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セルマー楽器の特徴|サックス/クラリネット/マウスピースなど

セルマー楽器の特徴|サックス/クラリネット/マウスピースなど

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『セルマー』というとサックスやクラリネットの高級メーカーのイメージがある方も多いのではないでしょうか。

購入を検討している方は、「セルマーはいいと聞くけど、特徴があるのかわからない」「セルマーのどの型番がおすすめかわからない」とお困りの方もいると思います。

今回はセルマーとはどんなメーカーなのか、セルマーのサックスやクラリネットにはどのような特徴があるのか、おすすめのセルマーのモデルをご紹介します。

セルマーとは

まずセルマーとはどのような歴史のあるメーカーなのか解説します。

セルマーはフランスで初の総合管楽器メーカーとしてこれまで歴史を作り上げてきました。その歴史は130年以上続いており、主にサックス・クラリネット・マウスピースの3つのをメインに生産をしています。

セルマーの楽器は、フランスにある作業面積20,000平方メートル工場で、豊富な知識と経験を積んだ600名の製造チームによって造られています。部品の製造から組立まで全てフランスで行われます。

セルマーの歴史

セルマーは19世紀後半にパリ音楽院で学んでいた2人の兄弟から始まります。兄弟の1人である、ヘンリー・セルマーはクラリネットを学び、やがてクラリネットだけでなく、リードやマウスピースの製造を始めます。

一方、アレクサンダー・セルマーはアメリカに渡り、クラリネット奏者として様々な交響楽団に所属していました。ヘンリーが製造していたクラリネット、リード、マウスピースをニューヨークに店を出し、販売すると、1904年のセントルイス万国博覧会において、セルマーのクラリネットが金メダルを受賞します。この出来事をきっかけに、セルマーの名前は一気に有名になりました。

セルマー兄弟がパリに戻り、1929年にサックスを生み出したアドルフ・サックスのアドルフ・サックス社を買収します。セルマー・パリ社は唯一のサックスの正式な継承者となります。

1960年から1970年代のベビーブームや学校での音楽授業の充実化により楽器ビジネスは大きく盛り上がります。この盛り上がりを利用してセルマーはサックスをはじめ、弦楽器など様々な楽器メーカーの買収を行います。1995年にセルマー・インダストリーズを設立し、世界的な総合管楽器メーカーとして名を連ねています。

セルマーのサックスの特徴

セルマーはクラリネット製造から始まったにも関わらず、どのようにしてここまでサックス産業を作り上げてきたのでしょうか。

セルマーはアドルフ・サックス社を買収しているので、サックスの正式な継承者としてふさわしいメーカーです。故にサックスの最高峰と呼ばれています。

1台の金額は高いですが、サックス奏者であれば一度は吹いてみたいメーカーです。プロから初心者まで吹きやすく、ジャズやポップスなど様々な音楽のジャンルにも対応しています。『マークⅥ』の設計を継承して造られています。

リファレンス

リファレンスシリーズはセルマーのサックスの中でも特に人気があるモデルです。デザインがモダンで独特の刻印もかっこいいです。

これまでのセルマーの技術と最先端の技術を結合したサックス造りの技術の結晶ともいえます。

リファレンスアルト

リファレンスアルトはまろやかな音で、音程も抜群の安定感があります。操作もしやすく、柔軟性も高いモデルです。

リファレンステナー

リファレンステナーは『リファレンス36』と『リファレンス54』の2種類があり、『リファレンス36』は伸びのある音色が特徴的です。『リファレンス54』は音がハッキリとしていて、芯のある真っ直ぐな音色が特徴的です。

シリーズⅢ

セルマー社が誕生して125周年の2010年に記念として発表された『Jubilee(ジュビリー)』の最新シリーズです。

『シリーズⅢ』のサックスはソプラノ、アルト、テナー、バリトンで製造されています。

全体的な特徴は『シリーズⅡ』とは異なり、ゴールドラッカー仕上げになっています。彫刻のデザインもレザーになっていたり、細かな部分にも彫刻が施されていたりと新しく、まさに新生モデルにふさわしいですね。

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また大きな改良ポイントとして『ダブルC♯キーシステム』が搭載されています。
『ダブルC♯キーシステム』とは開放時の音程補正を自動的にしてくれる機能です。オクターブレバーの横にキィが追加されています。開放時のC#音程を取り辛いというサックスの弱点を見事にカバーしてくれます。

また、サックス特有のこもる音域に対しても音の抜け感や華やかさが出るような吹奏感の改善がみられ、発売当初は話題となりました。

これまでの技術と新しい技術を取り入れていく姿勢がセルマーらしいモデルですよね。尚、『ダブルC♯キーシステム』が搭載されているモデルは現在『シリーズⅢ』のみです。

シリーズⅢ アルトサックス

『シリーズⅢ』のアルトだけの仕様変更として特徴的な点が、サムレスト/サムフックです。

それぞれ金属製になっており、全音域に対して音の伸びや響き方に安定感が出るようになっています。

シリーズⅢ テナーサックス

『シリーズⅡ』の長所を残しつつ、『シリーズⅢ』の新機能も搭載されています。

新機能によって細かな表現、豊かな音色に磨きがかかっているので、クラシックだけでなくジャズやファンクなどにも向いています。

シリーズⅢ バリトンサックス

様々な新しい機能が搭載されている『シリーズⅢ』ですがバリトンサックスにおいては、楽器の軽量化と低音域のレスポンス向上に改良が多く見られます。

軽量化に関しては、リブやボウガードなどのパーツの小型化、ネック設計の変更により音の響きを追求しています。

低音域のレスポンスに関しては、LOW-Aキィの動く向きが逆になっています。従来のLOW-Aキィでは、テーブルキィが連動し、LOW-BとB♭を同時に塞いでいました。
『シリーズⅢ』では連動するのではなく、LOW-BとB♭のアームが一緒に動くので、穴を塞ぐ密着度が格段にあがりました。

密着度が高まることにより、押さえる力も強まるので低音をさらに鳴らしやすくなっています。

シリーズⅢ ソプラノサックス

『シリーズⅢ』は1995年にソプラノサックスから発売されました。High Gキィ付きで幅広い音域の安定がみられます。音が攻撃的ではなく深みのある音色を出せるところも特徴です。

また、左手小指の低音域とC、E♭のテーブル位置も改良されています。

スーパーアクション80シリーズⅡ

『スーパーアクション80シリーズⅡ』はソプラーニ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスとセルマーの作るサックスの同属楽器全てにモデルがあります。

『シリーズⅢ』はジュビリーモデルですが『シリーズⅡ』の途中で改良されたため、『シリーズⅡ』にはジュビリー前モデルとジュビリーモデルがあります。

具体的にはネックなどのパーツの軽量化が進み、吹きやすく、音色も豊かに進化していきました。

『シリーズⅡ』ではシリアルによって進化の過程が見られるところも面白いです。是非身の回りで『シリーズⅡ』を見かけた際は、比較をしてみてください。

スーパーアクション80シリーズⅡ アルトサックス

『シリーズⅡ』のアルトサックスは、世界で最も人気があるプロフェッショナルモデルです。

クラシックだけでなくジャズやポップスにも向いており、ダイナミックな演奏ができます。アンサンブルの1stアルトとして使うと曲に深みと音色の豊かさがより表れます。

もちろん『シリーズⅢ』は新しい機能を取り入れているので良くなっていますが、変更点も多く慣れるまで時間がかかるという方もいるかもしれません。なるべく従来の設計のまま安定した音程、音域で演奏したいという方にはとてもおすすめです。

スーパーアクション80シリーズⅡ テナーサックス

最近の音楽では正確な音程が求められる時代です。その中でシリーズⅡのテナーサックスはフレキシブルでありながらも、安定した音の立ち上がり、音程を誇っています。

進化が進むにつれて軽量化も進んでおり、吹きやすくより正確な演奏ができます。

スーパーアクション80シリーズⅡ バリトンサックス

『シリーズⅢ』でび改良が目覚しいですが、『シリーズⅡ』のバリトンも負けず劣らず安定した音色を響かせることができ、人気です。

息のコントロールもしやすく、輪郭のはっきりした音を出すことができ、それでいてあたたかく、柔らかな絶妙な音色を奏でることができるので、様々な音楽のジャンルで活躍します。

スーパーアクション80シリーズⅡ ソプラノサックス

セルマー特有の丸みのある音でいながら、高音に関しては倍音が豊かになっています。息を吹き込むほどに音の深みが増し、ピッチと息の流れの正確さかなり高いです。

セルマーのクラリネットの特徴

クラリネットの中ではクランポンがやヤマハが人気ですが、セルマーのクラリネットも豊かなでハッキリとした音色が特徴で世界中で愛されています。

音が埋もれにくいので、吹奏楽での1stクラリネットやソロ演奏の際には輪郭のはっきりとした演奏ができます。

レシタル

『レシタル』の特徴は肉厚な音色です。楽器自体の抵抗も重く、息の許容範囲も広いため音量が必要な吹奏楽などでも十分な存在感があります。肉厚設計をしているため本体は通常のモデルよりも2ミリ程太くなっています。

厳選されたグラナディラを使用しているため、息を吹き込むほど、あたたかくまろやかなセルマーらしい響きを出すことができます。

シグネチャー

『シグネチャー』の音色もまた『レシタル』とは違う特徴があります。『シグネチャー』はダークな音色が特徴的でオーケストラなどに向いています。

芯があり、よく響き渡る音色はセルマーならではです。コントロールもしやすいと定評があります。

『レシタル』ほどではないですが楽器自体の抵抗も強めなので、プロフェッショナル用といえるでしょう。

プリヴィレッジ

様々な音楽団のクラリネット奏者たちの意見も取り入れつつ進化してきたセルマー社のクラリネット。『プリヴィレッジ』はパリ管弦楽団首席クラリネット奏者でフランス国立パリ高等音楽院教授のフィリップ・ベロー氏と、パリ・オペラ座管弦楽団首席クラリネット奏者ジェローム・ベレージュ氏の協力により生み出されました。

クラリネットの弱点とも言われる低音域の安定性、キーデザインの変更による指使いのしやすさに革新的な改良がみられます。

プレザンス

『プリヴィレッジ』の長所を継承しつつ、新しい技術を取り入れパワーアップしたのが『プレザンス』です。

他のモデルと比べても低価格で手に入れやすく、人気があります。

低価格といえども『プリヴィレッジ』の技術を取り入れているため、高音でも太くまとまりのある音色を出すことができます。また低音の響きにも定評があります。

プロローグ

『プレヴィレッジ』や『プレザンス』の技術を継承しながら、セルマーの最先端の技術で造り上げられた『プロローグ』はクラリネットの中でも最高峰といってもいいほどです。

ただし、新技術を取り入れているからこその注意もあり、銀メッキの手入れには気を遣わなくてはなりません。メッキの保護を強化したことから研磨剤や研磨剤入りのクリーニングクロスは使用ができません。保護膜が剥がれてしまいます。

セルマーのマウスピースの特徴

セルマーは様々な楽器アクセサリーを発表してきましたが、中でも人気があるのがマウスピースです。マウスピースはセルマーにとって最初に製造を始めたものです。

マウスピース造りのために長い年月をかけ、楽器の響き方に関する知識を身につけてきました。今日においてもその技術は進化し続けているため、世界中のサックス、クラリネット奏者が愛用しています。

セルマーのアクセサリーの特徴

セルマーのアクセサリーはマウスピースだけではありません。ケース、リガチャー、ネックなど人気のアクセサリーが様々あります。

特にリガチャーはマウスピースに続いて人気が高いです。リードの振動を直接そのまま楽器に伝えることにこだわりぬいたものばかりです。種類も豊富でスタンダードから音の立ち上がりの良いゴールドプレート、ふくよかな音色が美しいシルバープレートなどがあります。

まとめ

サックスを代表する『セルマー』の歴史や特徴は長年のこだわりが詰まっていて、サックス奏者なら誰もが一度は憧れますね。

ただ、セルマーの始まりはクラリネットやマウスピースであることも意外だったと思います。

それぞれのメーカーの歴史を知ると楽器の選び方や演奏の仕方、使い方も変化してきます。知ることによってより楽器を楽しむことができますね。

ビギナーズ編集部 /
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