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フルートの音色の特徴|フルートを始める前に知っておきたいこと

フルートは優雅な佇まいで、心地のよい音色で楽器を始めたい人に人気があります。フルートは大きさや価格など初心者でも挑戦しやすく、年齢関係なく長く楽しめる趣味です。こちらではフルートを始めたい人に、特徴や音色などの基礎知識をまとめました。
フルートの音色の特徴|フルートを始める前に知っておきたいこと

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フルートは木管楽器の中で最も高い音を担当し、管楽器の中で最も古い歴史をもっているといわれ、クラシックでは多くの楽曲で使用されています。

フルートの曲は、吹奏楽やクラシック音楽が思い浮かぶことが多いでしょう。メロディーを奏でることの多いフルートは、ジャズやポップス、アニメソングまでと幅広いアレンジが楽しめます。

フルートの音色や、発音の仕組みについて説明します。

フルートの音色の特徴と発音の仕組み

オーケストラの中でもフルートは個性が出る楽器のひとつで、材質は洋銀、銀、金、プラチナなどの金属が主流ですが、木でできたフルートもあります。

フルートは小鳥のさえずりの様な音色

フルートの音色は「小鳥がさえずるような」と表現されることが有名で、柔らかく高いかわいらしい音色です。

優雅で、耳に心地よい音色は、吹奏楽ではメロディ楽器として使用され、オペラなどでは「鳥のさえずり」をイメージする場面で使われたり、数多くのソロパートを担当します。

また、ジャズやラテン、ボサノバなどのしっとりとした楽曲でもよく使われています。

リッププレートに息を吹き込んで発音する

フルートは他の木管楽器とは違い、リードを使用せずに「リッププレート」と呼ばれる部分に息を吹き込んで発音します。

リッププレートは、木製フルートの管の厚みや太さを部分的に残すためにつくられたもので、金属製フルートを初めてつくったテオバルト・ベームが、吹きにくくならないように考えられたものです。

リッププレートは小判型の金属板を曲げて作られ、その下にあるライザーと呼ばれる台座で管体とつながっています。 

基本的な発音の仕組みは、唇で作った息の流れを直接フルートの歌口のエッジにぶつけ、空気の渦を作ることで音を発生させます。

そのため、澄んだ綺麗な音がして非常に高い音が出るので、小鳥の鳴き声にたとえられるようになりました。

木製ではないが木管楽器に分類される

フルートは木製の楽器ではありませんが、木管楽器に分類されます。木管楽器は材質が木というわけではなく、発音原理が唇を振動させるリップリード(金管楽器)でないものを指します。

フルートはリードを使わず、唇の振動はさせないで空気を振動させて音を出す「エアリード」という木管楽器に分類されます。

フルートの音域と音色の特性

フルートの音は、低音域、中音域、高音域がありそれぞれに味わいがあります。また、それぞれの音域の特徴をいかすように書かれた曲もあります。

フルートの音域は3オクターブ

フルートの音域は、3オクターブと幅広い音をだすことができます。音域が広く低い音でも演奏することができます。

フルートの音色の特徴

フルートは高音の楽器という印象が強いですが、低音でメロディーを奏でる曲では、フルートの奥深さを感じることができます。

高音域はよく響く芯のある音色

華やかで明るい音色が魅力であり、吹奏楽では高音域を担当し主旋律を演奏することが多いです。高音域は合奏の中でも際立って聴こえるので曲に華やかさを与えます。

ヴィブラートのかかっていないフルートによる高音は明るくかわいい、よく響く音色でストレートな音で涼しげです。また、高音域になるほど芯のある音色になります。

中音域は明るく魅力的な音色

中音域は、楽曲の中でもよく出てくる音域で、明るく柔らかいフルートらしい音色です。

低音域は柔らかく温かい音色 

フルートの低音域は温かく柔らかい、また横幅のある安定感のある音色です。低音域を使った代表的な曲に「ボレロ」「牧神の午後への前奏曲」があります。

フルートの担当パートと役割

ピアノとの相性もよく、吹奏楽では、ソロパートを担当することが多いです。どんな役割を果たしているのでしょうか。

メロディーパートを担当することが多い

フルートは、メロディーパートを担当することが多く、メロディーパートの中でも高音域のためよく響いて目立つちます。

また、オーボエなどより比較的細かい連符が多く、その楽曲に華やかさを与えます。

飾り付けの音や楽曲の華になるフレーズを担当する

フルートはかわいらしく、よく響く音なので飾り付けの音や楽曲の華となる音を担当する場合も多いです。

フルートがおすすめな人の特徴

フルートに向いているか、不向きなのかは一概にいえませんが、唇の形や歯並び、下顎の形で、まれに向いていない人もいます。おすすめの人の特徴を説明します。

リズム感のある器用な人におすすめ

フルートは細かい動きが多くて、安定した動きが求められるためリズム感がある器用な人におすすめです。16分音符や32分音符の早いフレーズが得意な人にも向いているでしょう。

いったん音が出せるようになれば、ある程度のレベルまでは上達しやすいので、続けやすい楽器といえるでしょう。

下顎の形がリッププレートに合う人におすすめ

フルートはリッププレートに息を吹き込んで発音するので、下顎の形がリッププレートと合わないと発音するのが難しいようです。下顎の形がフルートのリッププレートと合うのかが大事ですが、まれに合わない人もいるようです。

フルートに向いている人については、様々な見解があるので、始める前にフルートに詳しい人や先生、フルート奏者などに相談できる機会があれば、アドバイスを受けるのがよいでしょう。

有名なフルート奏者

世界中を魅了している有名なフルーティストを紹介します。

ジェームズ・ゴールウェイ

ジェームズ・ゴールウェイ(Sir James Galway, 1939年-)は「黄金のフルートを持つ男」という通称で知られています。

ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を経て、1969年、カラヤン率いるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の入団しました。

首席フルート奏者として活躍していましたが、一時の不和により退団しソリストになりました。

そして、ソリストとして数々の名声を得て、1979年に英国のエリザベス2世から大英帝国勲章を2001年にはナイトの称号を授与されました。

また、映画「ロード・オブ・ザ・リング」でも演奏を披露しており、モーツアルト、カール・ライネッケの協奏曲などの演奏を披露しています。

現在は指揮者としても活躍し、クラシック音楽のフルート奏者の中で指導的立場にあります。

エミリー・バイノン

エミリー・バイノン(Emily Beynon, 1969年-) は、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席フルート奏者で、1992年に初来日し、NHK交響楽団との共演、霧島国際音楽祭のマスタークラスでの指導をしているなど造詣が深いです。

フィルハーモニア管弦楽団、BBC交響楽団、イギリス室内管弦楽団、ウィーン室内管弦楽団、NHK交響楽団、シュカンパ弦楽四重奏団、ナッシュ・アンサンブルなどとも共演しています。

1995年から、ジャック・ゾーンの後任として、オランダのアムステルダムの名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者となり、ハーグ王立音楽院で教鞭をとっています。

また、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の首席ハープ奏者の妹のカトリーヌ・バイノンと「フルート・ミステリー」などの曲も発表しています。

フルートが使われている代表曲

フルートの音色を効果的に使われている代表的な曲を紹介します。

バレエ組曲「くるみ割り人形」より葦笛の踊り/チャイコフスキー

チャイコフスキーの三大バレエの中の「くるみ割り人形」の「葦笛の踊り」はフルートを前面に押し出したオーケストレーションでよく知られています。

「葦笛の踊り」は、フルートの美しい重奏が魅力的な曲で、フルートならではの細かい動き、スケールが多用されています。

第3幕への間奏曲 Intermezzo「カルメン組曲」より/ビゼー

「カルメン組曲」はビゼー作曲のオペラで、「第3幕への間奏曲」は第3幕の前に演奏されます。

心が癒されるようなフルートのソロのメロディが美しい曲で、フルートで奏でられたあとは、クラリネットやイングリッシュホルンがその旋律を引き継ぎます。

邦楽で特徴的な曲「ルパン三世のテーマ」

アニメ「ルパン三世のテーマ」は、フルートとピアノ伴奏でテンポがよく、初中級向けに練習するのによい楽曲でしょう。

オリジナルは軽快なリズムで、東京スカパラダイスオーケストラもライブで披露し、作曲者の大野雄二がジャズにアレンジするなど、どんな楽器とも相性のよい曲です。

繊細な音色のフルートが奏でる「ルパン三世」は上品な仕上がりになっています。

邦楽で特徴的な曲「Summer」

作曲家の久石譲の代表曲「Summer」は、映画、CM、BGMと様々なシーンで聴くことができるおなじみの名曲です。こちらもフルートとピアノ伴奏で、夏の涼しげな感じをフルートが演出しています。

フルートは華やかで魅力的な楽曲

フルートを起用した曲は、幅広くクラシック以外にもポップスやアニメソングまでいろいろあります。

吹奏楽では、1967年のポップス曲で「君の瞳に恋してる」がアレンジでよく演奏されています。この楽曲自体、明るく楽しいですが、フルートソロで際立ち、華やかな音色を奏でています。

漫画、ドラマ、アニメの「のだめカンタービレ」でお馴染みの「ラプソディー・イン・ブルー」は、いろいろな楽器とのオーケストラでフルートは高音域を奏でて、壮大なスケールの中に華やかさをプラスしています。

アニメにもフルートは活躍します。故・富田勲が手掛けた、手塚治虫の「リボンの騎士」「ジャングル大帝レオ」、松本零士の「宇宙戦艦ヤマト」などをオーケストラで一味違ったアニメソングを聴くこともできます。

フルートを奏でているCDなどをたくさん聴いて、魅力的な楽曲に触れてみましょう。音楽教室などで体験レッスンを設けているところもあるので、フルートを始めてみたい人は受けてみてはいかがでしょうか。

こちらの記事では、初心者におすすめのフルートフルートのレンタルサービスをご紹介しています。

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ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

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