更新

オーボエの吹奏楽やオーケストラでの役割は?ソロで目立つ重要な役割!

オーボエってどんな楽器?吹奏楽やオーケストラでの役割、楽器の仕組み、魅力、代表曲などをまとめてご紹介いたします!歴史的作曲家の超有名曲や、吹奏楽コンクールで人気のあの曲にも、オーボエのソロが。実はとっても目立つ楽器なんですよ。
オーボエの吹奏楽やオーケストラでの役割は?ソロで目立つ重要な役割!

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

吹奏楽やオーケストラに詳しくない人には、あまり知られていない楽器「オーボエ」。実は独特の魅力がある素晴らしい楽器なんです!

今回は、オーボエに初めて興味を持った方のために、オーボエの魅力や役割についてご紹介いたします。

オーボエってどんな楽器?

女性

まずは、オーボエの基本的な情報からチェックしてみましょう。

オーボエの仕組みと素材

オーボエは、2枚のリードを使って音を出す「ダブルリード」楽器と呼ばれています。リードとは、植物や金属、プラスチックなどを薄く削って作ったものです。ダンチクというイネ科の植物で作ったリードが主流です。リードに息を吹き込み、振動させて音を出します。

ファゴット、バグパイプ、屋台のラーメン屋さんが吹いていたチャルメラなどが、オーボエと同じダブルリードの楽器です。

リードに続く黒い部分の材料は、グラナディラという木でできていて、ひとつながりに見えますが、上管・下管・ベルの3つのパーツに分かれています。

オーボエの音域は約3オクターヴ。たくさんのキーを押して、音を変えられます。

オーボエの歴史

オーボエは、とっても歴史がある楽器です。古代エジプトの壁画には、オーボエの祖先であるダブルリード楽器が描かれています。古代ギリシア神話にも登場しているそうですよ。

オーケストラに最初に入った管楽器もオーボエなんです。当時はキーが少なく出せる音もわずかでした。その後、キーの数が増えるなど様々な改良が加えられ、20世紀初頭に現在の形が主流になったようです。

オーボエの魅力

オーボエの魅力はなんといっても独特な音色で、よく「哀愁のある音色」「東洋的な音色」と評されます。比較的音量の小さい楽器なのにも関わらず、他の音色に埋もれない個性的な音色の持ち主なのです。

吹奏楽やオーケストラでのオーボエの役割

オーボエは人数が少なく、音量も他の楽器ほど大きくないので、地味な印象をお持ちの方もいらっしゃると思います。

しかし、オーボエはとっても目立つ機会の多い楽器なんです。吹奏楽・オーケストラ・アンサンブルなどでは、魅力的な音色を活かして、ソロやメロディを担当。曲の冒頭や、ふっと静かになった場面でソロを演奏し、聴衆の注目を一身に集めることもしばしば。

他の楽器と一緒にメロディを演奏するときも、オーボエが入ることで、輪郭のクッキリしたメリハリのある音色になります。「大声で騒ぐキャラじゃないけど、ここぞと言うときは品良く目立ちたい!」という方にぴったりの楽器です。

オーボエの代表曲

楽譜

ここで、オーボエの魅力が伝わる代表曲をいくつかご紹介いたします。誰もが知る有名曲も、吹奏楽コンクールの定番曲も、オーボエの音色なしには成立しません。

今は配信で様々な音源を聞くことができますので、いろいろな楽団・演奏者の演奏を聴き比べてみるのがおすすめです。古今東西の大物作曲家が愛した、オーボエの多様な魅力に気付くはずです。

白鳥の湖/チャイコフスキー

「眠れる森の美女」や「くるみ割り人形」とともに、3大バレエと呼ばれる「白鳥の湖」。その最も有名なフレーズを演奏しているのがオーボエです。ハープの伴奏をバックに演奏される優美なオーボエのソロは、1877年の初演以来多くの人を魅了し続けています。

運命/ベートーヴェン

こちらも超有名曲。ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 作品67、通称「運命」にもオーボエのソロが登場します。

ダイナミックな音楽の中で、オーボエのソロの間だけガラッと空気が変わる様子は鳥肌モノ。なかなかに度胸が必要なソロだと思われます。

ダッタン人の踊り/ボロディン

吹奏楽コンクールの自由曲で大人気の「ダッタン人の踊り」。毎年必ずどこかの学校が演奏しているのではないでしょうか。

オーケストラの演奏の他にも、有名楽団や強豪校のCDなどで吹奏楽バージョンもたくさん聞くことができます。どこか郷愁を誘うような雄大なフレーズが、オーボエの音色にぴったり。

吹奏楽部を舞台にした人気作品「響けユーフォニアム」にも登場する、印象的な曲です。白鳥の湖もそうでしたが、オーボエが奏でたメインテーマに様々な楽器が合流して大きな流れになっていく感じがたまりませんよね!

コジ・ファン・トゥッテ/モーツァルト

モーツァルトが1970年に作曲した喜劇オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の序曲も、オーボエのソロから始まります。本当にオーボエのソロは曲の冒頭に配されることが多いですね。

曲の最初のソロが成功すると、他の演奏者も勢いが出て良い演奏をすることができます。場の空気を作り上げる、ムードーメーカー的な役割を期待されているのでしょう。

ペール・ギュント/グリーグ

曲名は知らなくても、きっと聞いたことがあるはず。戯曲「ペール・ギュント」で最も有名な「朝」は、フルートとオーボエのソロの掛け合いから始まります。朝靄からゆっくりと日が差す様子が目に浮かぶような名曲です。

オーボエ協奏曲/モーツァルト

オーボエの魅力を存分に味わうために作られるオーボエ協奏曲。もちろんずっとソロですし、演奏会では指揮者の横という最も目立つ場所に立って演奏します。様々な作曲家がオーボエ協奏曲を作曲していますが、やはり最も有名なのはモーツァルトでしょうか。

軽やかな旋律から歌い上げるような演奏まで、様々な切り口でオーボエの素晴らしさを表現しています。吹奏楽で演奏する機会は少ないと思いますが、聴くともっとオーボエが好きになり、表現の幅が広がりますよ!

新世界より/ドヴォルザーク

「遠き山に〜日は落ちて〜」でおなじみのあのメロディは、オーボエの仲間であるイングリッシュホルンが奏でています。オーボエ奏者が兼任することもありますので、ぜひ聞いてみてください。

オーボエを練習したい!上手になりたい!と思ったら

放課後

楽団やバンドにおけるオーボエ奏者の割合は、決して多くありません。学校の吹奏楽部の場合は、学年に1人くらいではないでしょうか。先輩に習ったり同期と教え合ったりする機会が少ない人も多いと思います。

それでももっとオーボエを練習したい!上手になりたい!という方は、こんな方法を試してみてください。

オーボエ教室に通う

オーボエの上達に最も効果的なのが、オーボエ教室に通うことでしょう。検索してみると、都市部の場合は比較的簡単にオーボエ教室が見つけられるはずです。

ただ、場所によっては、通える範囲内にオーボエ教室が見つからないことも考えられます。その場合は、楽団・バンドの先輩、部活の先生、楽器店や楽譜店の方などに聞いてみましょう。

特に楽器の修理などを行っているお店は、地域の演奏者のことをよくご存知なので、頼りになりますよ。

オーボエの練習動画を参考にする

YouTubeなどに動画を公開しているオーボエ奏者もたくさんいます。演奏を聴くのももちろん勉強になりますが、練習方法などを紹介している動画があればぜひ参考にしてみましょう。

演奏者によっては、動画のコメント欄やSNSで寄せられた質問に、動画で答えてくれる場合もあります。ピンポイントで知りたいことがある場合は、質問してみるのも良いかもしれませんね!

オーボエの教則本を買ってみる

書籍の良いところは、必要な情報が過不足なく網羅されているところ。自分では気付かなかった弱点やコツがわかることも多いですよ。基礎的な内容が網羅されている教則本は、一冊持っておいて損はないでしょう。

おすすめのオーボエ教則本

1.全音 ISE for Oboe ヒンケ:オーボエ入門のための基礎練習

スタンダードとして長く愛されている教則本。先生や先輩に勧められて購入する人も多いんですよ。楽器も、スポーツや勉強と同じように基礎が重要。しっかり基礎を固めましょう。

2.オーボエポピュラー&クラシック名曲集 CD付き

基礎をマスターして曲が吹きたくなったら、こちらがおすすめ。「星に願いを」「アヴェ・マリア」など、様々な名曲が収録されています。

カラオケCDが付いているので、一人で簡単にコンサート気分を味わうことも可能。伴奏用のピアノ楽譜がついているので、ピアノが得意な友達と一緒に曲を演奏するのも素敵です。

他の楽団のオーボエ奏者と仲良くなる

自分の楽団にオーボエ奏者が少ないなら、他のオーボエ奏者と仲良くなってみましょう!近隣の楽団との合同演奏会など、交流の場があれば積極的に参加し、オーボエ奏者に声を掛けるのです。交流の場がない場合は、自分で企画してもいいでしょう。

他の楽団のオーボエ奏者も、きっと仲間を増やしたいと思っているはず。切磋琢磨して腕を磨いていきましょう。

オーボエは誰とパート練習するべき?

個人練習ももちろん必要ですが、みんなで同じ曲を演奏するなら、パート練習も重要です。パート練習をする場合、オーボエはフルートと一緒に練習することが多いようですが、常にフルートパートと一緒に練習する必要はありません。

同じ旋律を吹いている楽器に声を掛けて、一緒にフレーズやハーモニーを合わせてみると良い練習になります。自分で判断がつかない場合は、パートリーダー、コンサートマスター、指揮者、顧問の先生などに相談してみてくださいね。

学校の吹奏楽部でオーボエを演奏する場合の注意点

学校の吹奏楽部の場合は、吹奏楽コンクール、アンサンブルコンテスト、学校の文化祭、部活で行う演奏会などが主な活躍の場。学校によっては、運動部の応援などの屋外イベントで、校歌や応援歌、行進曲などを演奏する機会もあるかもしれません。

しかし、木製のオーボエは急激な温度変化や直射日光が苦手です。温度が変わると音程が変わりやすくなるうえに、直射日光を浴びると最悪の場合楽器が割れてしまうこともあるんです。

そのわりには、他の楽器の音でかき消されてしまったり、屋外ではあまり音が聞き取れなかったりと、あまり苦労が報われません。屋外イベントで演奏する場合は、直射日光を避けるようにしましょう。

オーボエは、とっても魅力的な楽器!

オーボエ

オーボエは、その独特な魅力で様々なソロを奏でる、とても目立つ華のある楽器です。「教えてくれる人が少ない」といった問題も、工夫次第でいくらでもカバーできます。オーボエに興味を持った方は、ぜひ挑戦してみてくださいね!

オーボエの基礎練習についてはこちらの記事を確認してみてくださいね。

マーケットエンタープライズフィールドセールス

樋口千春 /
ビギナーズ編集部 ライター

映画とアートと焼餃子(皮厚め)を愛するライター兼イラストレーター。写真も少し撮る。激務な会社員時代を経て、出産後フリーに。意外となんとかなるもんだ。乙女な娘&すぐに尻を出す息子と笑い転げる日々。

ビギナーズTOPページ