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トロンボーンはマウスピースで練習スタート!選び方ポイントを徹底解説

トロンボーンのマウスピース選びについて紹介しています。知っておきたい名称や素材別、メーカー別のマウスピースを紹介しているので、これを読めばマウスピース選びに悩むことはありません。マウスピースを使った練習法やお手入れについても記載しています。
トロンボーンはマウスピースで練習スタート!選び方ポイントを徹底解説

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トロンボーンで音を出すために、最初に触れるのは『マウスピース』です。

トロンボーンをはじめ金管楽器ではマウスピースで音階が吹けるようになるのが基本です。

ひとくちにマウスピースといっても、実は内部の形状によって音色が変わってきます。自分に合ったマウスピースを選ぶポイントを見つけてみましょう。

トロンボーンのマウスピース選びのポイントとは

トロンボーンの音色を左右するマウスピースは、小さいながらも把握しておきたい部分の多いものです。

内部の構造を理解し、各部のサイズと自分の出したい音を知り自分に合ったマウスピースを選びましょう。

マウスピース各部の名称

トロンボーンやチューバ、トランペットなど金管楽器のマウスピースには、各部に名称があります。

トロンボーンのマウスピースを選ぶ際には、各部の特長とともに、自分にあった各部のサイズを把握しておく必要があります。

リム

唇に触れる部分を『リム』といいます。

リムが厚く平らなものの方が、音の安定性が高く、長時間吹いても疲れにくいとされています。

リムの内径(リム内側の直径のこと)も、様々ありますので、自分が吹きやすい内径を知っておいた方が良いでしょう。

カップ

マウスピース内部の、お椀形の部分をカップと呼びます。形状によって、音色が変わってきます。

カップはマウスピースの断面からUカップ、Vカップと名称がついています。

『Uカップ』はヨーロピアンタイプとも呼ばれ、明るく鋭い感じの音色が特長です。『Vカップ』はアメリカンタイプとも呼ばれ、太く豊かで深みのある音色になります。

また、カップは深さも複数あり、浅いものは明るめの音、深いものは音量が増して暗い音色になります。

スロート

マウスピース内部で一番細い部分を『スロート』と呼びます。

スロートの直径が大きいと暗めもの音色ですが音量が増し低音域に向いています。

スロートの直径が小さいマウスピースは、明るく速い音が出せるため、高音域を吹くのが楽になります。

バックボア

スロートからトロンボーン本体へと向かっている、マウスピースの内側部分を『バックボア』と呼びます。

バックボアの広がりは、全体の吹奏感や音色に大きく影響します。

トロンボーン初心者にはプラスチック製マウスピース

トロンボーン初心者であれば、まずは練習用のプラスチック製マウスピースを手にしてみましょう。

プラスチック(ポリカーボネット)素材のマウスピースは¥1,000前後で手に入れやすい価格帯です。

最初のバズィングから、オクターブを安定して出せるまで、基本の音はプラスチック製でも十分練習が可能です。

硬度はさほど高くないので、手入れは水洗い程度にとどめておき、アルコールやブラシで磨くのは避けましょう。

銀メッキのマウスピースは、種類豊富で選びやすい

最も種類の多いマウスピースは、やはり銀メッキ製です。マウスピースの本体は真鍮で作られることが多く、メッキは必ず必要です。

銀は金属の中でも硬めの素材です。そのため、銀メッキであれば丈夫で狂いが少なく、安定した音が出せます。

銀メッキのマウスピースは種類が多く、迷うこともあります。自分に合ったサイズを把握してから選ぶようにしましょう。

金メッキのマウスピースはトロンボーン奏者の憧れ

金メッキのマウスピースはトロンボーン奏者の憧れでもあります。

金メッキのマウスピースは、全体的に柔らかい音になるといわれています。

金は加工がしやすい素材でもあるため、マウスピースを特注する場合には、金メッキが選ばれやすくなっています。

国内の管楽器工房『アトリエ・モモ』のマウスピースは、重量にもこだわっています。

トロンボーンなどの重い金管楽器は、長時間の練習は疲れるものです。マウスピースを軽くすることで、音を出す労力を少なくするという狙いがあります。

ただ、金メッキのマウスピースは高価なものが多いため、購入の際は試奏できる楽器店での購入が安心です。

メーカー別マウスピースの特長|国内編

トロンボーンは、演奏する音楽のジャンルで使う種類が変わってくる楽器です。

同じようにマウスピースも、音楽のジャンルによって、カップの形状を変えたり、求める音色によってメーカーを変えたりする必要があります。

入手しやすいのは、やはり国内メーカーです。特に『ヤマハ』はトロンボーン用のマウスピースでは種類も豊富で、価格も手頃なものが多数あります。

また、国内メーカーの『ベストブラス』では、金属アレルギーを起こしにくい、純チタン製のマウスピースを製造販売しています。

メーカー別マウスピースの特長|海外編

海外メーカーでは『デニスウィック』がトロンボーンのマウスピースとして知られています。

『デニスウィック』は、イギリスの金管楽器アクセサリーの老舗ブランドです。

新型モデルのヘリテイジは、リムに近い部分を薄くすることで、息の反応を向上させ口当たりや息の通りが滑らかになりました。

他にも、アメリカの金管楽器メーカー『ヴィンセント・バック』や、フランスの『クルトワ』など、海外メーカーのマウスピースも、日本で購入できるようになりました。

楽器店によっては試奏させてもらえますが、トロンボーン本体は自分の楽器を持って行くようにしましょう。

また、ネット通販で海外のマウスピースを購入する際は、サイズ等の表記をよく確認しましょう。

トロンボーンのマウスピースで練習スタート

トロンボーンのマウスピースを選んだら、早速練習スタートです。唇の力加減に気をつけながら、1音をきれいに出すコツを身につけましょう。

マウスピースの吹き方はバズィングから

シエナ・ウインド・オーケストラのトロンボーン奏者、郡恭一郎さんのウォームアップ動画です。

最初からマウスピースを当てて練習するよりも、唇の震わせ方を確認してから、マウスピースでの練習を始めるとよいですね。

スポーツに準備体操が必要なように、トロンボーンでもウォームアップは欠かせません。

バズィング→マウスピース→トロンボーンを付けて…と、毎回順を追って練習を進めてみてください。

マウスピース練習では唇の力加減が大切

マウスピースでの練習では、唇にかける力のバランスが重要です。

上下唇が開いていると、スースーと息が抜けてしまいます。逆に唇を閉じすぎると詰まったような音になります。

また、唇を横に引きすぎるのもバランスが悪くなります。トロンボーンを持つ前に、マウスピースで唇の力加減を確認するのがポイントです。

時間がない時のトロンボーンウォームアップのコツ

レッスンや部活動、サークルの練習時間の前に、万が一ウォーミングアップの時間が取れなかったら…マウスピースで練習する前に、しっかりと体と唇の準備運動が大切になります。

動画では4分過ぎのところで、大きく唇を震わせています。このブルブルが大事な準備運動です。

また、寒い季節にはマウスピースだけでなく、トロンボーン本体をしっかり温めてから練習する必要があります。

時間がなくても効率よく楽器を温めるコツを身につけましょう。

練習が終わったら…トロンボーンマウスピースのお手入れポイント

唇に触れるマウスピースは、常に清潔にしておきたいものです。マウスピースの洗い方のコツをつかみ、変色しない保存方法を知ることも大切です。

マウスピースの洗い方はここに注意

練習後のマウスピースには、皮脂などの汚れが付いています。中性洗剤をよく泡立てて洗いましょう。

スポンジを使うと傷がつく恐れがあるので、泡で出てくるタイプの洗剤を選ぶと良いでしょう。

洗剤選びに迷う場合は、ヤマハのブラスソープをまずは使ってみましょう。

洗浄後は、マウスピース用のスワブでしっかりと水分を取り除いて保管しておきます。

黒く変色した銀メッキマウスピースをきれいにする方法

銀メッキのマウスピースは、年月が経つと黒ずみが出てきます。

原因は大きく2つあり、空気中の酸素による『酸化』と、硫黄と銀が反応してできる『硫化』です。

温泉にも行かないのに、硫黄?と思ってしまいますよね。これは、皮脂に含まれるタンパク質に、微量の硫黄が含まれているからです。

動画のように、アルミと重曹で発生する泡は炭酸ガスと水素です。

この泡がマウスピース表面の黒ずみと化学反応(還元)して、汚れが取れるという仕組みです。

身近にあるもので黒ずみが取り除けますが、心配な場合はシルバーポリッシュで磨く方法がよいでしょう。

まとめ

トロンボーンのマウスピースは、様々な形状があります。

特に内部の構造は音色にも影響します。

カップの形や、バックボアの広さや角度など、自分に合ったマウスピースの数値を知ることも大切です。

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藤加祐子 /
ビギナーズ編集部 ライター

仙台市出身在住。フリーライター・写真家・タティングレース作家。古書店巡りとフルート演奏が趣味。仙台フィルの演奏を聴くのが自分へのご褒美です。

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