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自宅で遊べるリアル脱出ゲームとは?その魅力や制作の裏側をSCRAPの制作陣に聞いてみた!

※当記事はアフィリエイト広告を含みますが、情報の正確性・公平性には影響しません。
リアル脱出ゲームは外へ出かけて楽しむというイメージも強いですが、最近は自宅にいながら楽しめることをご存知でしょうか。
今回はリアル脱出ゲームを制作している株式会社SCRAPにインタビューを行い、「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」についてお聞きしました。
本記事では制作陣の方々から企画の生まれた背景や、その魅力についてのお話を交えながら、初心者の方にもおすすめの脱出ゲームを多数ご紹介していきます。
「リアル脱出ゲーム」とは?

「リアル脱出ゲーム」とは、参加者が様々な物語の主人公として謎やパズルを解き、ストーリーのクリアや脱出を目指す体験型イベント。
人気アニメや漫画作品とのコラボイベントも多く、作中のキャラクターや世界観へ没入できる体験が作品の新たな楽しみ方として近年人気を博している。
全国14箇所にある常設店のほか、遊園地や野球スタジアム、地下鉄など、様々な場所で体験可能。
今回お話を伺った方

株式会社SCRAP 広報担当 伊藤さん
SCRAPの製品・イベント・店舗の広報・宣伝を担っている。
今回の取材ではネタバレ厳禁な「リアル脱出ゲーム」の宣伝の裏話も。

SCRAP出版 編集長 大塚さん
SCRAPの出版部門、謎専門出版社 SCRAP出版の編集長。
「謎」を活かし、他社ではできないような謎に関する書籍を制作している。

商品企画部 マネージャー 田口さん
自宅でできるリアル脱出ゲーム、いわゆる「持ち帰り謎」の企画・制作を担当。
毎月謎が届くサブスク「Mystery for You」のプロデューサー。
インタビュアー

ビギナーズ ショッピング担当/きゃろ
毎週のように謎を解いている謎解きマニア。
リアル脱出ゲームの常設店で働いていたことも。

ビギナーズ ゲーム担当/わかさん
2017年からさまざまな業界のライティング・企画制作に携わる。
現在はビギナーズにてゲームカテゴリを担当。
目次
自宅で遊べるリアル脱出ゲームとは?

「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」とは、時間や場所を選ばずに遊べる、リアル脱出ゲームの形式の一つです。
今回は書籍型、キット型の2種類を詳しく紹介していきます。
「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」の魅力
—— 制作側から見る「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」の魅力とはなんでしょうか。
田口さん:(以下田口)
一言で言うなら「手軽な謎解き」が魅力かなと思いますね。
場所も時間も選ばない、かつプレイ人数も決まってないので、「初めてだから友達と遊びたい」「家族とワイワイ遊びたい」っていう人もできますし、逆に1人で集中して遊ぶこともできます。
「自分のニーズに応じて遊ぶことができる」というのはかなり魅力的だと思います。
大塚さん:(以下大塚)
僕も、今田口が言ったことに尽きると思います。自分のスタイルに合わせて遊べる。
あと「リアル脱出ゲーム」というイベント会場に入るのは、初心者の方だと少し怖いんじゃないかと思うんですよね。変な部屋に連れていかれて、閉じ込められて…みたいな(笑)。実際には怖くはないんですけど。
リアルイベントの「リアル脱出ゲーム」よりもさらに気軽に自宅で遊べるので、初めて遊ぶにはいいと思います。
伊藤さん:(以下伊藤)
地方にお住まいの方やリアルイベントに参加できない方に対しても、リアル脱出ゲームや謎解きの楽しさ、物語体験をお届けするという意味で結構大事な役割を持ってると思っています。
「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」の種類
書籍型
書籍型とは、本を読み進め、物語の中に現れる謎や暗号に挑戦していくタイプのリアル脱出ゲームです。
謎やパズルをとことん楽しめる謎解きゲーム集をはじめ、小説の中に張り巡らされた謎を解くことで更なる展開を読めるノベル、選択によって物語の展開が変わるゲームブックなど、様々なバリエーションがあります。
通勤時間や寝る前のリラックスタイムなど、ちょっとした空き時間を利用して気軽に楽しめるので、初心者の方にもおすすめです。
The Only 1

- あらすじ
小説史上初、衝撃のラスト1ページ。
謎を解くことで物語が完成する「究極の体験型ミステリ小説」。
魔法使いを目指す少女のファンタジーな冒険譚を追うことで、あなたは本当の物語にたどり着く。
ゲーム名 | リアル脱出ゲームノベル The Only 1 |
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価格 | 本体2,000円+税 |
販売場所 | 全国書店 Amazon リアル脱出ゲーム常設店 SCRAP GOODS SHOP |

文字やページが逆さまだったり、抜け落ちていたり…なんだこの本は!と思いながらも、どんどん引き込まれていきます。
「衝撃のラストページ」という宣伝文句に偽りなし、新たなミステリを味わいたいあなたにおすすめです。
ミステリー写真集 人が消える街

- あらすじ
熱海の風景を写したごく普通の写真集。ところがこの写真集をめぐり、奇妙な失踪事件が起きていた——
写真を見比べたり、掲示板を駆使して謎を解き、のどかな風景に隠された数々の事件の真相に挑む。
ゲーム名 | ミステリー写真集 人が消える街 |
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価格 | 2,860円(税込) |
販売場所 | 全国書店 Amazon リアル脱出ゲーム常設店 SCRAP GOODS SHOP |
キット型
キット型とは、店舗やウェブサイトで購入したゲームキットを用いて遊ぶ形式のゲームを指します。
パズルやアイテムを用いてストーリークリア・脱出を目指すもののほか、好きなタイミングで遊べる「オンラインリアル脱出ゲーム」など、遊びたいスタイルに合わせてゲームを選べるのが魅力です。
夜の幽霊アパートからの脱出

- 商品説明
気が付くとあなたは、古びた奇妙なアパートの前にいた。
なぜか興味を惹かれるその建物へ入るためには、どうやら謎を解かなければいけないらしい。
手のひらサイズの箱型のキットと専用ページを用いて、アパートに隠された秘密を解き明かせ。
ゲーム名 | 夜の幽霊アパートからの脱出 |
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価格 | 3,980円(税込) |
販売場所 | Amazon SCRAP GOODS SHOP リアル脱出ゲーム常設店 |
アルバム復元パズル 空白の記憶と思い出の写真

- 商品説明
剝がされた写真をはめてアルバムを復元し、失われたあなたの記憶を取り戻すパズルゲーム。
自分と共に幸せそうな笑顔で写真に写る、見覚えのない女性。
足取りを追った先に再会した彼女の態度は、アルバムの姿とはまったく違った——
ゲーム名 | アルバム復元パズル 空白の記憶と思い出の写真 |
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価格 | 2,800円(税込) |
販売場所 | Amazon SCRAP GOODS SHOP リアル脱出ゲーム常設店 |
SCRAPが語る「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」の魅力とは

—— 「脱出ゲーム」と聞いたとき、実際に閉じ込められたり巨大迷路を走ったりといったリアルイベントを想像する人も多いと思うのですが、「自宅で遊べる脱出ゲーム」というものをひらめいたきっかけは何ですか?
田口:
実は、自宅で遊べる脱出ゲームという形式は、書籍やグッズの形で前々から存在していました。それらが爆発的に売れ、ラインナップが増えたのはコロナ禍がきっかけですね。
コロナ渦まっただ中の頃、SNSでリアル脱出ゲームに参加できないお客様達の「脱出ゲームに行きたいよ〜」という声を見かけたとき、今こそ自宅で遊べるリアル脱出ゲームを提供しよう!と思い至りました。
—— 私も当時はイベントに行けず、恋しい思いをしていた一人なので、自宅で遊べるリアル脱出ゲームの存在はとても嬉しかった覚えがあります。その頃、オンライン会議ツールを使ったリアル脱出ゲームもありましたよね?
田口:
2人で遊ぶ『ある2つの通信基地からの脱出』はZoomを使ったゲームですね。SCRAPがコロナ禍中にリリースした、一番最初の作品でした。
自宅で遊べる脱出ゲームを数多く出すきっかけにもなった、思い出深い一作です。

▼ 2020年に発売された「ある2つの通信基地からの脱出」。
人気芸人であるサバンナの高橋茂雄さんとのコラボ作品ということもあり、当時話題に。
—— 皆さんが手がけてきた脱出ゲームには、オンラインで遊べるブラウザゲームはもちろん、オフラインで遊べる書籍型・キット型など、さまざまな媒体がありますよね。遊ぶ媒体にこだわらないのは、あえての戦略があるんでしょうか?
田口:
いろいろな媒体で展開する一番のメリットは、時間や場所、人数を選ばず、好きなタイミングで楽しめるというところなんですよね。
僕たちとしては、より多くの人に遊んでほしいという思いから、色々な形式で遊べるゲームを作っています。
そんな中での商品作りのこだわりは、やはり「自宅でも変わらず物語体験への没入感や厚みを味わえるかどうか」です。
自宅で遊べるキットを作るときも、みなさんが手に取った際の「手触り感」を特に大切にしています。
自宅でリアルな犯罪捜査が体験できる!「DETECTIVE X」シリーズとは?

—— 自宅で楽しむ脱出ゲームといえば、SCRAPの「DETECTIVE X」シリーズが人気を博していましたよね。「家でリアルな犯罪捜査ができる」「捜査キットが本物すぎる」とSNSでも話題でした。
このヒット作について、製作者から見た魅力をお聞かせください。
大塚:
やっぱり、なんといっても本物の警察がやるような捜査体験を自宅でできるという「リアルな捜査体験」だと思います。
キット中の資料も実際の警察資料の書式に則ったり、コピー用紙のインクのカスレをあえて演出として入れたりとか。物語への没入感を上げるため、本当に犯罪の捜査をしているような感じを意識してキットを作りました。
小説家の持ち込み企画として始まった作品
—— 「DETECTIVE X」の制作のきっかけをお聞かせください。
大塚:
この企画はもう、小説家の道尾秀介先生の提案から始まったといっても過言ではないですね。
以前からお付き合いのあった道尾先生が、ある日の企画会議で「こういうのをやりたいです」と提案してくださったのが今回の「本格犯罪捜査ゲーム」でした。
—— 道尾秀介先生が発案者だったんですね!私も実際にプレイしましたが、謎解き好き・ミステリ好きのどちらも非常に満足できる魅力的なゲームでした。「DETECTIVE X」には、勝手ながら道尾先生がお好きな「Case File Game(以下「捜査ゲーム」)」にも通ずる雰囲気をお見受けしました。
Case File Gameとは
キットの中に入った捜査資料を元に事件の犯人を推理する海外のボードゲームのジャンルの名称。
派生作品が多いため、「Mystic Game」「Murder Mystery Game」などの別名で呼ばれる場合もある。
大塚:
道尾先生自身が、海外から色々な捜査ゲームを数十個取り寄せて遊ぶほど、それはもう大好きらしいんです。もう夜も眠れないくらいずっとずっと考えているそうで(笑)
先生が捜査ゲームをプレイするときは、かなり考え込んだ後にようやく閃いて、また謎にぶち当たって、またずっとずっと考えて、ようやくひらめいて…寝て、起きて、捜査を進めて…を繰り返す生活をしているとおっしゃってましたね。
—— そこまでお好きだとは存じあげなかったです!(笑)
大塚:
本当にすごくはまっていたらしいんですが、道尾先生が言うに「既存の捜査ゲームには物語がない」と。
僕も海外の捜査ゲームをいくつかやってみたんですが、確かに事件が割と淡々と進んでいくんです。端的に言うと「登場人物たちのキャラクター性やドラマが伝わってこないな」という感想ですね。
そこから「この捜査ゲームに道尾先生ならではのストーリーを加えたら、すごい面白いものができるんじゃないか?」と思い、企画会議の場で「じゃあやりましょう!」と即決して「犯罪捜査ゲーム」の企画がスタートしました。
「犯罪捜査ゲーム」というジャンルを確立したDETECTIVE X
—— 当時は日本であまり馴染みのないゲームをリリースする、という想定だったとのことですが、「DETECTIVE X」はどんな風にプレイヤーに対して認知を広げていけたのでしょう?
伊藤:
このゲームに似た作品、いわゆる「◎◎ライク」のような「◎◎」がないので、「このゲームに何と名前をつけるか?」という内容はチーム全員で相談しましたね。
商品としてはやはりキットに入った資料のリアルさがウリだったので、ストレートに「自宅でできる超本格的犯罪捜査体験」というコンセプトが一番に届くようにしました。
大塚:
「犯罪捜査ゲーム」っていう名称も、我々でこうしようって決めたんですよね。
伊藤:
そうでしたね。当時はこういうゲームを示す日本語がなかったので。
—— 「犯罪捜査ゲーム」というジャンルを確立したのが「DETECTIVE X」だったのですか?
大塚:
事実上そうですね。
海外の捜査ゲームの紹介を見ると、だいたいが「マーダーミステリー」とか書いてあるのですが、日本だとこれはまた別のジャンルのゲームになってしまうんです。
なのでその名称が使えない代わりに、このゲームを指す名称は何がいいかというのを考えて「犯罪捜査ゲーム」と名づけました。ありがたいことに、いまや「犯罪捜査ゲームといえばDETECTIVE X」みたいになりましたね。
—— なりましたね…!
大塚:
ちゃんと意図した通りになってよかったです(笑)
伊藤:
「DETECTIVE X」を広めるにあたって、まず「ゲームマーケット」というアナログゲーム即売会に出展しました。
先行発売という形でたくさんの方に遊んでもらった結果、みなさんわあっと盛り上がってくれて(笑)
ゲームマーケットとは
アナログゲームの即売会イベント。
出展者が製作したボードゲームやカードゲーム、テーブルトークRPG、シミュレーションゲームなど、幅広いジャンルのアイテムが販売されている。
伊藤:
発売後はあっという間に口コミが広がって、一時…どころじゃないですね。ずっと品薄状態が続く期間がありました。
私が昔聞いた話だと、アナログゲーム業界では3000個売れたらベストセラーって言われているそうなんです。ところが「DETECTIVE X」はシリーズを通じて約13万部売れていて、業界の常識からいうと文字通り桁外れのヒット商品になりました。
—— コアなファンやプレイヤーの口コミから、一気に広がった商品だったんですね!
伊藤:
コンセプトワードの「犯罪捜査ゲーム」がわかりやすかったこと、また一番最初に一緒に盛り上げてくれるプレイヤーに最初にお届けできたこと、そして道尾先生のお名前と、先生ご自身もこれを面白いと思ってくださってるっていう部分が全部うまくマッチした結果かなと思っています。
キット1つで5,000円近くするんですけど、この作品は書店でも取り扱っていただいているので、普段ボードゲームやカードゲームをあんまり買わないような方たちも、書店から手に取ってくださったり…というのもあるのかなと。

こんなに目を引くゲームが書店にあったら思わず手に取ってしまいますね!
—— 実際、本屋さんでも小説家の道尾先生が「DETECTIVE X」のトークイベントを開催していらっしゃいましたね。
大塚:
「DETECTIVE X」の第一弾が出たときのイベントですね。道尾先生に制作の裏側を話していただいたのが好評で、第二弾の発売時にも実施しました。
制作時に使っていたテストプレイ用のキットや写真の展示など、本当にファンの方に向けたイベントにはなりましたが、盛り上がりましたね。「道尾先生のファンだから」という方もいれば「この作品、このゲームが好きだから」と言っていらした方もいらっしゃって、なかなか面白い会になりました。
今楽しめる「DETECTIVE X」シリーズは2作品

捜査ゲームの面白いところに加えて、道尾先生ならではの深みのあるストーリーや劇的な展開の絡み合いが魅力的なミステリ作品でした。まさに、”リアルな体験で味わえるミステリ小説”といえます!
DETECTIVE X CASE #1 御仏の殺人

- あらすじ
ある日、探偵のあなたの元にとある記者から「過去に寺で起きた殺人事件を解決してほしい」という手紙が届く。
手紙には現場の写真や間取り図、雑誌の切り抜きのほか、現場から検出された指紋や供述調書など、なぜか門外不出であるはずの警察資料の一部も同封されていた──。
不可解な依頼人、容疑者らが見せる裏の顔、被害者の遺した日記、消えた凶器。
さまざまな事象が複雑に絡み合う事件を、あなたは解決することができるだろうか?
本物さながらの捜査資料を手に取り、未解決の殺人事件をひもとく本格犯罪捜査ゲーム。
「向日葵の咲かない夏」「いけない」「N」など、多数の名ミステリを生み出してきた道尾秀介氏と「リアル脱出ゲーム」のSCARPがタッグを組んで制作した「DETECTIVE X」シリーズ第一作。
ゲーム名 | DETECTIVE X CASE FILE #1 御仏の殺人 |
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価格 | 4,950円(税込) |
販売場所 | Amazon SCRAP GOODS SHOP リアル脱出ゲーム常設店 全国各書店 |

ただの読者ではなく、物語の探偵として実際に謎を解いていくという体験が新鮮でした。誰かと一緒にプレイするのもおすすめ!
DETECTIVE X
CASE FILE #1をチェックする
DETECTIVE X CASE FILE #2 ブラックローズ

- あらすじ
とあるホテルのパーティーで、「黒いバラ」の開発に成功した女性経営者が殺害された。
「助けてください」という声を残し、依頼者である記者の息子も行方不明に。
殺人事件と行方不明事件が複雑に絡み合う、奇妙な捜査にあなたは挑む。
ゲーム名 | DETECTIVE X CASE FILE #2 ブラックローズ |
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価格 | 4,950円(税込) |
販売場所 | Amazon SCRAP GOODS SHOP リアル脱出ゲーム常設店 全国各書店 |

捜査資料がめちゃくちゃリアル…!ホワイトボードに貼って遊ぶと、刑事ドラマによくあるワンシーンを再現できて、最高です!
DETECTIVE X
CASE FILE #2をチェックする
想定外のヒット作となった「DETECTIVE X」
—— 発売した「DETECTIVE X」について、反響やプレイした方の感想はいかがでしたか?
大塚:
正直なところ、僕たちが想定した以上に多くの方に楽しんでもらえたな、と感じました。
というのも、こういう捜査ゲームって実は日本で全然遊ばれていなくて。まずマーケットとして、遊んでくれる人が存在しなかったんですよね。そういう意味で、本当にウケるかどうかっていうのは半信半疑でした。
小説家の道尾さんは特にめちゃくちゃ乗り気で「絶対ウケる!」って言っていたんですけど(笑)
それが蓋を開けたら、予想外に多くの方に遊んでいただいて。道尾さんファンやリアル脱出ゲームファンはもちろん、脱出ゲームをやったことがないのにこのゲームはやったっていう方もいらして驚きました。
大塚:
TIGSというイベントに出展して、実際に遊んでくれた方の反応も間近で見ることができました。

大塚:
やっぱり「本格的な犯罪捜査体験ができる」というのが一番好評でしたね。ホワイトボードにペタペタと資料を貼りつけて、テレビや映画、ドラマとかでよく見るシーンを体験できるということに対して、すごく楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。
あとは何より、道尾さんならではのストーリーが魅力的だったのかなあと。決してストレートな物語じゃないんですよね。裏があったり、人間の奥深さみたいなものを感じさせる内容なので、そういうところも反響のよさにつながっているのかなと思います。
「DETECTIVE X」シリーズの今後の展開は?
—— 「DETECTIVE X」の今後の展望をお聞かせください。
大塚:
道尾先生の頭の中には、すでに構想があるそうなので。今年プロットを作ってもらって、来年あたりに何かよいお知らせができればと思っています。
—— いちファンとして、楽しみにしておきます!
「自宅でできるリアル脱出ゲーム」の制作はトライアンドエラーの連続!
読者の体験にこだわる書籍作り―SCRAPならではの苦悩とは
—— これまで制作したゲームの中で一番苦労されたものはなんですか?
田口:
それで言うと「夜の幽霊アパートからの脱出」は結構苦労しました。

田口:
ただの箱にいろんなギミックがあったら面白いんじゃないか、見た目からは想像できない動きをしたら面白いんじゃないか?というアイデアから、箱そのものをまず制作会社さんに特注しました。
試行錯誤したお陰で、制作期間もかなり長かったですね。Web上のシステムを使った謎解きも並行して制作したので、小さな箱に似合わず工数がかかりました(笑)
どれも初めての試みだったので、「夜の幽霊アパートからの脱出」は構想から開発まで時間をかけて何度もトライアンドエラーを繰り返した作品だと思ってます。
大塚:
書籍だと「穴あきパズルアドベンチャー 魔王塔からの脱出」でしょうかね。

大塚:
その名の通り、本に穴が開いているんです。穴が開いたところにパズルの答えを書き込んで解き進めるので、ほぼ全てのページに穴が開いてるっていう本なんですけど。あれを作ってくれるとこがなかなか見つからなくて!
印刷会社に何度も問い合わせて、運よく試作してもらえても「やっぱりダメでした」って言われたり、なかなか大変でしたね。穴の位置がすれると謎が成立しなくなるので、精度も大きさもどっちも大切で。これは大変でしたね。
—— プレイヤーとしては、書籍型の謎解き「The Only 1」も印象深いです。開くたびに、落丁か?って思ってしまうくらいページが逆さになっていたりして。驚きの連続でした。
大塚:
あんまりお話しすると、ネタバレになってしまうから控えますが(笑)あれも普通の出版社じゃたぶん出せないですよね。
伊藤:
本の素材も全然なくてね(笑)広報としてもかなり頑張らないといけない作品だったので、ぜひ見かけたら手に取ってみてほしいです。
制作段階から面白すぎる作品続々 現地ロケの醍醐味も
—— これまで作ってきた中で特に思い入れがあるゲームは何でしょう?
田口:
僕は「アルバム復元パズル」ですかね。
謎解きの制作中って、進行や設計が上手くいっているかを確認するために「デバック(テストプレイ)」をするんです。これまでにもたくさんの商品・イベントでテストプレイをしてるんですが、「アルバム復元パズル」はテストプレイ1回目からめちゃめちゃ面白くて、「これは面白いから必ず良い作品にしよう」と皆で感動した覚えがあります。
あとは、作中のアルバムに使うための写真を撮影するためのロケが楽しかったですね。
結構ハードスケジュールで、80シーンぐらいを2日で撮りきったんですが(笑)。かなり楽しくやれました。
リリースしてからもお客様の評判もよかったので、おすすめの作品はなんですかって聞かれたら、これを皆さんにすすめてます。
大塚:
「DETECTIVE X」も不安な中作っていった作品が、完成してみたらすごく売れたっていう点で思い入れはあるんですけど。
それ以外だと「人が消える街」ですかね。
撮影は熱海市に協力していただいたんですが、熱海市で人が死ぬって話なので…。果たして協力してくれるのか?と思いながら問い合わせたら快諾していただけました。
思い描いた通りに熱海でロケができて、いろんなところで写真を撮らせていただいて。実際、作ってみたら評判も良かったので割と思い入れのある商品の一つですね。
—— 熱海を知っている、見たことがある身だと、とてつもない没入感がある作品でした。あ、ここちょっと見たことあるぞっていうようなシーンの連続なんですよね。
大塚:
作中には、実は2枚だけ熱海じゃない写真が入ってます(笑)
—— そう聞くとまた別の楽しみ方ができますね(笑)!遊び直してみたいと思います。
自宅で遊べるリアル脱出ゲーム×SCRAPのこれからとは
—— 「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」の今後の展望などはありますか?
田口:
イベントなどを通じて、自宅で遊べる脱出ゲームをもっといろんな方々に知ってほしいですね。実は、今年11月にはSCRAPとして初めて謎解き商品を集めた物販イベントを主催しようと考えていまして。
イベントではSCRAP以外の団体の方や、個人の方も出品していただいて、自宅で遊べる謎解きっていうものを現地で遊んで買える場を作りたいですね。
大塚:
僕は道尾先生とのコラボが大成功したので、他の作家さんでも脱出ゲームが好きな方とコラボして、新しいものを作っていきたいです。
すでに進行中の企画もいくつかありまして、ホラー作家の梨さんという方と謎解き書籍を作っています。この作品は、これまでの謎解きとはちょっとテイストが違って、そら恐ろしいというか。
色々な意味で挑戦的な作品かもしれませんが、好きな人にはたまらなく面白く感じると思うものに仕上がりそうです。
ホラー作家 梨さんとは
SNSで話題を集めた考察型展覧会、「その怪文書を読みましたか」、現実に浸食するネット会談「かわいそ笑」など、あらゆる形のモキュメンタリー作品を手がけるホラー作家。
最新作:5分間リアル脱出ゲーム おしまい

- 商品紹介
いつでもどこでも楽しめる謎解きゲーム集「5分間リアル脱出ゲーム」の新作は、ホラー作家“梨”とのコラボレーション。
様々な場面で困った状況に陥った人々が、あなたの助けを待っています。あなたは謎や暗号を解き、人々に救いの手を差し伸べることになります。
すべての謎を解き明かすと、あなたは物語に隠された「真実」に気付きます。
それは、世界の概念が一変するものです。
隠された真実に気付くことによって、あなたは新たなるステージで、たくさんのエネルギーをチャージすることができ、人生を切り開くための多くの気付きを得ることができます。
あなた自身の手で、この本を「おしまい」にしていただけることを願っています。
ゲーム名 | 5分間リアル脱出ゲーム おしまい |
---|---|
価格 | 2,000円(税抜) |
販売場所 | 全国書店 Amazon SCRAP GOODS SHOP |
発売日 | 2025年4月25日 |
まとめ
通勤・通学のすき間時間の暇つぶしから、皆でワイワイ遊べるパーティーゲームまで。
好みに合わせて自由に物語体験を楽しめる「自宅で遊べるリアル脱出ゲーム」のご紹介でした。
ヒントが用意されているものが多いので、謎解きやパズルが苦手な人でもぜひチェックしてみてくださいね。

ビギナーズ編集部 /
ビギナーズ編集部 beginners
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