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アップライトピアノとは?ピアノの選び方とおすすめ8選
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
アップライトピアノを買うにしても、“どこのブランドがいいのか“や“新品と中古品どちらがいいのか“など悩むところだと思います。
今回はその選ぶポイントを詳しく解説していきます。
目次
アップライトピアノとグランドピアノ
アップライトピアノとグランドピアノはどのように違うのか、それぞれの特徴から比べてみてみましょう。
アップライトピアノとは
アップライトピアノは簡単に言うと、グランドピアノに比べて奥行きの短いピアノです。
壁に背をつけて置くことができるため、部屋のスペースを 圧迫することが少ない点が特徴です。
弦が垂直に張られており、ハンマーが横から弦を叩くことで音を出します。押鍵された鍵盤とハンマーは同一方向でないため、力と時間のロスが生じます。
ダイナミックアレンジの幅もグランドピアノに比べて狭くなります。連打性能は、ハンマーを戻すのにバネの力を借りるため、素早い連打をするには限界があります。1秒間に7回程度と言われています。
そのため、鍵盤を連打すると必要がある演奏をすると音が抜けてしまうことがあります。
また、アクション機構は、調整箇所が少ないので、調整や整音の幅はグランドピアノよりも狭くなります。
このような特徴から、アップライトピアノは基本的に趣味でピアノを弾く方やピアノを始めたばかりの方におすすめです。
ダンパー
打弦する同じ側からしか押さえられないため、止音効果はより低くなります。
アップライトピアノ特徴まとめ
このようにグランドピアノと比較してみると少し物足りないように感じますが、グランドピアノよりも比較的安価に、アコースティックピアノならではの特徴を体験することができるので、お得です。
電子ピアノではなかなか再現が難しい、アクション構造の鍵盤で弾いている音以外の弦も共鳴するので、弾き手の表現力を最大限に引き出します。
そして、ピアノは正しいメンテナンスが必要ですが、一度購入してしまえば、長く使えることも特徴です。
電子ピアノなら電子機器なので壊れてしまうことはありますが、ピアノは調律などのメンテナンスをしっかりすれば、半永久的に使うことができます。
グランドピアノとは
押鍵された鍵盤はテコの原理でアクションに伝わり、ハンマーを上方向に跳ね上げます。力の方向が同一方向に伝わるため、アップライトピアノに比べ打弦エネルギーが2〜3倍となり、音の強弱はより広く取れます。
ハンマーが自重で戻るため完全に戻らなくても次の打弦ができるため、素早い連打やトリルが可能です。1秒間に14回以上の連打性能があると言われています。
また、アクション機構は、調整箇所が多いので繊細な調整や整音が可能です。
ダンパー
打弦する反対側から弦を押さえるため、確実な止音ができます。
アップライトピアノとグランドピアノの鍵盤の特徴
次は鍵盤の構造の違いから見ていきましょう。
アップライトピアノ鍵盤の構造
ここでは、アップライトピアノ鍵盤の構造を解説します。
鍵盤を押す
グランドピアノの鍵盤に比べて鍵盤の奥行きが短い分、鍵盤も短くなります。弾き手側と隠れている側の比は、およそ2対3で、細かな表現力はグランドピアノと比べると劣ります。
ハンマーが弦を叩く
ハンマーは横から弦を打ち、バネの力を借りて元の位置に戻ります。素早いトリルや 連打をするとハンマーが元の位置に戻りきれず、音が抜けてしまうことがあります。
グランドピアノの場合は下から弦を打ち、自力で戻ります。タッチを効率良く弦に伝え、素早いトリルや連打もスムーズに弾くことができます。
弦の振動からボディへ伝わり、音が鳴る
グランドピアノと比べるとボディや響板の振動面積が狭いため、強弱などの演奏表現力に限界があります。その点グランドピアノとなると、振動面積が広いため、フォルテはダイナミックにピアニッシモは繊細な音色を奏でることができます。
アップライトピアノ鍵盤の特徴まとめ
ここまでの中では、アップライトピアノのデメリットをまとめているように聞こえますが、アップライトピアノは縦に弦を張り、グランドピアノに近いスペックを持ったコンパンクトで家庭的な楽器です。
限られたスペースでもピアノが楽しめるように、ハンマー、弦、響板などの性質は そのままに響きもグランドピアノに近づけて作られており、アコースティックピアノとしてしっかりと生の音色を楽しむことができます。
このようなことから、家庭での練習にはアップライトピアノを選ばれる方が多くなっています。
ただ、もっと豊かな表現をしたい、という方には物足りなく感じてしまうかもしれません。そこは置く場所や金額面から決めるのか、弾きごたえを優先するかなどしっかり自分にあった選択をしましょう。
ペダルの違い|アップライトピアノとグランドピアノの比較
見た目も鍵盤の構造もたくさんの違いがありました。次はペダルの違いを見ていきましょう。
アップライトピアノのペダル
アップライトピアノはペダルが3つあります。2つのペダルの場合もありますが、だいたいが3つのペダルを使って表現していきます。
ここからはそれぞれのペダルの役割についてわかりやすく解説していきます。
ダンパーペダル(右側)
踏むとダンパーが上がり、弦が開放され音が伸びます。(他の弦に共鳴する)
マフラーペダル(中央)
踏むと弦とハンマーの間に薄いフェルトがかかり、フェルト越しに打弦するため音が小さくなります。
ソフトペダル(左側)
踏むと弦を打つハンマーの位置が約15ミリ程度、前に接近し、打弦距離が短くなることで音を弱く、ソフトにする効果が出ます。
グランドピアノのペダル
鍵盤では構造の違いがあったように、ペダルでも3つのペダルがあります。詳しくみていきましょう。
ダンパーペダル(右側)
踏むとダンパーが上がり、弦が開放され音が伸びます。(他の弦に共鳴する)
ソステヌートペダル(中央)
響きを残したい特定の音だけ伸ばす事ができる。より繊細な響きづくりのために印象派の作品で用いられることがあります。
シフトペダル(左側)
踏むと鍵盤アクションの位置が数ミリ右にシフトし(ずれて)、ハンマーの打弦位置が変わることにより、音量とともに音色にも変化をもたらせます。
比較ポイントで解説|アップライトピアノの選び方
アップライトピアノは新品で購入する場合と、中古の場合と少しチェックするポイントが変わってきます。ここではそのチェックポイントをわかりやすく説明していきます。
新品の場合
新品の場合と中古の場合では、選ぶポイントが異なりますので、まずは新品の選ぶポイントから解説していきます。
サイズ(背丈・弦長など)
弦が長いほど低音の響きが深く豊かで、和音を弾いた際の響きのバランスが美しくなります。
アクション・響板の素材
ハンマーフェルトや響板の材質は、直接ピアノの音色や響きを左右します。しっかり試しに弾いてみて好みをみつけましょう。
タッチ・音色
弾いたときの鍵盤の重さ、鍵盤の戻りの速さ、低音から高音まで鳴らしたときの響きもチェックしましょう。
アフターメンテナンス
ピアノはギターやヴァイオリンなどのように自分で調弦や調整のできない楽器です。信頼のおける技術者がアフターメンテナンスを担ってくれるお店での購入をおすすめします。
中古の場合
中古の場合は気を付ける点がいくつかあります。選ぶポイントとなりますので、いいお買い物をするためにも、しっかり把握しておきましょう。
品番・製造番号・製造元
特に製造番号はピアノの戸籍のようなものです。何年に製造されたものかが分かります。
外装や鍵盤・ペダルの状態
外装がキレイに磨かれているか、鍵盤やペダルの動きはなめらか、これらをよく確認しましょう。
アクション・弦・響板の状態
弦が錆びていないか、ハンマーフェルトがきれいに再成形されているか、響板にひび割れなどないか、これらをよく確認しましょう。
アップライトピアノおすすめ商品8選
現在、国内のピアノ流通数は年間数万台と言われています。
グランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノがピアノの練習楽器として主に選ばれていますが、その中で最も流通しているのが、アップライトピアノです。
電子ピアノには出せない表現力、タッチ感など、生ピアノには特有の魅力があります。ここからは人気のアップライトピアノをご紹介していきます。
YAMAHA b113
ヤマハアップライトピアノの中で最もお求めやすい価格の機種です。背の高さは113cmで、入門用にお探しの方や、電子ピアノと迷っている方におすすめです。
KAWAI K200
ピアニストの方から初心者の方まで、満足できる使用感のあるモデルです。カワイならではのこだわりの音色と、タッチを兼ね備えた信頼性のあるエントリーモデルとなっています。
YAMAHA YU11
シンプルなデザイン・仕様のヤマハスタンダードモデルです。bシリーズはインドネシア工場製ですが、YUシリーズより掛川工場製となります。
KAWAI K300
上記YU11と背の高さが近い122cmのカワイピアノです。ウルトラレスポンシブアクションⅡはカワイピアノのKシリーズ全てに用いられており、フィーリングに拘られたカワイアクションが搭載されています。
YAMAHA YU33
YU11は背の高さが121cmですが、こちらのYU33は131cmと十分に高さがあるモデルです。デザイン仕様はシンプルですが、ヤマハらしく軽やかで美しく背が高い事から伸びやかな豊かな弾き心地となってきます。
Boston UP118E PE
Bostonはスタインウェイ&サンズのファミリーブランド。製造は日本国内という点も魅力的です。
背の高さは118cmと低めのモデルですが、ボストンの豊かな深みのある重厚なサウンドを感じられます。木目のタイプはインテリアとしても人気があります。
YAMAHA YUS5
ヤマハYUSシリーズの中で最も上位の人気モデルです。現行モデルで唯一のトーンエスケープメント仕様で、ハイスペックモデルです。
広い譜面台と音抜けがありグランドピアノに近い弾き心地となります。YUS3のハンマーや弦だけでなく、アイボライト白鍵と黒檀調天然木黒鍵、グランドピアノ同様のソステヌートペダルなど、充実の贅沢な仕様となっています。
Boston UP126E PE
響きが重厚でアップライトや背の低いピアノに感じる事の多い物足りなさを感じさせないようなしっかりとした響き、弾き心地のピアノです。上前板全体を前に突き出して、演奏する事が出来る為、グランドピアノにも近い演奏感です。
まとめ
いかがでしたか?電子ピアノと違い、メンテナンス次第で長持ちする楽器なので、自分に合ったピアノを見つけるために参考にしてみてください。
また、こちらの記事ではピアノとエレクトーンの違いについて解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター
趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!