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ピアノを弾くときの正しい姿勢とは?矯正ポイントを徹底解説!

ピアノを弾くときの正しい姿勢とは?矯正ポイントを徹底解説!

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

正しい姿勢といっても、座って、手首を下げないように・・・などの簡単な説明だけでなく、もっと深いところまでお話していきたいと思います。

ピアノを習い始めの方はもちろん、習ってから少し経つけど響きや表現がいまいち上手くできない方まで、少し改善するだけで、さらにピアノが上達するかもしれません。

そこで基本の姿勢、今さら聞きにくい椅子の調節方法などを解説していきます。

また、姿勢の意識方法や改善方法まで、ご紹介していきますので、今後の練習の参考にしてみてください。

ピアノを弾くときの正しい姿勢

ピアノはバイオリンと違い、演奏者のサイズに合わせて楽器を使用するのではなく、ピアノという既存の楽器に演奏者が調節して使用する楽器です。

ピアノを正しい姿勢で演奏するためには椅子の調節や手の置き方などの自分に合った調節が大事になってきます。

ここではその調節の仕方や手の置き方などわかりやすく解説していきます。

ピアノを弾く前に最初にすることをチェックしましょう

ピアノを弾く前に最初にする大事なことがあります。それは姿勢チェックです。

演奏姿勢や、指のフォームをチェックします。正しい姿勢と指のフォームを身につけることで、弾きやすくなったり、上達のレベルアップにつながります。

ひとつずつ順番に確認していきましょう。

  1. 肘の角度が90度~100度になるように椅子の高さを調節
  2. 猫背にならないようにする
  3. 余計な力を入れない
  4. 手を置く
  5. 肘・腕・手首の角度

ここからは各注意点をより細かく解説していきます。

肘の角度と椅子の高さ・位置

手首やひじが鍵盤よりも極端に低い位置にあると弾きにくくなってしまいます。

ひじの高さが鍵盤とほぼ同じになるように椅子の高さを調節しましょう。

椅子の座る位置も大事になってきます。足が届かない小さい子や、真ん中の鍵盤しか使わない場合は安定感などを大事にしてしっかりめに座っても問題ありませんが、基本的には前に座ります。

鍵盤を広く使う場合、ペダルを使う場合の椅子を置く位置も確認してみましょう。

近すぎると腕が自由に動きません。ピアノとの距離を調整し、前腕と二の腕の角度が90度から100度くらいになるように手を置き、椅子の位置を調整してみましょう。

遠すぎても指に力が入りにくく、腕や肩に力を入れて弾くようになってしまいます。椅子の位置、座る位置、腕の角度はしっかりと正しく直し、癖をつけていきましょう。

初めは弾きやすくても、だんだん難易度が上がってくると、弾き難くなってきたり、疲れてしまったりと、演奏に影響してくるので、もし違った姿勢で練習してしまっている場合は今からでも遅くないので、直していきましょう。

背筋を伸ばし、猫背にならないようにする

ピアノに向かって、鍵盤の幅の中央にイスを置き、やや浅めに腰かけます。

背筋を伸ばして座ります。伸ばさないといけないからと言って力を入れて伸ばすと腰が沿ってしまいます。

力は極力抜き、肩の力を抜き、リラックスした感じで椅子に腰を下ろすように座ります。

余計な力は入れないようにする

腰に重心を置いて足の力を抜き、楽にします。かかとからつま先まで足裏が床につくようにしておきましょう。

肩や腕の力を抜いて背筋を伸ばし、指先までやわらかく動かせるようにします。

手のかたち|肘・腕・手首の角度

ここが難しいという方が多く、一番時間のかかるポイントだと思います。

先ほど肘が90度~100度になるように椅子を調節したと思います。そのときにしっかりできていると、手を置いたときに、肘下から手首までがまっすぐに自然となると思います。

それが腕から手首までの正しい角度です。脱力を意識しすぎて手首が上がってしまったり、下がってしまわないようにしましょう。

小さい子は手首が下がりやすく、手首をくねくねさせながら弾きがちです。肘下から手首までは必ずまっすぐということを忘れないようにしましょう。

実際に鍵盤に手を置いてみる

直線を意識して、まずは鍵盤に両手を置いてみましょう。

そのときの手のフォームは手のひらに卵を持っているようなイメージで手を置いてみましょう。

または、猫の手をして、そのまま鍵盤の上に置いてみましょう!と教えてもらうことが多いと思います。

言葉で表現するのは難しいですが、本当にそのようなイメージで間違いなくフォームを作ることが少しわかりにくいと思ったことはありませんか?

そこでいつも私が教えているのはイメージというより、感覚です。

イメージとなると人それぞれで、差が出てきてしまうので、必ずピアノは指のどこで弾くのかということをしっかり覚えてもらうようにしています。

椅子の調節は、調節さえしてしまえばあとはその高さに慣れるだけでいいですが、指のかたちや指の動かし方などの自分の意識次第で変わってしまうことは、正しくすることが早ければ早いほどいいに越したことはないので、最初が肝心です。

良い手のフォームを作るための意識と練習方法

ここからは手首から指先までのかたちを作るために必要な意識と練習方法です。

まず、左手手首を右手でつかんでみてください。そのときの右手のかたちが弾くときの手のフォームです。

左手も同様にそのフォームを作り、鍵盤の上に両手を置いてみましょう。自然と手首も直線で、力の抜けたきれいなフォームができると思います。

指先の意識としては、ピアノの鍵盤をつかむように弾くと、音色がまろやかになり余計な力も入りにくくなります。そしてスタッカート奏法もとてもきれいに弾くことができます。

関節の意識の仕方

手の力を抜いたかたちができたら今度は関節を意識してみましょう。

手を置いたときに第3関節目を見てみるとしっかり骨が立っていると思います。ここで、第3関節目がまっすぐになっていたり、くぼんでいたりする場合は手首を下げすぎていることになります。

ピアノを弾くとき、よく指を立てるという表現をしますが、実際は第3関節目を意識するときれいなかたちが作りやすいです。しっかり関節を立てて山を作りましょう。

この第3関節目がぐらぐらして安定していなかったり、手の甲から指先までまっすぐになってしまっていると、テンポの速い曲が弾けなかったり、音の響きが濁ってしまったり、タッチが悪くなってしまいます。

実際にピアノを弾いてみる

座り方、肘下から手首の直線、第3関節目の山が確認できたら、弾いていきましょう。

ピアノは手首から力を入れて弾くのではなく、肩甲骨からの重力で弾いていきます。

少し難しく聞こえてしまうかもしれませんが、こちらも感覚で覚えていきましょう。まず、一度肩を上げて一気に下げてみてください。

そのときに手や指先に伝わる重さで鍵盤を弾いていきます。このようなことから椅子を調節する際、肘や手首や下がらないように高さや位置を調節し、肩甲骨を下げたときに、しっかりと重さが指先まで行くようにしていました。

ピアノは指先の意識ではないということを理解して弾くことで、弾くことが楽になったり、表現に余裕も出てきます。

矯正練習方法

私はアップテンポの曲が好きで、指を早く動かすトレーニングばかりしていました。しかし、脱力をもう少し練習したほうがいいということで、一から弾き方を確認していたら自分が指や手首だけで表現していることに気づきました。

そこで毎日の練習で手首のフォームや弾き方を矯正していき、今のフォームに安定してきました。そのとき実際に行っていた矯正方法を紹介していきます。

ピアノを練習する際、バーナムやハノンなどの指のトレーニング教本を弾くと思います。

まずはトレーニングのときにしっかり意識して弾いていきます。いきなり曲を練習するときに手首を意識するのは難しかったり、弾いているうちにいつもの弾き方になってしまったりします。

定着させて癖にすることが大事なので、まずはしっかり正しいフォームを覚えさせるためにも少しずつ確実に叩き込みます。

一音一音確認して弾くのにハノンはとてもいい練習です。矯正となると時間がかかることなので、発表会前ではないことをお勧めします。

フォーム矯正のときは、根気よくあきらめずに練習すること、そして1時間練習する場合は半分をハノンなどのトレーニングでフォームを意識して弾くということを忘れないように大きく紙に書いて楽譜横に貼って練習していました。

1時間練習する場合は30分ハノンで指のトレーニングをします。どの指で弾いても、どのように動いても、正しいフォームが崩れないように、徹底して意識します。

まずは楽譜通りに基本に忠実に練習し、慣れてきたらスタッカート・レガード奏など、どのようなリズムやテクニックでも対応できるように練習していきます。

あれもこれも練習するというよりかは、一つずつ意識して最後まで弾けているかを確認して、次に進んでいきましょう。

指の練習のときの意識が定着してきたら、今度は自分のレベルより簡単で短い曲を使ってトレーニングしていきます。2ページの曲、3ページの曲、、、と曲を長くしていって忘れずに意識して弾けるようになっていたら、正しいフォームをマスターした証拠です。

毎日トレーニングをしていれば、意外とすぐに慣れて、正しいフォームを習得できますが、意識が足りなかったり、毎日練習できていないとそれなりに時間もかかります。

毎日の意識が重要ですので、根気よく諦めずに頑張りましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回はピアノの基本の姿勢についてお話してきました。初心者の方にとっても重要なことですが、習い始めて何年かは経っている方も、正しい姿勢が出来ているか再確認してみましょう。

ピアノを練習していて、“肩が凝ってしまう”、“アップテンポの曲が弾けない”、などと伸び悩んでいる方は正しい指のかたちになっていない可能性が高いです。

美しい音色を奏でるためには正しい手のかたち・指のかたちがあってこそです。ここをしっかり意識することで、今までの表現力よりより良いものを作り上げることが可能になってきます。ぜひ参考見直してみてください。

また、こちらの記事ではピアノを独学で学ぶ際の上達するポイントなどを紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

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伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!

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