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アルペジオの基本について|初心者向けアルペジオの弾き方を解説!

アルペジオの基本について|初心者向けアルペジオの弾き方を解説!

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

ブリッジミュートからチョーキング、タッピングまで、ギターには様々な奏法が存在します。同時にプレイヤーの演奏技術も日々進化し続けており、現在でも新しい奏法が編み出されているのです。

そんな数あるギターの奏法の中で、基本中の基本となるのがアルペジオです。ギター初心者の方が最初に身につけるべきテクニックでもあります。

基本的な奏法であるからこそ、とても奥の深いテクニックという一面もあり、ギターという楽器を極める上で、必ず正面から向き合わなければなりません。

ここでは、アルペジオの基礎知識とその奥深い世界についてお話したいと思います。

アルペジオってどんな奏法?

まずは、アルペジオという奏法の基礎知識からおさらいしておきましょう。

アルペジオの定義

アルペジオとは和音を奏でられる弦楽器等において、構成する音を1音ずつ鳴らす奏法のこと。簡単にいえば、コード(和音)を押さえて弦を1本ずつ弾くだけで、アルペジオとなるのです。

アルペジオを演奏に取り入れるメリットとして、最も低い音または最も高い音から順番に音を重ねるとコード感が強調できるほか、メロディやリズムに深み・変化を与えることができます。

今日では、鳴らす順番を変則的にするといった奏法も一般的になっており、アルペジオによる表現はさらに広がりました。

簡単なようで難しいアルペジオ

「コードを押さえて1本ずつ弦を鳴らす……」と聞いて、比較的簡単な奏法に思えたかもしれません。しかし、アルペジオは1音1音をきれいに鳴らしつつ、十分に音を伸ばさなければ美しい響きにならないのです。

加えて、コードストロークや単音弾きに比べ、リズムキープが難しいという特徴もあることから、簡単なようで実は難しい奏法といわれています。

結論からいうと、押弦・ピッキング・リズムキープといった、ギター演奏の基本技術がしっかりと身についていなければアルペジオ奏法はマスターできません。

逆をいえば、アルペジオを習得するだけで、基本的なギター演奏の多くを一度に身につけることが可能となります。

スウィープアルペジオはアルペジオではない?

ハードロックやメタル等の音楽ジャンルで耳にする『速弾き』が好きな方なら、アルペジオというと『スウィープアルペジオ』を思い浮かべるかもしれません。

この奏法はイングヴェイ・マルムスティーンやポール・ギルバートをはじめとする多くの速弾きギタリストに多用され、現在では一般的なギターテクニックのひとつとして認識されるようになりました。

しかし、本来アルペジオとは和音を分解して鳴らす奏法のこと。それぞれの単音を伸ばし、1音ずつ重ねていくものです。

一方、スウィープアルペジオは異なる弦を順番にピッキングするものの、1音ずつ音を切る奏法ですので、厳密にはアルペジオに分類されません。
あくまでも効率的にピッキングするためテクニックですので、混同しないように注意してください。

効果的なアルペジオエクササイズ

ここでは、効果的なアルペジオのエクササイズをご紹介します。アルペジオが上達せずに悩んでいる方や、そもそも練習の方法さえわからないという方の参考になれば幸いです。

スムーズな弦移動の練習

アルペジオにおいて、リズムが乱れてしまう原因はピッキングにあります。なぜなら、1音ごとの弦移動が必要となるため、どうしてもピッキングが乱れがちになるからです。

そこで、まずはスムーズに弦移動ができるようになりましょう。慣れるまではピッキングに集中するために、押弦の必要はありません。メトロノームに合わせてリズムを意識しながら上下の弦移動を繰り返します。

最初はゆっくりとしたテンポからはじめ、慣れてきたら少しずつ速くしていきましょう。同時に裏打ちや3連など、リズムのバリエーションを増やすことで、より効果的なエクササイズとなります。

また、弦移動がスムーズにできるようになったら、弦飛びパターンにも挑戦してみましょう。
毎日10~15分程度でいいので、これらのようなエクササイズを繰り返すだけで、アルペジオのリズムの乱れがほとんどなくなります。

ピッキングに合わせたコードチェンジ

スムーズに弦移動ができるようになったら、それに合わせたコードチェンジのエクササイズに入ります。
前提として、アルペジオはすべての単音のサステインを維持しながら、音を重ねなければなりません。いうなれば、『誤魔化し』が一切効かない奏法だといえます。

加えて、音を伸ばしきってから素早く次のコードに移行する必要がありますので、スムーズなコードチェンジも重要。
これらのポイントを意識しながら押弦のエクササイズをしましょう。コートチェンジに関しては、以下の動画を参考にしてみてください。

最初は押弦しやすい簡単なコードの組み合わせからはじめるのがオススメです。

ピッキングやコードチェンジに意識を集中しすぎると、正しく鳴らせているのかがわかりにくい上、『弾けているつもり』でエクササイズを続けてしまう恐れがあります。
そんな思い込みを解消するためにも、定期的に演奏を録音するようにしましょう。

録音をオススメする理由として、客観的に自身の演奏を聴くことで、最初から鳴っていない音や、甘い押弦のせいで伸ばしきれていない音を把握することができるからです。
それらの音を意識しながらエクササイズするだけで、自身のアルペジオ奏法における問題点を洗い出すことができます。

最近では、ギターエクササイズに特化したレコーダーなども登場していますが、スマホの録音機能でも十分ですので、ぜひお試しください。

アルペジオの基本を身につけることがギター上達のカギ

基本的なエクササイズを毎日繰り返すことがアルペジオ上達のカギとなります。最初は退屈に感じられるかもしれませんが、アルペジオに用いられる動作は、ほかの奏法にも用いられますので、早い段階で基本を身につけておきましょう。

また、初心者の方はもちろんのこと、技術面に伸び悩んでいる中級者・上級者の方もアルペジオを通じてフォーム・ピッキングをもう一度見直すべきです。

すると、悩みになっていた壁を越えるきっかけをつかめるかもしれません。

アルペジオの名手による演奏を聴いてみよう!

ギター上達のためには、名手と呼ばれる素晴らしいギタリストの演奏を聴くことも必要です。そこで、世界的なアルペジオの名手と呼ばれるギタリストと、その代表的な名演が楽しめる曲をいくつかご紹介します。

ジミー・ペイジ

▲Led Zeppelin – Stairway To Heaven

エリック・クラプトン、ジェフ・ベックとともに、元祖3大ロックギタリストとして活躍したレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジ。

エレキギターでのアルペジオといえば、多くの方が彼の奏でる「Stairway to heaven」を思い浮かべることでしょう。

ロックにおけるアルペジオの代表例として、教則本などの課題曲にも採用されています。ギター初心者向けのアルペジオ入門に最適です。

エリック・クラプトン

▲Tears In Heaven-エリック・クラプトン

いわずと知れた『ギターの神様』こと、エリック・クラプトンです。エレキ・アコースティックを問わず、多くの曲で美しいアルペジオを聴かせてくれます。

特に近年のアコースティックギターでのアルペジオは基本に忠実で、ストロークや単音リードとの組み合わせなどを含めて、エクササイズのお手本になるでしょう。

90年代以降の彼の代表曲である「Tears in heaven」では、様々なバリエーションのアルペジオを聴くことができますので参考にしてみてください。

ジョン・フルシアンテ

▲Red Hot Chili Peppers – Snow (Hey Oh)

現代の3大ギタリストの一人に数えられるジョン・フルシアンテ。ファンキーなカッティングやエモーショナルなリードギターのイメージが定着している彼ですが、実はアルペジオの名手として知られています。

特に注目したいのが、エレキギターでのスピーディーなアルペジオです。レッド・ホット・チリ・ペッパーズ在籍時の『Snow(Hey Oh)』では、イントロから疾走感溢れるアルペジオを聴くことができます。

リッチー・サンボラ

▲Bon Jovi – These Days

80~90年代を代表するロックバンドのひとつ、ボンジョヴィ。そんな同バンドを長年にわたって支え続けたギタリストがリッチー・サンボラです。

ストロークとアルペジオを組み合わせたバッキングギターは、現代ロックのギタリストたちのお手本となっています。

オススメの一曲は、1998年リリースのアルバム『These Days』のタイトルチューン。全編にわたってアルペジオ主体のバッキングを楽しむことができます。

イノラン

▲LUNA SEA – gravity

日本のギタリストもチェックしておきましょう。国内を代表するアルペジオの名手といえば、90年代から日本のロックシーンを牽引してきたLUNA SEAのイノランです。

多くの曲でアルペジオを主体としたバッキングギターを聴かせてくれます。

オススメは、ほぼアルペジオのみでバッキングが構成されている「gravity」という名曲。ディレイやリバーブなどの空間系エフェクターを駆使したサウンドメイクにも注目です。

TK

▲凛として時雨-JPOP Xfile

現代の邦楽ロックシーンにおいて、唯一無二の存在感を放つギタリストがTKです。
3ピースロックバンドである凛として時雨のフロントマンですが、歌いながら弾いているとは思えない超絶テクニックを持つボーカルギターとして有名です。

初期の頃から高速アルペジオを多用した楽曲をリリースしており、硬質でエッジの効いたテレキャスターのサウンドが彼の持ち味となっています。

単にアルペジオを奏でるだけではなく、ディレイ等のエフェクトと組み合わせることで、広大かつ幻想的なサウンドに仕上げているのもポイントです。

まとめ

ギターはシンプルでありながら、とても高い表現力を持つ楽器です。そんなギターによる表現の幅を広げるためにも、アルペジオ奏法は習得しておくべきでしょう。

今回ご紹介したエクササイズを実践したり、多くの名曲を聴くことによって、より深くアルペジオについて知り、習得することができるはず。自身のギター表現を磨くためにも、改めてアルペジオの基本を見直してみてください。

また、こちらの記事では都内にあるおすすめのギター教室を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター

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