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アイバニーズ・エレキギターの魅力を徹底解剖|その歴史や特徴は?

アイバニーズ・エレキギターの魅力を徹底解剖|その歴史や特徴は?

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日本が世界に誇れるものとして、日本食や自動車を挙げる人は多いかもしれませんが、実はエレキギターも日本が世界に誇れるものの一つなのです。日本製エレキギターは、世界的のギタリストから高い支持を集めています。

そんな日本のエレキギター界を牽引し続けてきたブランドのひとつに「Ibanez」があります。近年では日本国内のみならず、海外でも注目されているブランドです。

今回はそんなIbanez・エレキギターの特徴や魅力について詳しくご紹介しましょう!

Ibanezのエレキギターの魅力とは?

今は日本を代表するエレキギターブランドとなったIbanez。しかし、案外その歴史については知られていません。

まずはIbanezが辿ってきたこれまでの歴史や、そのギターの特徴についてお話します。

Ibanezの歴史

Ibanezというブランド名は、日本人の感覚だとあまり語呂がいいとは感じません。

それもそのはず、もともとはスペインのギター製作家である「サルバドール・イバニェス」氏の商標を、日本の「星野楽器」が買い取ったことに由来するブランド名だからです。

現在の日本語表記は「アイバニーズ」となっていますが、かつてはスペイン語の発音に近い「イバニーズ」と表記されていました。今現在、40代以上の方にとってはイバニーズの方がお馴染みかもしれませんね。

今やオリジナルモデルのラインナップが中心の同ブランド。1970年代以前は、海外ブランドのコピーモデルの廉価版を製造していました。

オリジナルモデル中心のラインナップにシフトしたのは70年代後半です。以降、ARシリーズという新しいエレキギターの製造に乗り出しました。

当時は、まだまだ国産ギターメーカーの多くがコピーモデルを中心に製造していた時代であり、これは勇気ある選択でした。

オリジナリティ溢れるモデルを発表し続け、当時の人気バンドだった「オフコース」を広告塔にするといった宣伝戦略も功を奏し、Ibanezはその知名度を高めていきます。

1980年代は、まさにヘヴィメタルブームの真っ只中でした。世界的人気ギタリストである「スティーヴ・ヴァイ」や「ジョー・サトリアーニ」、「ポール・ギルバート」らとエンドース契約を進めていき、世界的な人気を不動のものとしていったのです。

90年代後半から2000年代にかけて、同ブランドは“7弦ギター”の開発に乗り出します。ヘヴィロックやミクスチャーロック系のアーティストから支持を集めることにも成功したのです。

今や日本を代表する世界的ギターブランドとなったIbanez。こうして歴史を振り返ってみると、いかに偉大なギターブランドなのかがよくわかります。

プレイアビリティにとことんこだわった設計

1980年代から現在に至るまで、Ibanezのエレキギターはテクニカルなプレイを好むギタリストに愛用されています。

その最大の理由は、圧倒的なプレイアビリティの高さにあります。

多くのブランドは“アイデンティティ”となるモデルがいくつかあり、それをベースにしてラインナップを広げていくものです。

しかし、Ibanezはあえて、ブランドらしいモデルを固定しません。その代わり、各ジャンルにおいてプレイアビリティを発揮できるモデルを自由に設計し続けてきたのです。

それにはハードウエアの設計も含まれます。ボディシェイプだけでなく、ブリッジやピックアップなども自社で設計しているのです。大企業ならではのアドバンテージを活かし、他メーカーでは真似できないギターを生み出し続けています。

そんなIbanezですが、多くのモデルに共通する特徴がいくつかあります。そのひとつが極薄のネックです。

ウィザード(魔法使い)ネックと名付けられたこのシェイプは、単に薄いだけではありません。しっかりとホールドできるため、テクニカルなプレイをサポートします。

また、指板をフラットに設定することで、複雑なリードプレイを容易にしているのもポイントになっています。テクニカル系ギタリストの間では、一度ウィザードネックを手にすると「ほかのギターを弾けなくなる」と語られたほどです。

繰り返しとなりますが、Ibanezのエレキギターは、とにかくプレイアビリティにこわだって設計されています。世界中のテクニカル系ギタリストたちを魅了する、数少ないギターブランドの一つです。

7弦ギターのパイオニア

90年代後半に入ると、ヘヴィロックブームが瞬く間に加熱しました。それに伴い、エレキギターにも強い「低音」が求められるようになったのです。

そんな時代にマッチしたのがIbanezの7弦ギターでした。Ibanezは他メーカーに先駆け、いち早く7弦ギターの開発に着手します。

このジャンルにおいても「スティーヴ・ヴァイ」や、ヘヴィロックシーンの最先端にいた「コーン」、そして「リンプ・ビズキット」とコラボレーションし、その存在感を世界に向けてアピールしました。

まさしく、Ibanezは“7弦ギターのパイオニア”といえるでしょう。

7弦ギターといっても、単に弦を増やせばいいというわけではありません。安定したチューニングを維持するブリッジや、これまでのギターにはない低音を拾うピックアップが必要となります。

加えて、弦の強い張力に耐えながら弦振動を伝えられるネック・ボディの開発も求められました。

早い段階から7弦ギターの開発に着手したIbanezは、これらの課題を全てクリアしました。現在では8~9弦ギターまで製造しています。

このジャンルにおいては、他メーカーに大きな差をつけているといえるでしょう。おそらく、今後も“多弦ギターといえばIbanez”という時代が続くはずです。

コストパフォーマンスの高さも魅力

Ibanezは、幅広い価格帯のモデルをラインナップしているギターブランドです。数十万円クラスのハイエンドモデルから1万円前後のエントリーモデルまで、誰でも手に入れられるギターブランドとなっています。

特に注目したいのが5~10万円前後のミドルクラスのモデルです。Ibanezはこの価格帯のモデルのコストパフォーマンスがとても高いことで知られています。

ハードウエアなどは、基本的にハイエンドモデルと同じものを搭載しています。ネック・ボディの加工は海外工場で行われていますが、もともとの設計・管理がしっかりしているので安心です。

品質のブレが少なく、プレイアビリティやサウンドクオリティは高い水準を誇ります。

初心者の方はもちろんのこと、中〜上級者の方でも満足できるモデルが充実しています。腰を据えてエレキギターを始めたい方は、5万円台のモデルからチェックすることをおすすめします。

最上級ライン「Jカスタム」の圧倒的存在感

現在、Ibanezのフラッグシップにあたるラインが「Jカスタムシリーズ」です。ハードウエアはもちろんのこと、木材などに最上級のマテリアルを採用しています。

機能性やサウンドだけでなく、見た目の美しさにもこだわっている同シリーズ。他のギターにはない圧倒的な存在感を放っています。

特に、一部モデルで採用されている指板のインレイは、もはや工芸品レベルといっていいでしょう。稀少な木材による美しい木目も、フラッグシップシリーズならではの魅力です。

国産エレキギターの最高峰に位置するシリーズですので、当然ながら価格は高価でし。ギタリストなら誰もが手にしたいと感じる、至極の1本になっています。

メタル以外のジャンルでも愛されているIbanez

Ibanezのエレキギターときいて、メタルやヘヴィロックなどの音楽ジャンルをイメージする方は多いでしょう。しかし、実際にはジャズ系のギターブランドとしても高い評価を受けているのです。

その技術力の高さは、フルアコースティックやセミアコースティックなどの「箱モノ」にも活かされています。実際、ジャズ・フュージョンの世界で活躍する名ギタリスト、「パット・メセニー」などもIbanezの1本を愛用し続けているのです。

2000年代以降は、トラディッショナルなスタイルのギターにも力を入れており、徐々に人気が高まっています。

“Ibanezといえばメタル”、というイメージを取り払ってみると、エレキギター選びの選択肢が広がるはずです。

Ibanezのエレキギターによる名演

最後に、有名ギタリストとIbanez・エレキギターによる名演をいくつかチェックしていきましょう。

JEM×スティーヴ・ヴァイ

Ibanezユーザーのギタリストとして、やはり「スティーヴ・ヴァイ」は外せません。“離れ業”ともいえる超絶プレイを実現する1本が、Ibanez製のシグネイチャーモデルである「JEM」。

後に、Ibanezの定番モデルとなる「RGシリーズ」のベースモデルとなります。

動画をご覧いただくと、JEMに秘められたポテンシャルの高さが伺えるでしょう。そのDNAを引き継いだRGシリーズが定番になるのも頷けます。

PGM×ポール・ギルバート

日本でも高い人気を誇るアメリカのハードロックバンド、「MR.BIG」。そのギタリストである「ポール・ギルバート」も、長年にわたってIbanezを愛用し続けてきました。

動画内で彼が手に持つ「PGM」は、キャリアのほとんどを共にしてきたシグネイチャーモデルです。RGシリーズをベースとしており、ボディに施されたFホールを模したペイントが印象的な1本となります。

日本が世界に誇るギターブランドIbanez

比較的身近なブランドでありながら、世界中のギタリストたちから愛されるギターを作り続けているIbanez。

これまでも、そしてこれからも、世界中のギターシーンを牽引し続けることでしょう。Ibanezのほかにも、国産エレキギターには多数のブランド・モデルが存在します。

海外ブランドは確かに魅力的です。でも、国産ギターも同時にチェックしていくと、“メイドインジャパン”の素晴らしさに気づくはずです。

また、こちらの記事ではギターの選び方について解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

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ポメラニアン高橋 /
ビギナーズ編集部 ライター

ラーメンとロックをこよなく愛する洋犬ライター

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