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西加奈子作品のおすすめ20作品を紹介!魅力と選び方についても解説

西加奈子さんのおすすめ作品と魅力・選び方を紹介します。2004年に『あおい』でデビューし、数々の作品を世に出してきた西加奈子さん。2015年には『サラバ!』で第152回直木賞を受賞しています。独特な世界観や、ユーモアのある表現が魅力です。
西加奈子作品のおすすめ20作品を紹介!魅力と選び方についても解説

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2004年に『あおい』でデビューし、数々の作品を世に出してきた西加奈子さん。

テヘランで生まれ、小学生までカイロで過ごした後に大阪へ移りました。2015年には『サラバ!』で第152回直木賞を受賞しています。

独特な世界観や、ユーモアのある表現が魅力です。今回はそんな西加奈子作品の魅力・選び方と、おすすめの20作品を紹介します。

西加奈子作品の魅力

全体として明るくやさしい雰囲気の作品が多く、読むと元気をもらえるのが特徴です。また、独特の観点や文章のリズムも引き込まれる魅力があります。

日常をテーマにした物語が多くみられるため、感情移入しつつ楽しめるでしょう。

その一方で、難しく考えさせられるテーマが扱われることもあります。小説だけではなく、エッセイや絵本も魅力的です。

エッセイは、『ごはんぐるり』や『この話、続けてもいいですか。』などユーモアあふれる視点から日常が切り取られています。

『めだまとやぎ』などの絵本は文章だけではなく、かわいらしいイラストも西加奈子さんが描いたものです。子どもだけではなく、大人でも楽しめる作品を展開しています。

西加奈子作品の選び方

数々の作品が発表されている中で、どの本を選べばよいか迷ってしまうかもしれません。

物語の内容によっては、途中で断念してしまう可能性もあります。

そのため、少しでも自分に合った作品を選ぶことが大切です。

そこで、西加奈子作品の選び方を紹介します。

映画化された作品から選ぶ

『きいろいゾウ』や『漁港の肉子ちゃん』など、映画化された作品があります。

小説とは違った観点から、物語を楽しめるのが魅力です。映画を観てから小説を読むと、より世界観に没頭できるかもしれません。

文学賞受賞作品から選ぶ

文学賞を受賞した作品から選ぶのもおすすめです。

西加奈子さんは、2007年に『通天閣』で織田作之助賞大賞を受賞しました。2015年には『サラバ!』で第152回直木賞を受賞し、話題に。

同作は第12回本屋大賞の2位にもランクインしています。

『ふくわらい』も、第10回本屋大賞の5位にランクイン。

書店員の投票で決まる本屋大賞は、より読者に近い感覚で選ばれます。

短編・長編から選ぶ

様々な物語を楽しみたい人には、短編がおすすめです。

長編は読み終えるのに時間がかかるため、短期間で複数の作品に触れたい場合にはあまり適していません。

一方で、長編は物語に没頭しやすい点が魅力です。短編集には『しずく』や『おまじない』があります。

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西加奈子さんのおすすめ作品20選

西加奈子さんのおすすめ作品を紹介していきます。デビュー作から最新作まで、幅広い作品を時系列でピックアップしました。

西加奈子作品を選ぶ際の参考にしてみてください。

あおい(2004年)

表題作のほかに「サムのこと」「空心町深夜2時」の2編が収録されているデビュー作です。

表題作は、お腹に変な地図を彫った3歳年下の学生・カザマくんと同棲する女性が主人公。日常を切り取ったようなラブストーリーです。

著者の原点となる作品に触れたい人は、チェックしてみてください。

さくら(2005年)

2020年に映画化され、北村匠海・小松菜奈・吉沢亮さんが3兄弟を演じました。散り散りになってしまった家族と、「サクラ」と名付けられた老犬が繰り広げる物語です。

2020年には、映画をもとにした漫画も発売されました。ほっこりしたい人や、前向きな気持ちになりたい人にぴったりです。

きいろいゾウ(2006年)

2013年には映画化も果たし、宮崎あおい・向井理さんが主演を務めました。

売れない小説家のムコと、生き物の声を聞く力をもったツマ。そんな若夫婦を中心に描かれる物語です。

ある出来事をきっかけに、夫が背中のタトゥーに導かれ1人で東京へ行くことになります。切なくもあたたかいラブストーリーを探している人におすすめです。

通天閣(2006年)

著者の4作目となる長編小説で、第24回織田作之助賞を受賞しました。

通天閣の周辺で暮らす男女の日常を、鋭い視点で描いています。絶望的な人生に、明かりが灯っていくストーリー。

ポジティブな気持ちになりたい人におすすめです。

通天閣をKindleで読む

しずく(2007年)

表題作のほかに「ランドセル」や「灰皿」などの5編が収録されています。表題作は、恋人同士の同棲をきっかけとして出会った2匹の雌猫の物語です。

読みごたえのある短編小説を読みたい人は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。

窓の魚(2008年)

ある温泉宿に泊まる2組の恋人たち。

4人それぞれの視点から、物語が進んでいきます。翌日、宿で1人の死体が見つかることに。

どこか不気味な世界観に浸りたい人におすすめです。

うつくしい人(2009年)

周りの目を気にして生きてきた主人公・百合。そんな彼女は些細なミスをきっかけに、会社を辞めることに。

衝動的に向かった離島のホテルで、デリカシーのないバーテンダーとドイツ人と出会います。

主人公が回復していく物語に癒されたい人は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

きりこについて(2009年)

「きりこは、ぶすである。」という印象的な最初の一文に引き込まれます。

人間の言葉がわかる黒猫を拾った「きりこ」が、誰もがもつコンプレックスを少しずつ肯定し成長していく物語です。

ユーモアあふれる文章が魅力で、名言もあり心動かされる内容となっています。

自分を肯定し、ポジティブな気持ちになりたい人におすすめです。

炎上する君 (2010年)

表題作は、バンドを組んでいる女性2人が「足が炎上している男」の噂を確かめる物語です。著者のもつ独特な世界観が広がる、表題作を含めた全8編構成の短編集。

様々な物語を読み進めたい人や、巧みな比喩表現・発想力に触れたい人ぴったりです。

白いしるし(2010年)

傷付くことを恐れ、恋愛を避けていた32歳独身の夏目。

間島の絵を見たことで再び恋に目覚め、翻弄されていきます。コントロールを失ってしまう恋愛のリアリティが詰め込まれた作品です。

全身全霊の恋愛を描いた小説を探している人は、手に取ってみてはいかがでしょうか。

円卓(2011年)

2014年に、芦田愛菜さん主演の映画が公開された作品。

狭い公団住宅で暮らす主人公・こっこは、小学3年生で8人家族の一員です。こっこの不満や悩みにあふれた日常をユーモアな言葉で紡ぎ、成長していく姿を描いています。

周囲との価値観の違いに悩んでいる人や、元気を出したい人におすすめです。

漁港の肉子ちゃん(2011年)

2021年6月に、明石家さんまさんの企画・プロデュースによって劇場アニメが公開された話題作です。

港町に流れ着いた肉子ちゃん母娘と、人々の交流を描いたやさしい世界観の作品。肉子の憎めない人柄に、笑いと勇気をもらえる内容となっています。

あたたかい気持ちになりたい人にもってこいです。

ふくわらい(2012年)

書籍編集者の主人公は、幼いころの旅先で特異な体験をしたことで世間との壁をつくります。

そんな不器用な主人公が、人々との交流の中で世界との接点を紡いでいくストーリー。

強烈なキャラクターが登場するユーモラスな設定も魅力です。非日常的で奇抜な世界観に浸りたい人は、チェックしてみてください。

ふくわらいをブックライブで読む

舞台(2014年)

29歳の主人公・葉太はガイドブックを丸暗記し、初の海外旅行でニューヨークを訪問。

しかし初日に荷物を盗まれ、早々に無一文となってしまいます。

自意識過剰な葉太は、平静を装うものの苦しむことに。譲れないプライドが旅を難航させていきます。

自分探しをテーマとした作品に関心のある人に、うってつけです。

サラバ!(2014年)

2014年に発売され、翌年には第152回直木賞を受賞し話題となった作品です。

父の赴任先であるイランで生まれた主人公の歩は、国の事情で日本に帰国するものの学校で馴染めず孤立してしまいます。

そんな中、父のエジプトへの赴任が決まります。ヤコブという少年と出会い、成長していく主人公を描いた物語です。

エネルギッシュでユニークな小説が好きな人は、読んでみてはいかがでしょうか。

まく子(2016年)

2019年に映画化を果たした作品です。

主人公の小学生・ぼくは大人になることへの怖さや葛藤を抱きつつも、転校生の女子と出会い変わっていく物語。

誰もが経験する子どもから大人への成長を描いたストーリーに引き込まれます。子どもだけではなく、大人にもおすすめです。

i(2016年)

シリアで生まれ、アメリカ人の父と日本人の母のもとで養子として何不自由なく育てられた主人公・アイ。

貧困・テロ・紛争などのさまざまな国際問題が世界で起こる中で、アイはそれらの悲劇に感情移入し悩み続けます。

さまざまな出会いを通じて、1人の女性が苦しみながら自己と向き合っていく物語です。

アイデンティティや多様性について少しでも考えたことのある人は、手に取ってみてください。

おまじない(2018年)

2018年に刊行された、8人の女性にまつわる話をまとめた短編集です。年齢や境遇が異なる彼女たちを救った「おまじない」。

悩める女性の背中を押してくれるような魔法の言葉が詰まった作品です。

元気な気持ちになりたい人は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。

おまじないをブックライブで読む

夜が明ける(2021年)

主人公と、高校の同級生・アキの2人が33歳になるまでの友情や成長が描かれています。現代社会における、目を逸らすことのできない数々の問題を扱っている作品です。

夜が明けるように、絶望の中から希望を見出していきます。心揺さぶられる作品を読みたい人は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。

まにまに(2015年)

鋭い洞察力で日常をユーモアに描いたエッセイです。著者の6年分のエッセイが収録されています。

笑いたい人や、著者の人となりに触れたい人にもってこいです。

西加奈子さんのおすすめ作品を読んでみよう

西加奈子作品の魅力・選び方とおすすめの20作品を紹介しました。

これから読書を趣味にしたい人は、西加奈子さんの作品から試してみてはいかがでしょうか。

気になった作品があれば、手に取ってみてください。

おすすめな小説がもっと知りたい方は、本屋大賞の歴代ノミネート作品をご紹介した記事をあわせて読んでみてください。

ヒロキタナカ /
ビギナーズ編集部 tanaka

大学院を修了後、IT業界を経て独立。選書サービスやWebメディアを運営する傍ら、ライターとしても活動しています。趣味は読書やサウナです。

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