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リトミックとは?具体的な目的と効果|年齢別おすすめリトミックを紹介!

リトミックとは?具体的な目的と効果|年齢別おすすめリトミックを紹介!

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リトミックは幼児教育にいいということをよく聞きますが、どのようにいいのか知っていますか?2歳や3歳くらいでピアノを習い始めて、ピアノの前に座っていることが難しいから、リトミックを取り入れて音楽を楽しもう!という簡単な目的でリトミックをしているのをよく聞きます。

しかし、リトミックにはとても深い理由と目的があります。ここでは、そのリトミックについてと、おすすめのリトミックなどをわかりやすく解説していきます。

リトミックとは?歴史や始まりを徹底解説!

リトミックとは簡単にいうと、リズム表現による音楽教育の方法をいいます。

身体でリズムを学ぶことによって、精神と肉体との一致調和、自発性と反射性、精神の集中力と記憶力、創造力などを養成する教育のことです。

特に児童教育に用いられていますが、舞踊・演劇にも応用され影響を与えてきました。日本には大正期に山田耕筰によって紹介され、小林宗作、板野平氏らが普及させたと言われています。

ここからはリトミックの始まりと、広がり方を見ていきましょう。なぜリトミックがいいと言われているのか、そしてリトミックの将来性というのを解説していきます。

リトミックの始まり

リトミックは、20世紀初頭に、スイス・ジュネーブの作曲家で音楽教育家でもあったエミール・ジャック=ダルクローズ博士によって創案された音楽教育法で、児童心理学・生理学の観点から、大切な幼児期の人格形成教育として知られています。

エミール・ジャック=ダルクローズ博士は当初作曲家、演奏家として活躍し、教育者としての活動は、1892年にジュネーブ音楽院に和声学の教授として着任したときから本格的に始めました。

当時、音楽院には将来の演奏家、作曲家など音楽の専門家となることを目指す若者が学んでいました。

しかしダルクローズ博士は授業における彼らの活動を観察することによって、彼らが技術的には高い水準にあるものの、音楽家として最も重要な音を聴き取り、感じ取る能力は不十分であることに気づきました。

そこで、音を聴きとって歌う練習、さらには歌う際に手を動かす練習などを考案して学生たちの音楽を感じ取る能力、音楽について考える能力を伸ばすための教育システムづくりに着手したのです。これがリトミックの始まりです。

リトミックの世界への広がり方と日本への広がり

リトミックが確立されていくにつれて、ダルクローズ博士は、リトミックが音楽的能力だけでなく、注意力、集中力、思考力、社会性、協調性など、人間が生きていくなかで必要な諸能力も養うことができることがわかり始めていきました。

そして、大人よりも子どもの方が早く身につくことに気づき、本格的に子どもたちへの指導が行われるようになりました。

こうして、音楽の基礎教育から人間性を高める教育へと発展していったリトミックは多くの共感を呼び、イギリス、ドイツ、スイス、フランス、アメリカなど世界の国々に広まっていきました。

日本でもその歴史は長く、明治時代から多くの教育家や音楽家、演劇人、舞踏家などがヨーロッパで学び、それぞれの分野で取り入れていました。

そして戦後間もなくニューヨークで学んだ板野平が、国立音楽大学の専門課程において教鞭をとったことにより、日本でも本格的なリトミック教育が広まっていきます。

現在では、音楽教室・幼児教室をはじめ、保育園・こども園・幼稚園や公共機関等の他、子どもの健全な育成に取り組む様々な分野で行われつつあり、『音楽の基礎能力を高めるだけでなく、個性・協調性・社会性・積極性等を育む人格形成教育』として、多くの人に知られるようになりました。

リトミックの教育としてのさらなる発展

リトミックは、音を聴き取る力やリズム感などの音楽的能力や表現力を養うだけでなく、想像力や創造性、注意力、集中力、思考力なども引き出そうとするものです。

今までの教育の目的が「知識や技術の習得」であったのに対して、そこに到達し、発展させていくために必要で、子どもたちが持っている「潜在的な能力を育む」ことに重きを置いています。

この音楽の基礎能力を高めるだけにとどまらない「総合的な人間教育」としてのあり方が多くの共感を呼び、欧米各国に広まり、音楽教育、幼児教育のほか、芸術、舞踏や演劇、体操などの分野にも影響し、発展していきました。

その学習法はダンスや遊戯のように、あらかじめ決められた動きを記憶して繰り返すのではなく、指導者の演奏する音楽を聴いて、それに反応して動きを判断し、身体運動・表現(行動)します。

つまり、《感じ取り→考え→行動する》という、人間にとって非常に大切な行動パターンのトレーニングを行うことになります。

また、音楽に対して即座に反応すること「即時反応」を重視するので、集中力や反射性を養い、感じ取ったことを即座に表現することで、心と身体のバランスをとることを目指しています。

リトミックで得られる3つの効果

さまざまな教育方法がある中でも、リトミックは音楽を感じ取る教育方法であるため幼児でも簡単に楽しく学ぶことができます。ここでは、リトミックで得られる効果とその理由についてご紹介します。

協調性・社会性など人との意思疎通能力が向上する

リトミックは、友達や親、先生などと一緒に取り組むことで、コミュニケーション能力や集団行動の重要性を養うことができます。

人それぞれ感じ方や捉え方が違うので、同じ音楽でも違う踊りをすることがあります。

子供は自分と友達の踊りの違いを見て、「あの人はすごい」、「こんな踊りをするんだ」などと尊敬する気持ちやチャレンジする心を持ちます。

リズム感や即時反応など身体能力が向上する

リトミックには音楽を通じて運動能力を向上させる効果があります。

例えば、水泳や陸上ではリズム感が必要とされています。このリズム感はリトミックによって養うことができるため、スポーツをさせたいお子さんがいた場合は効果的です。

また、音楽に合わせて体を動かし、表現させることで基礎体力の向上やリズムに合わせて踊る表現力も身につけることができます。

内側と外側、両方の集中力が鍛えられる

集中力の中には、内的集中力と外的集中力があります。それぞれ生きていくうえで必要なものですが、一朝一夕で発達させることは難しいものです。

しかし子供の頃からリトミックを実践することで、長期に渡って内的集中力と外的集中力の両方を鍛えることができます。

内的集中力とは

内的集中力とは自分の頭の中で考えていることで、気持ち、考え、イメージ、筋肉、呼吸など日常生活で無意識に取る行動につながるものです。

例えば、物事をイメージすることや順番を考えたりするなどが内的集中力にあたります。リトミックは聴くだけでその音楽がどんなイメージであるか考えることで鍛えることができます。

外的集中力とは

外的集中力とはその名のとおり、外側に集中させることです。視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚の五感が外的集中力に当たります。

リトミックで感じ取る力が強くなることでお子さんの成長過程を短くすることができます。

リトミック教育がいいとされている理由

子供にさまざまな良い影響を与えると言われるリトミックですが、どのような点で他の教育や、これまでの音楽教育よりも優れているのでしょうか。

リトミック教育が良いとされている理由について解説します。

人格形成にも効果がある

人格を形成する3要素は「心」「力」「性」です。

心は探究心、好奇心、競争心、向上心、自立心などの「マインド」のこと。力は注意力や集中力、理解力や判断力、表現力といった「パワー」のこと。性は社会性や協調性、感受性や積極性、創造性の「キャラクター」のこと。

リトミック教育では、この3つの要素を音楽という手法を用いることによって、優しく深く働きかけ、バランス良く伸ばします。

その結果は短期的には音楽能力の向上となって表れますが、長期的には豊かで可能性あふれる人格形成に繋がっていきます。

音楽を目的ではなくツールとして使っている

先で解説した通り、リトミック教育は探究心や集中力、想像力などを引き出すことによって、豊かで可能性あふれる人格形成を目指します。

従来の教育の目的が「知識や技術の習得」であったのに対し、リトミック教育では子供の「潜在的な能力を引き出す」ことに重きを置いています。

つまり、これまでの音楽教育は「音楽能力の向上」が主な目的でしたが、リトミック教育では、音楽の向上だけでなく、子供の様々な能力を引き出すことによる「総合的な人間教育」を目指しています。

音楽を目的ではなくツール(手段)として使っている点が、リトミックが新しいと言われる理由です。

年齢別におすすめのリトミック教育をご紹介!

音楽で感じるリトミックですが、必要に応じてリトミックの方法が異なってきます。それは伸ばしたい能力やお子さんが好きな音楽によって変わってきます。

ここでは、年齢に応じて家でできる、おすすめのリトミック方法についてご紹介します。

1歳児におすすめのおうちで出来るリトミック

1歳児はまだ、音楽を聴いて楽しむことしかできないいため学べることに制限があります。

そこで、おすすめなのが音楽の高低を聞き分ける力を身につけることです。

時間をかけることで自然と覚えることはできますが、早めのうちに覚えさせると学習能力が上がります。

そのやり方として、スティック棒を両手に持たせて、高い音が聞こえたら高い位置でスティック棒を鳴らし、低い音が聞こえたら低い位置でスティック棒を鳴らします。最初は大人の人がお手本としてお子さんがマネできるように教えていきましょう。

慣れてきたら音符の長さによってタイミングを変化させることでリズム感も身につけることができます。

2歳児におすすめのおうちで出来るリトミック

個人差はありますが、2歳児になると音楽の強弱が理解できるようになってきます。そこで、音楽の強弱や速さの違い感じ取るリトミックをご紹介します。

まずは、スカーフを用意して音楽に合わせてスカーフを揺らしたり回したりします。最初の数回は大人がお手本を見せると、お子さんの成長が早くなっていきます。

ゆっくりなテンポの時はゆっくり動かし音が強くなれば小刻みに動かすなど表現豊かに動かしていきます。

3歳児におすすめのおうちで出来るリトミック

3歳児になると喜怒哀楽が豊かになり、自分の意見を主張できるお子さんも増えていきます。そんな3歳児にリズム感を養いつつ3拍子のリズムを覚えさせていきます。

一般的に口で説明してもなかなか理解できるお子さんはいませんが、リトミックを取り入れることで楽しみながら覚えることができます。

まず、ボールを持って3拍子の音楽に合わせてボールをついていきます。このときの音楽は明るい音楽にするとよりお子さんが楽しむことができるでしょう。

また、ボールをつくことが難しいお子さんに対しては座ったり、ボールではなく風船を使うなど工夫して楽しみましょう。

教室に通って習う場合は?

お金をかけてプロの方からリトミック教室を通じて学ぶこともお子さんのためではないでしょうか? 教室によってカリキュラムや重要視しているポイントや体験レッスンや卒業後にレッスンを受けることができるかなど、さまざまな違いがあります。

ここでは、特徴のある3つのリトミック教室のメリットについてご紹介します。

音楽教室のリトミック

ピアノ教室のリトミックコースから学ぶことでDVDでは再現することができない生の音を体験することができます。定期的に生の音楽に触れることで、音楽がより好きになる可能性が高まります。

また、音楽の基礎的なことを体や感覚で学ぶことができるため、音感やリズム感を覚えるのが早い傾向にあります。お子さんに音楽を重視して学ばせたい方にはおすすめです。

年齢に合わせたリトミック

お子さんの発達具合によってリトミックコースを選ぶこともおすすめです。もし、リトミックコースのカリキュラムでお子さんができなかった場合、音楽を通じて学ぶことができずに音楽が嫌いになるかもしれません。

そこで、お子さんにあったリトミックコースを選んでいただくことで効率よく学ぶことができます。これは、家でリトミックのDVDを聞き流しにしたとしてもできないことだと思います。

また、お子さんがあっているか確かめるために体験レッスンを取り入れているリトミック教室もあります。まずは足を運んで見てください。

英語で行われるリトミック

幼いころから英語に振れて学ばせて、将来で英語を使うときに役立ててほしい場合は英語で行われるリトミック教室がいいでず。好奇心旺盛な幼児から英語に触れることで英語を聞いたときの聞き取りやすくなります。

また、外国人のネイティブな英語を聞き続けることにより外国人に対しての抵抗感がなくなるため将来は海外に行かせたい方は、小さいうちから通わせることもおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?ピアノなどの技術的なことが身に付くだけでなく、さまざまな効果がみられるところに、改めてリトミックは幼い頃の習い事の中でも、重要だということがわかりました。

リトミックは無理なく続けることができること、大人と一緒に楽しみながら学ぶことができることが醍醐味です。

また、お子さんではなく、大人も楽しみたいという場合は、親子で通ってもいいでしょう。

大切なのは、最初に大人がリトミックを楽しんでお子さんに楽しさを伝えることです。もし、通わせる時間がない場合はリトミックの教材を購入して家で再生し続けるだけでも効果はあります。ぜひ参考にしてみて下さい。

また、こちらの記事ではピアノ初心者の方々向けに練習曲や練習方法を紹介しています。こちらも要チェックですよ。

伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!

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