引っ越し費用は経費で落とせる|個人事業主や転勤する会社員は必見

引っ越しにはお金がかかります。家族全員で長距離の引っ越しとなると数十万円単位のお金もかかります。でも、転勤の場合には、引っ越し費用は経費で落とせるってご存じですか?この記事では経費で落とせる引っ越し費用について詳しく見ていきましょう。


引っ越し費用は経費で落とせる|個人事業主や転勤する会社員は必見

引っ越しをすることになったら、高額な引っ越し費用が必要になります。

引っ越し費用の相場は家族の人数と移動距離で変わってきますが、単身者なら近距離でも5万円から、長距離なら10万円程度必要です。3人家族なら短距離でも15万円から、長距離なら30万円といわれています。

急な転勤を命じられた場合や、事業の拠点を移す必要が出てきた場合、引っ越し費用の捻出に頭を痛める人もいるでしょう。

しかし、転勤を命じられたサラリーマンや、個人事業主が仕事上どうしても転居する必要がある場合には、経費として落とすことができます。この記事では引っ越し費用の中で経費として落とせるものなどについて詳しく見ていきたいと思います。

サラリーマンの場合

まずは、転勤を命じられたサラリーマンはどのように経費として落とせばいいのか見ていきましょう。学校に通う子供がいる場合には、引っ越し準備の他に子供の転校や幼稚園、保育園探しなどでサラリーマンは忙しくなります。費用の負担はできるだけ避けたいところですが、どのようになるのでしょうか。

会社都合の転勤に伴う引っ越し費用は会社負担

まず覚えておいた方がいいことは、遠方への転勤を命じられた場合など、会社の都合によって引っ越しせざるを得ない状況になってしまった場合の引っ越し費用は、会社負担になります。

引っ越し料金だけではなく、現在住んでいる家の原状回復費、転居先へ家族が移動するための交通費は会社が負担してくれます。また、地域ごとに上限金額が決まっている場合がほとんどですが、引っ越し先の新しい家の敷金、礼金、仲介手数料も会社負担してくれます。

ただし、基本的な生活を送る上で必要がない費用は自己負担となることがあります。例えばペットを飼っているために原状回復費が高額になった、ピアノや高級絵画を引っ越すために多額の費用が必要になった、という場合にはそのために費用は自分で支払う必要がある場合もあるので、会社に確認してみましょう。

尚、会社負担の上限金額や、どのような引っ越し内容なら会社負担になるのか、ということは会社ごとに就業規則や転勤取扱規則で定められています。転勤が多い会社なら、引っ越し業者も提携していることがあり、業者を選べないこともあります。

どこまでが会社負担になり、どこからが自己負担になるのか、ということは会社によって大きく違います。わからないことは総務部に質問してみましょう。尚、必ず会社負担分に関しては見積書や領収書、カードの明細書、振込履歴を求められます。費用の証拠となるものは紛失しないように気を付けましょう。

会社が負担してくれなかった場合は確定申告で控除を受ける

会社が経費として支出してくれなかった場合でも、サラリーマンの場合には確定申告で控除を受けることもできます。2013年の税制改正により、会社から命じられた転勤による引っ越し費用は控除の対象となりました。引っ越し費用だけではなく、新しい家を借りる際の仲介手数料も控除されます。

転勤は会社の命令であることから、本来は会社が負担するべきものであるにも関わらず、個人に支出させた場合には、特定支出控除として申告できます。ただし、どのくらいの金額が向上されるかは、年収やそのほかの控除とのバランスによって変わってきます。

また、すべての控除と合わせても給与所得控除の2分の1までしか控除はできません。しかし、税金が戻ってくるのと戻ってこないのとでは大きな違いになってくるので、必ず確定申告しましょう。なお、こちらも振込履歴や領収書などは必ず必要になりますので、紛失しないようにしましょう。

個人事業主の場合

個人事業主が引っ越しをするときでも、事務所兼住宅であれば引っ越し費用を経費として計上することができます。どのように会計処理をしたらいいのか、詳しく見ていきましょう。

敷金礼金に注意

賃貸物件を借りるときには、敷金と礼金を支払うのが一般的です。この中で礼金は大家さんに支払う謝礼の意味のお金なので経費として計上することが可能です。しかし、敷金は経費にはできないので注意が必要です。

敷金というのは、退去するときの原状回復費用の前払いです。基本的に部屋を汚したり、修理が必要な状況にしなければ、全額戻ってくるのが全体のお金なので、経費として計上することはできません。

なお、礼金は20万円までは経費として計上できますが、20万円を超えると長期前払い費用となり減価償却が必要になります。

物件の利用状況を比率で案分して経費計上できる

個人冶具用主の場合には、物件を事業用としてのみ使う場合と、自宅兼事務所とする場合があります。事業所としてのみ使う場合には、引っ越し費用のすべてを経費にできますが、自宅を兼ねる場合には事業所スペースの分だけが按分した経費として認められます。

経費として計上できるものはこれ

個人事業主が経費として計上できる引っ越しに関わる費用には次のものがあります。基本的に事業に関わる引っ越しであれば、引っ越し費用は経費として計上することが可能です。これらの領収書などは紛失しないように気を付けましょう。

  • 仲介手数料
  • 管理費
  • 火災保険・地震保険
  • カギの交換代
  • 引っ越し諸費用
  • 交通費

経費の科目勘定はこちら

事業を行う上で、経費として計上するためには1つ1つ帳簿に記載しなくてはいけません。個人事業主が帳簿を付けるときに最も困ることが勘定科目です。引っ越しに関する勘定科目は、1つ前の項目で挙げたものがすべて違ってしまうのが面倒くさいところです。

引っ越しに関わる勘定科目は次のようになります。間違えないように気を付けましょう。

  • 仲介手数料(支払手数料または雑費)
  • 火災保険・地震保険(損害保険料)
  • 鍵交換(消耗費)
  • 引っ越し代(雑費)
  • 交通費(交通費)

案分は引っ越し後の割合で適用できる

自宅兼事務所で仕事をする個人事業主にとって気になるのが、引っ越し代の按分の割合です。どのように按分比率は計算したらいいのでしょうか。

基本的に、引っ越し代金の按分比率の決め方は引っ越し後の家賃の按分割合と同じに計算します。仕事場の按分が30%であれば、引っ越し代金も30%で、仕事場が50%であれば引っ越し代金も50%で計算して計上します。引っ越し代の按分を考える前に、家賃の按分を計算することが先決です。

出金の記録は必ず忘れずにとる

個人事業主の場合でも、領収書などの正式な記録がないものは経費として認められません。電車の切符やバスの運賃など、領収書やレシートが発行されないものに関しては自分ですぐに出金伝票を作成しましょう。

領収書ではなくレシートでも記録として使えますが、税務署の調査が入ったときに突っ込まれると説明できないこともあります。どんなものに使ったのか、正確なメモを書いておくことをおすすめします。

経費として認められないもの

経費として認めることができないものも中にはあるので注意が必要です。

まず、経費にならないものは、事業に関係がなく、尚且つ基本的な生活用品とは認めることができないものです。例えば、ピアノ教室や音楽関係の仕事ではない人のピアノや、マリンスポーツのインストラクターやショップ関係者ではない人のサーフィンの道具といったものです。

これらは基本的な生活には全く必要がないもので、事業とも全く関係がありません。なおかつ引っ越し料金が高額になります。これらの経費は個人として支出しなくてはいけないので注意しましょう。

また、記録がないものは経費として認められないので注意しましょう。記録は、領収書の他にレシート、クレジットカードの明細、通帳の振込履歴、出金伝票が認められます。感熱紙のレシートや領収書は時間が経つと消えてしまうことがあるので、金額や品代をボールペンなどでなぞっておきましょう。

実際には支払っていても、証明できる記録がないものは経費にならないので注意が必要です。

引越しで見落としがちな経費について

引っ越し費用として経費として計上できるのに、うっかり見落として経費にできなかった、ということも良くあります。次に挙げるものは見落としがちなので注意しましょう。

本店支店移動のための登記の書き換え

個人事業主が事業所を移転させるときに、法務局に移転の登記を行うこともあります。そのときには、登記の書き換えに印紙代が必要になります。

こちらももちろん経費として計上できるものなので、忘れずに計上しましょう。印紙代は本店の移転には3万円、支店の異動には9,000円必要です。

大型家具等の処分代

引っ越しをするにあたって、前の事業所で使っていたデスクやキャビネットなどの大型家具などを処分することがあります。大型家具や家電は多くの自治体でリサイクル料や処分料が必要になります。専門業者に処分をお願いした場合でも処分料が発生します。

前の部屋の退去のための費用も、もちろん経費として計上することができるため、大型家具などの処分費用も領収書を忘れずにとっておきましょう。

名刺や会社サイトなどの表記の書換え

個人事業主が自宅兼事務所を引っ越した場合には、仕事場の住所や連絡先も変更になります。郵便物は郵便局へ届けを出せば転送してもらえます。

また、電話番号も新しい電話番号を一定期間通知してもらえます。しかし、名刺やインターネットサイトの書き換えは行わなくてはいけません。

新しい名刺の作成代や、ホームページの修正料金ももちろん経費として計上することができるので、忘れずに計上しましょう。

パソコンやサーバーなどの電子機器や電話等の再設置費用

新しい事務所にパソコンやサーバー、電話を設置するときには、これらの費用が必要になることもあります。パソコンや電話は比較的誰にでも簡単にできる作業になるため、無料のオプションとして引っ越しパックの中に入っていることもあります。

しかし、サーバーを移転させて設置するには専門知識が必要になり、費用が必要になったり、引っ越し業者では対応できずに専門業者に別に依頼しなくてはいけないこともあります。

どのくらいの費用が必要になるのかは、作業の内容によって大きく変わってきますが、取り外す作業と設置する作業の両方が必要になるので、場合によってはかなりの高額になることもあります。

この費用もうっかりすると経費として計上することを忘れてしまうことがあります。忘れずに経費にすることが大切です。


落とせる経費はもれなく落そう

この記事では、経費として計上できる引っ越し費用についてみてきました。会社員でも個人事業主でも、個人的な都合ではなく、事業に関係する引っ越しであれば経費として落とすことが可能だということがわかりました。

引っ越し費用というのは、どうしても高額になってしまいます。場合によっては会社から落とせるお金だけでは足りないということもあるようですが、それでも可能な限り経費として落とせるものは落として節約に努めましょう。

また、フリーランスの場合には、1円でも利益を上げたいところです。経費として落とせるかどうかは別にして、関係するものだと思ったときには領収書やレシートを保管しておきましょう。この記事で紹介したもの以外にも、意外なものが認められるかもしれません。

とにかく領収書やレシートが大切です。記録はしっかりと残して保管することが大切です。

菅野辰則 / ビギナーズ編集部 ライター
菅野辰則 / ビギナーズ編集部 ライター

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