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ミシンの使い方は基本をおさえて失敗知らず

ミシンの使い方は基本をおさえて失敗知らず

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手芸の強い味方「ミシン」。奮発してミシンを購入した方も、慣れるまでの間レンタルする方も、基本の使い方をおさえておけば、始めてのソーイングも失敗が減らせます。

基本的なミシンの使い方|縫い目篇

ミシンの良さは、広い範囲や長い部分を一気に縫えること。また、ミシンならではの細かい縫い目も手縫いには真似のできない点です。ミシンの使い方で頻繁に使う縫い目は、以下の3種類です。

大物も一気に縫える「直線縫い」

ミシンと手縫いの大きな違いは、大作ができること。長い距離の直線縫いはミシンが最も得意とするところです。服やバッグなどの既製品をみても、直線に縫われた部分がかなり多い事に気づきます。直線縫いでは、布の種類や厚みによって、縫い目の大小や糸調子を替えることで、スムーズに縫い進めることができます。

布のホツレも防ぐ「ジグザグ縫い」

一般的なミシンにも、標準装備されている「ジグザグ縫い」。これは、裁断した布がほつれないよう、本縫いをする前に布端を処理するための縫い目です。三角のジグザグに縫われた範囲は、布がほつれにくくなります。

ジグザグ縫いで布端の処理を先にしておくと、本縫いをしている間はもちろん、作品が完成したあとでも、布ほつれを気にせずに済みます。

これは便利!「ボタンホール」

ボタンホールは、その名の通りボタンを通すための穴を縫う機能です。

通したいボタンをあらかじめ用意し、専用のアダプターにセットします。これで、ボタンが通れる長さだけ、ボタンホールステッチが縫われるという仕組みです。縫った後から「リッパー」で穴を開けて、ボタンホールは完成です。

ミシンの機種によっては、ボタンホールサイズの設定方法や、縫う手順が変わってきます。手縫いでは難しい、密な縫い目の必要なボタンホールは、ミシンの使い方で覚えておきたい機能といえます。

ミシン機種別の使い方|応用編

一般的なミシンにはない「特殊な縫い方」ができる、中~上級者向けのミシンがあります。普通のミシンに慣れてから、使い始めても良いかもしれません。

プロ顔負けの仕上がり!刺繍ミシン

今まで手縫いでは難しかった刺繍も、刺繍が得意なミシンではあっという間に縫うことができます。特に、小さなお子さんが喜ぶキャラクターの刺繍は、幼稚園用のアイテムに縫ってあげたいですよね。

こちらの記事では、刺繍ミシンの作品例をまとめています。

刺繍ミシンでどんな刺繍を作ればいいかわからない方や、簡単にプロ仕様にできる縫い方のコツが知りたい方も読んでみてください。


また、パソコンから画像を取り込んで、オリジナルの刺繍を描けるミシンもあります。値段も張る刺繍ミシンですが、装飾の多い作品を作りたい場合にはあると便利です。

メーカーによっては、ディズニーやサンリオのキャラクターのデータを提供していますので、キャラクターで刺繍ミシンを選ぶ場合は、メーカーサイトをチェックすると良いでしょう。

もちろん、一般的な縫い方もできますので、最初から刺繍ミシンを使えば一石二鳥といえます。

あると便利なロックミシン

見慣れない形のこのミシンは「ロックミシン」です。布端を切りながら端縫いをする、カッター付きのミシンです。

一般的なミシンにある「ジグザグ縫い」では対応できない、薄い布やほつれやすい布の端縫いをするのに便利です。また、ジャージーやリブなどの伸縮するタイプの布にも適しています。

洋服を多く縫うようになると、ミシンとロックミシンを並行して使うと、作業が捗ります。手芸作家を目指す方や、本格的に洋服を縫う方であれば、一台用意しても良い端縫い専用ミシンが「ロックミシン」です。

一般的なミシンとロックミシンの違いや、ロックミシンの使い方については、こちらの記事で解説しています。

ロックミシンの購入を検討している方は、ロックミシンの選び方やモデルごとの違いも解説しているので、ぜひモデル選びの参考にしてください。


ミシン各部の名称と機能

ミシンの使い方を覚えると同時に、各部の呼び名と機能も覚えておきましょう。機種が変わっても基本機能はどのミシンも同じ呼び方をします。

上糸(うわいと)

布をセットして縫い始めた時に、上に出てくるのが「上糸」(うわいと)です。縫い目には表と裏がありますが、表になる縫い目は上糸になります。

また、ステッチをする際に表にするのが上糸なので、布の色と合わせたり、逆に目立ちやすい色糸に変えたり、工夫できるのも上糸の特徴です。 上糸の掛け方には順番があり、掛け方を間違えると故障の原因にもなりかねません。ミシンの使い方に慣れないうちは、上糸が切れて掛けなおし…ということもあるでしょう。これは、チャンス!と思って、上糸の掛け方は何度もやってみて覚える方が近道です。

また、機種によっては、ミシン本体に上糸の掛け方が描かれている場合もありますので、参考にしてみてください。

下糸(したいと)

ミシン本体の下に、ボビンに巻いてセットするのが「下糸」(したいと)です。ボビンは通常ボビンケースに下糸をセットしてから、ミシン本体に取り付けます。

下糸をセットする「釜」と呼ばれる部品には、「垂直型」と「水平型」があり、ほとんどのミシンの下糸釜は「垂直型」です。ボビンケースごと釜に垂直にセットし、ハンドルを回して、下糸をミシン本体上に出してから縫い始めます。この手間があるため、初心者には苦手に感じる人もいますが。機種によっては糸端を出さずに縫い始められるミシンもあります。「垂直型」のメリットは、下糸がスムーズに出て、ミシンが壊れにくいという点です。

下糸のセット方法に不安がある場合は「水平型」の釜がおすすめです。下糸のセットが難しくて、ミシンを使わなくなるのはもったいないこと。下糸釜の種類もミシン選びには重要なポイントになります。

布押さえ

布を押さえと布送りは両方同時に動き、スムーズに布を送り出す機能です。ミシンは、布押さえを下げないと縫い始められない仕組みです。 この「布押さえ」は、普通/弱くなど設定を変えることで、厚手の布や重なった布や、薄くてサラサラした布も、スムーズに縫い進めることができます。

布送り

布押さえと連動して動くのが、ミシンの下部にあるギザギザの「布送り」です。縫い目の長さによって、自動的に布を送り出してくれます。

基本的には手前から向こう側へ縫い進めますが、刺繍やボタンホール、返し縫いなどでは、逆方向に動きます。すべて設定した縫い目による動きなので、無理に布を引っ張らず、布送りに任せた方がスムーズに縫いあがります。

ハンドル

ミシンの針を上下させるのが「ハンドル」の役割です。昔の足踏みミシンの時代から、このハンドルの重要度は今も変わっていません。

ハンドルを動かすことで、上糸の針が動き、連動して下糸の入った釜が動きます。電子ミシンの動力はこのハンドルの内部に伝わって動き始めます。 縫い始めや縫い終わりの針の上下にはもちろん、針を置く位置を微調整するなど、よく使う部品です。

ミシンと一緒に買っておきたい便利道具2つ

ミシンと一緒に使うことの多い道具2種類です。手元にあると作業が捗るので、ミシン購入のタイミングで一緒に用意しておくのがおすすめです。

予備のボビン

上糸と下糸は基本的には同じ糸を使用します。上糸となるミシン糸を下糸用の「ボビン」に巻きつけて縫うためです。つまり、上糸の数だけボビンが必要になり、様々な色糸を使えばそれだけボビンの数もひつようになります。一度巻いたボビンを巻き直すのは手間のかかることなので、予備のボビンは複数持っていたほうが良いでしょう。

リッパー

布を傷つけずに、縫い目を切ることができるリッパーは、一本あると便利です。間違った縫い目をピンポイントで切ることができます。

また、ボタンホールを作る際には、ボタンホールステッチの真ん中を、リッパーで切って穴を開けることになります。 先端が鋭く、力が入りやすいツールですので、指先の怪我には十分お気をつけください。

まとめ

ミシンの使い方は、手で覚えるのが一番の方法です。簡単な小物を作りながら、基本の縫い目を覚え、少しずつ大作へ進んだほうが、失敗やミシンのトラブルも少なくて済みます。

また、ミシンを始めてみたいと思っている方には、ミシンのレンタルサービスの利用がおすすめです。購入する前に試してみてはいかがでしょうか?

藤加祐子 /
ビギナーズ編集部 ライター

仙台市出身在住。フリーライター・写真家・タティングレース作家。古書店巡りとフルート演奏が趣味。仙台フィルの演奏を聴くのが自分へのご褒美です。

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