更新

鍵盤楽器の種類と特徴|自分に合った楽器選び

鍵盤楽器の種類と特徴|自分に合った楽器選び

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

何歳でも趣味としてピアノなどの鍵盤楽器を始めてみようという方は少なくありません。しかし鍵盤楽器の種類はあまりに多いため、どれを買ったらいいか迷ってしまうことがあると思います。

今回は、代表的な鍵盤楽器から伝統的な鍵盤楽器、利便性の高い鍵盤楽器を紹介し、それぞれどんな方に適しているかを解説していきます。

鍵盤楽器とは?

鍵盤楽器とは、鍵盤を操作することによって演奏する楽器の総称です。ピアノを始め、オルガン・チェンバロ・シンセサイザーなどの電子機器なども鍵盤楽器のひとつです。

ここからは鍵盤楽器をご紹介していきます。

ピアノ(アコースティック)

まずは鍵盤楽器と言われたら誰もがパッと思いつく「楽器の王様」と称されるピアノです。正式名称は「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」です。

内部に張られた弦をハンマーで叩くことで発音する打弦楽器の一種。標準的なピアノは88鍵盤から成り、音域が非常に広いです。

ピアノは「鍵盤楽器」であり「弦楽器」であり「打楽器」でもあります。こういった部分がまさに「楽器の王様」といわれる所以です。

汎用性が高く、演奏目的以外にも、音楽教育、作品研究、作曲などに広く用いられています。地面と水平にフレームと弦を配した構造のグランド・ピアノと、フレームと弦、響板を垂直方向に配した構造のアップライト・ピアノに分類されます。

ピアノの88鍵は様々な楽器の音域を1台でカバーし、左手で和音、右手でメロディを奏でることができます。

まさに一台でオーケストラを演じることができる楽器です。この特徴は他の鍵盤楽器も備えていますが、ピアノは弾く力の入れ具合によって、他の鍵盤楽器には出せないダイナミズムと繊細さを兼ね備えており、その表現力が最大の魅力かもしれません。

一般家庭では場所を取らないアップライト・ピアノが広く普及しています。

オルガン

オルガンにも様々な種類があり、古くは協会で演奏された「パイプオルガン」がその発祥です。音は鍵盤ごとに割り振られたパイプに空気を流すことで発音する仕組みで、一種の管楽器といえます。

小学校の時、足踏みペダルで音を出すオルガンがあったと思います。規模は小さいですが、あれも空気で音を出すオルガン「リードオルガン」といいます。

オルガンとピアノの違いを箇条書きすると以下の違いがあります。

  • 音が減衰しない
  • 押さえている間はずっと音が鳴り続ける
  • 強弱がない
  • 鍵盤を押さえる力を変えても強弱はつかない
  • 鍵盤が軽い
  • 鍵盤は電子的なスイッチであるため軽い

ピアノに無いこれらの特徴が、裏返すとオルガンの特徴であり、オルガンならではの表現を可能とします。

また、オルガンには足鍵盤があり(無いタイプもあります)、足でベースパートを同時に演奏することができます。この点は、一人オーケストラという意味では、ピアノを上回っているかもしれません。

鍵盤での表現がつけにくい分、音の表現に「ドローバー」や「エクスプレッションペダル」を使用します。ドローバーとは、オルガンの音作りを行うための9本のレバーで、これを操作することにより、音色を様々に変化させることができます。

「エクスプレッションペダル」とは、ボリュームペダルともいい、足でボリュームを調整することができるものがあります。

電子ピアノ(デジタルピアノ)

音源部に電子回路を用いたピアノ型の電子楽器。ピアノの音色と構造、打鍵感(鍵盤タッチ)を再現すべく、電子技術やコンピュータ技術の進歩とともに進化しています。

あくまでもピアノの演奏・表現の再現が目的で、基本的に88ピアノ鍵盤を搭載しています。

シンセサイザー

電子的にさまざまな音を合成(synthesize)して音を作り出す楽器です。大きく分けてアナログ・シンセとデジタル・シンセがあり、電子ピアノとの一番の違いは、自分で音を作ったり、加工したりすることができるという点です。

アナログ・シンセは単純な波形(ピーというブザーのような音)を加工することで、様々な音を作ることができます。しかし、ピアノやオルガンといったリアルな音色を作ることには限界がありました。

そこで、80年代に「デジタルシンセサイザー」登場します。機材の進歩は著しく、シンセサイザーでどんな音でも出すことができるようになりました。

上記で説明した、ピアノ、オルガン、クラビ、エレピはもちろん、ギターやバイオリン、ドラム、サックスなどさまざまです。

単音しか発音されないモノフォニック・シンセや、サンプラー、レコーダー等の機能を統合し1台で楽曲制作を完結できるワークステーション・シンセなど種類も豊富で、様々な音色を使ってバンドでのライブや、音楽制作などで広く使用されています。

音色の他にも、ピッチベンダーやリボンコントローラー、パッドといった各種コントローラーや、音を取り込むサンプラー、リズムを作ったり作曲に使用できるシーケンサーなど、ありとあらゆる機能が詰め込まれているものもあります。

多機能で色々な使い方が出来るからこそ、その使い方にもセンスが問われる楽器でもあります。鍵盤の数も0(鍵盤無し)から88鍵まで様々です。

ステージピアノ

バンド、ライブなどで使用されるピアノ演奏に特化したキーボード。ピアノ音質やタッチにもこだわり、可搬性の高いものも多いです。

プロミュージシャン、セミプロクラスの上級者向けに設計されているものが多く、基本的に88ピアノ鍵盤を搭載しています。

ポータブルキーボード

複雑な機能を持たず、初心者でも扱いやすい、主に家庭用に設計された、子供から大人まで楽しめるキーボードです。

光る鍵盤を使ったレッスン機能を搭載したモデルや、高音質でピアノタッチのタイプなどバリエーションも豊富で、鍵盤数は49鍵盤、61鍵盤がポピュラーです。

ショルダーキーボード

ストラップを用いて肩から吊り下げて演奏できる機種の総称がショルダーキーボードです。略称で”ショルキー”ともいいます。

ショルキーの存在によって、固定位置から移動出来なかったキーボーディストが、ギタリストたちのように、ステージフロントまで飛び出せるようになりました。

ショルキーには大きく2つのタイプがあり、「本体に音源を内蔵しているタイプ」と「音源を内蔵していないタイプ」です。

音源を内蔵していないタイプは、”MIDI”により他の機材(シンセサイザーや音源モジュール)と接続して音を出します。つまり出ている音の元は他の機材で、ショルキーはその音をコントロールするためのキーボード、というものになります。

音のコントロールは主に手で握るグリップ部分に集約されています。

ここには”リボンコントローラー”や”ベントコントローラー”など音程を操るコントロール群、音色選択ボタンなどが配置され、鍵盤を弾きながらも、もう一方の手で制御できるようになっています。

MIDIキーボード

MIDIデータの送受信を目的としたMIDIコントローラーの一種。鍵盤やツマミ、モジュレーションホイールなどが搭載されていて、見た目はシンセサイザーと類似していますが、内部に音源を搭載されていないため、単体で音を鳴らすことはできない楽器です。

あくまでDAW環境で外部音源をコントロールするためのツールです。鍵盤数は25鍵盤、49鍵盤、61鍵盤がポピュラーとなっております。

メロトロン

これまで説明してきた鍵盤楽器は、弦をハンマーで叩く、風を送り込んでリードを鳴らす、電子的に音を鳴らすなどと、ある程度分からない方でも「なるほど~」という感想を持てるような仕組みでしたが、メロトロンの音を出す仕組みは一風変わっています。

仕組みは、管楽器や弦楽器(ストリングス)の音を様々な音程でテープに録音し、各鍵盤を押すとセットされたテープが再生されるというものです。

今ではシンセサイザーで簡単に出せるストリングス等の音が、当時は本物以外に頼るほかなかったため、非常に重宝されました。

その音色は、デジタルとはまた違った(実際に演奏された音源なので当然なのですが)、なんとも温かみのある、味わい深いものです。

アコーディオン

「蛇腹楽器」とも言われます。右手と左手にそれぞれピアノ式鍵盤、またはボタン式鍵盤を使って演奏します。

アコーディオンにも様々なタイプがあり、両手ともボタン式のものもあります。基本的には蛇腹を動かして、空気をリードに送ることで振動させ音を出します。

他の鍵盤楽器と違って、携帯性に優れているのが特徴です。アコーディオンの左手はボタン式鍵盤ですが、ベースボタンと和音(コード)ボタンで分かれているものあります。

ベースボタンを押すと単一の低音が鳴り、コードボタンを押すと和音が鳴ります。コードを弾くのに複数のキーを押す必要がないため、おもしろさがあります。

ちなみに、左手のボタンが多かったり、少なかったり、まったく無かったりと一口にアコーディオンといっても様々な形態があるのもおもしろい特徴です。

鍵盤ハーモニカ

アコーディオン以上に携帯性に優れているといえば、鍵盤ハーモニカです。

鍵盤ハーモニカといえば、小学校の音楽の授業で扱う楽器ですから、ほとんどの人にとって馴染み深い楽器かもしれません。

楽器の構造はハーモニカと同様、金属製のリードに息を吹き込むことで音が鳴るようになっており、鍵盤ハーモニカの場合は音程の操作を鍵盤で行います。

実は鍵盤ハーモニカには楽器のバリエーションが豊富で、音域(「アルト」「ソプラノ」「バス」)によって専用の機種が存在します。バス鍵盤ハーモニカは合奏の中でベースなどの役割を果たします。

また鍵盤数のバリエーションもあり、バスなどは少なめの24鍵盤、多いと44鍵の機種もあり、実は演奏的にも色々なことが出来ることが特徴です。

チェンバロ

「ハープシコード」とも呼ばれます。中世ヨーロッパの貴族の前で演奏された楽器であり、その豪華な装飾を見てもその辺りがうなづけます。

ピアノの隆盛と共に、メインストリームから追いやられていきますが、その形態からしてもグランドピアノの源流といえます。

その証明として、ピアノの正式名称「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」の中にしっかりチェンバロが含まれています。

チェンバロの音を出す仕組みは、鍵盤を押すと中の部品が持ち上がり弦を弾く仕組みです。ハンマーで叩くピアノとはそこが大きな違いであり、よって、音を伸ばしたり、強弱をつけるという意味では限界があります。

チェンバロのそういった面を改良したのがピアノといえます。ピアノの正式名称に含まれる 「ピアノ」は弱い音 「フォルテ」は強い音。つまり、チェンバロのような楽器で強い音も弱い音も出せる、という意味だと感じ取れます。

各鍵盤の主なプレイヤーの呼び名

鍵盤楽器には様々な種類がありますが、「鍵盤」という共通のフォーマットを使用しているだけで、仕組みから奏法までまったく異なるものが多いのです。

そのようなことから、当然それらを演奏するプレイヤーも、その楽器に特化してくるのは自然の流れとなります。鍵盤楽器を演奏するプレイヤーには、次の呼び名があります。

  1. ピアニスト
  2. オルガニスト
  3. キーボーディスト
  4. シンセシスト
  5. アコーディニスト
  6. チェンバリスト

ピアニストというよく聞く呼び名から初めて聞く呼び名までさまざまだと思いますが、その楽器に特化したプレイヤーの演奏を聴くと、その楽器に対する感動が変わってきます。

気になる楽器がありましたら、ぜひプロの演奏を聴いてみて下さい。

まとめ

いかがでしたか?今回は鍵盤楽器の種類をまとめてみました。

鍵盤楽器をやってみたいけど種類がたくさんありすぎて、迷ってしまうと思います。

そして今回ご紹介したのはまだまだ一部分で、マイナーなものも含めるとたくさんあります。商品名でご紹介していくと似たような楽器までさらにたくさんの種類があります。

同じ鍵盤楽器でも、音色や奏法、音量に大きな違いがあります。ピアノと同じような感覚でオルガンを弾いても、オルガンの良さは絶対に出ませんが、それぞれの楽器に一流のプレイヤーがおり、そういう方達の演奏を聴くとやっぱり圧倒されます。

ぜひ気になる楽器がありましたら、プロの演奏を聴くところから始めてみて下さい。さらにその楽器の魅力を感じると思います。

また、こちらの記事ではピアノとエレクトーンの違いについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

マーケットエンタープライズフィールドセールス

伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!

ビギナーズTOPページ