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サックスの基礎練習方法とレベル別おすすめの練習メニューを紹介

サックスの基礎練習方法とレベル別おすすめの練習メニューを紹介

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サックスは音を出すのは比較的簡単ですが、演奏となるとレベルの差が音に出やすい楽器でもあります。

サックスを上手に弾きこなすには、基礎的な練習が必要です。基礎をしっかり身につけておくと、さらに上のレベルへとステップアップできるようになります。

サックスを上手に演奏できるようにするにはどのような練習が効果的でしょうか。

ここでは、レベルアップに必要なテクニックと基礎練習について、レベル別に詳しくアドバイスします。

なお、中上級者でも初心者向けの基礎練習は大切です。

サックスを演奏するために必要なこと

サックスをかっこよく演奏するためにはどのようなテクニックや能力が必要でしょうか。ここでは、必要な技術や練習方法について分かりやすくアドバイスします。

音程が揺れない綺麗なロングトーン

サックスは息を直接吹き込んで音を出すので、吹く息の強さやスピードにより音程や音量が変わります。

つまり吹く息の量が少なかったり弱かったりすると弱く低い音になり、息を一定にしないと真っ直ぐな音が出ず、ブレてしまいます。

音を長く響かせる所謂ロングトーンは、一定に同じ音を響かせる奏法です。ロングトーンをするためには、息を安定して出す吹き方の技術が必要です。

マウスピースを通して息を吹くので、思い切り吹いても綺麗な音は出せません。口で息の吹き方を調整しながら音を出します。

このスキルは、サックスだけではなく管楽器全てにおいて必要なスキルです。

ロングトーンができるようになったら、ロングトーンに強弱をつけたりビブラート奏法を加えたりすると、より演奏の幅が広がります。

正確で的確な安定したリズム感

どのような楽器でも、音を出すだけならそれほど難しいことではありません。

しかし、曲を演奏するには音を出すだけでなく、リズムやメロディーを演奏することを身につけなければ意味がありません。

ただ吹いているだけでは、歯切れのよいメロディーやリズム感を出すことはできません。

とくにリズム感は、色々なジャンルの演奏をするためにも、また、ソロではなくアンサンブルで演奏する時にもとても重要な要素です。

サックスは、ソロ楽器としてもよく用いられる楽器なので、リズム感の良さが要求されます。特に、ジャズではソロ楽器としてアドリブを演奏する場面も多いので、より高度な演奏技術が必要になります。

リズム感が悪いと(リズムのノリが悪いと)せっかくの曲が壊れるだけでなく、アンサンブルでは他の人に迷惑がかかってしまいます。

ハッキリとした輪郭のあるタンギング

リズム感があるかどうかは、タンギングの技術がどのぐらいあるかで差が出ます。

サックスを含め管楽器はタンギングをしないと、単調なつまらない演奏に聞こえてしまいます。

タンギングを入れることでメロディーにリズム感や抑揚が生まれ、歯切れのよい演奏になります。それだけにタンギングは重要な演奏技術です。

タンギングは、舌を使って息の出方を調節して音の出方に変化をつける演奏技術です。

慣れるまではとても難しく感じますが、できるようになると色々なジャンルの曲が演奏できるようになります。

ちなみに、ここでいう「歯切れのよい演奏」とは、スタッカートやテヌートといった、演奏表現に必要な技術がされている演奏のことをいいます。

音と音の間隔が分かる音程感

鍵盤楽器は鍵盤を順番に叩くだけで音程を正確に出すことができますが、管楽器は音程を正確に出すことが難しいため、音の間隔を正確に捉えて音にする技術が重要になります。

ただ吹くだけでは綺麗な音にならず、また、吹く息の強さでも音程が変わってしまい、繊細な演奏技術が要求されます。

そのためにも自分の中に正確な音程感を身につけておかないと、吹く度に音程が変わりやすくなります。

正しい音程感には、自分の耳と安定した息の吹き方が重要になります。いつ吹いても同じ音を出すためには、日頃の練習で自分の耳と呼吸法を鍛えることが大切です。

とても単純な練習なので飽きてくるかもしれませんが、しっかりと身につけておくといつでも正確な音程が出せるようになり、メロディーラインもしっかりしたものになります。

そして、慣れてきたら別の調でも練習しましょう。

より音程感が身につき、演奏できる曲のレパートリーの幅も広がります。

初心者の方がサックスの音を鳴らすとき、きちんと音が出るか心配ですよね。こちらの記事では、サックスの吹き方を解説しています。

初心者向けの基礎練習方法

初めてサックスを演奏する人に必要な練習はどのようなものでしょうか。ここでは、初心者向けの基礎的な練習方法についていくつかアドバイスします。

なお、ここで紹介する基礎練習は初心者だけではなく、中上級者も実際に行っている練習ですので、正しく覚えておくようにしましょう。

練習前に10分間運指チェック

頭の中では運指(指使い)をしっかり覚えていても、実際サックスを手にするとスムーズに指は動かないものです。腕や指に無駄な力が入り過ぎたりして、思い通りの音は出せません。

普段の生活で指をバラバラに動かすことはあまり無いですから、サックスを演奏する時になって突然指を1本ずつバラバラに動かそうと思ってもうまくいかないのは当然です。

そのためにも、音を鳴らす前には必ず指のストレッチと運指の確認をしておきましょう。

実際にキイ(穴を塞ぐためについているボタン)に触れて指の動きを確認するのもよいですし、日頃から指を動かす習慣をつけておくと、演奏する際にスムーズにキイを押すことができます。

また、運指の練習には簡単な練習曲や、スケール(音階)を用いると楽しく飽きずに練習できます。とくにスケール練習をすると、音程感も身につきます。

スケール練習は初心者だけではなく、中上級者にも有効な練習方法ですので、何も見ないで吹けるぐらいに弾きこなせるようにしましょう。

基本のロングトーン練習

次に必要なのは息を長く続ける練習です。所謂ロングトーンのための練習です。

息を使って音を出すので、どれだけ長く息が続けられるかが大切な要素となります。

初心者は曲演奏を始める前に、吐く息を長く一定に続ける練習を多く取り入れましょう。

長く吹くためには一度に息を吹くのではなく、細く長く吹く感覚でやると安定した息が出せるようになります。

また、息を長く吹き続けるためには、口元だけの呼吸では限度があります。

お腹から息をする、いわゆる腹式呼吸を用いると、安定した息をより長く出せるようになります。

この練習は初心者だけでなく、中上級者にも大切な基礎練習ですので、最低毎日10分は行うようにしましょう。

腹式呼吸を用いる練習はサックスだけでなく、管楽器全般にも通用する練習方法ですので正しく身につけておくと便利です。

テンポ感を鍛えるスケール練習

音を一定に出せるようになったら次は、メロディー演奏の練習に入ります。

このときも、曲を演奏する前に、まずスケール(音階)の練習をして、運指や音程感の確認しておくとよいでしょう。

運指やスケールの確認をしたら同じテンポで吹く練習をします。この場合、メトロノームのように等間隔にテンポを刻んでくれるものがあれば便利です。

もしメトロノームが無い場合は、秒針のついている時計で代用できます。

さらに、演奏する曲の調(ト長調ならト長調)のスケールを事前に練習しておくと、運指がスムーズにできますし、メロディーラインも正確に捉えることができます。

スケール練習は初心者から中上級者まで使えるとても有効な練習です。

日頃から色々な調のスケールを吹けるようにしておき、新しい曲を演奏する毎にその調のスケールを覚えていくのもよいでしょう。

舌の位置を意識したタンギング練習

ある程度メロディーが吹けるようになってからの練習として、タンギング練習があります。

タンギングとは舌を使って息の出方を調節し、音に抑揚をつける、管楽器にとって少々高度ですがとても大切な演奏技術です。

タンギングは口元だけではできません。しかも、簡単にできるようになる技術でもありません。

普段から意識してタンギングの練習を取り入れていきましょう。

練習は曲に合わせてでもよいですし、曲に関係なくタンギングの練習をするのもよいでしょう。

中級者向けのサックス基礎練習方法

運指もメロディーもある程度スムーズにできるようになってからの練習には、どのようなものがあるでしょうか。ここでは、中級者向けの基礎練習の方法についていくつかアドバイスします。

強弱をつけたロングトーン練習

ロングトーンができるようになったら、次はロングトーンをしながら強弱をつける練習をしましょう。

一定に保ちながらも徐々に強弱をつけるのは、結構難しいスキルです。

この練習で、曲に抑揚をつけることで曲に深みが増し、より音楽として厚みが出ます。

クロマチックスケールの練習

初心者の段階で行うスケール練習は、全音音階(鍵盤楽器でいうと、ト長調の場合の白鍵だけを弾く音階のこと)の練習です。

中級者は、よりレベルアップして半音音階の練習を取り入れていきましょう。半音という少しだけ上下する音程をすぐに出すのは難しい技術なので、すぐに習得することは難しいです。

そのため、演奏しようと思っている曲に出てくるかどうかに関係なく、普段から練習をしておきましょう。

オクターブの跳躍練習

初心者の基礎練習で身につけた音程感を更にレベルアップして、オクターブの練習を取り入れましょう。

要するに、ドから一つ上のド、または一つ下のドといったように、離れた音程を正確に音にする練習は大切です。

ただし、キイを押すだけでは音になりません。吹き込む息の量やスピードも即座に変えることでクリアな音がでます。

練習をしたら、サックスのお手入れも定期的に行いましょう。こちらの記事では、サックスのセルフメンテナンス方法などをご紹介しています。

上級者向けのサックス基礎練習方法

一通りの奏法ができるようになった人に向けて、ここでは、上級者向けの基礎練習方法についていくつかアドバイスします。

ビブラートを意識したロングトーン練習

ロングトーンに強弱をつけられるようになったら、次はロングトーンを奏しながらビブラートもつけられるようにしましょう。

ビブラートができると、単調に聞こえるロングトーンでもメリハリのある演奏になります。

息が続かなくなったからビブラートになる訳ではありません。

肺活量が無ければ綺麗なビブラートは出せません。一定の音でビブラートを加えるという練習をします。

この場合、前に挙げた腹式呼吸を用いると、ビブラートを入れたロングトーンも難なくこなせるようになります。

ベンドアップとベンドダウンの練習

管楽器のよいところはベンド奏法がしやすい点です。

ベンド奏法とは音と音の間を滑らかにスライドさせる演奏法で、下の音から上の音へ上げる場合をベンドアップ、上の音から下の音へと下げることをベンドダウンといいます。

ただし、演奏しやすいといっても、きちんとした音程感やブレの無い息の吹き掛けができないとお粗末な演奏になってしまいます。

そのためにもロングトーンなどの基礎練習が重要になります。

おすすめのサックス基礎練習メニュー

以上、レベル別に必要な練習方法について説明しましたが、どのような順番や方法で練習すると効果的でしょうか。

毎日取り入れたい10分間メニュー

順番としては、息を吹き掛けるロングトーンの練習、音を明確に出すタンギング練習、曲を演奏する際に必要な音程感を安定させるスケール練習の流れで行うのが、一番効率のよい練習方法です。

いずれも、レベルに関係無くぜひ取り入れて欲しい基礎練習ですので、一日10分ぐらい掛けて練習しましょう。

レベルによってはロングトーンの練習やブレない音を出す練習に、強弱をつける練習やビブラートをつける練習を加えることも必要です。

自分の苦手な部分を組み合わせたメニューを考える

色々な曲を演奏していくと、メロディーや吹き方などに新しい演奏技術や難しいフレーズなどが出てきます。

曲に合わせて、苦手な部分だけをピックアップして練習すると、より効率的な練習ができます。

初心者や練習嫌いな人が陥りやすい練習方法として、どんな曲でも最初から演奏して難しいところにきたら、また最初から演奏し直す人が多くいます。

この練習法を繰り返していると、最初の方だけ上手になって、肝心な苦手部分はいつまでも克服できないままに終わってしまい、効率のよい練習方法とはいえません。

少しでも上手になりたいのであれば、敢えて苦手な部分に練習時間を割くようにしましょう。

どんな曲を演奏しても、似たような所でつまずいてしまう場合は、練習用の教材を基礎練習に取り入れるのもおすすめです。

基礎練習でサックスのテクニックを磨こう

サックスは、自分の息の加減で左右される楽器です。そのため、常に一定の呼吸や運指などを身につけておかないと、演奏する度に違う音が鳴ってしまうことになります。

それだけに基礎練習は大切ですし、どんなに上手な人でも基礎練習は行っているものです。

どんな曲でも演奏する前には準備運動のつもりで、基礎練習をすることをおすすめします。

そして、どんなに上手になっても、基礎練習は手を抜かずに必ず取り入れる習慣を、初心者の段階から身につけておきましょう。

こちらの記事では、サックス教室を比較してご紹介しています。上達を早めるためにも、レッスンやスクールを検討してみるもの良いでしょう。

ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター

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