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5弦ベースの概要や選び方、おすすめのモデルを紹介

5弦ベースの概要や特徴、選び方を説明した上でおすすめのモデルを複数紹介します。おすすめするモデルは初心者向けからハイエンドベースまで幅広くしました。
5弦ベースの概要や選び方、おすすめのモデルを紹介

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5弦ベースは比較的新しいスタイルですが、近年多くのミュージシャンに受け入れられ、そして愛用されています。

本記事では5弦ベースとはどういったものなのか、その特徴を解説。選び方を説明した上でおすすめのモデルを紹介いたします。

5弦ベースとは

一般的なエレキベースはもともとは弦が4本張られたものでした。しかし、近年打ち込みのシンセベースなどのサウンドが登場して、それらはエレキベースの最も低い音よりもさらに低い音程も出力します。

そうしたサウンドが登場したことで、同じような音域をエレキベースにも求められるようになりました。実はそれ以前からコントラバスには5弦仕様のものも存在したのですが、エレキベース同様にポピュラーではありません。

一般的な4弦ベースの最も低い音はEですが、そこから2音半低い音までが出せるように太い弦を張るのが一般的な5弦ベースです。稀に、高い音程を出せる弦を1本加えた5弦ベースも存在します。

低音側の弦はチューニングがBになるためにローB弦と表現し、高い弦は同様の理由でハイC弦と表現します。

5弦ベースの特徴

5弦ベースの特徴としては、低い音域、幅広なネック、タイトなサウンドといったものが挙げられます。弦が増えることで音域は増えますが、当然ネックは幅広になります。

ネックの剛性が変化するのにしたがって、サウンドはタイトな傾向になることがほとんどです。

また、パーツの量が増えるので重量は重くなる傾向があります。一般的な4弦ベースが4.0-4.4kgほどの重量がありますが、5弦ベースは4.2-4.8kgほどの重量があります。

また、パーツの点数が増えることで価格が上がってしまうのもポイントですね。そして4弦ベースほどの選択肢もないので、選ぶのが難しいという点も感じるかもしれません。

5弦ベースの選び方

4弦ベースほどの選択肢はないと前述しましたが、昔よりははるかに5弦ベースの選択肢は増えて、またその質は向上しました。だからこそ選び方が重要になってきます。

選び方としては価格、見た目、サウンドなどいくつもの項目があります。中でも注意して欲しいのが、ブリッジ部分での弦間ピッチとスケールです。

弦間ピッチというのは、ブリッジ部分での弦と弦の間の距離のことを指します。4弦ベースに倣う5弦ベースは19mmに設定することが多くありますが、この場合右手と左手の動きにパワフルさが求められます。

もしもその部分に自信がなければ18mm以下の弦間ピッチのブリッジを選ぶことをオススメします。

また、スケールというのはナットからブリッジサドルまでの距離を指します。

一般的には34インチのスケールが使用されることがほとんどですが、ローB弦が鳴りにくい、しっかりとした音程が得られづらい点を理由として35インチのスケールを採用するモデルもあります。

スケールが伸びると確かに弦振動はタイト気味になることが多いですが、逆に1弦側が強すぎる音になってしまったり、ジャズベースのサウンドが欲しかったのにスケールが違うために求めていたイメージとは異なるものになってしまったりすることがあります。

個人的にはジャズベースのフォーマットをそのままに35インチにスケールを伸ばすのは無理があると思います。

ここは好みの問題もありますが、もしも35インチスケールのベースを探すのであれば、35インチスケールであることを前提として全体がデザインされたものを選ぶのがおすすめです。

また、最近ではファンドフレット、マルチスケールデザインといったスケール設定を採用したベースも存在します。これは弦ごとにスケールを変更しているもので、フレットが扇状に広がるユニークなルックスが特徴です。

このスタイルは近年人気がありますが、演奏性に非常にクセがあるのでその点をクリアする意気込みを持った上で購入してみてください。デザインとしては優れているモデルもあるので、ファンドフレットやマルチスケールデザイン自体が悪いわけではありません。

5弦ベースは4弦ベースと違って、定番のモデルというものはあまりありません。そのため、できれば試奏をして自分がイメージしているものとできるだけ近いものを探すべきです。

ただし、前述したように5弦ベースは選択肢が少なく、都内でも多くの種類を試せるお店は限られています。ですので、できるだけ間違いのないものを選んでいただけるようにおすすめのモデルを紹介いたします。

おすすめの5弦ベース

5弦ベースと一口に言っても、その内容は初心者向けからプロ向けまで様々です。幅広いジャンルから、おすすめのモデルを紹介いたします。

初心者におすすめの5弦ベース

まずは初心者の方にもおすすめできる5弦ベースを紹介します。手の届きやすいモデルを中心に紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

Bacchus WJB5-BP/Act BL-B

Bacchusは長野に拠点を置く日本のギター、ベースブランドです。バッカスには価格帯によっていくつかのラインがありますが、このモデルは最も下の価格帯に位置付けられるユニバースシリーズのものです。

安価ではありますが、彼らはアジアの向上に職人を派遣して技術指導することによって、コストを抑えながらも素晴らしいクオリティのベースを製造することに成功しています。

本モデルは最上位モデルであるWOODLINEを元にしたもので、バランスの良いボディデザインとパワフルなサウンドが特徴的です。

ボディトップにはバールポプラと呼ばれるエキゾチックな見た目の希少な木材が使用されています。このような木材は美しく、ハイエンドベースと呼ばれる高価なベースに使用されることがよくあります。

しかし、安価なモデルでこのような装飾を施したものは多くありません。

プリアンプと呼ばれる電池で動くアクティブサーキットを搭載しています。これによって手元で様々な音作りが可能で、また非常にパワフルなサウンドに仕上げられています。

Ibanez SR Series SR305E-IPT

FenderやGibsonと並んで世界的に人気があるブランドの一つがIbanezです。Ibanezの中でもSRシリーズは長年愛されており、名器として世界中のベーシストが信頼しています。

特徴はスリムなネックとボディ、そして多彩なサウンドです。演奏性を重視して、体にフィットするカーブを持つボディや細いネックを採用しています。体への負担が少ないので、まだベースに慣れていない初心者の方にも問題なくすすめられるデザインです。

ボディやネックがスリムな分、サウンドは電装系をコアとして作っています。二つ搭載したハムバッキングピックアップは、スイッチによって多彩なサウンドに変化。

ピックアップで作られたサウンドはオリジナルの3バンドイコライザーを搭載したプリアンプによってアレンジします。

あらゆる面でバランスが良く、洗練された5弦ベースがこちらです。

YAMAHA BB235 YNS

YAMAHAはバスタブやバイクなど、幅広いジャンルで活躍する素晴らしいブランドですが、ギターやベースの業界においても世界的に高く評価されています。

こちらのBBというモデルは何十年も前から多くのプロベーシストに愛される名シリーズで、大型のアップデートが行われた後の最新モデルがこちらのBB235です。

フロントには野太いサウンドが特徴のスプリットコイルピックアップ、リアには鋭くタイトな音が特徴のシングルコイルピックアップを搭載します。

Fenderのプレシジョンベースとジャズベースのピックアップを混ぜたようなスペックのため、このようなピックアップポジションを持つベースをPJベースと呼ぶことがあります。

5弦ベースはペグ多くなるのでヘッド落ちというバランスの悪さが度々問題になりますが、本モデルは軽量ペグを採用しているためにそのような問題が起こりづらいデザインになっています。

素晴らしいデザインとそれを製造する技術が組み合わせられた、名品です。

次のステップに先に進むための5弦ベース

ここからは次のステップに進みたい方に向けた5弦ベースを紹介します。値は張りますが、それに見合った性能を持ったベースなので一度検討してみてくださいね。

Xotic XJ-1T

Xoticは日本人のヒロ・ミウラさんがアメリカで創業したブランドです。エフェクターの製造で一躍有名になりましたが、ギターやベースのクオリティも素晴らしいことで知られています。多くのプロミュージシャンに人気のあるブランドですね。

このXJシリーズは日本で製造を行っています。アクティブサーキットや5弦仕様といったモダンなスペックでありながらも、オーセンティックなパッシブのジャズベースの雰囲気を色濃く残しており、その点が高く評価されています。

さらに特筆したいのがこの特徴的なルックスです。3 tone sunburstのカラーを下地に、Vintage Whiteというカラーを上に塗られたこれは、マルチレイヤーと呼ばれるものです。

マルチレイヤーカラーは実際に昔のFenderで存在したもので、多くは修理のために上から別の色を塗られたものです。演奏するにしたがって上の塗装が剥がれて、下の塗装が見えてきたものをそう呼びます。

マルチレイヤーの特性上、全体は使い込まれた雰囲気を人為的に再現したレリック加工が施されています。

また、このモデルはショップの独自オーダーによってブリッジがHIPSHOTのStyle Aから同社のStyle Bに変更されています。Style Aよりもシンプルな構造なのがStyle Bの特徴で、よりオーセンティックなサウンドが楽しめるのではないでしょうか。

Sadowsky MV5E

Sadowskyはニューヨークのミュージシャンたちのリペア工房として立ち上げられたブランドで、リペアによって培った知見を元にして製造を始めました。

本モデルはSadowskyのデザインを元にして日本で製造を行うメトロライン・エクスプレスの名品です。

Modern Edgeと呼ばれるわずかに細身のディンキーシェイプがボディには採用されています。これによって本モデルはフルサイズのジャズベースよりも取り回しに優れ、長時間の演奏が多いプロミュージシャンに高い評価を得ています。

メトロラインシリーズは生産場所が日本からドイツに変更になってしまったため、今後希少な存在になっていくかもしれません。気になる方は早めにチェックしてみてください。

ハイエンドブランドのおすすめの5弦ベース

最後に紹介するのはハイエンドメーカーの5弦ベースです。ハイエンドと聞くだけで敬遠してしまうかもしれませんが、一生使えるようなベースばかりなのでぜひチェックしてみてください。

Alleva-Coppolo LG-5

Fenderのヴィンテージジャズベースに近いサウンドを得られる5弦ベースは、多くのプロベーシストが探し続けているものですが、その答えの一つがAlleva Coppoloです。

ニューヨークで長年働いた知見を生かして製造する彼のベースはトッププロを魅了しています。

このカテゴリにおいては比肩するブランドがほとんどないほどに傑出したクオリティを発揮しており、もしも最高級の5弦ベースを探しているのであれば一度はAlleva Coppoloを試すべきです。

いたって普通の音、普通の見た目であるにも関わらずこれだけ高く評価されるのにはそれなりの理由があるのです。

Ken Smith Burner BSR5-LE

ハイエンドベースブランドと呼ばれるブランドは多くありますが、Ken Smithは中でも最も歴史があり、最もミュージシャンに愛されているブランドです。

いくつかのモデルがありますが、BSRは立って演奏するときに最適なバランスが得られる最上級のモデルです。

エレガントなルックスは上質な木工によって形作られた結果で、その見た目通りクリアで美しいサウンドが特徴的。

Ken SmithのベースのローBサウンドはまるでピアノの低音のように、低く長く伸びます。

5弦ベースに限らず、最上級のベースを探すのであればまずはKen Smithを試さない手はありません。

まとめ

本記事では5弦ベースの概要や特徴、選び方について解説した上でおすすめのモデルを紹介しました。

個人的に5弦ベースは長い間研究を重ねて自分でも多くのモデルを購入しました。その上で、間違いのないものを紹介しておりますので、こちらを参考にして自分にぴったりのモデルを探してみてください。

また、ベース初心者向けの練習方法をまとめている記事も紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

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嵯峨駿介 /
ビギナーズ編集部 ライター

23歳でベース専門店Geek IN Boxを立ち上げ。海外ブランドとの取引経験が豊富でアメリカ、ヨーロッパ、中国などの主要ギターショウに参加。ベースマガジンなどの専門誌や、ウェブメディアなどへの寄稿多数。※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しております。所属するベーシック株式会社及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません。

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