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4大フルートメーカーの特徴まとめ|初心者におすすめのフルートとは?

4大フルートメーカーの特徴をまとめました。ヤマハやサンキョウ、ムラマツ、パール。それぞれのメーカーで初心者の方におすすめのフルートもご紹介しています。また購入する際には、試奏が重要です。試奏にはレンタルもおすすめですよ。自分に合うフルートで演奏を楽しんでください。
4大フルートメーカーの特徴まとめ|初心者におすすめのフルートとは?

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趣味でフルートを始める方にとって、選ぶ際にもっとも参考にするのが楽器メーカーの特徴ではないでしょうか。

大手の楽器メーカーはもちろん、フルートだけを製造している工房もあり、それぞれに特徴や音色にも個性が見られます。

今回は日本の4大フルートメーカーの特徴と、おすすめのフルートを見てみましょう。

ヤマハ(YAMAHA)

国内管楽器メーカーの代表とも言えるヤマハ。フルートの製造販売でも、歴史のあるメーカーです。

初心者用はもちろん、プロの演奏家が愛用するモデルも一般販売するほか、古典的な木製フルートがオーダーできるなど、レベルに合わせてたくさんの種類のフルートが展開されています。

ヤマハのフルート|スタンダードシリーズの特徴

ヤマハのフルートのスタンダードシリーズで、YFL-300~400は頭部管が銀製で、初心者から中級者まで長く愛用できる仕様です。

また、吹き口のトーンホールは管体から立ち上がるよう工夫が施されています。

このため、明るく響きの良い音が出るほか、レガートがかけやすく、軽く吹きやすいのが特徴です。

キーの孔をしっかり押さえられるカバードキーと、指先に生きの振動を感じられるリングキーがあります。

初心者ではキーを確実に塞いでストレートな音を出すのが第一歩なので、カバードキーを選んだほうが無難です。

ヤマハのフルートでの最大の特徴はEメカニズムの採用です。

Eメカニズムとは、フルートの構造上どうしても出しにくい3オクターブ目のE(ミ)の音を出しやすくする構造をいいます。

初心者ではアンブシュアが安定しないこともあるので、Eメカ付きのモデルが特におすすめです。

初心者におすすめヤマハスタンダード|YFL-412

ヤマハのフルート・スタンダードシリーズは、2016年から2017年にかけて大幅なモデルチェンジとなりました。

以前は211、311という型番でしたが、新モデルのフルートは212、312など最後の桁に2がついています。

「YFL-412」は、スタンダードでは1番グレードの高いフルートです。管体はすべて銀製で、押さえやすいオフセットカバーキーです。

今回のモデルチェンジでは、ヤマハのプロ仕様のフルートに使われる「ピントアップアーム」(キーを支える軸)がスタンダードモデルにも採用され、素早い指の動きが可能となりました。

これからフルートを始める方におすすめの1本です。

ヤマハミュージック/フルートのページはこちら

三響フルート(サンキョウフルート)

出典:Amazon

三響フルートは1968年にフルート作りの名匠、久蔵菊蔵氏と7人の技術者だけで創業したフルート工房です。

販売は、株式会社プリマ楽器のみが行っています。シルバーソニックなど澄んだ音色が特徴のフルートが多く販売されています。

三響フルートの特徴

三響フルートでは製作工程のほとんどをハンドメイドで行っており、小さな部品まで一貫して自社製造しています。

特に金のフルートは三響フルートの原点とも言われており、他のメーカーに先駆けてK18のフルートを開発したことでも、世界的に評価されています。

三響フルートは、独自のニューEメカシステムを採用し、精巧なメカニズムと透き通るような音色が特徴です。

初心者用でも、値段が20万円を下らないため、手軽に購入する価格帯とは言い難いのですが、学校でフルートを借りて吹いていた生徒さんが、自分用にいよいよ購入!という場合にはおすすめです。

ゴールドだけでなく、シルバー製のフルートも多数あります。

展示会などで手にとって試奏できれば、透き通るようなエレガントな音色に惹かれることでしょう。

初心者におすすめの三響フルート|エチュード

ハンドメイドの工程が多い三響フルートは、新品の値段が高いことが難点ともいえます。そのかわり、熟練の技術者がメンテナンスした中古品が多く出回るのも特徴です。

初心者におすすめの三響フルートは「エチュード」です。エチュードは、頭部管が銀製、胴部管と足部管が洋銀製のモデルです。

キーはカバードキー/リングキーから選べ、オプションでEメカ/ニューEメカ/H足部管が選べます。

従来のEメカではトリル運指に一部支障が出る場合がありました。三響フルートの「ニューEメカシステム」は、運指の問題を解決し、第3オクターブE音を簡単に出せるようになっています。*実用新案 第154522号

三響フルートのEメカシステムはオプションなので、初心者の方は購入前に忘れず「Eメカ付きで」と伝えましょう。

三響フルート公式サイトはこちら

ムラマツフルート

ハンドメイドフルートのパイオニアともいわれるムラマツフルート。職人技が光るフルートにはどのようなおすすめモデルがあるのでしょうか。

世界のMURAMTSUについて見てみましょう。

日本で初めてフルートを作ったムラマツとは?

1923年(大正12年)日本で初めてのハンドメイドフルートが誕生しました。ムラマツフルートの創始者・村松孝一が作ったのがはじまりと言われています。

当時、日本にはたった20人しかフルーティストがいませんでしたが、村松氏は自らフルートを吹き、演奏家の要望に応えるフルートづくりを続けました。

創始者の意思を受け継いで、ムラマツフルートは今もハンドメイドにこだわっているフルートメーカーです。

例えば、管体は銀製、キーはゴールドに変更というオーダーも可能になっています。

初心者ではなかなか手の出しにくいメーカーではありますが、納得のいくフルートを手にするのであれば、2本め以降はムラマツで…と、目標にもなるメーカーです。

初心者におすすめムラマツフルート|ハンドメイドEX

ムラマツフルートでは、材質により音色が違うことをこだわりとしています。そのため、全てのモデルがハンドメイドで、初心者でも上級者でも、すべてオーダーとなっています。

価格も25万円以上と高価ですが、長くフルートを続けたい、自分に合ったフルートを手にしたいという方にはおすすめです。

また、ハンドメイドフルートの良さはすべてリペア(修理)により再生できることです。買い替え等で手放したムラマツフルートも、中古品として整備された状態で多く出回っています。

初心者でもムラマツフルートを吹いてみたいという方であれば、銀製のEXモデルがおすすめです。頭部管は銀、管体とキーは洋銀となっています。長くフルートを続けたいという方におすすめです。

ムラマツフルート公式サイトはこちら

パールフルート

出典:Amazon

繊細なパーツが多いフルートですが、パールフルートは「一本芯金」という独自技術により、耐久性をプラスしたフルートを制作しています。

独創性で選ぶならパールフルートがおすすめ

パールフルートを製造販売するパール楽器は元々打楽器を作る会社でした。

1972年(昭和47年)に、古典的な作りのフルートに「一本芯金」の技術を加えた、独創的なフルートの制作をスタートしました。

さらに「ピンレス・メカニズム」として、伝統的なピン打ち式からネジ止め式へと技術革新を遂げます。

この2つの独自技術により、キーのトラブルの少ないフルートとして、世界中の演奏家に愛されています。

ドルチェ、オペラ、エレガント等、パールフルートにはそれぞれ特徴ある名前がついています。

技術もネーミングも独創性があるのが、パールフルートの特徴です。

初心者におすすめのパールフルート|ブリランテ

クラフトマンシップにあふれるパールフルートですが、ブリランテが初心者にはおすすめです。

「ブリランテ」は6~9万円台の価格帯となっており、銀製の軽い吹奏感が特徴です。

パールフルートの中でも「ブリランテ」は特に、コストパフォーマンスに優れたフルートといわれています。

入門用ですが「一本芯金」、ピンレス・メカニズムが採用され、狂いが少なく高音も安定して吹くことができます。

キーはオフセットリングキーです。「初心者にはカバードキー」というのが定説でしたが、近年では、リングキーにステップアップするなら、最初からリングキーに慣れておきたいというフルート愛好家が増えています。

キーの不具合はフルートの練習に大きく影響します。トラブルの起きにくい構造のフルートは、初心者に特におすすめといえます。

フルートの基礎知識については、こちらの記事もおすすめです。

初心者の方におすすめの補助機能や独学方法、クリーニング用品のご紹介など、フルートを始める際に知っておきたい情報をご紹介しています。

買う前に試奏しよう♪初心者におすすめフルート

初心者用フルートといえど、安くても数万円からの値段になります。フルートを買う前に試奏してみるのが、おすすめです。

実際に吹いてみることで、新たな発見があるかもしれません。

ヤマハ|YFL-311(Eメカ付き)

初級から中級まで、長く愛用できるのがヤマハのYFL-311です。YFL-322の前モデルになりますが、このフルートはロングセラーだったため現在も愛用者が多数います。

筆者も、YFL-311をメンテナンスしながら30年以上使い続けており、手馴染みの良いフルートと感じています。

Eメカ付きなので、高音のE(ミ)も楽に吹くことができます。

ケルントナー|KFL-29

ケルントナーのフルートでもKFL-29はリングキーのタイプです。

リングキーはきちんと押さえないと音が出ないことから、上級向けと言われてきましたが、初心者のうちからリングキーに触れることで、しっかりとキーを押さえられるメリットに注目が集まっています。

カバードキーのフルートを吹いたことがある方にとっては、ケルントナーKFL-29はリングキーの体験版としておすすめのフルートです。

J.マイケル|JFL-65CE カバードキィ Eメカ付き

J.マイケルのフルートは、銀製の頭部管が特徴のフルートです。明るく強めの音が特徴のフルートです。

JFL-65CEは、オフセットカバードキーモデルですので、運指を覚えたての初心者にもおすすめの機種になっています。Eメカ付きですので、高音Eも綺麗な音でスムーズに吹けます。

フルートでは、実際にあらゆるジャンルの音楽が楽しめます。

吹き方をマスターできたら、ぜひ曲にチャレンジしてみましょう。

フルートで名曲を吹けるようになれば、一気に自信をつけることができますよ。

こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

まとめ

フルート選びでは、楽器店に足を運ぶことが多いでしょう。店員さんに強く勧められると、買わなきゃいけないのかな…?と不安になりますよね。

「まだ決められないので、試奏させてください」と言えば、良心的な楽器店ならすぐに試奏させてくれます。

フルートには、メーカーごとに音色やキーに特徴を持たせています。操作性でいうと、初心者には出しにくい高音Eの音も、Eメカ付きのモデルを選ぶことで、楽に吹けるようになります。

楽器店で試奏を言い出しにくい場合や、練習を続けられるか不安…という方は、レンタルを活用してみましょう。

フルートは最初の1音が出るまで、繰り返し練習が必要な楽器です。

相性の良いリッププレートやキーの感覚を知るためには、1週間~2週間くらい、レンタルして試奏してみるのもおすすめです。

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藤加祐子 /
ビギナーズ編集部 ライター

仙台市出身在住。フリーライター・写真家・タティングレース作家。古書店巡りとフルート演奏が趣味。仙台フィルの演奏を聴くのが自分へのご褒美です。

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