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ベースのメンテナンスにおすすめの道具を紹介!使い方も簡単

プロが使っている「ベースのメンテナンスに必要な道具」の中から一般の方におすすめなものを紹介します。紹介するのは楽器屋さんの店員や、リペアマンが実際に仕事で使用するものばかりです。この記事を読んで自分の楽器を自分でメンテナンスしてみませんか?
ベースのメンテナンスにおすすめの道具を紹介!使い方も簡単

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

新しくベースを購入すると、次に気になるのが楽器のメンテナンスだと思います。細かな部分や難しい部分はプロに依頼するとしても、最低限は自分で行いたいのがベースオーナーの性ですよね。

こちらの記事では、実際にメンテナンスとして何をするべきか、そしてプロが使っている「ベースのメンテナンスに必要な道具」の中から一般の方におすすめなものとその使い方を紹介します。

ベースのメンテナンスは自分でもできる

ベースのメンテナンスをやろうにも、心配なのは「自分で手を出してベースを壊してしまったらどうしよう」ということだと思います。確かに、ブリッジサドルやトラスロッド周辺はプロでも神経質にセッティングを行う部分なので、下手に手を出すと状態を崩してしまう可能性があります。

しかし、塗装を美しい状態で保ったり、指板の汚れを落としたりといったケアは日常的に行うべきポイントです。

ズバリ、所有者がやるべきメンテナンスはこの部分。日常的に綺麗にしていると長い間、美しい状態を保てます。

ネック周辺のメンテナンス

ネック周辺でケアするべきなのは、指板とフレットです。フレットが汚れていると弦との摩擦が大きくなりプレイヤビリティに影響を及ぼし、指板が乾燥しすぎると色が薄くなって見た目に影響が出て、また最悪の場合は割れてしまうことがあります。

ここからは具体的なメンテナンスの手順をお伝えしますね。

フレットのメンテナンス

まずは指板ではなく、フレットをクリーニングします。前述の通り、フレットは汚れていると弦との摩擦が大きくなります。例えばチョーキングを行うときにこの問題があると、スムーズな音程変化が得られず、弾き心地にも悪影響が出てしまいます。この問題は金属磨きによって解決します。見た目にもキラキラになって、美しいと思いますよ。

まずは指板が汚れないようにフレットの際まで指板面にマスキングテープを貼ってください。もしくは、専用の指板保護プレートを使うのも手軽でおすすめです。

そうしてフレットだけを金属磨きで磨きます。磨くのにはウェスと呼ばれる布を使いますが、この布は使い古しのTシャツなどで問題ありません。

ウェスに金属磨きを少量つけて、ゴシゴシと磨いてください。相手は金属なので、力を入れても問題ありません。この際の金属磨きの量は少なすぎても多すぎてもいけません。

金属磨きで磨いた後は乾拭きをするのがおすすめです。乾拭きをすると、余計な汚れも落とせて、最終的な仕上がりの美しさが違います。

2つか3つのフレットを磨くと磨いた時の摩擦が大きくなると思います。これは金属磨きの量が少なくなった合図なので、少量足してください。この作業を全てのフレットに渡って行います。

多いものでは24か、それ以上のフレットを磨くことになります。この労力は想像以上のものだと思いますが、最後まで気を抜かずに行いましょう。苦労の分だけ、愛の分だけ楽器は応えてくれます。

フレットのメンテナンスにおすすめの道具

こちらではフレットのメンテナンスにおすすめの道具を3選紹介します。どれも安価で手に入りやすいので、1つずつ持っておくのがおすすめですよ。

マスキングテープ

指板を保護するためのマスキングテープとしては、これが定番です。種類によっては強度が弱く、磨きの作業によって剥がれてしまうことがあるので、比較的強いこの種類を我々プロは使用しています。

保護テープ

マスキングテープをいちいち貼るのはやはり少々面倒で、エコに反する気もすると思います。そんな時はこの保護プレートがおすすめです。フレットの部分だけが露出しており、さらに金属製なので指板を保護しながらも壊れることはほぼありません

金属磨き剤

金属磨きとしてはピカールという商品が有名ですが、フレットを磨く用途には少し粘度が低く、汚れが指板に移ってしまう可能性があります。そのため、今回おすすめしたいのは老舗ブランドであるフェルナンデスから発売されている「スクラッチメンダー946」です。

フレットを磨き終わったら、指板にオイルを塗布します。(※オイルメンテが必要なのは無塗装のローズウッドやエボニーで、塗装されているメイプルは基本的にオイルは不要です)

指板のメンテナンス

指板は汚れ具合によってメンテナンスの方法が異なります。皮脂などによってひどく汚れていた場合は、オイルではなくクリーナーやスチールウールでその汚れを除去します。

汚れの具合が少なければ、クリーナーはウェスに少量塗布して汚れをゴシゴシ磨いてください。この際、汚れがついたウェスはまめに交換してください。

クリーナーでは落ちないほどに汚れが強い場合、スチールウールで優しく磨きましょう。スチールウールはフレットの汚れがひどい時にも使えるので、とても便利です。

フレットの際は汚れが溜まりやすいので、歯ブラシなどを併用するといいですね。

その後に、オイルを使って指板を保湿、清掃します。指板から溢れない程度にオイルを塗布してください。多めに塗って、ウェスでくるくると伸ばしましょう。

指板が必要な分だけオイルを吸い取るので、数分置いて乾いてしまった部分にはオイルが染み込んだウェスでオイルを足してください。

十分にオイルが染み込んだのちに、乾いたウェスでオイルを拭き取ります拭き取った直後、オイルが指板から滲み出てくることがあるので少し時間をおいて再度拭き取ってください。

この時、フレットを磨いた際の金属磨きの残りや、クリーナーで取りきれなかった汚れが一緒に除去します。ウェスを見ると汚れが付着していると思うので、このタイミングでも適宜ウェスを交換してください。

全ての指板面を吹き上げたのち、もう一度フレットを乾拭きして、終了です。

指板のメンテナンスにおすすめの道具

毎日ベースを弾いていると指板もすぐに汚れてしまいます。弦交換をする度にチェックして、汚れていれば掃除してしまいましょう。

オレンジオイル

指板のメンテナンスに使われるオイルには種類がありますが、日本では長い間オレンジオイルが人気です。紹介するハワードのオレンジオイルは木製の家具にも使われるもので、このように木材に対して広く使われている点には信頼がありますね。

実は、最近楽器業界のプロの間で流行っているオイルがあります。それがリザードというブランドのオイルです。

このオイルは不純物が少なく、指板への浸透もスムース。非常に上質なオイルだと評価されています。オレンジの爽やかな香りが好きな方にはハワードが、質のみを重視する方には後者がおすすめです。

クリーナー

クリーナーとして特におすすめなのが、JIM DUNLOPから発売されている「6524/01」です。アルコール系の揮発性の高いもので、素早い作業ができます。そのため、指板に余計なダメージを与えることもありません。

メンテナンスマット

これらの作業を行う際には、ギターやベースを置くためのマット、ネック枕を使用することをおすすめします。作業効率が改善されることはもちろん、楽器を傷つける可能性が格段に減ります。

ボディのメンテナンス

ボディは基本的に塗装があり、その塗装が曇ってしまうと見た目にもあまり良くないですよね。汚れを放置すると、のちにそれを落とすのにも苦労すると思います。

まずはポリッシュと呼ばれるクリーナーをボディに塗布しましょう。ほとんどのポリッシュはスプレータイプのため、この作業に向いています。当然ですが、ブリッジや指板に直接かかることは避けてください。

ポリッシュを塗布後、クロスで全体に広げるように優しく磨きます。その後、乾いた面で乾拭きをしてください。

この乾拭きが非常に大事なポイントで、これを怠ると吹ききれなかったポリッシュ自体が汚れのようになり、水垢のようになってしまいます。せっかく磨いてもこれでは意味がありませんね。

この時に使うクロスは、指板周りのメンテナンスで使ったウェスとは必ず分けてください。また、クロスは柔らかく塗装を傷つけないものを使用しましょう。

クロスに汚れがついていたり、スチールウールがついたりしているとそれをボディに擦り付けることになります。当然ながら、美しいボディが傷ついてしまうので常に綺麗な面でボディを磨いてください。

この作業をボディトップからサイド、バックと行いましょう。ポリッシュでは落ちきらないタバコのヤニ汚れなどがあった場合は、金属磨きで磨いてしまって問題ありません。

ただし、その際は強くこすり過ぎないこと、そしてやはり綺麗なクロスで磨くことを心がけてください。これを怠ると新たな傷を自らの手でつけてしまうことになります。

その後、ボディに素手で触らないようにしながらネックをポリッシュで磨き※、基本的なメンテナンスは終了です。 ※オイルフィニッシュなど、塗膜がないネックの場合はポリッシュは不要なので、乾拭きしてください。

このメンテナンスは弦を交換するタイミングで行うといいでしょう(1-3ヶ月ほどの周期)。弦があると掃除がしにくいピックアップ周辺や、ブリッジ周辺もこの時に一緒に掃除してしまいましょう。細かな部分は歯ブラシを使って掃除するのがおすすめです。

ボディのメンテナンスにおすすめの道具

こちらではボディのメンテナンスにおすすめの道具を紹介します。特におすすめな道具を厳選しましたので要チェックです。

ポリッシュ

ポリッシュとして非常におすすめなのはKen SmithのPro Formula Polishです。

このポリッシュは汚れを落とす能力、仕上がりの香り、総じてクオリティが高く心地よい使い心地です。

Ken Smithは世界で最も歴史のあるハイエンドベースブランドの1つで、塗装にも大きなこだわりを持っています。そのブランドが直々に発売しているポリッシュなので、信頼が置けますね。もちろんラッカーとウレタンのどちらにも対応しています。

クロス

クロスは価格と質のバランスを考えてMORRISのものがおすすめです。

このクロスは非常に柔らかいのが特徴的で、柔らかなラッカー塗装を傷つけません。また、注意してもらいたいのが古いクロスを使い続けると塗装を傷つけてしまう可能性があるということです。クロスについた汚れがそのまま塗装に移ってしまうということですね。

そのため、クロスは定期的に買い換える必要があり、そう考えると数百円の差額はバカにできません。さらに高級なクロスも業界には存在しますが、これで十分に事足ります。

さらにプロに近いメンテナンスを行うための道具

自分でもっとメンテナンスをしっかりとやりたい場合にオススメしたい道具を何点か紹介します。

ポリッシュ

まずはKen Smithのclassic wax polishです。

これは指板の保湿用のオイルです。なぜ前述したものにプラスしてこれをおすすめするかというと、粘度が違うからです。

このオイルは粘度が高く、ツヤっとした仕上がりになるのが特徴的です。前述したさらっとした粘度の低いオイルで広く保湿をしたのち、この粘度の高いオイルで蓋をするイメージです。(まるで化粧水と乳液ですね)

接点復活剤

次にオススメしたいのが、5-56で有名なKUREの接点復活剤です。

これはポットやジャックといった電装系のパーツのメンテナンスに使います。長い間ベースを弾いていると、ノブを回した時にガリ(ノイズ)が出たり、プラグをしっかりと指しているのにジリジリとしたノイズが出たりします。

そんな時に、これを少量吹き付けてポットならグルグルと回す、ジャックなら何度かプラグを抜き差しすると解決できます。(軽度なら)

ポットやジャックから出てくるノイズは防ぐことが難しく、管理が悪いために起こるものではありません。大事なのは発生した時にすぐに問題を解決すること。その時におすすめしたいのがこの製品だ、ということですね。

これで解決しなかった場合は素直にパーツ交換をしてしまうのがおすすめです。楽器店で頼むと、1個交換するのに2000~3000円程度で済むと思います。

電圧チェッカー

アクティブベースをお使いの方にぜひ持っていてもらいたいのが9V電池の電圧チェッカーです。中でもオススメなのはこちら。

簡単に電圧のチェックができます。アクティブベースは電圧が9Vを下回ると音が小さくなり、ノイズが入り始め、最後には音が出なくなります。

この兆候が出たときや、何か異常を感じた時にはまずは電圧をチェックしてください。9Vを下回っていたら電池が原因で、そうでなければ他に原因があります。

「音が出ません」とリペアを受けた時に良くあるのが、ただの電池切れです。また、新品でも電圧が下がってしまっているものが稀にあるので、この点はチェックすべきでしょうね。

まとめ

本記事ではネックとボディ、それぞれのメンテナンスの方法とそれに必要な道具を紹介いたしました。

いずれも実際に仕事で使っているものばかりで、これを正しく使えばプロと同じようなメンテナンスが可能です。

実際にリペアで預かる楽器を見ると、このメンテナンスをしっかりと行われているベース、そうでないベースが如実に分かります。せっかく買った愛機、自らの手で綺麗にメンテナンスをすると音も良くなると思いますよ。

また、こちらの記事ではベース弦高の調整方法について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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