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【初心者向け】これで音程がずれない!トロンボーンのチューニング方法

【初心者向け】これで音程がずれない!トロンボーンのチューニング方法

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トロンボーンを吹いていると、いろんな音符が出てきますよね。でもその時に、「なんだか音程が悪い」と指摘されたことはありませんでしょうか。このような場合、「チューニング」があっていない可能性があります。

実際に、演奏する前にはチューニングで音程を合わせる必要があります。

とはいえ、トロンボーンのチューニングはどうやってやるのか?合わせやすいのにはポイントがあるのか?など知りたいですよね。ということで今回は、トロンボーンのチューニング方法について徹底解説します。

そもそもチューニングとは

まずは、そもそもチューニングとは何かについてお伝えしましょう。

オーケストラの演奏の始めに、オーボエが「A」の音を出し始めて他の人もその音に合わせる、という光景を見たことがありますよね。それがチューニングです。

チューニングとは、楽器を調整して正しい音程に合わせること。もともとはラジオやテレビに使う言葉で、周波数を合わせるという意味でした。

音程と呼ばれるものには、ヘルツと呼ばれる周波数があります。楽器の音程は「音波」と呼ばれるように波の形で表され、波の間隔が狭いと高い、感覚が広いと低くなります。この周波数をコントロールすることで、楽器の音程を出しているのです。

また、中にはチューナーを使ったことがある人もいるかもしれません。このチューナーは基準となる周波数に対して、どの音を吹いているののか、今低いか高いかを示してくれます。

ちなみに多くのオーケストラの調律は、440ヘルツで行うことが多いです。これは今まで地域によってバラバラだった基準が、1939年の国際会議によって決められたのだとか。

ただし、NHK交響楽団では442ヘルツでチューニングを行っているように、実際にどのヘルツで合わせるかは演奏する楽団・バンド次第です。そのため、チューニングをするときは「何ヘルツか」を確認しましょう。

トロンボーンはチューニングが重要な理由

トロンボーンはチューニングをしっかり行うことが重要です。しかし、それは一体なぜなのでしょうか。ここで、トロンボーンのチューニングがなぜ重要なのか、について解説しましょう。

トロンボーンはハーモニーを吹く場面が多いから

オーケストラ、吹奏楽、ジャズなどのトロンボーンの楽譜を見たことがある方は、「あまり細かい音符がない」「伸ばしている音ばかり」と感じたことはないでしょうか。

トロンボーンは他の楽器と違い、ボタンではないので素早い動きができません。そのため、あまり細かい音符が出てこないのです。

また、トロンボーンは人の声に最も近い楽器だとも言われているのだとか。そのような理由から、トロンボーンではハーモニーを割り当てられる場合が多いです。

このハーモニーを吹くときは、一人だけでなく複数人で吹きます。そうなると誰かの音程が悪いと、うまくハーモニーが響きません。つまり、トロンボーンで音程をしっかりとる必要があります。

ぜひ、音程はチューニングの時だけでなく、楽譜上で伸ばしている音にも気を配りましょう。

チューニング管だけでなくスライドでも音程をとる必要があるから

トロンボーンを吹いていると、「音のポジションにしているけど、なんだか音程が合わない」という場面はありますよね。実はトロンボーンは、単純にチューニングだけでは他の音の音程が取れるわけではないのです。

特にトロンボーンは、他の楽器とは違いスライドで音を変えます。そうなると、他の楽器のようにそのポジションで吹けば音が出るとは限りません。

例えばチューニングはB♭の1ポジションで行いますが、それを合わせた状態でFを吹いても全く同じ1ポジションにはならないのです。多くの人は、Fの1ポジションはB♭の1ポジションよりも少しスライドを抜いているでしょう。

つまり、トロンボーンは正しいスライドのポジションで音をとるだけでなく、音に合わせてスライドの位置を調節する必要があります。これが、トロンボーンの難しいところとも言えるかしれません。

そのため、「音程が気になる」と感じた場合は一度チューナーを見て「音程が高くなりやすい(低くなりやすい)」のかどうかを確かめましょう。

音程があっていないと、正しく聞こえないから

例えば「Fの音を出しているつもりだけど、Fに聞こえない」という場合、たまにありますよね。先ほどの理由と少し重なりますが、トロンボーンは決まっているポジションに合わせれば正確な音程の音が出るわけではありません。

これはとても基本的な点ですが、音程があっていないと音が正しく聞こえないのです。そうなると、曲を吹いているときに周りから悪目立ちしてしまうことも。これでは、周りとの合奏で困ってしまうかもしれません。

なので、音程は普段から気をつけるようにすることがおすすめです。

トロンボーンのチューニング方法

ここまでで、トロンボーンのチューニングが重要な理由を解説しました。では、トロンボーンのチューニングはどのように行えば良いのでしょうか。

次ではトロンボーンのチューニング方法について解説します。

まずは基本のチューニング管

最初に、メインのチューニング管を使ったチューニングを行いましょう。チューニング管の抜き差しがしづらい場合は、事前にスライドグリスを塗っておくことをおすすめします。

音はチューニングB♭で、B♭音階の上のB♭の音で合わせます。チューナーを用意し、指定の音程(何ヘルツか)に合わせて音を出してみてください。

すると、チューナーの針が左にあったり、「♭」を示す、もしくは針が右にあり「#」の表示が出ますよね。針が左にある場合や♭が出た場合は、音程が基準に比べて低いことを示しています。

反対に、針が右にあったり#と出たりする場合は、音程が基準に比べて高いです。そのため、音程が低い場合はチューニング管を入れましょう。

音程が高い場合は、チューニング管を抜きます。このようにして調整し、チューナーの針が真ん中になったらチューニング完了です。

テナーバス・バストロンボーン用・F管のチューニング方法

テナーバストロンボーンやバストロンボーンは、テナートロンボーンでチューニングするB♭管とは別に、ロータリーがついていますよね。このロータリーのチューニングを行う必要があります。

ロータリーは、テナーバスの場合は押すと6ポジションの代わりになります。バストロンボーンは2つついていて、2つ合わせて押すことでテナートロンボーンよりも低い音域の音が出せます。

ちなみに、ロータリーがついている管のことを、テナーバストロンボーンの場合はF管、バストロンボーンの場合はF管とD♭管と呼ぶとのこと。

チューニングのやり方は、基本的には先ほどのチューニング管での方法と同じ。F管のチューニングは、ロータリーを押した状態のFの音でチューニングをします。

また、調整するチューニング管はF管の方になるので、メインのB♭のチューニング管は触らないようにしましょう。調整の方法も同じく、高ければ抜く、低ければ入れます。

D♭管の場合も、2つのロータリーを押した状態でD♭でチューニングをします。

テナーバストロンボーンやバストロンボーンはチューニングをする場所が多く大変に感じるかもしれません。

ですが、特に低音を吹く時はこのチューニングが重要になります。そのため、しっかりロータリーのチューニングも行うことが大切です。

その他、スライドのチューニング方法

上記のチューニングを行っても、各ポジションで音程が気になる音もありますよね。その場合は、気になる音をチューナーでチェックしましょう。

この場合は、チューニング管を使わずスライドで調整します。高い場合は抜く、低い場合はスライドを入れましょう。

特にテナートロンボーンを吹く人の場合、7ポジションは手が届かなくて音程が高くなりがちです。その場合は、スライドの持ち手にひもをつけて対策をとりましょう。

トロンボーンのチューニングにおいて、知っておきたいポイント

では最後に、トロンボーンのチューニングがスムーズになるためのポイントをいくつかお伝えします。

気温によって音程が変わりやすい

吹奏楽、ジャズなどの場合だと屋外で演奏することがありますよね。また、オーケストラのように室内で演奏する場合でも、気温によって音程が変わることがあります。

たいがいの場合、夏は音程が高くなりやすく、冬は音程が低くなりやすい傾向にあります。そのため、気温に合わせてチューニング管・スライドの調整をしましょう。

また、冬の場合はチューニング管をすべて入れても音程が低くなる場合も。その場合は楽器に息を入れて温めると、少し音程が高めになります。

チューナーでの模範の音を聴きながらチューニングしよう

チューナーの針だけに頼っていると、自分の耳で音程の良し悪しがわかりません。これでは、チューニングの時にどの音が音程が良いのかの判断もつかなくなってしまいます。

そこで、チューナーが出すお手本の音を聴きながら、または聴いてからチューニングしましょう。これによって、正しい音程の音を自分でイメージしながら吹くことができます。そうすると、チューニングの効率もよくなるでしょう。

また、余裕があれば正しい音程の音を自分の声で出して歌うのも良いトレーニングになります。トロンボーンはスライドでも音程をとるのが難しいので、まずは自分の声で音程を取れるようになりましょう。

まとめ

さて、今回はトロンボーンのチューニング方法について徹底解説しました。トロンボーンはスライドを使うので、他の楽器と比べて音程を合わせるのが難しい部分もあります。

しかしこの記事のように、正しい音程をイメージできるようになれば音程をとるのも難しくありません。ぜひ、トロンボーンのチューニングをスムーズに行えるようにしましょう!

また、こちらの記事では初心者なら知っておきたいトロンボーンの基本を紹介しています。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

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ビギナーズ編集部 ライター

平日はWebライター、休日はトロンボーン吹き(演奏歴18年)をやっています。 音楽と映画、本、旅行、料理、インターネットなど多趣味な日々を楽しみながら過ごしています。

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