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トランペット初心者の入門ガイド|選び方と最初の音の出し方
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あらゆる金管楽器の元ともいえるトランペットの歴史は、今から約3,000年も前から始まっています。とても歴史のある楽器なので、これまで世界中で様々なシーンで活躍をしてきました。
これから趣味として始めると考えると、自分がどんなシーンで演奏できるか楽しみですよね。もう十分に知っている方も、もう一度トランペットの魅力から探ってみましょう。
何か新しい発見があるかもしれません。トランペット初心者の方が楽器を持って初めて音を鳴らすまでをご説明します。
目次
トランペットとは
トランペットはオーケストラや吹奏楽では花形と呼ばれています。印象の強い音色からソロのパートも多い楽器です。まずは2つの動画でトランペットの美しい音色を聴いてください。
この動画でトランペットを吹いているのはアリソン・バルサムさんです。イギリス出身の女性トランペット奏者で、これまで世界の様々な大会で賞を受賞してきました。様々なトランペットを吹くことができるので世界中で活躍しています。
トランペットを吹いているのは、ウィントン・マルサリスさんという現代における最も著名なジャズミュージシャンです。この動画では、世界的に人気なジャズシンガーのノラ・ジョーンズさんとコラボレーションしています。ジャズの雰囲気は大人っぽくて素敵ですよね。
このようにオーケストラでもジャズでも演奏できるトランペットはたくさんの魅力がありますよ。まずは、どのジャンルをトランペットで演奏してみたいか想像してみてください。
トランペットには3000年の歴史がある|トランペットの歴史
トランペットの魅力を知っていただけたところで、トランペットの長い歴史について説明します。
冒頭でもあったように、トランペットの原点は今から約3,000年も前に遡ります。エジプトの考古学的出土品の中に記載されています。
当時の素材は金・銀・青銅の他に、土器や貝殻、象牙、木材など様々で形も定まってはいませんでした。あらゆる大陸に伝わってその土地の宗教的な儀式や呪術に使われていたとされています。
少し時代が進み、ギリシャ、ローマ時代になると行進時の指示や合図に使われ、17世紀に入ってやっと楽曲の中で使われるようになりました。
楽曲に使われ始めると一気にトランペットの進化が進み、トランペットの黄金時代と呼ばれるバロック期がやってきます。バッハやヘンデルが数々の作曲をしたことにより、トランペット音楽は最高潮になりました。
その後、トランペットは一度オーケストラから姿を消すようになり、次にコルネットと呼ばれる楽器が出てきました。コルネットは当時のトランペットと比べると幅広く演奏することができたので、コルネットのための曲がどんどん増えていきました。
その後コルネットとトランペットはオーケストラでは別々の楽器として分けられます。しかし、19世紀末ごろからトランペットはコルネットの機能を搭載し始め、優れた演奏性能と安定した音質を手に入れました。
これにより一気に管楽器の中でも重要な存在になり、トランペットは現在ではオーケストラを始め、ポップスやジャズの演奏にも欠かせない楽器になっています。
トランペットの仕組みを知ろう|パーツ名称
トランペットの各パーツ名称をご説明します。
ピストンバルブ
トランペットは3つのピストンバルブを操作することで、音階を吹くことができます。後ほど説明しますが、たくさんの音を出すためにはこのたった3つのピストンバルブの操作と息の速さだけで変化させていきます。
トリガー
トリガーはスライドをさせて、音の高さを微調整するパーツです。初心者の間は使用しなくても吹くことができますが、中級以上では必須となります。
抜差管
抜差管に息が通ると音が半音~1音低くなります。主に音のチューニングで使用します。
トランペットは主に6種類ある|トランペットの種類
トランペットには様々な同属楽器があります。1つずつ特徴をみていきましょう。
C、E♭、B♭のトランペット
一般的にトランペットといったときはB♭のトランペットを指しますが、実はトランペットには形がほとんど同じで、音域の違う種類が他に2種類あります。
1つ目はC音階のトランペット、2つ目はE♭音階のトランペットです。両者ともクラシックで使われることがありますが、あまり見かけないレアな楽器と言えるでしょう。オーケストラを見る機会があれば、探してみてはいかがでしょうか。
フリューゲルホルン
名前の中にトランペットという文字がないので、名前だけでは判断し辛いですが、音域や形、パーツなどがトランペットと共通する部分が多いので、トランペットの仲間とされています。
フリューゲルという意味はドイツ語で「翼」という意味で、管体が円すい状に広がっており、翼を連想させるところからついた名前です。
コルネット
コルネットの音色はトランペットより丸みのある柔らかい音が特徴的です。英国式の吹奏楽団ではトランペットを使わず、コルネットがトランペット、オーボエ、フルートのような役割をすることもあります。表現の幅が広いですね。
ピッコロトランペット
ピッコロトランペットは主にクラシックで使われます。管の長さはトランペットの半分で、低音を出すためにピストンが4つあるものが主流です。
華やかで伸びのある高音が特徴的で、音域は普通のトランペットより1オクターブ高い音を出すことができます。
初めてのトランペットの選び方|有名メーカーを紹介
トランペットには世界的に有名なメーカーがいくつかあり、日本へ輸入されているメーカーだけでも70社ほどあります。今回はその中でも代表格を紹介します。
初心者の方はどのメーカーにすればいいかわからない方も多いと思うので、選ぶときの参考にもしてみてください。
YAMAHA
まずは日本を代表する世界的メーカーのヤマハです。初心者の方では、ヤマハのスタンダードモデルから始める方が圧倒的に多いです。
学生の吹奏楽団体でも使われているほど、安定感があり、定評のあるモデルを数多く出しています。
スタンダードモデルの中でも、「YTR-4335GII」や「YTR-2330」は吹きやすく、高級感もあり、初心者の方におすすめです。
Vincent Bach
「バック」と呼ばれ世界中から親しまれているメーカーです。正式名称は「ヴィクセントバック」といいます。
こちらはトランペットに少し慣れた、上級者向けのモデルを多くだしています。トランペットで様々な曲を演奏できるようになってきたらバックのトランペットを吹いてみたいですね。
XO
XOはトランペット専門メーカーです。軽快な吹奏感、吹きやすさ、安定した音程に定評があり、人気メーカーとなっています。
最先端の技術を駆使して、どんなジャンルの音楽にも溶け込める音色を奏でることができます。ヤマハのスチューデントモデルよりもハイクラスのトランペットをお探しの方におすすめです。
B&S
元々はチューバが有名なメーカーでしたが、吹きやすさなどから、国際的に高く評価されており、トランペット奏者のファンも多いメーカーです。
しっかりとした吹奏感と響きがあり、その豊富なラインナップから多くのプロトランペット奏者に受け入れられてきました。
初心者のためのトランペットの始め方
では実際にトランペットで音を出すまでの準備をしていきましょう。
基本的なマウスピースの吹き方、トランペットの組み立て方、構え方、姿勢を説明します。
最初からできなくても慌てず、コツコツと練習することでできるようになります。冒頭で紹介した素敵なトランペットプレイヤーに少しでも近づけるように頑張りましょう!
マウスピースはどうやって吹く?
マウスピースを吹くときの口の形を「アンブシュア」といいます。口の形と息の吐き方を説明します。
- 1.唇は左右に引っ張るような形で張ってください。
- 2.唇の隙間からまっすぐに息を出します。
このまま息を吐きながら唇を震わせることを「バジング」といいます。この形でマウスピースに口をつけると音がなります。
バジングができない方も息を真っ直ぐ吐くことを意識しましょう。マウスピースに唇が触れることによって震わせやすくなります。
トランペットの組み立てから音を出すまで
ではいよいよマウスピースを本体に装着して、トランペットの音を出してみましょう。
トランペットは組み立て、構え方、姿勢にそれぞれポイントがあります。項目ごとにポイントを解説しますので、順序に沿って実施してみてください。
また、最後にわかりやすい動画のご紹介もしているので、参考にしながら音を出してみましょう。
トランペットの組み立て
トランペットは基本的にマウスピース以外、解体することはできません。
マウスピースを抜差しするときは真っ直ぐ抜くのではなく、少し回しながら外しましょう。真っ直ぐ無理矢理抜いてしまうと楽器の内側に傷が入ってしまう可能性があります。
トランペットの構え方
トランペットの構え方は以下の順番で覚えましょう。
- 1.U字の第1トリガーに左親指を入れます
- 2.円になっている第3トリガーに左薬指を入れます
- 3.左人差し指、中指、小指は楽器に沿わせるようにおいておきます
- 4.横にU時になっている指掛けに右手の小指を引っ掛けます
- 5.手前のピストンから1番2番3番として右人差し指、中指、薬指の順番でおきます
トランペットを吹く前に姿勢の確認
息を真っ直ぐ出すためには姿勢を整えましょう。イス半分くらいに座り、背筋を伸ばします。脇は締めすぎず、広げすぎず、適度に構えると楽に音を真っ直ぐ出すことができます。
トランペットで音を出してみよう
構えるところまでできたらピストンは何も押さず、そのまま息を真っ直ぐ吹いてみてください。
ドの音かソの音がでるはずです。異なる音が出るのは息のスピードが異なるからです。口の張り方を強めたり緩めたりすると音が変わります。
また、最初はなかなか音が出ないかもしれません。まずはマウスピースでしっかりと息を真っ直ぐに、音を鳴らせるようになるところから始めましょう。
動画で確認しよう
ここまでの説明をさらにわかりやすく説明している動画があります。じっくりと見て、正しい方法で吹く準備ができているか確認してみてください。
まとめ
トランペットが趣味になるととてもかっこいいですよね。何から始めたらわからないと困っていた方も問題が解決したのではないでしょうか。
古くから現代まで存在している楽器なので、歴史を知っているだけでもさらに興味が沸くと思います。
世界には多くの有名なトランペット奏者がいますので、是非様々な方の演奏を聴いてみてください。そして「こんな風に演奏したい!」と思う憧れのトランペット奏者を見つけましょう。
目標があると、モチベーションにもなりますし、トランペットがもっと好きになると思います!
まずはトランペットをレンタルして始めてはいかがでしょうか?始めてからすぐに挫折をしてしまわないか確かめることも重要です。
おっきー /
ビギナーズ編集部 編集長
ビギナーズ編集部で編集を担当しています。子どものころから趣味は多く、中学時代は吹奏楽部にいました。そのころからダンスもはじめて、大人になった今でも続けています。またスポーツ観戦も好きです!