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ベースのオクターブ奏法のコツや参考にするべき曲

ベースのオクターブ奏法のコツや参考にするべき曲

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ここ10年ほど、日本のポップスやロックにおいて四つ打ちのドラムグルーヴが大きく流行しました。そんなグルーヴにぴったりと合うのが、ベースのオクターブ奏法です。

本記事では、習得が必須なベースのオクターブ奏法について、その概要や弾き方、コツ、練習方法、オクターブ奏法を使っている曲について解説します。

ベースのオクターブ奏法とは

ベースのオクターブ奏法とは、一般的にオクターブ違いで続けて音を出す奏法を指します。

例えば、3弦の3フレットでCの音を出して、次には1弦の5フレットでひとつ上のオクターブの音を出し、これを繰り返します。これが紛れもないオクターブ奏法です。

ちなみに、ギターでいうオクターブ奏法とは内容が全く異なります。ギターの場合は、オクターブ上の音を同時に出すことで音に厚みを出す奏法がオクターブ奏法です。

オクターブ奏法で8ビートを演奏することは昨今の流行のひとつですが、これによって拍がひとつひとつ強く強調され、強烈なビート感が生まれます。使いこなさない手はありません。

ベースのオクターブ奏法の弾き方

オクターブ奏法において左手のポジションとり、押さえ方にはいくつかの方法があります。

基本となる押さえ方は、1音目に対してフレットが2つ上、弦は2本上のフォームです。例えば、3弦の3フレットと1弦の5フレット、4弦の5フレットと2弦の7フレット、といった具合です。

開放弦を混ぜないフォームとしてはこれを基本として、コードの移り変わりに合わせて1音目を変えていきます。

つまり、8ビートでオクターブ奏法を弾くときは拍の面と裏はオクターブ違いにしかなりません。フレーズの構築としては非常にシンプルですね。

そして、右手は基本的には常に弦を1本飛ばして弾き続けることになります。1音目が人差し指で4弦、2音目が中指で2弦、このピッキングを繰り返します。

フォームとしては前述したものが基本ですが、例えばEやAなどといったコードにおけるオクターブ奏法であれば、開放弦を交えて演奏することも可能です。

例えば、Eのコードであれば4弦の開放弦と3弦の7フレット、2弦の2フレット、または4弦の12フレットなど。

ただしこれはかなりイレギュラーでコードの移り変わりによってフォームが大きく変わるので、コードがEやDでも基本は前者のフォームを採用することがおすすめです。

ベースのオクターブ奏法時の右手のコツ

基本的な動きとして、右手は弦とびでのピッキングの繰り返しです(4弦と2弦、もしくは3弦と1弦を繰り返しピッキングする)。

このピッキングをやってみるとわかると思いますが、この動きは右手が非常に辛くフィジカル的な強さが必要です。

オクターブ奏法で一曲弾き切ることは少なくありません。なので、3-5分間の間ずっと弾き続けるスタミナを身につけましょう。

楽に弾くコツとしては、指を伸ばして弦に触るのではなく手首を前に出して前腕全体で演奏することです。

当然ですが、指だけで力を入れるのと前腕全体で力を入れるのでは指への負担が全く違います。そうした意味でのフォームの崩れ、不適切なフォームが故障の要因になってしまう恐れがあります。

ベースのオクターブ奏法時の左手のコツ

左手のフォームはかなりタイトで、きついのが正直なところだと思います。しかし、力を抜いてサボると音が途切れたり、バズが出たり、良好な結果は得られません。

適切なサウンドで長い時間演奏するのに必要なのはやはりスタミナですが、左手には無駄な負担がかからないように正しいフォームで演奏しましょう。

左手の指が届かずに辛いという方の多くは、ひじや手首の位置に問題があることがほとんどです。問題の多くは、ひじと手首がネックから離れすぎている、自分の体に近すぎることです。

あまりにも左手があまりにもきついように感じたら、少しだけ前腕全体を前に出してみてください。手先の動きに余裕が出ます。

しかし、人差し指と薬指もしくは小指で常に弦を押さえ続けるのは大きな力がいるのはかわりません。長く練習して、このためのスタミナをつけるのは必要です。

ちなみに、小指で押さえたほうが手の形としては余裕があります。ただし、小指は力が入りづらく弦を押さえられない方も多くいると思います。

その場合は、小指の少し側面をうまく弦に当てること、どうしても難しければ薬指と小指を一緒に使って弦を押さえる、といった方法を試すのがおすすめです。

ベースのオクターブ奏法の練習方法

特別なテクニックはありません。この奏法に必要なのはやはりスタミナなので、故障しない程度に長い時間練習する以上に効率的な練習方法はないのが正直なところです。

この奏法は8ビートで演奏することがほとんどです。ですので、BPM100程度から8分音符で休符は入れずに弾いてみましょう。この練習とスケール練習は組み合わせることがおすすめです。

1拍ごとにコードを変えると左手があまりにも忙しいので、例えば2拍ごと、もしくは小節ごとにコードを変えていくのがおすすめです。ただし、オクターブ奏法は基本的には1音目が4弦もしくは3弦でなければ演奏できません。

ですので、例えばGメジャースケールであれば4弦3フレット、4弦5フレット、3弦2フレット、3弦3フレット、3弦5フレット、3弦7フレット、3弦9フレット、3弦10フレットと、ハイポジションに登っていくような弾き方になります。

実際の曲の中でも同じような動きをするはずなので、この練習は役に立つはずです。様々なスケール、様々なコードでこの練習をしてください。

ちなみに、多くのスケールを実際に自分で演奏するとスケールの音が少しずつ理解できます。この理解度の高さは音楽を演奏する上で非常に重要なので、ぜひ長い時間をかけて取り組んでみてください。

ベースがオクターブ奏法を使っている曲

オクターブ奏法はロック、ポップスなど多くの曲でポピュラーです。

そのため、自分がコピーしたいと思った曲の中にオクターブ奏法が登場することもあると思います。そんな時のために、参考にしていただきたい曲を紹介いたします。

チャットモンチー / シャングリラ

2016年にリリースされた曲ですが、未だに多くのベーシストに人気があり、文化祭などでの演奏曲にも選ばれることが多いです。

フレーズは非常にシンプルで、テンポも速くはありません。非常にコピーしやすい曲だと言ってもいいでしょう。

しかし、だから簡単だというわけではなく、シンプルで速くないからこそ、人によって細かなタイム感やグルーヴの違いが現れます。

オクターブ奏法は全編にわたって使われているわけではないので、またスタミナがない初心者の方にもトライしやすいのでは無いかと思います。

Red Hot Chili Peppers / Tell Me Baby

世界的なロックバンドであるRed Hot Chili PeppersのベーシストであるFLEAはベースヒーローとして絶大な人気があります。

この曲ではベースはスラップをメインにしていますが、サビ部分ではスラップとオクターブ奏法を組み合わせます。実は、スラップとオクターブ奏法は非常に相性がいいのです。

イントロ〜Aメロ部分のベースは少し難易度が高いのですが、サビ部分は非常にシンプルなフレーズですので、その部分だけコピーするような形でもいいでしょう。

Red Hot Chili Peppers / Higher Ground

Red Hot Chili Peppersがノリに乗っている時の勢いがそのままに表されたようなグルーヴの曲です。非常に有名ですが、実はこれはStevie Wonderのカバーです。

イントロからAメロまでのベースがスラップで激しく曲を引っ張りますが、ここで使われているのがオクターブ奏法です。

こうしたシンプルなグルーヴでスラップをするときはオクターブ奏法が非常に映えますね。この部分は他のあらゆる場面でも応用が効くテクニックです。

SCANDAL / BABY

近年本格的なロックバンドとして高く評価されているSCANDALの曲でもベースのオクターブ奏法は使われています。

イントロとサビのストレートなグルーヴになる部分でオクターブ奏法がうまく活用されているのが印象的ですね。前に進んでいくオクターブ奏法ならではのストレートなニュアンスが非常にうまく活用されています。

まとめ

ベースで習得必須なスキル、オクターブ奏法について概要やコツ、練習方法、弾き方、参考にするべきおすすめの曲を紹介いたしました。

ベースはアンサンブルの中でコードの移り変わりを示し、またコードネームを決める役割を持ちます。

そうした意味で、ルートを強く主張するオクターブ奏法は非常に強力で、シンプルでありながらもアンサンブルの中での響きはクールです。

リズムもシンプルですが、だからこそグルーヴ感や素の音の良さが試されると言えます。オクターブ奏法を極めて、自分のベースサウンドを一歩クオリティの高いものにしましょう。

さいごに、こちらの記事ではベース初心者の練習方法や上達するピッキング・スラップ基礎練習について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

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嵯峨駿介 /
ビギナーズ編集部 ライター

23歳でベース専門店Geek IN Boxを立ち上げ。海外ブランドとの取引経験が豊富でアメリカ、ヨーロッパ、中国などの主要ギターショウに参加。ベースマガジンなどの専門誌や、ウェブメディアなどへの寄稿多数。※本記事の内容は嵯峨駿介個人の意見、知識を基に執筆しております。所属するベーシック株式会社及びGeek IN Boxの総意を代表するものではありません。

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