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天体望遠鏡のおすすめ7選[タイプ別]|種類や選び方も紹介
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天体観測に必要な天体望遠鏡。現在では、手軽な価格で操作もわかりやすいものが、数多く出ています。
天体望遠鏡を選ぶときのポイントや、基礎的なことなどをチェックしておきましょう。
また小学生でも一人で組み立て、観測までできるものなどのタイプやメーカーも存在します。天体望遠鏡のおすすめのメーカーと合わせて、初心者向けのモデルもいくつか紹介していきます。
天体望遠鏡の種類
天体望遠鏡は、鏡筒(キョウトウ)・架台・三脚の3つのパーツからなっています。メインパーツでもある鏡筒には3タイプあり、それぞれの特徴を知っておくことは天体望遠鏡を選ぶ際に重要です。
屈折式 | 反射式 | カタディオプトリック式 | |
---|---|---|---|
特徴 | 対物レンズで光を集めて屈折することで像を作る | 反射鏡で光を集めて内部の斜鏡に反転させて接眼レンズで拡大する | 屈折式と反射式のメリットを組み合わせたもの |
メリット |
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デメリット |
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※色収差…レンズで像を映す際に色ずれが生じてしまうこと(凸レンズでは色収差が起こりやすいといわれています)。
鏡筒のタイプは、天体望遠鏡のタイプでもあります。購入する際には、それぞれの特徴と用途にあわせて選ぶことが必要です。
簡単に使える屈折式
屈折式は細長い形状をしており、鏡筒の前についている対物レンズに光を集めて屈折させることで見られるようになっています。
接眼レンズが天体と同じ向きになっているため、見たい方向に動かしながら使えます。操作がとても簡単なのので、特に初めての天体望遠鏡としておすすめのタイプです。
光軸の調整や保管時の手入れも不要です。
ただし、レンズを複数枚使用するので他のタイプより重く、価格も比較的高価なものが多いという面もあります。
本格的な反射式
反射式は、反射鏡(大きな鏡)を利用して観測できるようになっているタイプです。
高倍率で利用可能なため、暗い星でも観測できます。ただし、接眼レンズが本体の横に垂直方向に付いているので、操作に慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。
また、反射鏡の先端が開いているため、温度差で気流が発生し視界が揺らいでしまうことがあります。
操作性の面とメンテナンスが必要なことから、天体望遠鏡の扱いに慣れた中級者以上の人におすすといえます。
2つの性質をあわせ持つカタディオプトリック式
カタディオオプトリック式は、屈折式と反射式それぞれのよいところをあわせ持つタイプです。
鏡筒がとてもコンパクトで持ち運びしやすい特徴があります。価格も手頃なものが多いです。
ただし、調整が難しいため中級者から上級者向けの望遠鏡になります。温度の変化や衝撃に弱いので扱いにも注意が必要です。
天体望遠鏡の選び方
天体望遠鏡を選ぶポイントは次のとおりです
- レンズの大きさ(口径の大きさ)で決める
- 天体望遠鏡の性能を表す集光力・限界等級(極限等級)を確認
- 鏡筒を支える架台(マウント)は2種類タイプから(経緯台・赤道儀)
このほかにも、持ち運びのしやすい軽量なもの、何を観測したいのかによって、自分に合ったものを選びましょう。
大きいレンズや鏡を選ぶ
天体望遠鏡を選ぶ場合に、対物レンズ(鏡筒の1番前についているレンズ)の口径や、反射主鏡の直径が大きいものを選ぶことをおすすめします。対物レンズの口径や、反射主鏡の直径が大きいと、多くの光を集めて、よりはっきりと天体を見ることができます。
口径のサイズは、対物レンズは60mm、鏡は100mm以上のものがベストといわれています。
天体望遠鏡には、最も観測に適した倍率というのがあります(適正倍率)。
接眼レンズを交換することで後から倍率の変更はできるので、天体望遠鏡を選ぶときには口径のサイズを基 準にしましょう。
極限等級(限界等級)と集光力が大きいものを選ぶ
レンズの口径やレンズ以外に、天体望遠鏡の性能を表すものがあります。
名称 | 説明 | 表示 |
---|---|---|
集光力 | 天体が持つ光を集める力の大きさ | 大きい数字ほど明るい |
極限等級(限界等級) | どれだけ暗い天体が見えるのかを示す | 大きい数字ほど暗い星 |
これらの性能はどちらも口径に比例しています。
選ぶ際には、スペック表などを参考にしてみましょう。
スムーズに動かせる架台を選ぶ
架台は、天体望遠鏡では、鏡筒と三脚を固定する部分(マウントともいいます)であり、人間の体でたとえるなら首の部分です。
時間ごとに移動をする天体を観測していくには、架台を動かすことが必要です。
- しっかり固定ができてガタガタしないこと
- スムーズに動くこと
この2つをしっかり確認することがポイントです。
架台のタイプは大きく2種類に分かれています。
名称 | 内容 | メリット | その他 |
---|---|---|---|
経緯台 |
上下・左右に動くタイプ 構造がシンプル 小学生や大人の初心者向き |
軽量で操作がしやすい 手頃な価格 |
長時間、1つの星の経過を追い続けるのは不向き 長時間露光での撮影には向かない |
赤道儀 |
地球の自転の動きに沿って動くタイプ 事前に極軸のセッティングが必要 中級から上級者向き |
1つの天体を長時間観測したい人向き 本格的な観測をしてみたい人向き |
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- 微動装置がついているタイプ…鏡筒を動かすための機能がついています。
- 自動導入…初めにいくつかの天体(星など)を設定しておくことで、観たい天体を自動で探してくれます。
- 自動追尾…観察中の天体を日周運動に合わせて自動で追いかけることができます。
- これらの機能がついたものは、価格が上がります。
撮影したい人はカメラと接続できるものを選ぶ
映像を記録したいという方には、スマホやカメラを固定できるモデルがおすすめ。 接続用のアダプターが必要で、本格的な撮影を楽しみたい方は以下2種類を揃えておくとよいでしょう。- Tリング
- 拡大アダプター
使用しているカメラによっては接続できない場合もあるため、カメラの方も必ず確認しておきましょう。
天体望遠鏡のおすすめメーカー
天体望遠鏡のメーカーは多数ありますが、今回は日本での国内シェアの高いビクセン、初心者向けを数多く展開しているミザールテック、世界最大級の光学製品を扱っているミードをご紹介していきます。
商品構成が豊富なビクセン
1954年に設立された、日本の総合光学機器メーカーです。天体望遠鏡が中心のため、天体望遠鏡の分野では、日本国内で約60%を占める高いシェアとなっています。
特にポルタⅡ経緯台は有名です。
ビクセンの天体望遠鏡は、エントリーモデルから、最先端のモデルまで幅広く展開しています。
ビクセンの架台は、アリミゾ式を採用しているので、鏡筒の載せ替え自由自在(基準範囲有り)です。
初心者向けのミザールテック
1952年に金属材料卸売業として創業しました。その後リーズナブルな価格で誰でも楽しむことのできる望遠鏡の開発に力を入れていき、赤道儀式の架台販売からスタートします。
ミザールテックはエントリークラスのモデルを中心に多数展開しており、ロングセラーモデルも多く、子どもでも扱いやすい、カラフルで優しい価格設定のものも多くあるので、HPやカタログを見るだけでも価値はあります。
ちなみにミザールテックの社名の由来は、おおぐま座の北斗七星を構成する星「ミザール」から来ています。
光学製品世界最大級のミード
ミードは1972年アメリカで設立された、光学製品世界では最大級のメーカです。現在もアメリカロサンゼルス州に本社があります。ミードは研究・開発・製造を自社内にて一貫して行っています。
ミードは、エントリーモデルから天文台用の大口径の望遠鏡まで、幅広く取り扱っているメーカーです。
またミードは、赤道儀の自動導入やコンピューター制御架台を製品化したりと、技術力の高さも特長の1つです。
日本では2014年以降、光学メーカーの「ケンコー・トキナー」が代理店として、販売・修理や保証まで取り扱っています。
こちらの記事では、天体望遠鏡格安レンタル会社を比較してご紹介しています。メーカーによっても異なる天体望遠鏡。購入前に使用感を確かめたり、一時使用におすすめです。
小さい子供におすすめの天体望遠鏡
軽量で持ち運びに便利なタイプのモデルです。
品名 | SKY WALKER SW-0 | Aries AR-50 | リゲル60 |
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メーカー | Kenko | MIZAR-TEC | 池田レンズ工業 |
特徴 |
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Kenko 天体望遠鏡 SKY WALKER SW-0
口径50mmの屈折式天体望遠鏡で、月や明るい星の観測に適しています。正立プリズムが付属されているので地上でも景色を楽しめます。
重さが900gと小型かつ軽量タイプなため、持ち運びに最適です。
またワンタッチタイプの三脚なので小学生ひとりでも簡単に組み立てられ、三脚は3段ずつ伸ばすことが可能なので成長に合わせて長く楽しめます。
価格も手頃でエントリーモデルとして子供におすすめです。
MIZAR-TEC 天体望遠鏡 Aries AR-50
三脚も含めて高さ約40cmのコンパクトな天体望遠鏡です。
コンパクトながら、付属の3倍バローレンズ使用で倍率を135倍まで上げられる性能を持ちます。地上観察用アダプターを取り付けて、フィールドスコープとしても楽しめます。
三脚は軽くて丈夫なアルミ製なので持ち運びにも最適です。鮮やかなピンクとブルーの2色あるのも、子ども用としては嬉しいポイントです。
池田レンズ工業 リゲル60
大正12年創業の老舗のレンズメーカー池田レンズ工業が作成した、入門用天体望遠鏡です。
小学生が1人で扱えることを基本に設計されています。
上下水平全集微動装置付きのため、ブレやすい天体も高倍率で観測できます。さらに微動ハンドルもついているので細かい天体の動きも観測可能です。
三脚の長さは100cm、オリジナルの星空ハンドブックが付属しています。
大正12年創業の老舗のレンズメーカー、池田レンズ工業が作成した、入門用天体望遠鏡です。
初心者におすすめの天体望遠鏡
天体望遠鏡初心者には、組み立てが簡単なところで屈折式をいくつか見ていきましょう。
品名 | AZM-90 | MT-70R | アトラス60 |
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メーカー | MEADE |
MIZAR-TEC |
スコープテック |
特徴 |
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MEADE AZM-90 屈折式天体望遠鏡
世界最大メーカーからラインナップされている、エントリーモデルの天体望遠鏡です。
付属品の中に3つの接眼レンズと2倍バーローレンズがあるので、星雲や惑星などの観測も楽しめます。また、微動ハンドルが搭載されているので、細かい調整も簡単です。
ワンタッチ式のスチール製三脚を使用しており、組み立ても非常に簡単です。
MIZAR-TEC 天体望遠鏡 MT-70R
大人向けのエントリーモデルです。重さ4kgと天体望遠鏡としては軽量なので、持ち運びにも便利です。
鏡筒の可動域は水平に360度、上下に170度までスムーズに動作が可能となったおり、K型微動マウント(小型経緯台)も搭載されています。
アイピースをアメリカサイズにリニューアルし、その結果他社の接眼レンズも交換可能になりました。慣れてきたらレンズを替えることで、さらに深く天体観測を楽しめます。
スコープテック アトラス60 天体望遠鏡セット
安心の日本製(対物レンズの研磨・組み込み・三脚や架台の組み立て)の天体望遠鏡です。
小学生が大人になっても使い続けることを考えて作成されており、大人はもちろん、子供にもおすすめしたいモデルといえます。伸縮式の三脚は、子どもの成長に合わせて調整できるのも長く使えるポイントです。
最高倍率133倍での観測が可能です。また、架台に微動装置が搭載されているので、快適に観測できます。
カメラをお持ちの方は、ぜひ星空撮影に挑戦してみてください。こちらの記事では、綺麗な星空撮影できるマニュアル設定の方法やコツを解説しています。
▼古い天体望遠鏡の処分を考えている方は専門店への売却がおすすめです。こちらの記事ではおすすめの天体望遠鏡買取サービスや買取相場をご紹介しています。
自分に合う天体望遠鏡を選ぼう
以前よりも、天体望遠鏡は手の届かないものではなくなりました。価格がリーズナブルなものも多く、天体望遠鏡購入初心者でも、多くのメーカーから選ぶことができるようになりました。その分、選ぶポイントをしっかり押さえておくようにする必要があります。
天体望遠鏡の3つのタイプは以下のとおりです。
- 屈折式
- 反射式
- カタディオプトリック式
それぞれの特徴を把握しておく必要があります。またレンズや鏡がある鏡筒を基準に選ぶのか、価格や重さなどを基準に選ぶのか、その部分がブレてしまうと、満足のいくものが手に入らなくなります。
自分のレベルに合った天体望遠鏡に出会って、満天の星や、肉眼では決して見えない天体を楽しめることができるよう、しっかりチェックしておきましょう。
こちらの記事では、深夜にレンタカーを利用するメリットや深夜対応の営業所をご紹介しています。
ビギナーズ 編集部 /
ビギナーズ編集部 ライター
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