豆腐、担々麺、回鍋肉、青椒肉絲など。
「麻辣」と呼ばれる、胡椒や山椒などの痺れるような辛さが特徴です。
主な中華料理の成り立ち
日本でもおなじみの中華料理の数々は、どんなふうに生まれて今の姿になったのでしょうか。
人気の料理をいくつかピックアップしてまとめてみました。
担々麺
日本では「汁あり担々麺」が主流で、「汁なし担々麺」はあとから人気が出てきた料理、という感じがします。
しかし、本場である中国の担々麺は汁なしがスタンダード。
四川省で生まれた担々麺には汁がなく、麺と調味料を混ぜて食べるスタイルでした。
汁ありの担々麺は、日本人の好みに合わせてアレンジされたもの。
四川出身の料理人として有名な陳建民が広めたと言われています。
餃子
「日本で食べられている餃子は日本で独自に進化したもので、中国で食べられている餃子とは違う」というのは、ご存知の方も多いと思います。
中国で主流なのは、水餃子。茹でた餃子にたれをつけていただきます。
皮は厚めで、ニンニクは入れません。生のニンニクをかじりながら食べる人もいます。
また、日本では白米、チャーハン、ラーメンなど主食のおかずとして餃子を食べることが多いですが、中国では餃子は主食という扱いです。
北京ダック
その名の通り、北京生まれの料理だと思われがちですが、そのルーツは南京にあるという説も。
以前は煮たアヒルを直火で炙る料理でしたが、現在は下処理し一晩乾燥させたアヒルを炉で焼き上げる方法が採られています。
麻婆豆腐
麻婆豆腐は四川料理のひとつです。
本場の麻婆豆腐は花椒を効かせた痺れるような辛さが特徴。
また、豆鼓など日本ではあまりメジャーではない調味料も使われています。
それを、四川省出身の料理人である陳建民がアレンジして伝えたのが、日本で主流になっているタイプの麻婆豆腐です。
ちなみに、「麻婆」とは「あばたがあるおばさん」という意味。
麻婆豆腐を生んだ陳さんにはあばたがあり、「陳麻婆」と呼ばれていたそうです。
小籠包
台湾料理というイメージが強い小籠包。
上海にある南翔饅頭店の南翔大肉饅頭をルーツとする説があります。
しかし、資料などが残っているわけではないので、はっきりとはわからないのが実情です。
青椒肉絲(チンジャオロース)
青椒とは、ピーマンやししとうのこと。絲は細切りのことです。
中国では豚肉を使うことが多く、牛肉を使った場合は青椒牛肉絲。
ルーツは四川料理や福建料理とされています。
日本に中華料理を広めた陳建民のレシピでは、牛肉、ピーマン、たけのこ、ねぎ、しょうがを細切りにし、醤油、砂糖、オイスターソースなどで甘辛い味に仕上げています。
酢豚
実は酢豚は日本での呼び方。
中国では、糖醋肉塊や古老肉と呼ばれています。
糖醋は砂糖と酢のこと。
他にも糖醋鯉魚(鯉の甘酢あんかけ)などの料理があります。
【初心者向け】料理をするならどんなものがおすすめ?
ここまで読んで中華料理を食べたくなってきた方、自分で中華料理を作ってみませんか?
自分で作れば、材料や辛さのアレンジも自由自在。
簡単に作れるものを選んでご紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね!
中華料理のおすすめご飯ものレシピ|手作り麻婆豆腐
中華と言えばこれ!
麻婆豆腐をご飯にのせて、旨辛丼にしちゃいましょう。
参考:https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/702900/
中華料理のおすすめ鍋ものレシピ|紅白どっち派?紅白火鍋
麻辣火鍋もおうちで作ることができます。
スープのレシピは意外とシンプル。
好きな具材を入れて楽しんでください!
参考:https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/801560/
中華料理のおすすめ汁物レシピ|黒酢入り酸辣湯
酸味と辛味が特徴の酸辣湯。
疲れたときに食べると元気になれそうです!
参考:https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/702254/
中華料理のおすすめ揚げ物レシピ|油淋鶏
揚げた鶏にたれをかけて食べる油淋鶏。
ボリューム満点で、ご飯にもお酒にもよく合います。
参考:https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/707600/
中華料理のおすすめ炒め物レシピ|空芯菜の中華炒め
シンプルな空芯菜の中華炒めは、あと一品ほしいときにぴったり!
中華炒めにすると、野菜もモリモリ食べられるのが嬉しいですね。
参考:https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/710171/
本場の味も、日本流のアレンジも、両方好き!
中国の中でも多くの種類があり、さらに日本に伝えられてから様々なアレンジが加わった中華料理。
最近では本格的な「中国料理店」が増えたり、食材が手に入りやすくなったりと、本場の味に触れる機会が増えましたよね。
一方で、町中華ブームなど、日本ならではの「中華料理」も熱烈に愛されています。
両方が食べられる幸せに感謝して、美味しい中華料理をいただきましょう!
樋口千春 /
ビギナーズ編集部 ライター
映画とアートと焼餃子(皮厚め)を愛するライター兼イラストレーター。写真も少し撮る。激務な会社員時代を経て、出産後フリーに。意外となんとかなるもんだ。乙女な娘&すぐに尻を出す息子と笑い転げる日々。