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3分で解説!初心者が抑えるべきオーケストラ・人気楽曲はこれ
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ヴァイオリンやヴィオラなどの優雅な響きがする音楽、一度は聞いたことありますよね。
それがオーケストラです。
実はそんなオーケストラの歴史は古く、それゆえオーケストラの楽団の数や曲、作曲家もたくさんいます。
一方で、初心者にとってはその中でもどれを聴く必要があるのか、迷うことも。
そこで今回は、オーケストラを知りたい時に最低限抑えるべき、人気の楽団と楽曲についてお伝えしましょう。
目次
そもそもオーケストラとは
まずは「オーケストラ」とはなんぞや、について解説します。
オーケストラという言葉は、厳密にいうと「楽団」と「楽曲」の2種類を指します。
そこで、「楽団」と「楽曲」それぞれの意味について解説しましょう。
楽団としての意味のオーケストラ
楽団としての「オーケストラ」とは、「管弦楽団」といいます。
これはヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなどの弦楽器、フルート、クラリネット、サックス、オーボエ、ファゴット、トランペット、フレンチホルン、トロンボーン、チューバなどの管楽器、ティンパニ、スネア、バスドラムなどの打楽器の3種類で構成される楽団のことを指します。
また、曲によってオーケストラは人数が変わります。
少ない時は30人前後、多い時はなんと100人前後で演奏することもあるのだとか。
とても人数が多いですよね。
楽団としてのオーケストラは「フィルハーモニー」「交響楽団」など様々な名前がついています。
演奏する曲はクラシックを始めとして、既存のポップスの曲をオーケストラ向けにアレンジして演奏する場合もあります。
楽曲としてのオーケストラ
一方、「オーケストラ」という言葉が楽曲を指す場合は「管弦楽で演奏する曲」という意味合いです。
この「管弦楽で演奏する曲」で、代表的な種類は次のような曲です。
- 交響曲:オーケストラで演奏される4楽章の楽曲
- 交響詩:自由な形式の楽曲で、文学や絵の情景のような内容が含まれることが多い
- 序曲:オペラやミュージカルのような、演劇や古典組曲で最初に演奏される曲
- 交響組曲:オーケストラが演奏するための組曲。曲数は自由
- 組曲:複数の曲が連続するようにできている曲
これらの楽曲の種類を全てひっくるめて、「オーケストラ」と呼ぶこともあります。
このように、オーケストラという言葉は楽団の意味なのか、楽曲の意味なのか、使われている場面で判断しましょう。
初心者が知っておくべきオーケストラ3選
では、まずオーケストラを初めて聴く人向けに、人気の楽団について紹介しましょう。
NHK交響楽団
大晦日にNHKの教育テレビをつけると、ベートーベンの「第9」を演奏している映像を見たことがある人もいますよね。
この演奏をしているのが、NHK交響楽団です。
「N響」という愛称で親しまれているNHK交響楽団は、1926年に発足した日本初のプロ・オーケストラである「新交響楽団」が元となりました。
その後「日本交響楽団」に名前を変えつつ、1951年からNHKの支援を受けて現在の名前となっています。
つまりオーケストラの歴史は70年近くで、長く愛されているオーケストラでしょう。
実際に、NHK交響楽団の定期会員は9000人を超え、多くのファンがいます。
また、NHK交響楽団ではパーヴォ・ヤルヴィなど有名な指揮者を迎えたり、
NHK交響楽団は毎月3回、NHKホールとサントリーホールで定期公演を行っています。
ぜひ、生での演奏を聴きにいきましょう。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
「音楽の都」と呼ばれるウィーンで誕生したのが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。
1842年に誕生し、オーケストラの演奏レベルの高さは、世界最高レベルと言われています。
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団はウィーン国立歌劇場のオーケストラである「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」から、入団を認められた人が自主的に結成しています。
これまで、日本では有名な小澤征爾さんがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名誉楽団員となっています。
来日公演は席数が限られていますが、元旦にコンサートの様子を放映していたり、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が収録されたCDもあったりしますので、ぜひそのクオリティの高さを味わいましょう。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は1882年に創立したオーケストラ。
こちらもウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と同じく、世界最高レベルのオーケストラと称されています。
緻密に作られた美しいハーモニーは、まさにベルリン・フィルハーモニーの素晴らしさと言っても過言ではないでしょう。
また、現在でも来日公演が開催される場合はほとんどの公演が満席になるほど支持されています。
代表的な常任指揮者は、ヘルベルト・フォン・カラヤンやヴィルヘルム・フルトヴェングラーです。
フルトヴェングラーは特にベートーヴェンをはじめ、ブラームスやワーグナーなどドイツ・ロマン派の楽曲をメインで演奏しました。
また、カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がリリースしたレコード・CDは爆発的に売り上げる記録を残しました。
現在でも多くのCDが発売されているので、興味を持った方はぜひ聴いてみましょう。
おすすめのオーケストラの楽曲一覧〜オーケストラ初心者向け〜
では、ここでオーケストラで人気の曲について解説しましょう。
交響曲:「交響曲第7番」(ベートーヴェン)
ベートーヴェンの交響曲第7番は、音大生のオーケストラを描いたドラマ・映画・漫画「のだめカンタービレ」でも登場します。
冒頭からとても明るい響きがする曲ですが、これはベートーヴェンが失恋や体調を崩して辛かった時に、保養地で友人と過ごして生きる力を取り戻して作られた曲なのだとか。
ちなみに、このベートーヴェンの交響曲では「英雄(3番)」「運命(5番)」「田園(6番)」「喜びの歌(第9番)」などタイトルがあるものが多いのですが、この曲にはタイトルはありません。
しかし、現在ではこの7番もとても人気が高く、たびたびオーケストラで演奏されています。
聴いているだけでとても明るく力強い気持ちになるので、おすすめです。
交響詩:「魔法使いの弟子」(デュカス)
「魔法使いの弟子」は、1897年にP.デュカスが作曲した交響詩です。
この曲を元にして、ディズニー映画「ファンタジア」の中でも「魔法使いの弟子」のアニメが作られました。
物語としては、主人公の見習いの魔法使いが師匠から雑用を命じられたところから始まります。
面倒な掃除は、さっさと終わらせたいですよね。
そんな時に魔法使いはほうきに魔法をかけるが、やがて魔法を止められる方法がなく、とんでもない事態になっていく・・・というストーリーです。
この曲も、聴くだけでその情景が浮かぶのではないでしょうか。
組曲:「惑星」(ホルスト)
組曲「惑星」は「火星」「金星」「水星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」の7曲で構成されています。
管弦楽の曲ですが、チェレスタやオルガン、ハープや女性の合唱などを幅広く取り入れています。
また、「火星」では戦っているようなイメージ、「金星」では静かなイメージなどそれぞれの曲に異なる特徴があることもポイント。
特にこの中の「木星」は、平原綾香さんやLittle Glee Monsterさんがカバーし話題になりました。
1曲1曲を楽しむのももちろんOKですが、組曲を通して聴くと、一貫した世界観を感じることができるでしょう。
交響組曲:シェエラザード(コルサコフ)
「シェエラザード」とは、ディズニー映画「アラジン」の元となった「千夜一夜物語」の語り手のこと。
この語り手の物語を中心として、作曲された後にバレエの作品にもなっています。
あらすじとしては、妻の不倫が原因で女性不信となったシャリアール王は、毎晩若い女性と一緒に寝ては翌朝に首を跳ねるようになりました。
そこでシェエラザードという女性が自らシャリアール王の元を訪れ、毎晩毎晩、物語を聞かせます。
するとシャリアール王はどんどんその物語に興味を示し、1,001夜に渡って話を続けられるようになる・・・という内容です。
オーケストラのハーモニーだけでなく、組曲を通して、荒々しいシャリアール王のテーマと、女性的であるシェエラザードのテーマが繰り返される点も合わせて注目すると、より楽しめるに違いありません。
序曲:「ウィリアム・テル序曲」(ロッシーニ)
「ウィリアム・テル序曲」は、1804年に誕生した戯曲「ウィリアム・テル(ヴィルヘルム・テル)」で一番はじめに演奏される曲です。
戯曲の舞台はスイスで、当時はオーストリアの支配下で苦しんでいました。
そこでスイスは他の国と同盟を組んで、戦うことを決意します。
その中でも弓の名手であるウィリアム・テルが敵国に囚われてしまいますが・・・というあらすじです。
ウィリアム・テル序曲は全部で4部ありますが、このうち有名なのが第4部・スイス軍の行進です。
もしかしたら運動会の徒競走で使われていて、聴いたことがあるかもしれません。
リズミカルでアップテンポな様子は、きっと走りたくなるはず。
まとめ
さて、今回はオーケストラ初心者が聴くべき人気楽曲と楽団についてお伝えしました。
オーケストラはなんだか敷居が高い・・・と感じていた方でも、実は身近で聴いたことがある、あるいはカバーしている楽曲を聴いたことがある、と感じたかもしれません。
とはいえ、やはりここで紹介されている曲を聴くのが一番おすすめです。
実際にオーケストラの演奏を聴くことによって、オーケストラの魅力に気がつくこと間違いありません。
また、こちらの記事ではオーケストラの楽器について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
medmed /
ビギナーズ編集部 ライター
平日はWebライター、休日はトロンボーン吹き(演奏歴18年)をやっています。 音楽と映画、本、旅行、料理、インターネットなど多趣味な日々を楽しみながら過ごしています。