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ピアノの指番号を解説|指使いの基本と運指の練習方法も紹介
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いろいろな指使いのパターンがある中で、最も弾きやすく、効率のいい弾き方と考えられるものを指番号として表記してあります。また、「運指」といいます。
指番号だけを見てもその通りに弾くのは難しく感じるものです。
指使いの間違いでパニックにならないように、習い始めのうちに正しい指使いを覚えると、その後ピアノを弾いていく上でとても楽になります。
そして指使いを守ると弾ける範囲も広がりピアノがどんどん楽しくなります。
今回は指使いがイマイチよく分からないという方におすすめの練習法を紹介します。
目次
なぜピアノの指使いが大切なのか?
どうして指使いを守らなければいけないのか、何の指で弾いても良いのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。
指使いが大切な理由は主に以下の4つになります。
- 音が滑らかに聞こえるようになる
- 手が小さくても正しい指で弾くと途切れず弾ける
- 指や腕に余計な負担がかからない
- 指使いに慣れたら難しい曲もスラスラ譜読みが出来るようになる
このように指使いを覚えるとメリットが沢山あります。楽譜を読むことに慣れると直接弾かなくても曲のイメージが付きやすくなります。
これから次のステップに進んでいくにつれて、指使いはピアノ初心者が1番に覚える大切なことです。
ピアノレッスンの基本!指番号とは?
右手、左手共に親指から小指にかけて1・2・3・4・5と番号が振られています。
楽譜にも音符に番号が書いてあると思いますが、その番号で弾くとスムーズに弾けるという指示なので慣れるまでは守って弾いてみてください。
1が親指で、2が人差し指…という風に頭で変換するのが大変かもしれません。しかしやっていくことで段々と番号で覚えられるようになるので安心してください。
この指番号はどのように決められているのでしょうか?
それらは基本的にピアニストの人が決めている場合が多いです。
運指をきめた人が、弾きやすく、その曲にあった表現がしやすいといった観点から決めています。
しかし、人の手は個人差があり、手の大きさも違えば形も人それぞれです。
実際に、子供用の指番号(運指)というものもあります。また、おんなじ音楽でも楽譜の出版社によって微妙に異なっていることがあります。
必ずしも指番号を守らなければいけないということはありません。私も、楽譜に書いてある運指より絶対にこっちの方が弾きやすいのにと思うことはたまにあります。
最初の初心者の段階では、最適な指使いと感じたものが実際は不自然で効率の悪い弾き方になってしまったり、指や手首に負担をかけてしまう弾き方になってしまったりする恐れがあります。
なので経験の浅いときは、できるだけ楽譜に記してある指番号(運指)を忠実に守り、指使いの自然なパターンというものを体感しながら覚えていきましょう。
練習曲集で指使いを鍛えましょう!
指使いを覚えるときに役立つ教本を紹介していきます。
始めはハノンで基本的な指使いを覚えましょう
ピアノを始めると基礎よりも曲を弾きたいという気持ちはわかりますが、必ず、ハノンなどの練習曲集で指を慣らしましょう。
ただ1~5の指を動かすのではなく、指の下をくぐることもあれば、同じ音を弾く場合でも指番号を変えるなど、さまざまな決まりがあります。
もちろん曲によって動き方は違いますが、スポーツでいう“フットワーク”と同じく、基本的な動きは決まっています。
まずはそれに慣れるためにもハノンを使って指の運び方を練習することをおすすめします。
こどものハノン しなやかで強い手を・・・
指使いの1番の練習になる教本といえばハノンですが、子供用から大人用までさまざまな種類のハノン教本が出ています。
こちらは子供用ハノンです。大人のものだと2オクターブ上り、2オクターブ下がるといった練習ですが、子供用は1オクターブの練習になっており、音符も大きく見やすい楽譜になっています。
1曲ずつ目標が示されており、意識して練習することができるので、小さい子でも取り組みやすい教材となっております。
無理のない指のトレーニングのために大人からはじめるハノンピアノ教本
このハノンは大人になってからピアノを始めたという方に向けた内容となっています。
手や指の力の入れ具合など大人にとって為になるようなポイントが一曲一曲に付いています。
ハノンは単調に感じやすいですが、この教本では厳選された曲を収録してあるので効率よく練習したい方におすすめです。
指くぐりや指広げ、指越しといった指使いの基本が身に付けられます。変則的な指使いも出てくるので、このハノンを一通りこなすとかなり指使いに慣れると思います。
はじめから1人で学べる 大人のためのピアノレッスン
この教本は大人のための自主練習におすすめの曲集です。
DVD付きなので、映像を見ながらお手本となる指使いや手の使い方が分かりやすく理解できます。収録曲も易しく初心者向けとなっているので取り掛かりやすい内容となっています。
ハノンは難しい!小さい子や超初心者向けは“バーナム”
ハノンが難しいと感じる方は、無理をしてはいけません。正直に自分のレベルを理解し、挫折しないようにしましょう。
指番号ができないからといってやめてしまうのはもったいないので、そこは教本のレベルを見直してみましょう。
そこでおすすめなのが、“バーナム”という教材です。1つの練習で、4小節~10小節程度で、「歩こう」、「走ろう」、「ジャンプしよう」などと題名が付いているので、子供から大人まで楽しみながら練習することができます。
楽譜に指番号(運指)が記していない場合
楽譜の音符すべてに指番号(運指)が記してあるとは限りません。
音符すべてに記してあるものもあれば、微妙な部分だけに記してある場合もあれば、すべて記していない場合などがあります。
もし、楽譜に指番号が記していなければ、自分が一番気持ちよくナチュラルに弾ける指使いを決めて楽譜の中に書き込んでいきましょう。
演奏に慣れてくれば、この指番号がなくてもスラスラと弾けるようになってきます。
指使い練習方法のポイントまとめ
はじめは難しいかもしれませんが、不思議と指が勝手に動くようになってきます。そのためには日々の積み重ねがとても大切です。
また、基本の指の使い方はとても大事ですので、慣れたからといって適当に弾くのではなく、楽譜に書いてあるときはそれをもとに弾いていきましょう。
そして、指使いを正しく行うにも正しい姿勢・正しい座り方は基本中の基本ですので、しっかり見直し、正しく美しく弾くことを心がけましょう。
「運指」とは?
ピアノを始めると、指使いを大事に・・・とよく言われますが、“運指”をスムーズに!などと聞いたことはありませんか?
“運指”というのは特に難しい意味はなく、指使いのことをいいます。
ピアノの演奏は運指をスムーズに、滑らかにすることが大切です。ここからは“運指”について詳しく解説していきます。
“運指”が大切な理由とは?
運指が大事な理由は先ほどもお話ししましたが、難しいツイスターゲームのような運指だと見た目も悪く、当然上手に弾くことは不可能になります。
また、早い楽曲への対応も不可能です。指が滑ってしまったり、上手くくぐれないことでミスタッチが多くなったりとテクニック的な影響もありますが、ピアノは横から見られることが多いです。
正面から見たらそれほど指使いは見えませんが、横から見られる場合がほとんどの為、指の動きがよく見えます。
そのとき弾きにくそうにしている姿だと、せっかく素敵なドレスを着ていても、衣装に負けてしまいます。
ピアノは音色も大事ですが、運指も大事で、音にも影響してきます。でたらめな運指だと指が絡まって正確なリズムや音で弾くことが難しくなりますので、運指をしっかり守って弾くようにしましょう。
ほとんどの楽器はいかに脱力しナチュラルに弾くかが大切であり、ピアノにおいてもとても大事になります。
それ以外にもナチュラルな運指は柔らかく美しい音を出すために絶対不可欠であり、指や腕に掛ける力も最小限に抑えることができます。
また手がもともと小さい人でも運指の研究をすることで、今まで弾けなかったフレーズが弾けるようになったり途切れなくなったりします。
運指に慣れると難解な楽曲の読譜も早くなっていきます。このように運指を滑らかにすると良いこと尽くしなので、必ず心がけて演奏しましょう。
運指を滑らかにする手順とポイント
楽譜を入手したら譜読みからはじめるかと思いますが、そのときから運指は意識することが大事になってきます。そこで基本を忘れてしまうと、ハノンなどの教本をやっていても台無しになってしまいます。
どのような運指で弾いたら一番楽でスムーズに弾けるか考えつつ譜読みをしていきます。
それでは具体的に運指を滑らかにする方法を、手順としてわかりやすく解説していきますので、ぜひ実践してみて下さい。
ピアノの運指を滑らかにする手順①:指番号を覚える
一番初めに説明した通り、運指を決める前に指番号を確認してみましょう。
親指から“1・2・3・4・5″これを忘れないでください。
ピアノの運指を滑らかにする手順②:運指を考えながら譜読みをする
難しく聞こえるかもしれませんが、まずはなるべく指番号が書いてある楽譜を使うようにしましょう。
実際に楽譜と音源を手元に準備し、実践してみて下さい。
ステップ①:指番号が全部書いている楽譜を準備する
全部指番号が書かれている楽譜を準備します。
その曲の音源を聴きながら楽譜をみてイメージしていきます。
何回か聞いたら今度は実際にその指番号通りに片手ずつ練習していきます。
片手練習が完了したら両手練習をし、完成させていきます。
ステップ②:ほとんど指番号が書いてあるけど何か所か書いていない楽譜を準備する
次は1,2ヶ所抜けているけど、ほとんど書いてある楽譜で慣らしていきましょう。
まず楽譜を見ながら曲を聴きます。何回か聴いたら、実際にピアノで弾いています。
そのときに書いてないところを自分で弾きながら指番号を書き込んでいきます。
書き込んだらその指番号で弾きやすいのか、しっかり確認します。
最後に両手練習をし、完成となります。
ステップ③:あまり指番号が書かれていない楽譜
次はほとんど書いていない楽譜です。ここまでくると運指に慣れてきてある程度レベルのある曲になってきます。
書かなくても大丈夫というレベルの方がほとんどになりますが、練習もかねて書いてみるのもいいでしょう。
先ほどと同じように曲を聴いて、ピアノで確認しながら指番号を書いていきます。
だいたいこのレベルの楽譜で書いてあるところは指をくぐらせたり、右手と左手を交差させたりして弾くなど、特殊な指運びをするところになっています。
そこで、書いているところの前後はどのような動きをしてこの指番号にたどり着くのか考えて、書いていないところを埋めていきましょう。
このように楽譜はレベルによって指番号が書かれていたり、書かれていなかったりしますが、普通に弾いたら弾けないところも指番号通りに弾いたり、少し工夫することで、自然な指運びができるようになっていきます。
楽譜を見たときに指番号が書いていなかったら、わからないからといって諦めるのではなく、自分で書きこんだり、動画を見たり、その曲を研究してみて下さい。
基本テクニックを抑える
楽譜に書き込んだ運指が自分にとって本当に1番楽な運指なのか確認する際に、あらかじめ運指の基本テクニックをいくつか知っておくわかりやすく、スムーズに指番号を考えることができます。
主な運指のテクニックを紹介していきます。
変え指
同じ音が連続する際に、最初に弾いていた指から別の指に変えて弾くテクニックです。1本の指で連続して弾くより、この方法を使うとハッキリした音色で連打できます。
代表的な曲を例に出すと、「エリーゼのために」です。後半の左手が連打になるところは、同じ“ラ”でも、3・2・1・3・2・1と弾くようになっています。
このテクニックはよく出てくるのでしっかり練習しましょう。
またぎ指
親指の上を(主に親指になることが多い)人差し指・中指が飛び越えていくテクニックです。運指を滑らかにする上で必須の手法で、スケールやアルペジオを弾く際には必ずこのテクニックを用います。
くぐり指
またぎ指とは反対に、親指が人差し指・中指の下をくぐって弾くテクニックが「くぐり指」です。こちらもスケールやアルペジオを弾く際に必ず用いる手法になります。
開き指
開き指は、指と指を開いて移動するテクニックです。上手なポジション移動をするために必要な手法になります。
寄り指
寄り指はたとえば「ミ」の音を人差し指で弾いていた場合、中指ではなく薬指で「ファ」を弾くように、指と指を寄せるテクニックです。
中指で弾きたくなるかもしれませんが、敢えてこうすることで次の音を弾きやすくできる場合があるので、上手く使ってみましょう。
まとめ
いかがでしたか?この記事の手順で滑らかな運指を心がけマスターすれば、よい演奏ができるようになります。
力を抜いたスムーズな運指ができるようになると、美しいサウンドを奏でられることはもちろん、お話した通り他にもメリットがいっぱいです。
変な癖がついてしまうと、後々直すのが大変になってくるので早い段階で身につけましょう。
また、こちらの記事ではおすすめのピアノ練習アプリ7選を紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてください。
伊藤しおり /
ビギナーズ編集部 ライター
趣味はピアノを演奏することと、野球観戦。 現在は自宅でピアノ講師をしながら、演奏活動をして音楽を楽しんでいます。野球も小さい頃から好きなので、音楽もスポーツもどちらの楽しさもお伝えできたらいいなぁと思います!