更新
ドラムにも譜面は必要?楽譜が読めなくてもいい?
※当記事はアフィリエイト広告を含みます。
ロックをはじめ、ポピュラーミュージックの演奏を楽しんでいる方の中には、“楽譜を全く読めない”人も少なくありません。
特にロック系の音楽においては、譜面通りに演奏することよりも、感覚的なインプロビゼーション(即興演奏)が重視される傾向にあります。
プロとして活躍しているアーティストであっても、譜面を読めないケースは少なくありません。
しかし、譜面を読めることのメリットは実に多いものです。
譜面とはいわば、楽曲の構成や演奏法を人に伝えたり、正確に理解してもらうための伝達手段です。
知らない楽曲を演奏する際にも、譜面が読めれば効率的な曲の理解に繋がりますし、より正確な表現を可能とします。
そんな譜面ですが、どのような楽器にも存在しており、それは打楽器であるドラムも例に漏れません。
その一方、ギターやベース、キーボードなどに比べると、明確な音階がないため軽視されてしまいがちです。
そもそも本当に、ドラム演奏に楽譜は必要ないのでしょうか?
今回はさまざまな角度から、ドラムの譜面について考察していきたいと思います!
目次
ドラムは耳コピと感覚だけでプレイできる?
よくドラムは「耳コピと感覚だけでプレイできる楽器」といわれます。
事実、人によってはその音を聴くだけで正確無比にリズムや構造を理解し、叩くことができるかもしれません。
しかし、初心者の方が耳だけでドラムプレイを把握するのは困難といえます。
アマチュアドラマーを中心に、理解できている“つもり“、叩けている“つもり”になっているケースは少なくありません。
ドラムプレイには無限のパターンがある
同じリズムであっても、ドラムという楽器の表現にはさまざまなパターンがあります。
細かい部分まで突き詰めると、シンプルなエイトビートであっても、その表現方法は無限に広がるものです。
ビート毎の細やかな違いを耳だけで聴き分けるのは実に困難なことといえます。それは熟練者であっても同じです。
ましてや、まだまだパターンの引き出しが少ない初心者の方ならば、正確に聴き分けるのはほぼ不可能だといっていいでしょう。
そうなれば、曲に合わせて何気なく叩けたとしても、“正確にコピーできている”とはいえないものです。
「そこまで忠実にコピーする必要があるの?」と思われる方かもしれませんが、あらゆるパターンのリズムを感じることで、自分の引き出しがさらに広がります。
それを自分のモノにできれば、ドラマーとしての表現力を引き上げることができるのです。
譜面を見れば聞き取りにくいパターンも理解しやすい
耳だけでリズムパターンを聴き取れない場合、必要となってくるのが譜面です。
譜面をみれば、楽曲の構造はもちろん、どのように演奏すべきなのか、正確に把握することができます。
人間の耳は案外いい加減なもので、知らないパターンのリズムであっても、頭の中で自分の引き出しに存在するパターンに変換しているものです。
そこで、譜面を読むことさえできれば、気づかぬ内に起きている脳内の変換を防ぐことが可能になります。
そのタイミングで、新たなパターンの引き出しをもうひとつ増やすことができるのです。
譜面を見ることで曲を覚えやすくなる?
お気に入りの曲をコピーする際、一度に楽曲を覚えられないという方も多いのでしょうか?
楽器演奏における重要要素のひとつに、「感覚」があります。
特にドラムの場合は、何度も叩いてリズムを体で覚えることが大切です。
一方、早く曲を覚えるためには「頭」でフレーズを理解することも忘れてはなりません。
譜面は書き込まれている記号により、楽曲を深く理解するためのものです。
セクション毎の細かやかなフレーズを一つひとつ見て覚え、頭で理解すると、より曲を覚えやすくなります。
また、ドラム演奏上達のためには、耳コピ通じて “感覚で演奏できる”ことも求められます。
譜面をみて頭の中で理解し、リズムを身体で覚える。この2つを同時にこなせると、ドラマーとしてのレベルアップに繋がります。
可能であれば、初心者の内からこの2つの要素を磨くようにしましょう。
特に譜面の読み書きは、慣れるまでは少々大変に感じられるかもしれません。
できるようになれば、早い段階で初心者から抜けられるはずです。
自分で譜面を書けるようになるメリット
譜面が読めるようになれば、ドラム以外の楽器においても強い武器となります。
実際のところ、読めるだけでも十分なのですが、さらなるステップアップを目指したいのであれば、譜面を自分で書くことにもチャレンジしてみましょう。
実は、譜面の書き込みには多くのメリットがあるのです。
譜面を書くというと、誰かに自身が作曲した曲やフレーズを伝えることをイメージする方が多いかもしれません。
もちろん、譜面には伝達の役割もあるのですが、それ以上に重要なポイントがあります。
自分が叩いているフレーズの構造を、“リアルタイムで理解”できるという点です。
自分がまさに今、どのようなリズム・フレーズを叩いているのか把握できると、リズムを刻みながら複雑なフィルを入れたとしても、フィニッシュに迷いがなくなります。
それに併せて、ほかの楽器との関係性についても理解しやすくなるでしょう。
実際に練習の合間を縫って、譜面に書き込んでいくと、「ここはこのフレーズに変更した方がベースを活かせる」といったアイデアが浮かぶようになります。
もちろん、その場で閃いたアイデアを、形として記録できるのもポイントです。
また、ドラムの演奏と直接関係があるわけではありませんが、MTRやDTMを用いたドラムの打ち込みに有利となりますので、ちょっとしたアドバンテージにもなります。
譜面の書き込みはリズム・フレーズを創造し、記録して残すための訓練となるのです。
まずは、いつも叩いている曲の譜面をチェックすることからはじめてみましょう。
譜面だとどのような風に表記されているのかを確認できたら、次は書くことに挑戦です。
譜面の書き込みはコツさえ掴んでしまえば、それほど難しい作業ではありません。
譜面の異なる楽譜があるのはどうして?
同じ曲の楽譜であっても、出版社によって譜面が異なるケースは少なくありません。ここでは、その理由についてお話します。
実は、市販されているバンドスコアには2種類存在しているのです。
1つは、アーティスト本人が監修しているもので、もう1つは、第三者が耳で聴き取って採譜したものです。
前者は実際に演奏している本人が監修していますので、正確な譜面である可能性が高くなります。
それに対して後者は、あくまでも採譜したスコアですので、リズム・フレーズの誤りが目立つケースも少なくありません。
いずれにしても、正確無比なロック・ポピュラーミュージックのバンドスコアはそう多くありませんので、あくまで参考程度に留めておくのが無難でしょう。
自分の耳で確認したり、ライブ動画で演奏を観察することも大切です。
もちろん、演奏できないほど大きく間違っているバンドスコアは流通していませんのでご安心ください。
また近年では、インターネット上で楽譜を無料公開するサイトが増えています。
しかし、楽譜にも著作権があり、中には無断で掲載されているケースもあります。当然これは違法ですので注意しましょう。
逆にJASRACなどを経由し、正規の手続きを経て掲載しているサイトであれば問題ありません。
もし、ネット上で楽譜を確認したいのであれば、この点を必ずチェックするようにしてください。
ドラムの楽譜の読み方
それでは、具体的なドラム譜面の読み方をご紹介したいと思います。
ドラムの場合、譜面はそれほど複雑なものではありません。基本的なことを覚えてしまえば、すぐに読めるようになるでしょう。
ドラムセットの各部の名称を改めて確認!
改めて、一般的なドラムセット各部の名称をおさらいしておきます。
バスドラム
一般的なドラムセットにおいて、もっとも大きなドラムがバスドラムです。キックペダルを使って叩きます。
フロアタム
バスドラムの次に大きなドラムで、床に置いているタイプのものがフロアタムです。右利きの方の場合、演奏者から見て右側に置くのが一般的になっています。
スネアドラム
演奏者の目の前にスタンドで設置するのがスネアドラムです。いわゆる小太鼓で、裏面のヘッドにスナッピーと飛ばれる響線が装着されています。
タム
バスドラムの上部に設置されるドラムです。セットによっては口径の異なるものを2つ以上設置することもあります。
ハイハット
右利きの方の場合、演奏者の左側に専用のスタンドで設置する2枚構成のシンバルです。
シンバル類
スタンドを用いて設置されるハイアット以外のものの総称です。ライドシンバルやクラッシュシンバルなど、いくつかの種類があり、それぞれ効果が異なります。
ドラムの譜面はどのように読む?
ドラムの譜面は上記のように記載されます。ほかの楽器ではあまり見なれない記号も使われますが、基本さえ覚えてしまえば、すぐに読めるようになるでしょう。
一般的な8ビートを譜面にするとこのようになります。
実際に眺めてみると、思ったよりも直感的に読めることがわかるはずです。
ロックやポップスなどの場合、これらの基本を覚えることで、ほぼ全て曲の譜面が読めるようになります。
ある程度慣れてくれば、自分で書くことができるようになりますよ。
まずは記述の基本を覚えた上で、できるだけたくさんの譜面を読み、記号を書いてみてください。
譜面が読めればもっと上達することができる!
冒頭でもお話した通り、譜面が読めないからといって、絶対にドラムを叩けないということはありません。
しかし、譜面さえ読めるようになればドラマーとして、そしてミュージシャンとしての可能性が広がります。
「ドラムには楽譜は不要!」と決めつけるのではなく、あなたも今一度、楽譜に触れてみてはいかがでしょうか?
譜面が読めるようになったら、実際にドラムを使って練習することが必要になります。
基礎練習はドラムの上達には欠かせません。何度も練習してリズムを体で覚えましょう。
基礎練習法について詳しく知りたい方や初心者の方は以下の記事も参考に自分の練習を始めましょう。
また、ドラムスティックの持ち方や基本的な叩き方を知りたいという初心者の方は以下の記事をチェックして実際にドラムやスティックを使用して練習を始めましょう。
ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター
ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター