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フルート初心者におすすめのフルートと選び方のポイント

何か習い事を始めようと思った時に、楽器を演奏できるようになりたいと考える方も少なくありません。いろいろな楽器がありますが、フルートを始める方も増えています。繊細で優雅な音を奏でるフルートが吹けるようになったら楽しいことでしょう。
フルートを始めるためには、フルートそのものが手元になくてはいけません。しかし、一口でフルートといっても、値段は1万円台のものから何十万円もするものまであります。いったいどんな違いがあるのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、フルートを始めてみたいという方に、選び方のポイントと、特に初心者におすすめのフルートをご紹介します。
目次
フルートの材質の種類と音色の違い

まず、フルートを選ぶときに考えなくてはいけないのは材質です。フルートの材質には洋銀製と銀製、木製があります。
また、高額で初心者向けではないために、この記事ではご紹介しませんが、金(ゴールド)製のフルートもあります。
フルートは材質によって大きく音色が違います。また、価格にもかなり大きな差が出ます。まずはそれぞれの材質の特徴や音色についてお伝えします。
最もメジャーな洋銀製
初心者に最もおすすめなのが洋銀製です。洋銀は銅、ニッケル、亜鉛の合金のことです。銀という言葉が入ってはいますが、銀が含まれているわけではありません。
しかし、酸に弱いので銀メッキが施されていて、見た目は銀製と全く遜色ありません。洋銀製のフルートは価格が最も安く、また材質がとても軽いのが特徴です。
軽くて扱いやすいために、初心者モデルとして最も適しています。傷みやすく長持ちしないので、とにかく練習して使い倒したら、銀製や金製に買い替える方が少なくありません。
明るく煌びやかな音色
初心者でも気になるのが音色です。最も安いモデルだから音色は大したことがないのかと考えるのは間違いです。フルートの巨匠マルセル・モイーズは、洋銀製の高らかな音色を好んで、生涯使い続けました。
洋銀製のフルートは明るく煌びやかな音色が特徴です。オーケストラやブラスバンドで高音を高らかに響かせたいときには、最も適しているのが洋銀製の音色です。
始めたばかりのころは音色の違いもよくわからないことでしょう。特に大きなこだわりがないのであれば、洋銀製をまずは購入して、練習を始めてみることをおすすめします。
音が伝わりやすい銀製
洋銀製のフルートに慣れてきたら、銀製にグレードアップすることをおすすめします。学生時代に吹奏楽部やオーケストラ部でフルートをやっていたことがある、という方なら銀製を購入してもいいでしょう。
総銀製のフルートは音が全体によく伝わりやすいのが特徴です。そのために、音のコントロールがしやすく、大きな音も小さな音もどちらもきれいに吹き分けられます。
総銀製は変色しやすいというデメリットがあります。これは硫黄成分と反応して硫化銀ができてしまうためです。
この変色は、銀製のフルートでは避けられないので、メンテナンスで磨き上げるようにしましょう。ただし、音色は変色したほうがいいという演奏者もいます。
柔らかく温かみのある音色
総銀製のフルートの音色は柔らかく、重厚感があり温かい音色です。音色に変化を付けやすく、演奏の表現の幅が洋銀製よりも大きく広がります。
銀製のフルートの音色こそが、フルートの本物の音色だという声もあります。
ただし、音を出すのがやっとだという、初心者が使いこなせるモデルではありません。重量も洋銀製よりもあり、扱いも難しいので、洋銀製でレベルアップしてから検討してもいいでしょう。
近年人気を集めている木製
最近、人気があるのが木製フルートです。木製フルートの材質にはグラナディラという木材を使い、キーなどは銀を使っています。もともとフルートは19世紀初めころまでは木で作られていました。
しかし、木はトーンホールが割れやすいことなどから、徐々に金属が使われるようになり、現在の形に変化しました。
しかし、温かみのある木の手触りや、懐かしい音色から木製フルートを選ぶ方も増えています。ただし、木製フルートは価格が高く、扱い方も難しいというデメリットがあります。
初心者がいきなり選ぶのはおすすめしません。
とても暖かい音色
木製フルートが人気の理由は、その素朴で温かみのある音色です。金属の高らかに鳴る感じとは全く違い、高音でもやさしく木のぬくもりに包まれるような柔らかな音色に、とりこになってしまう方が続出しています。
ただし、合奏する場合には音量は小さい点には気を付けましょう。オーケストラや吹奏楽の大人数での合奏には向きません。小さな会場で一人演奏する場合や、弦楽器との少人数でのアンサンブルならおすすめです。
フルートを選ぶときのポイント・選び方

フルートの材質による違いが理解できたところで、実際にフルートを選ぶときのポイントについて詳しく解説します。フルートを選ぶときには、次のような点に注意して気に入ったモデルはどれか選ぶのがおすすめです。
材質と音色で選ぶ
フルートを選ぶ時には、まずは材質から選びましょう。やはり、初心者におすすめなのは洋銀製です。値段も手ごろで、扱いやすく、音も最も鳴らしやすいので、初心者はまずは洋銀製ではじめたほうがいいでしょう。
しかし、銀製の重厚感のある音色や、木製の温かみのある音色がどうしてもいいという方もいることでしょう。
その場合には、モチベーションにもつながるので、こだわりのフルートを購入して見るという手もあります。お店によっては試奏させてくれるところもあります。
お店の方が吹き比べてくれることもあるので、音色をよく聞いて材質を選ぶのがおすすめです。
ただし、銀製のフルートの表現の幅が広いというのは、初心者にとっては音のコントロールが難しいことを意味しています。
木製は音が小さく、初心者には音を出しにくいでしょう。洋銀製と比べると挫折しやすいので、その点は注意しましょう。
キーの種類で選ぶ
フルートの選び方の次のポイントは、キーの種類です。フルートにはカバードキーとリングキーという2種類のキーがあります。
カバードキーは指で押さえるところが全て覆われているので、キーを抑えるだけで音階を変えられます。
リングキーはキーの真ん中に穴が空いていて、自分で穴をしっかり押さえないと音階を変えられません。小学校の頃に音楽の授業でやったリコーダーの様に、穴を直接抑えるものです。
リングキーは正しい手の形を作れて、音色も明るく、指で息を感じるので音のコントロールがしやすいというメリットがあります。
しかし、フルートを始めたばかりの初心者のプレーヤーが使いこなせるものではありません。
楽器屋さんでも初心者にリングキーを勧めるお店はないはずです。まずはカバードキーから始めて、かなり上達してからリングキーにグレードアップしましょう。
キーの並び方を確認して選ぶ
次の選び方のポイントでは、キーの並び方も考えましょう。フルートのキーの配列には、オフセットとインラインという2種類の配列があります。
オフセットとは、左手薬指で押さえるGキーが前にせり出しています。そのために、手がまだ小さい子供でも無理せずにGキーを抑えられます。
一方でインラインはキーが一直線に並んでいます。素早く指を動かすことが可能で、リングキーに主に使われています。
初心者であればオフセットから始めるのが無難です。
オフセット配列のフルートから始めて、ある程度、上級者向けの曲を演奏できるレベルまで上達したら、インラインのフルートの購入を検討したほうがいいでしょう。
修理などの保証があるかどうか
フルートを購入するときには、修理保証が付いているかよく確認しましょう。また、修理が必要になった場合に、どのような対応をしてもらえるのかも重要なポイントです。
フルートのキーはとても繊細に作られています。髪の毛1本ほどのゆがみがキーに出てしまってもいけません。
少しぶつけたり、落としてしまっただけでも、キーが曲がってしまい、正確な音程が出せなくなってしまうことがよくあります。
また、キーの内側に貼ってあるキーホールをふさぐためのタンポの交換など、定期的なメンテナンスも必要です。
修理やメンテンナンスには、それなりのお金がかかりますが、補償が付いていれば、通常よりも安く済む場合もあります。
通常は、家電と同じように1年間のメーカー保証が付いていますが、購入したお店独自の補償や修理対応をしてくれるところもあります。
どのような保証があり、修理対応をしてもらえるのかは、購入するときによく確認して置くようにしましょう。
おすすめのフルート

ここからは初心者に特におすすめしたいフルートをご紹介します。初心者モデルの場合には、やはり洋銀製のフルートがおすすめです。
一口で初心者モデルのフルートといっても、価格も大きく差があります。それぞれ特徴があるので、ぜひあなたに合ったモデルがどれか選んでみましょう。
YAMAHA YFL-212
こちらのフルートは、ピアノなどの楽器も有名なヤマハから発売されている、フルートの初心者向けモデルです。
ヤマハは楽器の種類を問わず、演奏しやすく扱いやすいのが特徴で、こちらのフルートも音が出しやすいと評判です。
吹奏楽部に入ってフルートを始めたという中学生や、音楽教室で初めてフルートを習うという方に、最も人気のモデルです。
初心者モデルとは言っても、音色はしっかりとした音色が出せるので、演奏者からの評価も高いモデルです。
材質は洋銀製で、銀メッキが施されています。明るく安定した音色です。初心者には出しにくい高音のE(ミ)を出しやすくするためのEメカニズムが付いているので、特に始めたばかりの方にはおすすめです。
Jマイケル FL-300S
Jマイケルというブランドを耳にしたことがないという方もいることでしょう。こちらのブランドは、マックコーポレーション株式会社という会社の管楽器のブランドです。
プロの演奏者の声に耳を傾けて、改良を重ねた楽器は高品質なのに低価格でコスパが良いと、海外のトッププレーヤーからも高く評価されています。
このJマイケルから発売されているこちらのモデルは、初心者モデルとして人気のモデルです。
ヤマハのフルートの半額以下でありながら、高いEを出しやすくするためのEメカニズムも付いているので、初心者でも演奏しやすいのが特徴です。
持ち運びに便利な木製ハードケースとショルダーストラップ付のケースカバーが付いています。
サクラ楽器 オリジナル 初心者入門セット
フルートを始めたくても、教室に通えない、近くに良い教室がないという方もいることでしょう。
独学ではじめるためには、入門用のレッスン本や譜面台、フルートをお手入れするために必要なものをもろもろ揃えなくてはいけません。
そういったものを一括して低価格で揃えたいという方におすすめなのが、こちらの入門セットです。
こちらのセットには、フルート本体の他、セミハードケース、クリーニングロッド、クロス、ポリッシングガーゼ、クリーニングペーパー、キーオイル、譜面台、教則本、教則DVDが付いています。
これだけ付いて2万円を切る価格です。家に届いた瞬間から、自宅レッスンが始められます。ぜひフルートを独学で極めたいという方は、こちらのセットをご検討ください。
Pearl PF-525E
ヤマハほど一般に知られている会社ではありませんが、パール楽器製造会社は1946年創業の歴史ある楽器メーカーです。主に打楽器とフルートを製造していて、海外のトッププロにも愛用者がたくさんいます。
こちらのモデルのフルートは、そのパールから発売されている初心者用モデルです。Eメカニズムが付いているので、初心者でも安定した音が出しやすいフルートです。
こちらのフルートの特徴は、唇を当てるリッププレートの部分が銀製だということです。他は洋銀製ですが、銀製のフルートを吹く感覚を唇で感じることができます。
洋銀製の音の出しやすさで、銀製のフルートを吹いている感覚を味わいたいのなら、おすすめのモデルです。
Kaerntner KFL-28
こちらのモデルは、Amazonや価格.comで通常価格でも2万円台、最安値は1万円台で購入できるフルートです。この価格で、専用ケースやクリーニングクロスなどの麺て南駿に必要な用具は全て揃っています。
海外拠点で製造を行っていますが、品質は国内基準で厳しく管理しています。そのために、安く高品質なフルートを販売できます。コスパよく、品質の高いフルートを手に入れたいのならおすすめです。
自分にぴったりのフルートを見つけよう
この記事でお伝えしてきたように、フルートと一口で言っても、さまざまな種類があります。値段の幅もとても広く、初めての方はどれを選んだらいいのか混乱してしまうでしょう。
しかし、初心者が選ぶべきフルートの種類は、ある程度決まっています。
洋銀製の初心者モデルであれば、初心者でも手軽に始められるでしょう。ぜひ銀製や木製のこだわりのモデルがある方も、まずは自分の腕をしっかりと上げることに集中しましょう。
初心者モデルでも、しっかりと腕を磨けば、あなたのこだわりのフルートを使いこなせるだけの技術が必ず身に付いてくるはずです。ぜひご紹介した初心者モデルから、あなたにぴったりのフルートを見つけて下さい。
こちらの記事では、フルートメーカーの特徴やフルートレンタルサービスをご紹介しています。

ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター
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