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ピアノ発表会で失敗しない曲選び|幼稚園児から大人までおすすめ曲を紹介

ピアノ発表会で失敗しない曲選び|幼稚園児から大人までおすすめ曲を紹介

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自分の実力を披露する場なので発表会では素敵な曲を選びたいです。上級者なら自分で選ぶことができますが、子供や初心者、中級者は曲選びに迷うと思います。

私はいつもステージ映えする曲を生徒たちにおすすめしています。弾きたい曲を弾くことも大事ですが、背伸びしすぎず、自分に合った曲を確実に選ぶことが発表会成功への近道です。

ここではピアノ発表会の曲の選び方やおすすめ曲をご紹介していきます。

ピアノ発表会向きの曲とは?

“発表会のための・・・”というタイトルの楽譜はたくさん出版されていますが、発表会向きの曲とはどのような曲をいうのか難しいですよね。

目次を見比べると、同じような特徴をもつ曲が並んでいます。ジャンルを問わず、誰でも知っているような有名な曲やテンポが速い華やかな曲、程よい演奏時間・・・など、だいたい同じような曲がピックアップされています。

大きな音の部分が多い曲や速い曲は聴き映えや弾きごたえがありますが、静かなバラード系の曲が向いている方もいると思います。

しかし、曲の最初から最後までゆっくり静かで単調な曲は、表現力に自信がない限り、お客様を飽きさせずに聴いてもらうにはハードルが高くなります。

指を速く動かすことが苦手な方はバラード系でしっかり弾きこみ、表現力を身に付けるというのも一つの方法だと思います。

理想は少しだけチャレンジした曲

発表会は上達するきっかけとなる大きなチャンスです。

無理せず、自分のレベルに合った選曲をすることの大切さをお話ししてきましたが、だからと言ってすぐに弾けるようになってしまうような無難な曲を選んでしまうのも、せっかくの上達のチャンスを十分に活かせず残念です。

理想は「プチ・チャレンジ」の曲です。簡単には弾けそうにはないけれど、一生懸命練習すれば弾きこなせそうというレベルの曲です。

いい選曲をするために日常生活でできること

自分に合った選曲をするためにできるだけ多くの曲を知っているに越したことはありません。そのために日頃から様々な時代や作曲家の曲を聴いたり、楽譜を見たりして、なるべく多く曲に接する機会を持つように心がけるといいと思います。

残念なことに日常生活では意識をしないとクラシックを聴ける環境になりません。英語を勉強したいときに洋楽を聴くようにすることが上達するポイントであるように、ピアノも同じです。

クラシックを毎日聴くようにしましょう。朝の準備の間だけ聴いたり、いつもJ-POPを聴いている時間にクラシックを聴くようにするなど、自分の時間やタイミングに合わせて聴いてみるといいと思います。

私は車の中で聴く曲をクラシックにしていました。習い始めが周りと比べると遅かったため、母にお願いしてクラシックのCDを流してもらい、とにかくたくさんの曲を聴いて、次に弾きたい目標の曲を探していました。

いい曲が合ったらメモをして、その楽譜を見に行って、弾けそうだったら購入し、次はひたすらその楽譜を見ながら曲を聴きました。

たくさん聴いていると自分の中で知っている曲となり、いざ弾くとなったときに、頭に入りやすく、簡単に感じてきます。弾く曲が決まったらたくさんその曲を聴くのも上達のためのポイントです。

幼稚園児・幼い子向け(バーナム導入・童謡・ツェルニー20番~レベル)

まだ習い始めたばかりの子供たちでも、かわいいドレスを着て発表会に出ることはひとつの目標だと思います。

小さいときから発表会などで演奏して、その楽しさを感じていると、小学生なったときやまたその先でも、人前に立つことに抵抗がなく、緊張よりも楽しいといった感情になることはとてもいいことだと思います。

「でも曲が…」などと悩んでいる親御さんが多いと思います。そこで幼い子におすすめ曲をご紹介していきます。

おすすめ曲集

3歳~6歳くらいですと、1ページ~2ページくらいの曲がおすすめです。おすすめの曲はたくさんあるので、わかりやすく作曲者や曲集からおすすめをご紹介していきます。

ギロック

私が一番おすすめする作曲者はギロックです。「はじめてのギロック」という教本を練習曲としてレッスンで使用していますが、この曲集の曲は発表会でも使えるステージ映えのする曲がたくさん入っています。

1ページほどの曲が多いですが、ストーリー性があり、想像力を高めるためにとてもいい曲がそろっています。

また、ギロックからも「発表会のための小曲集」といった曲集も出ており、導入レベルだけでなく、さまざまなレベルでの曲集があるので、どのレベルでもギロックはおすすめの作曲者です。

ラーニングトゥプレイ

こちらも練習曲として使用している教材です。導入レベルですと、10小節くらいで1曲になっているため、練習しやすくなっています。

その10小節でも強弱があったり、メロディーが少し変わっていたり、題名がわかりやすかったりと、さまざまな工夫がされている幼児向け教材です。

中には聴いたことがあるようなメロディーだったり、初めて聴いても頭に入りやすい印象的なメロディーだったり、子供たちが進んで練習したくなるような曲が集まっています。

童謡

童謡は幼児レベルでは不動の大人気曲です。「きらきら星」や「チューリップ」、「ロンドン橋」、「ぶんぶんぶん」など、幼稚園でも歌っている曲は親しみやすく、幼稚園児にはとても人気です。

メロディーさえ弾ければあとは左手をその子に合ったレベルの伴奏でつけてあげるだけで立派な1曲となります。発表会まであまり期間がないときは特におすすめです。

また、小さいうちは無理してクラシックに挑戦するのではなく、知っている曲から弾けるようになることでピアノの楽しさを学ぶことができるので、まずはそこが大事なポイントだと思います。

初級者向け(ブルグミュラー、ツェルニー100~30番、ソナチネレベル)

弾きこなせる音型やリズムのパターンが限られている初級レベルでは、基礎テクニックをベースとしながらも、なるべく変化に富んだ曲を選びたいと思います。

短い曲は、ひとつの曲集からテンポや曲調の違う2~3曲を組み合わせることでメリハリのある弾き映えするプログラムを組むことが出来ます。

おすすめの作曲家

1曲が短い曲の場合はなるべくタイプの違った曲を選んで組み合わせると効果的です。まずは初級向けの特におすすめの作曲家をご紹介します。

シューマン

難易度が高いイメージの作曲家ですが、初級者向けの曲もたくさんあり、中でも「メロディー」という曲がとても美しいメロディーラインで発表会におすすめ曲です。

初級レベルでシューマンらしいかっこいい曲といえば「子供のためのアルバムから7.狩人の歌」です。

シューマンの「子供のためのアルバム」という曲集はおすすめなので、ぜひ持っておいた方がいい教材ですが、特に「狩人の歌」は半年後のなど、長期間練習する時間がある場合にはとてもおすすめです。

グリーグ

グリーグは実際に私もよく弾いていましたが、コンクールで弾けるくらいとてもステージ映えのする曲が多く、ちょうど初級から中級レベルの方向きの曲が多くなっています。

中でも「抒情小曲集」第1集から、「アリエッタ」や「妖精の踊り」がおすすめです。メロディーの遊び方がおしゃれで、どこか大人っぽく、思わず聴き入ってしまうようなメロディーです。

初級者におすすめの曲調は明るくタッチのよさが引き立つ曲

初級者の場合はバラード系でしっとり弾くというより、基礎を大事に、メロディーを大切に弾くことを目標にするといいと思います。

ここからは明るい印象のおすすめ曲をご紹介していきます。

  • J.S.バッハ:ミュゼット
  • J.S.バッハ:フランス組曲第5番より「ガヴォット」
  • リャードフ:オルゴール
  • シューベルト:8つのレントラー
  • ベートーヴェン:メヌエット ト長調
  • ベートーヴェン:ソナチネ第5番

はっきりとした明るいメロディーで、さらにストーリー性も兼ね備えているけど、難易度はそれほど高くないものを選びました。

表現をつけようとするとどうしてもペダルに頼りすぎたりして、指のタッチが甘くなったりします。

背伸びしすぎず、まずは基本に忠実に弾くことを忘れずに弾ける曲を選びましょう。

中級者向け(ツェルニー30~40番、ソナチネ・ソナタアルバム程度)

選曲の幅がぐっと広がる中級レベルは、欲張って難しい曲に挑みたくなるものですが、そこはぐっと我慢して、練習時間をしっかり考えてチャレンジしましょう。

発表会は上達する大きなきっかけとなるのでチャレンジは必要ですが、技術的には実力に見合わったレベルにとどめましょう。

本番でなるべく間違えずにしっかり表現をつけて演奏することを目標にすると、実力アップにつながり、ステージでも印象の良い演奏となります。

中級者におすすめの曲調は表現力が引き立つ曲

初級でしっかり基礎を学んできた中級者が目指す演奏は表現力のレベルアップです。

そこでおすすめするのが、曲想をつけやすいバラード系の曲ですが、ある程度盛り上がりもあり、ゆったりと弾くところもあるようなストーリー性のある曲はおすすめです。

中でも特におすすめ曲を解説付きでご紹介していきます。

シューベルト:スケルツォD593-1

こちらはソナチネアルバム第1巻に収められている作品です。

非常に軽い作品で、スタッカートはより短く、快活に演奏するととてもいいでしょう。軽快なタッチに自身のある方向けです。

また、オクターブの3連符は重くならないように、音を転がすイメージで演奏しましょう。オクターブが余裕で届かないと難しい作品なので、自分の指と相談してみて下さい。

私はよく男の子にはオススメしています。

三宅榛名 「赤とんぼ変奏曲」

聞いたことのある方が多いと思います。山田耕作作曲の「赤とんぼ」をテーマとして5つの展開をしていく変奏曲です。

第1変奏は聴いたことのあるメロディーに装飾がされており、華やかなアレンジとなっています。

第2変奏は日本の琴の音階、第3変奏は現代的な鋭い響き、第4変奏は交互に現れる3拍子と4拍子が特徴的です。

そして第5変奏はソナチネ風の軽やかさを特徴とし、最後に再びテーマが戻るといったストーリー性満点の1曲です。

作曲者である三宅榛名さん日本を懐かしむ気持ちから作曲された変奏曲で、日本を代表する曲を大事にしつつ、クラシック要素もあります。

だれもが知っているメロディーということから、コンサートのアンコールなどでも使用されるほど人気の曲です。

平井康三郎 「さくら幻想曲」

こちらも日本人作曲者の曲です。私は中級レベルくらいの方には日本人の方が作曲した曲をおすすめしています。

勝手な意見ですが、ある程度知っているメロディーで表現もしやすく、変奏曲はテーマに分かれているので、ストーリー性のある曲を練習するのに向いているからです。

中級者におすすめの曲調は明るくタッチのよさが引き立つ曲

中級者の場合はバラード系でしっとり弾いたり、表現力を勉強していくためにも、大人っぽい曲を選んでみてもいいレベルになってきます。

ここからはそんな表現力を魅せやすいおすすめ曲をご紹介していきます。

  • シューベルト 「2つのスケルツォ」
  • リスト 「コンソレーション(慰め)第3番」
  • ドビュッシー 「バラード」
  • ラヴェル 「ボロディン風に」
  • グリーグ 「抒情小曲集」第8集より”トロルドハウゲンの婚礼の日”
  • メンデルスゾーン 「無言歌集」より”デュエット” 作品38-6
  • エルガー 「愛の挨拶」
  • チャイコフスキー 「18の小品」より”演奏会用ポロネーズ”
  • チャイコフスキー 「四季」

9曲紹介しましたが、中級レベルの曲は本当に多く、ここまで選ぶのも苦労したくらいです。

中級レベルになってくると自分の得意な曲調がわかってくると思うので、あとは自分の好みです。中級レベルのプレイリストを作って、よく聴いて決めるなどもいいと思います。

上級者向け(ツェルニー番・ソナタアルバム程度)

ここまで来たら、本当に自分の好みだと思います。ピアノ上級曲の中でも音楽大学ピアノ科の入試課題曲レベルでおすすめの曲を紹介していきます。

高度なテクニックと表現力を持ったピアニストがコンサートで演奏するソナタや小品のおすすめ曲も数多くあります。

テクニックもあり、定番のクラシックはもちろん、会場を沸かせることのできる曲を演奏するのはわくわくするものです。

それでは発表会で印象的にも心にも残る演奏をしたい方にぴったりな上級おすすめ曲をご紹介していきます。

上級者はテクニックと会場を沸かすことのできる曲で会場を魅了する

ここからは1曲ずつ解説付きでご紹介していきます。今までの基礎を忘れずテクニックを発揮できる曲を探していきましょう。

ショパン「華麗なる大円舞曲 Op.18」

ショパンといえば子犬のワルツが有名ですが、この曲も同じくらい有名です。場面の変化が多く、テクニックが必要な曲です。

シューマン「飛翔」

シューマンの楽曲は2面性があることで知られています。激しくかっこよく始まり、しっとりする場面もあり、シューマンらしい1曲になっています。

この曲は激しく勢いのある曲なので雑にならないようにしっかり拍を合わせて弾いていくことが大事になってきます。

ラフマニノフ「前奏曲Op.3-2鐘」

題名だけではピンとくる方は少ないかもしれませんが、フィギュアスケートの曲として浅田真央さんが使用していたり、ドラマやCMでもよく使われているため、聞いたことある方が多いと思います。

ラフマニノフの曲はオクターブ以上の音や動きが多くでてくるので、手が大きい方におすすめです。

リスト「愛の夢」

プロの方のコンサートでもよく演奏される曲で、こちらも浅田真央さんが使用していた曲です。

もとは歌曲として作られた曲で、リスト自身がピアノ曲に編曲した曲です。音が多く、バラード系の曲ながらもとても華やかです。

ブラームス「2つのラプソディー ロ短調 Op.79-1」

この曲は使う音域が広く力強い曲です。曲の規模が大きい分、全体をまとめることがとても大変ですが、ダイナミックな曲が好きな方にとてもおすすめです

リスト「ラ・カンパネラ」

リストの代表曲で「愛の夢」と並び大人気の曲です。難易度が高く、左手の跳躍だけでなく、全体的に右手のメロディー展開がとても難しいです。

発表会までの準備期間はどれくらい?

だいたいどのくらいで準備すると思いますか?レベルやその子によって異なりますが、私がおすすめしている準備期間について少しお話しします。

例えば、発表会まであと半年。となると、曲を選ぶ際に半年後に弾けるようになっている曲を選ぶのがベストだと思う方がほとんどだと思います。

半年となると長いようで意外とだらだらしてしまってあっという間に発表会です。本番に完成させるのではなくて、考え方としては5ヶ月後に曲が完成しているようにすると、本番で問題なく、理想の演奏ができると思います。

つまり、本番の1ヶ月前までに曲を完成させて、のこりの1ヶ月で完璧にするといったスケジュールです。

本番や何日も前から緊張する方がいると思います。正直緊張するということは、弾けていても完璧ではない不安や、ミスしてしまうかもしれないという恐怖からきているものがほとんどです。

これだけ練習した!完璧にミスなしで弾けているということが自信につながり、本番に堂々と弾くことができるといったように、気持ちひとつで演奏は変わってきます。

本番で実力を発揮するにも、最後の1ヶ月はとても大切な期間です。「本番まであとどのくらいだから…」と逆算して考える場合は、1ヶ月短く考え、余裕を持った練習スケジュールと選曲をするようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?発表会の選曲は、自由曲となると特に重要となります。コンクールなどでは課題曲があるため、それほど選曲ミスは目立ちませんが、自由曲となると選曲がとても重要となります。

日頃から自分に合った曲をたくさん聴き、ある程度目標を決めておくようにすると、発表会の曲選びも効率的に決まり、その分長く練習ができます。

さらにその曲を弾けるようになるために、何もない期間の練習やレッスンも、自然とやる気になり、より良いものとなっていきます。

発表会は上達のチャンスですので、自分に合った“プチ・チャレンジ曲”を見つけてくださいね。

また、こちらの記事ではピアノ発表会までのやることリストを紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてください。

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伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター

趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!

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