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ディスプレイポートとは?HDMIとの違いやモニター接続の種類について

モニタやディスプレイに映像を入出力するためのインターフェース規格「DisplayPort」の特徴と、DVIやHDMIなど他の方式との違いについて解説します。DisplayPortが優れている点や、用途に合った入出力方式の選び方などもまとめました。
ディスプレイポートとは?HDMIとの違いやモニター接続の種類について

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最近のPCゲームにはシューティングを自分目線で楽しめる没入感たっぷりの「FPS(First Person Shooter)」などの3Dシューティングゲームや、4K解像度でプレイできる高画質ゲームなどが多数リリースされています。

こうしたPCゲームを高画質で楽しむためには、CPU内蔵グラフィックではなく高性能のグラフィックボードが必須です。高性能グラフィックボードの多くは映像出力端子としてDisplayPort規格の端子を搭載しています。

また、HDMI・DVI・VGAなど別規格の端子を複数搭載している場合もあります。この記事ではDisplayPort規格の特徴とメリット、DVIやHDMIなどとの違いについて詳しく見ていきましょう。

DisplayPortとは?

「DisplayPort」はモニタやディスプレイに映像を入出力するためのインターフェース規格です。コネクタは長方形の角を1ヶ所だけカットした、細長い五角形のような形状をしています。

モニタの接続に使われる端子の種類

DisplayPort以外にも、映像を入出力するためのインターフェース規格としてこれまで広く使われてきた方式に「VGA」「DVI」「HDMI」などがあります。ここではそれぞれの特徴を解説します。

VGA

PCとモニタを接続する規格としてCRT(ブラウン管)モニタ時代から使われていたのが「VGA(アナログRGB)」です。2000年代まではVGAが主流で、今でも使われています。

1950年代に開発されたコネクタ規格「D-sub(ディー・サブ)」を使った接続で、D-subのバリエーションのうち、Windows登場以降に使われた「ミニD-Sub15ピン」方式をVGAと呼んでいます。

VGAのコネクタはアルファベットDの形をしており、ピンが内側に3列並んでいるのが特徴です。接続する場合にはネジなどで固定する必要があります。コネクタには青い色を使っているのが一般的です。

アナログ方式のVGAでデジタル方式のモニタに出力した場合、デジタル信号をPC内部でアナログ信号に変換して出力し、モニタ側で再度デジタル信号に変換して表示するため、画質の劣化が起こります。

また、この規格の最大出力解像度は2048×1536で、それを超えるWQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)の解像度は得られません。

DVI

「DVI」は2000年頃に登場したデジタル式の映像出力規格です。最も利用されているコネクタの「DVI-I」は、デジタル信号とアナログ信号の両方を扱えるように設計されています。変換アダプタ使ってVGA端子を持つ機器と接続することが可能です。

DVIは、シングルリンクとより高性能なデュアルリンクがあります。しかし、デュアルリンクでも最大出力解像度は3840×2400で、4Kには対応していません。コネクタには白が多く使われています。

HDMI

「HDMI」はDVIをもとに、音声や各種制御信号の伝送機能を加えたインターフェース規格で、2002年にリリースされました。音声と映像を1本の接続で送ることが可能で、配線をシンプルにできるため、テレビやゲーム機からPCまで幅広く使われています。

使われているデジタル映像信号はDVIと同一で、変換アダプタを使ってDVIと相互に接続できます。デジタル形式の音声と映像を圧縮せずに送信しており、伝送中の劣化はないため高品質な映像や音声を楽しめるでしょう。

HDMIにはコネクタの形状やケーブルが数種類あり、また規格にもいくつかのバージョンがあります。3D映像に対応しているのはバージョン1.4以降です。

DisplayPort

「DisplayPort」はビデオ関連機器に関する標準化団体の米VESAが定めた規格です。2006年に正式承認されました。こちらもDVIをもとに作られた規格で、高画質のデジタルモニタを想定して設計されていますが、音声や各種データの転送もできます。

DVIやHDMIに比べ小型のコネクタで高解像度が実現できるとあって、PCや医療機器、CAD機器などで多く採用されています。バージョン1.2以降ではシングルモードとデュアルモードがあり、デュアルモードではDVIとHDMIの出力に対応可能です。

DisplayPortの特徴やメリットとは?

では、DisplayPortの特徴や、他の規格と比べて優れている点について詳しく見ていきましょう。

端子がコンパクトで接続や取り外しが簡単

DisplayPortは差し込むだけでよく、ネジの固定などが必要ないため、接続も簡単です。端子が小さく、取り外しも容易にできるので、使い勝手がよいといえます。

また、コネクタが他の規格に比べて小型で、薄型のノートPCにも搭載しやすいのが利点です。さらに小さいサイズのコネクタ規格「Mini DisplayPort」 もあり、こちらはAppleのiMacにも採用されています。

バージョン2.0なら8Kも対応

ディスプレイの性能に応じて高解像度の映像をそのまま表示することが可能です。現在最も普及しているバージョン1.4は、最大解像度が7680×4320で、スーパーハイビジョンの8Kに対応しています。また、2019年にリリースされた2.0は16Kに対応可能です。

DisplayPortとHDMIの違いとは?

PCとモニタを接続する場合、映像と音声を1本で出力できるHDMIとDisplayPortのどちらかの規格から選択するケースが多いでしょう。それぞれの違いを説明します。

大容量データが転送できる

HDMIとDisplayPortではデータの伝送方式が異なります。HDMIはシリアル伝送方式で、「R」「G」「B」「クロック同期」の4チャネルを通して、順次データが送信される仕組みです。

これに対し、DisplayPortは一定量の情報をまとめて送信するパケット伝送方式です。パケット方式は大容量化がしやすく、HDMIと比べて高画質の映像に対応しやすいという特徴があります。

マルチディスプレイ環境構築に便利

DisplayPort のバージョン1.2以降では、複数のモニタを数珠つなぎに接続する「デイジーチェーン接続」に対応したマルチストリーム機能があります。HDMI接続でマルチディスプレイ環境にする場合、2つ以上のマルチディスプレイ環境の構築にも便利です。

HDMIのようなライセンス料がない

HDMIを実装するには、規格の開発元にライセンス料を支払う必要があるため、生産コストが高くなります。DisplayPortにはライセンス料がありません。

現状、AV機器やゲーム専用機では主にHDMIが採用されており、大量生産によるコスト削減を実現しているため、DisplayPortとHDMIの価格は同程度です。

DisplayPortの注意点とは?

DisplayPortを使う場合の注意点もあります。

バージョンによって最大解像度が異なる

DisplayPortはバージョンによって対応できる最大解像度が異なります。バージョン1.2は最大解像度が5120×2880で、4Kまでしか対応していません。バージョン1.3と1.4は最大解像度が7680×4320で、8Kのスーパーハイビジョンに対応可能です。

一部環境では不具合が発生することも

使用環境によってはDisplayPortの使用では不便な場合もあります。

HDMIなどの方式では、モニタの電源を切ってもPCとモニタは接続している状態です。一方、DisplayPortでは、モニタの電源を切るとPCとの接続が切断する仕様です。

このため、モニタがスリープから復帰したときに、開いていたWebブラウザや各種アプリのウィンドウ配置、デスクトップアイコンの配置がリセットされて、勝手に変わっていることがあります。

同様に、DisplayPort接続ではDirect Xを使用しているアプリがスリープ復帰時に終了してしまうことがあり、Direct X搭載のPCゲームをプレイしたい場合は非常に不便です。

特にMMORPG(大規模オンライン型ロールプレイングゲーム)などのプレイ中に離席することが多い人は注意しましょう。この問題に対し、モニタ側で対策を行っている機種もあります。

DisplayPort搭載モニタの選び方

それでは、DisplayPortが搭載されたモニタを選ぶ場合のポイントを説明します。

映像の品質はバージョンでも変わる

DisplayPortもHDMIも規格のバージョンによって性能が異なります。旧バージョンのケーブルでも最新規格の機器に接続はできますが、性能を引き出すことはできません。

DisplayPortではバージョン1.2以降なら4Kを楽しめます。2019年に公開された2.0では16K/60Hzを実現しました。

HDMIでもバージョン1.4以降なら4Kに対応しています。ただし、モニタに映し出されるのは、PCとモニタの両方が対応している解像度となる点は覚えておきましょう。

4Kゲーム用途ならDisplayPort1.2以降を

モニタに求められるスペックは用途によっても異なります。主にゲームをプレイしたい場合は、モニタの解像度が高ければより鮮明な画像を楽しめますし、応答速度が速かったりリフレッシュレートが高かったりすれば動画を見やすくなるでしょう。

4KモニタでPCゲームをプレイする場合、4K/60Hzでの表示が必要です。DisplayPortならバージョン1.2から対応しています。

240Hzなど高リフレッシュレートで接続したい場合もDisplayPortが便利です。HDMIもバージョン2.0以降なら240Hzに対応しています。

シングルとデュアル、アクティブとパッシブの違いに注意

DisplayPortは、バージョンによってシングルモードとデュアルモードがあります。シングルモードではDVIやHDMIに変換する場合、アクティブタイプのコンバータが必要です。デュアルモードなら信号をそのまま発信するパッシブタイプのケーブルで接続できます。

通常の使用ならパッシブタイプのケーブルで十分です。変換ケーブルやアダプタを利用して相互に変換して接続する場合は、それぞれの仕様に注意しましょう。

まとめ

DisplayPortはビデオ機器の標準化団体VESAが定めた映像出力インターフェース規格です。PCやAV機器などで幅広く使われています。DisplayPortでは最初から超高解像度での利用を想定して作られており、PCゲームを本格的に楽しみたい場合は必須といえるでしょう。

また、DisplayPort 1.2以降には、複数のモニタを数珠つなぎに接続するデイジーチェーン接続に対応したマルチストリーム機能があり、マルチディスプレイ環境の構築にも便利です。

4K放送などの普及にともない、DisplayPortを搭載する機器が今後も増えていくことが予想されます。

また、こちらの記事ではUSBの種類やデータ転送速度の違いについて解説していますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

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